武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2013年
02月12日

川崎市重要歴史記念物「安藤家長屋門」一般公開レポート

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2013/2/9エントリでお伝えした通り、2013年3月14日(木)、30日(土)の2回にわたって、「安藤家長屋門 川崎市重要歴史記念物指定記念イベント」が開催されます。本イベントは、中原街道の「安藤家長屋門」が2012年11月27日に川崎市の重要歴史記念物の指定を受けたことを記念し、その歴史を広く市民の皆様にも知っていただくことを目的としたものです。

■中原区ウェブサイト 安藤家長屋門「川崎市重要歴史記念物指定記念イベント」参加者募集
http://www.city.kawasaki.jp/nakahara/page/0000044697.html
※事前申込が必要となります。

本イベントでは安藤家長屋門が一般公開されることになりますが、これに先立ち、2012年12月1日の記念イベントでも第1回の公開が行われていました。

今回のエントリでは、12月1日の一般公開の模様をレポートしたいと思います。

■安藤家長屋門 12月1日の一般公開


12月1日の一般公開では、川崎市教育委員会文化財課の方が長屋門の解説を担当してくださいました。長屋門の入口のところで受付をしていまして、それほど大々的な宣伝をしていたわけではなかったと思いますが、161名の来場者があったそうです。

■安藤家長屋門、正面から


こちらは過去のエントリでもご紹介したアングルで、安藤家長屋門を正面から撮影したものです。
長いアプローチの奥に、立派な長屋門が建っています。

■安藤家長屋門、内側から
安藤家長屋門、内側から

続いてこちらは、長屋門をくぐって、内側から見たところです。
長屋門は木造平屋で、門の両側に部屋が設けられているのに加えて、中央の屋根の部分が中2階になっています。「寄棟(よせむね)造」に「桟瓦葺(さんがわらぶき)」で建てられ、建築時期は幕末頃とされています。

■安藤家長屋門 東室
安藤家長屋門 東室

一般公開では、長屋門の両側の2室をそれぞれ内部まで見せていただきました。「東室」は土間で、納屋として使われていたようです。

■東室から中2階への入口
東室から中2階への入口

東室の天井には、中2階への入口があり、ハシゴが立てかけられていました。

■安藤家長屋門 西室
安藤家長屋門 西室

■西室から中2階への入口
西室から中2階への入口

反対側の西室は、現在は畳張りで、窓も2箇所設置されていました。ただ、建築当初はこちらも開口部のない土間だったものが、その後改築されたとされています。東室に比べて、西室はより上等な倉庫として使われていたそうです。
この西室にも、中2階への入口があり、長屋門の部屋はいずれもつながっていることがわかります。

こうしてみると、「門」といいながらも2部屋+屋根裏の中2階がありますので、ひとつの家といってもいいくらいの建築物ですね。

2009/11/9エントリでも取り上げましたが、安藤家はかつては後北条氏(小田原北条氏)に仕えたといわれる旧家でした。北条氏が1590年に豊臣秀吉に敗れ没落するとともに土着・帰農し、江戸時代には近隣一体の割元名主をつとめていました。
割元名主とは、近隣一体の名主たちと代官との間で法令の伝達や年貢の取りまとめにあたる役割を担っていた名主の代表格で、長屋門は、安藤家が代官から賜ったものとされています。

■太政官による高札
太政官による高札

太政官による高札

太政官による高札

また、長屋門の内側や安藤家の庭には、太政官による「高札」が保存されていました。

詳細は2009/11/9エントリをご参照いただきたいと思いますが、高札とは、古代から明治時代初期にかけて法令を民衆に周知するために、木製の札を人目につきやすい街中に立てたもので、この付近では西明寺の参道入口付近に設置されていました。
その高札が現在では、安藤家長屋門の内側に保存されています。

この長屋門に保存されているのは、慶応4年(明治元年・1868年)に発令された高札であり、明治維新後の新政府が発した「五榜の掲示」という5つの高札のうちのひとつです。

「五傍の掲示」のうち、この高札を含む3つは「定三札」といわれ、期限を定めず掲示し続けるものとされましたが、印刷物などの情報伝達手段の発達により、「五榜の掲示」を最後に、高札による法令の伝達は明治6年(1873年)2月24日をもって廃止されました。
高札の廃止後、周辺の取りまとめ役であった安藤家がこれを引き取り、現在に至るまで保存していたものと思います。

       ※       ※       ※

なお、当日は現在の安藤家当主の方も現地にいらっしゃいまして、来場していた方々にたいへん丁寧にごあいさつをされていたのが印象的でした。

今回のレポートでご紹介したのは、長屋門一般公開で解説されていたものの一部に、高札など以前のエントリでまとめた内容をプラスしたものです。実際には川崎市教育委員会文化財課の方が、まだまだ他にも長屋門の詳細について説明をしてくださっていました。

次回、3月14日(木)のイベントでは、長屋門の公開に加えて周辺の「まち歩き」などもありますので、より多くを知ることができるでしょう。
3月14日(木)のイベント申込は2月15日(金)必着、3月30日(土)の申込は2月25日(月)必着となっていますので、ご関心のある方はお早めにお申し込みくださいね。

【関連リンク】
2009/11/9エントリ 川崎歴史ガイド・中原街道ルート(3):「旧名主家と長屋門」
2012/12/1エントリ 「安藤家長屋門」が川崎市指定文化財に、本日12月1日(日)に一般開放
2013/2/9エントリ 「安藤家長屋門 川崎市重要歴史記念物記念イベント」が2013年3月14日(木)、30日(土)開催

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