東急線の車庫:元住吉検車区
元住吉駅の地上部に、東急線の車庫があります。これは元住吉
検車区と呼ばれ、東急線のほかに直通する東京メトロ、都営地下鉄、
埼玉高速鉄道の車両が留置されています。
■元住吉検車区(尻手黒川道路より)
元住吉検車区は元住吉駅の駅舎直下あたりから尻手黒川道路に
かけて広がっており、東京急行電鉄の社員研修所なども併設される
大規模な施設です。
周囲はフェンスで覆われており、フェンス上部には有刺鉄線も見え
ます。施設の特性上、鉄道テロを目的とした侵入なども考えられます
から、それなりにセキュリティは厳しいのではないかと思います。
■検車区に並ぶ東急線の車両
尻手黒川道路側のフェンスから中を見ると、検車区内に並ぶ車両の
先頭部(最後部)を見ることができます。車両が作られた時期によって
いろいろなバリエーションがあるのがわかります。
■元住吉検車区の西側から
元住吉検車区の西側に回ると、一番手前にある車両の側面が見えま
す。このときは、車両のドアが開いていて、東急電鉄の方が何か
作業をしていました。
これは、東急目黒線の車両でしょうか。
■シティハウス武蔵小杉のモデルルーム
この撮影をしたのは1年半ほど前でして、当時は元住吉検車区に
隣接して、武蔵小杉再開発地区のシティハウス武蔵小杉のモデル
ルームが設置されていました。
現地からは結構距離がありますが、モデルルームというのは必ずし
もマンション建設地の近くに作られてるわけではないのですね。
さて、検車区の話に戻りますと、車庫があると始発・終着がある、という
のが地域のメリットとされています。
東急線武蔵小杉駅-日吉間が高架化される以前は、この元住吉検車
区があることによって元住吉始発が設定され、「急行電車の始発」
が急行通過駅である元住吉駅から出るという例外的なダイヤも組ま
れていました。
現在はそれがなくなっておりまして、どういうことかと申しますと、
従来は下記のような構造で元住吉駅始発が設定されていました。
■東急線高架化前の構造
元住吉検車区から電車を出そうとすると、必ず元住吉駅ホームを
経由することになり、それが急行電車の場合は「元住吉始発の急行」
ということになっていたわけです。
これが、この区間の高架化によって、元住吉検車区から元住吉駅の
ホームに入線することができない構造になりました。
■東急線高架化後の構造
これは、元住吉が元住吉検車区の上部に移設されることによって高
架化されたものです。電車は真上には移動できないという物理的な
制約によって元住吉始発は基本的になくなり、武蔵小杉始発または
日吉始発に切り替えられました。
(従来から存在した東横線最終電車・元住吉行きがなくなると終電
短縮になってしまうため、例外的に元住吉行き終電、翌日の始発
電車だけは残されています。終電であれば車庫に入れずにそのまま
ホームに置きっぱなしにして翌日の始発にすることもできますし、
時間をかけて車庫に入れることもできますね)
この高架化は2006年9月24日に行われ、元住吉駅は新駅舎になりま
した。駅舎が3階、ホームが2階と「登って降りる」構造であること
から、始発消滅の件も含め「果たして便利になったといえるのか」と
いう声も地元では聞かれました。
当時標榜されていたメリットとしては、ブレーメン通り商店街とオズ
通り商店街の間の東急線の踏み切りの遮断時間が短くなるという
ことがあり、地元の商業的にはプラスになると言われていました。
また、新駅舎ではエレベーターが設置され、ホームまでのバリアフ
リーアクセスが確保されています。
商業的なメリットについては、その後何らかの効果測定があったの
かどうかはわかりません。以前より東西が行き来しやすくなったのは
確かだと思いますが・・・。
■元住吉駅の新駅舎ホーム
なお、元住吉検車区では、2007/9/28エントリで取り上げたJR南武
線の中原電車区のように、元住吉検車区を地域に開放した地域
イベントも開催されることがあるようです。
普段あまり関わることのない場所ですが、東急線からよく見えますし、
大規模で存在感のある施設ということで、ご紹介してみました。
■元住吉検車区 マップ
【関連リンク】
2007/5/27エントリ 電車好きの休日
2007/9/28エントリ 南武線の車庫・中原電車区
2007/12/10エントリ 元住吉駅のイルミネーション
2009/2/8エントリ 中原電車区の早咲き八重桜