東京機械製作所が新丸子東3丁目地区の社宅跡地にオフィスビルを計画
2011年5月13日、東京機械製作所が2011年3月期の決算発表を
行いました。大変厳しい経営状況が続いていますが、今後の収益源の
ひとつとして所有する不動産の有効活用を行うものとしています。
今回、玉川製造所跡地における開発に加えて、武蔵小杉駅隣接の
「新丸子社宅」跡地(新丸子東3丁目地区A地区)にオフィスビルを
建設する計画であることが開示されました。
■東京機械製作所の「新丸子社宅」
■東京機械製作所 2011年3月期 決算短信
http://www.tks-net.co.jp/ir/kextusan110513.pdf
(決算短信7ページ目にオフィスビル計画を記載)
東京機械製作所の2011年3月期決算は約76億円の経常損失で
したが、玉川製造所第二工場を160億円で売却したことにより補填し、
約32億円の当期純利益としました。
本業は海外展開などに注力するものの、ここ数年は大変厳しい状況
が続いており、それを三田の本社ビル、ブリリア武蔵小杉の用地、
玉川製造所第二工場などの固定資産売却により穴埋めしていく構図が
鮮明になってきていたところです。
ここのところは上記のように不動産の売却が続いてきましたが、
今回の決算短信では、以下のように書かれています。
3.経営方針
(2)中長期的な会社の経営戦略
4.所有不動産の有効活用
玉川製造所跡地およびその周辺に所有する不動産を有効活用し、
不動産賃貸関連の売上比率を高めて、収益構造の変革を進めます。
今後、第一工場跡地については、大型複合商業施設の建設を計画、
東急東横線・JR南武線「武蔵小杉駅」に隣接する新丸子社宅跡地に
ついては、オフィスビルの建設を計画しております。
所有不動産の有効活用によって不動産賃貸関連の売上比率を高
めるということは、不動産を売却するのではなく、保有したまま賃貸
収入による売り上げを高めていくということですね。
(玉川製造所第二工場のように売却して得られるのは特別利益で
あり、売上にはなりません。それをもって収益構造の変革とは言え
ないでしょう)
上記文中を見る限り、東京機械製作所がオーナーのまま、玉川
製造所第一工場跡地には大型商業施設を建設、社宅跡地には
オフィスビルを建設し、賃貸収入を得ていくということになるものと
思われます。
■東京機械製作所玉川製造所
ところで、今回の「新丸子社宅」跡地については、すでに4年以上前、
2007年3月12日の川崎市都市計画審議会において、「商業・業務
系の土地利用を検討」していることが明らかになっていまして、
本ブログでも2007/9/18エントリで取り上げておりました。
そういう意味では、今回の決算短信で開示された内容は、既定路線
の範囲内、ということになります。
具体的な計画内容やスケジュール等はまだ明らかになっていません
ので、引き続き状況を確認していきたいと思います。
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:東京機械製作所地区(大規模工場
跡地地区)
武蔵小杉ライフ:再開発情報:新丸子東3丁目地区
2007/9/18エントリ 新丸子東3丁目A地区に商業・業務施設、B地区に
マンション?
2009/8/15エントリ 東京機械製作所が武蔵小杉再開発用地を売却
2009/10/2エントリ 新丸子東3丁目地区B地区に「ブリリア武蔵小杉」
正式発表
2010/7/22エントリ 東京機械製作所跡地に11万㎡商業施設と
57階タワーマンションを建設、2015年度完成へ
2010/7/23エントリ 追補:東京機械製作所跡地商業施設は2014年度
完成、2015年度に全体完成
2010/8/2エントリ 東京機械製作所跡地再開発・大型複合商業施設と
高層マンションの詳細情報
2010/9/2エントリ 東京機械製作所玉川製造所再開発に係る
条例環境影響評価方法書説明会
2010/10/24エントリ 東京機械製作所が玉川製造所第二工場
用地を住友不動産に売却を決議、2011年3月23日引渡しへ
2010/11/25エントリ 東京機械製作所跡地の大型複合商業施設に
大型スーパーとシネコン入居へ
2011/4/21エントリ 東京機械製作所玉川製造所第二工場の売却完了、
かずさテクノセンター竣工