「ガス橋」と平間の渡し
中原区と東京都をつなぐ橋・・・というと、武蔵小杉では丸子橋を第一
に思い浮かべますが、もうひとつ、平間方面に「ガス橋」があります。
今回は、そのガス橋に行ってみました。
■ガス橋
ガス橋は、中原区上平間と大田区下丸子を結ぶ橋です。
現在は2車線道路が通る交通量の多い橋ですが、当初は車両の
通行ができない人道橋でした。
この橋は、元々は東京ガス鶴見製造所で製造したガスを東京に
供給することを目的として建設されたもので、下記のような
歴史があります。
1931年 「瓦斯人道橋」として開通
1936年 東京ガスのガス管を設置
1960年 現在の「ガス橋」が完成、2車線道路が開通
上記写真にも写っていますが、現在でも橋の歩道下部には水色の
太いガス管が通っています。
■大田区側のキヤノン本社
また、ガス橋といえば、大田区側にキヤノンの本社があることで
も知られていますね。川沿いに広い敷地を有し、立派なビルが
複数立てられているのが中原区側からも見えます。
■キヤノン本社前の並木道
南武線沿線からキヤノン本社に勤務する場合、平間で下車し、
ガス橋を通って通勤するルートが早いようです。
キヤノンは武蔵小杉や矢向にも事業所がありますので、南武線
をお使いの方も多いのではないでしょうか。
■都県境の道標
ガス橋の歩道を歩いていくと、丸子橋と同様、橋の中ほどには東京
都と神奈川県の境界を示す道標があります。
丸子橋にも同じようなものがあったのを、2009/7/2エントリでご紹介
しておりました。
なぜか、「東京都大田区」のものより「神奈川県川崎市」の方が
文字がくたびれていますね。
■中原区側の道路
中原区側のガス橋の通りをまっすぐ進むと、平間駅に着きます。
この近辺には「なかはら緑と歴史の散策マップ」(2011/4/24
エントリ参照)にも掲載されている「中丸子緑道」があり、地域の散策
スポットになっています。
■「平間の渡し」の碑
ガス橋のたもとには、「平間の渡し」の碑がありました。
「平間の渡し」は、ガス橋が開通する以前に多摩川を船で渡して
いたもので、その歴史を現在に伝える碑となっています。
丸子橋が開通する以前の「丸子の渡し」と同じで、現在橋が架けら
れているところには、やはり昔から交通の行き来があったわけです。
■ガス橋から見る武蔵小杉方面
ガス橋から武蔵小杉方面には、丸子橋や武蔵小杉の高層ビル群が
見えます。このあたりにお住まいの方からすると、昔に比べて武蔵
小杉が随分目立つようになったのではないかと思います。
周辺の風景も様変わりしましたが、1960年に現在のガス橋が完成
してから、すでに50年以上が経過しています。将来的には丸子橋の
ように、架け替えや耐震補強などの話が出てくるのでしょうね。
■ガス橋の銘板
■ガス橋マップ
【関連リンク】
2009/7/2エントリ 丸子橋で、都県境に立つ
2011/4/24エントリ 「なかはら緑と歴史の散策マップ」最新版を配布中