市民向け川崎市債投資セミナー・2011年
2011年9月29日に、第8回川崎市債投資セミナーが開催されました。
これは川崎市が市民を対象に、市の財政状況等のプレゼンテー
ションを行うことで市債への投資を促進するものです。
川崎市債によってれられた資金は、川崎市のさまざまな公共事業に
活用されています。
過去エントリで取り上げたように、先般完成した今井小学校新校舎
建設では48.5%、武蔵小杉新駅の4階建て駐輪場建設では42%が
川崎市債で賄われています。
■川崎市ウェブサイト 投資家情報 IRイベント
http://www.city.kawasaki.jp/23/23sikin/home/ir/present.htm
■第8回川崎市債セミナーが開催された中原区役所
この市債セミナーは、例年は武蔵中原駅前のエポックなかはらで
開催されていたのですが、今回は中原区役所の5階会議室が
会場でした。
セミナーの構成は過去3回のエントリ(末尾の関連リンク参照)で
お伝えしてきたものとほぼ同様で、前半が阿部市長によるプレゼン
テーション、後半が有識者による投資の基礎講座となっていました。
■配布されたプレゼンテーション資料
プレゼンテーションでは毎年御馴染みの、政令都市比較による
指標が出ていまして、
■人口増加率 1位(10年連続)
■出生率 1位(20年連続)
■婚姻率 1位(25年連続)
■人口1人あたり課税対象所得額 1位
■市内経済成長率(実質) 1位
このような指標で毎年政令指定都市トップとなっています。
もっともこのあたりは、自治体のIR(投資家向け広報)活動におい
ては、「各自治体が個々に有利な指標を持ってくる『お国自慢』に
なっている」という指摘も地方債協会の方から伺ったことがあります。
金融商品取引法に基づいて開示事項が定められ、横串で経営
指標を比較できる上場企業とは、少々事情が異なるところですね。
ただいずれにしましても、川崎市が相対的に活力のある都市で
あることは間違いなかろうとは思います。
婚姻率が25年連続1位になっていますが、中原区あたりは企業の
寮なども多いもので、何となく独身の若手サラリーマンが多い印象を
持っていました(実際、川崎市は男性の人口が女性を上回っている
都市です)。
このデータは、個人的にちょっと意外でした。
■社債券の見本券
これは後半のセミナーで回覧されていた、社債券の見本券です。
現在ではペーパーレス化が実施されているのですが、債券の
仕組みをわかりやすく説明するために、題材として紹介されてい
ました。
この社債券は、上部の本体に付属して、下部に切り取り式の利札が
付いています。この利札を利払い日に金融機関に持っていくと、
現金に替えてもらうことができるわけです。
この利札は英語で「Coupon」といいまして、よく飲食店などで配布
されている「クーポン券」はこの利札が起源となっている、という
豆知識が紹介されていました。
■会場で毎回配布されている「生田の天然水 恵水」
今回の市債投資セミナーで印象に残ったのは、質疑応答でした。
例年は川崎市の財政や投資に関する質問がいくつか出る程度
なのですが、今年は川崎市内での放射線量や、市内にある原子力
発電関連設備に関して阿部市長への詰問が飛び、やや荒れた
雰囲気になりました。
基本的にはこれは市債に関するセミナーですので、こういった質問
に応えるための場ではなかったのですが、「身近な場所に市長が
来て質問できる機会」ということで、常日頃の不満を訴えた、という
ことかと思います。
対象外の質問ということではあっても対応しないということはなく、
阿部市長が一応回答はされていました。
こういった説明会以外にもタウンミーティングなど、さまざまな場が
ありますけれども、やはり市民との直接対話の場を、予定調和で
ない形できちんと設けていくというのは大切なことかと思います。
■川崎市の「行財政改革の取組み」パンフレット
最後に余談ですが、こちらは川崎市の行財政改革の取組みを説明
したパンフレットです(市債セミナーでは配布されていません)。
表紙のイラストを見ると・・・、これはやはりパークシティ武蔵小杉
でしょうか。
他にもいくつか、川崎市各地のスポットが描かれているのが見え
ますね。
パークシティ武蔵小杉はそのひときわ高い姿から、こういった絵柄
などではシンボルになりやすいですね。
【関連リンク】
川崎市 投資家情報
2008/8/27エントリ 市民向け川崎市債投資セミナー
2009/8/23エントリ 市民向け川崎市債投資セミナー・2009年
2010/8/31エントリ 市民向け川崎市債投資セミナー・2010年
2009/9/12エントリ 横須賀線武蔵小杉駅駐輪場の、イメージパースと
工期と工事費
2011/5/23エントリ 今井小学校の新校舎建設中