武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2015年
02月12日

武蔵小杉駅のエスカレーター逆走事故に関し、点検業者5人が業務上過失傷害で書類送検

【Reporter:はつしも】

2014年1月8日、武蔵小杉駅構内のエスカレーターが急停止・逆送し、利用客など11人が負傷する事故が発生したことを同日のエントリにおいてお伝えいたしました。
あれから1年以上が経過した2015年2月9日、神奈川県警が業務上過失傷害の疑いで、このエスカレーターの保守点検を行なっていた三菱電機ビルテクノサービスの社員5人を書類送検しました。

■カナロコ 武藏小杉駅エスカレーター逆走事故 点検業者5人を書類送検
http://www.kanaloco.jp/article/83896/cms_id/125398

この事故の発生時、および今回の書類送検に関しては、新聞・テレビなど各種メディアで報道されましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ウェブ掲載された報道のうち、詳細に記載されているカナロコ(神奈川新聞)を参照リンクとしてご紹介しておきます。

今回の書類送検に関しては、施設管理者である川崎市や、当事者である三菱電機ビルテクノサービスからの公式リリースは今のところウェブ上で開示されていません。

■事故発生直後のエスカレーター
事故発生直後のエスカレーター

事故が発生したのは、武蔵小杉駅のJR-東急間をつなぐ連絡通路に設置された上りエスカレーターです。
ここは主に東急線からJR線に乗り換える方が利用されていて、事故が発生した1月8日午前8時19分も現地には多くの方が通行されていました。

■川崎市 2014年5月19日報道発表資料 武蔵小杉駅連絡通路エスカレーターの運転再開について
http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/530/0000058151.html

事故発生後から、川崎市から数回にわたって経過を伝える報道発表資料が開示されたのですが、結局原因は何だったのか、明確にはなっていませんでした。

機器の取替えおよび安全対策を講じた上で、運転が再開されたのが上記報道発表の通り2014年5月20日のことです(2014/5/19エントリ参照)。
ただこのときにも、「駆動チェーンが破断したこと及び下降を防止する安全装置が動作しなかった」としながらも、それが「どうして」発生したのか、やはり原因はわからない状態でした。

そして今回の書類送検により、不明だった事故発生原因があきらかになりました。
詳細は前掲の記事等もご参照いただければと思いますが、要約すると以下の通りです。

■武蔵小杉駅のエスカレーター事故の経緯と原因
▼2013年3月8日 三菱電機ビルテクノサービスの担当者が駆動チェーンの緩みが基準値を上回っていることを把握するも、修理や引継ぎが行なわれなかった。その後の月2回の定期点検でも対処されなかった
▼2014年1月3日 駆動チェーンの緩みによる揺れを安全装置が検地し、緊急停止。上記とは異なる担当者は修理を行なわず、わずかな揺れで停止しないよう安全装置の感度をゆるめに調整した
▼2014年1月8日 チェーンが破断し事故発生。この際、逆走防止用のストッパーには金属くずや油などが詰まり、正常に動かない状態だった

書類送検をされた三菱電機ビルテクノサービスの社員5名は、いずれも容疑を認めているということであり、事実関係の争いはないようです。
それが業務上過失傷害としてどの程度責任を問われることになるのかは司法の判断ということになりますが、現状の事実関係だけを見ても、保守管理業務に問題があったということは間違いないでしょう。

■鉄道事業者等による「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーン
鉄道事業者等による「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーン

鉄道事業者等による「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーン

事故発生直後は、原因があきらかでなかったこともあってか、メディア等で「エスカレーター歩行の危険性」が指摘されました。
また2014年7月22日から8月31日にかけては、全国の鉄道事業者など42社・2法人によるエスカレーター「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンも実施されました。

エスカレーターの整備状況とは別に、エスカレーター歩行がチェーンへの負荷を余分にかけることは確かですので、自分のためにも今後も安全な利用を心がけたいところです。

■運転再開後の武蔵小杉駅のエスカレーター
運転再開後の武蔵小杉駅のエスカレーター

前述の通り、本件については川崎市と三菱電機ビルテクノサービスからは公式なリリースがまだ出ていません。

今回責任を問われているのは個人ですが、当該施設の管理者は川崎市であり、同市が保守管理業者への発注を行なっている形です。
たとえば川崎市としては業者選定や発注後の監督など、どうすれば今回のような事態をより防止できるか、という視点も当然出てくるのではないかと思います。

書類送検のタイミングではないということかもしれませんが、どこかのタイミングで、両者からも最終的な見解が表明されるとよいと思います。

【関連リンク】
三菱電機ビルテクノサービス ウェブサイト
2012/8/31エントリ 武蔵小杉駅の東急・JR連絡通路の下りエスカレーターが本日供用開始、西街区への通路が一部お目見え
2014/1/8エントリ 武蔵小杉駅のエスカレーターが急停止し10名が負傷する事故が発生、市内5駅のエスカレーターが当面利用停止
2014/5/19エントリ 武蔵小杉駅の逆走事故エスカレーターが2014年5月20日(火)朝6時より運転再開
2014/9/16エントリ 武蔵小杉駅の「エスカレーター『みんなで手すりにつかまろう』キャンペーン」

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