武蔵小杉駅東口に新設「キヤノン玉川事業所直行バス」で行く、下野毛の工場街(後編)
【Reporte:たちばな】
武蔵小杉駅東口駅前広場から新設された「キヤノン玉川事業所」直行バスと、同事業所がある高津区下野毛周辺をご紹介するエントリの後編です。
前編では直行バスに乗って玉川事業所にやってまいりましたので、後編では下野毛周辺を巡ってみたいと思います。
■高津区下野毛周辺マップ
キヤノン玉川事業所がある高津区下野毛は、中原区宮内に隣接し、多摩川と府中街道に挟まれたエリアにあります。
ここは中原区宮内とともに工場が多く、その顔触れは小規模な町工場から大企業までたいへんバラエティに富んでいます。
■多摩川とキヤノン玉川事業所
■キヤノン玉川事業所と町工場
まずはキヤノン玉川事業所の周辺を見渡してみます。
町工場と住宅が混在した、準工業地域です。
準工業地域とは都市計画法に定められた用途地域のひとつで、騒音などの大きな環境悪化のおそれのない工場の立地が認められています。
■とあるアパートのお断り書き
下野毛の一角にあったアパートには、「入居者各位」としてこのようなお断り書きがありました。
「当該地域は準工業地域として発展して来た地域です。周辺には多数の工場が密集しています。そのため騒音・振動・塵埃・異臭等の発生することもあります。
『この住宅』に入居される皆様には地域での共存共栄を考慮され、各事業所へのご理解をお願いします。」
下野毛地区は、もともと工場が集中して立地していたものが、近年宅地化も進んできました。
工場が撤退して跡地がマンションになっていく流れは、武蔵小杉駅周辺にも類似した部分がありますね。
ただ下野毛地区にはまだまだ工場が密集しており、「もとからあった工場」と、「新しく入ってきた居住者」との摩擦がないとは言えないのかもしれません。
そんなことをうかがわせる、お断り書きでした。
■「ねこのしっぽ」玉川工場
キヤノン玉川事業所の向かい側には、新丸子(上丸子八幡町)にある同人誌専門の印刷会社「ねこのしっぽ」の「玉川工場」がありました。
■「ねこのしっぽ」社用車のイラスト
「ねこのしっぽ」の社用車には、同人誌専門印刷会社らしいイラストが描かれています。
■ねこのしっぽ 玉川工場の「Japan Color 標準印刷認証」取得について
http://www.shippo.co.jp/neko/info/japancolor.shtml
「ねこのしっぽ 玉川工場」は、同人業界初(同社調べ)の「Japan Color 標準印刷認証」を取得しています。
これはISO国際標準に準拠したもので、「正しい色が再現できる」ことを認証しています。
印刷で色の仕上がりがばらつくことは良くありますから、絵を描く方には有難いことと思います。
■富士通 川崎グランド
キヤノンがあるならほかの川崎の電機メーカーも…ということで、見つかったのは富士通のグラウンドです。
ここは富士通のスポーツチームの練習場で、川崎フロンターレのやアメリカンフットボールの「富士通フロンティアーズ」が地域への普及活動としてスクールも運営しています。
■川崎フロンターレ スクールのご案内 下野毛スクール
http://www.frontale.co.jp/school/school_guide/shimonoge.html
■富士通フロンティアーズ フラッグフットボールをはじめてみよう!
http://sports.jp.fujitsu.com/frontiers/flag_football/
フロンターレのスクールは地域のボランティア的なスクールよりも月会費が高めですが、充実した指導が受けられそうですね。
■クノール食品 川崎事業所
続いてこちらは、下野毛では最大規模の工場「クノール食品 川崎事業所」です。
同事業所では、事前申し込みによる工場見学も受け付けています。
■クノール食品 川崎事業所 工場見学
http://www.knorr.jp/contact/kawasaki.html
10名~50名様の団体が対象になっていまして、試食を含む90分のコースが用意されてます。
人を集めるのがハードルですが、なかなか楽しそうです。
■名糖 東京綜合工場
http://www.meitoh.co.jp/company/branch.html#2
大手企業では、「名糖 東京綜合工場」もあります。
ここでは工場見学の一般受付はしていませんが、砂糖のクラフト袋などの製造が行われています。
■日本通運川崎北物流センター
こちらはこれまた大規模な、「日本通運 川崎北物流センター」です。
ここは川崎市の家電リサイクル指定引取場所にもなっています。
■川崎市 家電リサイクル 指定引取場所への持込について
http://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/24-1-11-4-3-0-0-0-0-0.html
詳細は上記の川崎市ウェブサイトをご参照ください。
川崎市内では、高津区下野毛の同センター1か所のみが指定されています。
■ヒルバレーポップコーン 川崎オフィス
高津区下野毛と中原区宮内のちょうど境界のエリアには、「ヒルバレーポップコーン 川崎オフィス」がありました。
2014/7/18エントリで「ヒルバレーポップコーン」の出店を「場所不明」でお伝えしたのですが、進出した「川崎オフィス」では商品の販売は行われませんでした。
これはおわびのうえ訂正させていただきます。
下野毛では、このほかにもまだまだ多数の町工場などが存在します。
これらを川崎市では「川崎ものづくりブランド」として位置づけ、PR活動を行ってきているところです。
■川崎ものづくりブランド ウェブサイト
http://www.k-monobrand.com/
■「高津区下野毛3丁目」の「ハイラーク武蔵小杉」
下野毛の路地を歩いていると、「ハイラーク武蔵小杉」というマンションがありました。
思わず二度見してしまいましたが、住所はもちろん「高津区下野毛」です。
新丸子寄りや武蔵中原寄り、元住吉寄りで「武蔵小杉」が名称に入るマンションは多いですが、「高津区で武蔵小杉」は、初めて見ました。
これは「北限の武蔵小杉」…かもしれません。
キヤノン玉川事業所行の直行バスに乗って周辺を少し歩いただけでも、下野毛ではいろいろなものが見つかりました。
直行バスで行くと帰りのバスが夕方までありませんので、平日がお休みの朝に「武蔵小杉に帰りながらウォーキング」を楽しんでみるのも運動になってよいかも?しれません。
■対岸の「大田区上野毛」
なお、高津区下野毛から多摩川を渡った東京都世田谷区側は、「上野毛」という地名です。
これは多摩川が「暴れ川」としてたびたび氾濫して流れを変えた名残りで、「丸子」「等々力」などのように両岸に同じ地名が残っているものですね。
このあたりにも、ひとつの地域の歴史を感じます。
また、2008/12/8エントリで一度お伝えした通り、中原区宮内の下野毛寄りから世田谷区玉堤にかけて、多摩川を渡る「等々力大橋(仮称)」が新たに建設される計画があります。
「等々力大橋」は現在府中街道・西下橋の交差点まで完成している4車線道路「宮内新横浜線」を延伸し、目黒通りまで接続させるものとなります。
■川崎市報道発表資料 川崎市と東京都を結ぶ新しい橋を建設します(PDF)
http://www.city.kawasaki.jp/530/cmsfiles/contents/
0000018/18164/todorokiohasi.pdf
■宮内新横浜線と等々力大橋の整備マップ
相当先の話ではありますが、等々力大橋が完成すると、かつて多摩川によって分かたれた両岸の「上野毛」「下野毛」がふたたびつながることになります。
人や物の流れも、また大きく変わってくるのではないでしょうか。
【関連リンク】
下野毛工業協同組合
2008/12/8エントリ 宮内新横浜線と多摩川新橋
2014/12/7エントリ 中原区に、家電量販店登場。「ノジマ川崎中原店」オープン
2015/5/31エントリ 武蔵小杉駅東口に新設「キヤノン玉川事業所直行バス」で行く、下野毛の工場街(前編)
武蔵小杉駅東口駅前広場から新設された「キヤノン玉川事業所」直行バスと、同事業所がある高津区下野毛周辺をご紹介するエントリの後編です。
前編では直行バスに乗って玉川事業所にやってまいりましたので、後編では下野毛周辺を巡ってみたいと思います。
■高津区下野毛周辺マップ
キヤノン玉川事業所がある高津区下野毛は、中原区宮内に隣接し、多摩川と府中街道に挟まれたエリアにあります。
ここは中原区宮内とともに工場が多く、その顔触れは小規模な町工場から大企業までたいへんバラエティに富んでいます。
■多摩川とキヤノン玉川事業所
■キヤノン玉川事業所と町工場
まずはキヤノン玉川事業所の周辺を見渡してみます。
町工場と住宅が混在した、準工業地域です。
準工業地域とは都市計画法に定められた用途地域のひとつで、騒音などの大きな環境悪化のおそれのない工場の立地が認められています。
■とあるアパートのお断り書き
下野毛の一角にあったアパートには、「入居者各位」としてこのようなお断り書きがありました。
「当該地域は準工業地域として発展して来た地域です。周辺には多数の工場が密集しています。そのため騒音・振動・塵埃・異臭等の発生することもあります。
『この住宅』に入居される皆様には地域での共存共栄を考慮され、各事業所へのご理解をお願いします。」
下野毛地区は、もともと工場が集中して立地していたものが、近年宅地化も進んできました。
工場が撤退して跡地がマンションになっていく流れは、武蔵小杉駅周辺にも類似した部分がありますね。
ただ下野毛地区にはまだまだ工場が密集しており、「もとからあった工場」と、「新しく入ってきた居住者」との摩擦がないとは言えないのかもしれません。
そんなことをうかがわせる、お断り書きでした。
■「ねこのしっぽ」玉川工場
キヤノン玉川事業所の向かい側には、新丸子(上丸子八幡町)にある同人誌専門の印刷会社「ねこのしっぽ」の「玉川工場」がありました。
■「ねこのしっぽ」社用車のイラスト
「ねこのしっぽ」の社用車には、同人誌専門印刷会社らしいイラストが描かれています。
■ねこのしっぽ 玉川工場の「Japan Color 標準印刷認証」取得について
http://www.shippo.co.jp/neko/info/japancolor.shtml
「ねこのしっぽ 玉川工場」は、同人業界初(同社調べ)の「Japan Color 標準印刷認証」を取得しています。
これはISO国際標準に準拠したもので、「正しい色が再現できる」ことを認証しています。
印刷で色の仕上がりがばらつくことは良くありますから、絵を描く方には有難いことと思います。
■富士通 川崎グランド
キヤノンがあるならほかの川崎の電機メーカーも…ということで、見つかったのは富士通のグラウンドです。
ここは富士通のスポーツチームの練習場で、川崎フロンターレのやアメリカンフットボールの「富士通フロンティアーズ」が地域への普及活動としてスクールも運営しています。
■川崎フロンターレ スクールのご案内 下野毛スクール
http://www.frontale.co.jp/school/school_guide/shimonoge.html
■富士通フロンティアーズ フラッグフットボールをはじめてみよう!
http://sports.jp.fujitsu.com/frontiers/flag_football/
フロンターレのスクールは地域のボランティア的なスクールよりも月会費が高めですが、充実した指導が受けられそうですね。
■クノール食品 川崎事業所
続いてこちらは、下野毛では最大規模の工場「クノール食品 川崎事業所」です。
同事業所では、事前申し込みによる工場見学も受け付けています。
■クノール食品 川崎事業所 工場見学
http://www.knorr.jp/contact/kawasaki.html
10名~50名様の団体が対象になっていまして、試食を含む90分のコースが用意されてます。
人を集めるのがハードルですが、なかなか楽しそうです。
■名糖 東京綜合工場
http://www.meitoh.co.jp/company/branch.html#2
大手企業では、「名糖 東京綜合工場」もあります。
ここでは工場見学の一般受付はしていませんが、砂糖のクラフト袋などの製造が行われています。
■日本通運川崎北物流センター
こちらはこれまた大規模な、「日本通運 川崎北物流センター」です。
ここは川崎市の家電リサイクル指定引取場所にもなっています。
■川崎市 家電リサイクル 指定引取場所への持込について
http://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/24-1-11-4-3-0-0-0-0-0.html
詳細は上記の川崎市ウェブサイトをご参照ください。
川崎市内では、高津区下野毛の同センター1か所のみが指定されています。
■ヒルバレーポップコーン 川崎オフィス
高津区下野毛と中原区宮内のちょうど境界のエリアには、「ヒルバレーポップコーン 川崎オフィス」がありました。
2014/7/18エントリで「ヒルバレーポップコーン」の出店を「場所不明」でお伝えしたのですが、進出した「川崎オフィス」では商品の販売は行われませんでした。
これはおわびのうえ訂正させていただきます。
下野毛では、このほかにもまだまだ多数の町工場などが存在します。
これらを川崎市では「川崎ものづくりブランド」として位置づけ、PR活動を行ってきているところです。
■川崎ものづくりブランド ウェブサイト
http://www.k-monobrand.com/
■「高津区下野毛3丁目」の「ハイラーク武蔵小杉」
下野毛の路地を歩いていると、「ハイラーク武蔵小杉」というマンションがありました。
思わず二度見してしまいましたが、住所はもちろん「高津区下野毛」です。
新丸子寄りや武蔵中原寄り、元住吉寄りで「武蔵小杉」が名称に入るマンションは多いですが、「高津区で武蔵小杉」は、初めて見ました。
これは「北限の武蔵小杉」…かもしれません。
キヤノン玉川事業所行の直行バスに乗って周辺を少し歩いただけでも、下野毛ではいろいろなものが見つかりました。
直行バスで行くと帰りのバスが夕方までありませんので、平日がお休みの朝に「武蔵小杉に帰りながらウォーキング」を楽しんでみるのも運動になってよいかも?しれません。
■対岸の「大田区上野毛」
なお、高津区下野毛から多摩川を渡った東京都世田谷区側は、「上野毛」という地名です。
これは多摩川が「暴れ川」としてたびたび氾濫して流れを変えた名残りで、「丸子」「等々力」などのように両岸に同じ地名が残っているものですね。
このあたりにも、ひとつの地域の歴史を感じます。
また、2008/12/8エントリで一度お伝えした通り、中原区宮内の下野毛寄りから世田谷区玉堤にかけて、多摩川を渡る「等々力大橋(仮称)」が新たに建設される計画があります。
「等々力大橋」は現在府中街道・西下橋の交差点まで完成している4車線道路「宮内新横浜線」を延伸し、目黒通りまで接続させるものとなります。
■川崎市報道発表資料 川崎市と東京都を結ぶ新しい橋を建設します(PDF)
http://www.city.kawasaki.jp/530/cmsfiles/contents/
0000018/18164/todorokiohasi.pdf
■宮内新横浜線と等々力大橋の整備マップ
相当先の話ではありますが、等々力大橋が完成すると、かつて多摩川によって分かたれた両岸の「上野毛」「下野毛」がふたたびつながることになります。
人や物の流れも、また大きく変わってくるのではないでしょうか。
【関連リンク】
下野毛工業協同組合
2008/12/8エントリ 宮内新横浜線と多摩川新橋
2014/12/7エントリ 中原区に、家電量販店登場。「ノジマ川崎中原店」オープン
2015/5/31エントリ 武蔵小杉駅東口に新設「キヤノン玉川事業所直行バス」で行く、下野毛の工場街(前編)