JR東日本が横須賀線・総武快速線に山手線導入の新型車両「E235系」を2020年度から投入、普通車オールロングシートにグリーン車では無料Wi-Fiも提供
【Reporter:はつしも】
JR東日本が、横須賀線・総武快速線用に新型車両「E235系」を2020年度から新造・投入することを9月4日の定例社長会見において発表しました。
「E235系」は現在山手線において順次導入が進められており、車両モニタリングによる安全性の向上や非常電源装置による停電時の対応強化などが図られます。
また、山手線にはない特徴として、横須賀線・総武快速線のグリーン車においては無料の公衆無線LANサービスの提供や各座席へのコンセント設置が行われる予定です。
■現在の横須賀線(武蔵小杉駅)
■新型車両「E235系」の外観イメージ
※JR東日本プレスリリースより。以下同じ
現在の横須賀線・総武快速線で投入されているのは、「E217系」と呼ばれる車両で、外見的な特徴として先頭車両部分が丸みを帯びています。
これに対して新造される「E235系」は、かなり角ばった形状になっています。
先行導入されている山手線でご覧になって、従来とだいぶ違う印象を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
南武線に新型車両「E233系」が導入された際には、角張っていた従来車両からやや丸みのある形状に変わりましたから、今回の横須賀線・総武快速線はそれとは逆方向です。
このあたりはJR東日本で、トレンドの変化があるのでしょうかね。
■「E235系」の車内イメージ
新型車両は、全てが上記のような「ロングシート」(車両側面に背中を向けて一列横並びで座るシート)です。
現在の一部車両で採用されている、2名+2名が向かい合せに座る「クロスシート」(※)は、姿を消すことになります。
「クロスシート」は落ち着いて座れますし、座席数も増やせますので一定以上の距離を走行する中距離電車に向いています。
家族などグループでの旅行は、こちらの方がいいですよね。
一方で車両中ほどの通路が狭くなり、混雑時には人の出入りが困難になる特性もありますので、通勤電車としては「ロングシート」が適しているとされています。
このような特性を踏まえ、横須賀線・総武快速線の新型車両は「ロングシート」に統一することとなりました。
武蔵小杉新駅の開業なども一因として、横須賀線では混雑率が上昇していますから、これは妥当な判断と言えるでしょう。
※現在の車両はクロスシートと車両ドア両脇のロングシートが混在しており、正確には「セミクロスシート」と呼ばれます。
■車内の「フリースペース」イメージ
また新型車両には、山手線における「E235系」同様、「フリースペース」が設けられます。
これは車いすやベビーカーなどの利用を想定したものです。
また普通車に設置されるトイレも、全て車いす対応の大型洋式トイレになるということです。
■普通車の特徴
※クリックで拡大します。
普通車の特徴については、上記やJR東日本のプレスリリースもご参照ください。
グリーン車については、冒頭にご紹介した通り、無料の公衆無線LANサービスが提供されるほか、各座席にはコンセントも設置されます。
グリーン車は一定以上の距離を乗車される方が多いでしょうから、モバイル端末の利用など、一定のニーズが見込めそうです。
■JR東日本の「E235系」横須賀線・総武快速線導入プレスリリースの概要
新型車両「E235系」のポイントは、上記の「主な特徴」をご覧いただくとわかる通り、緊急時などの安全性・安定性の向上が中心となっています。
また車内の防犯カメラは、痴漢や暴力などの犯罪抑止に一定の効果が見込まれています。
普段は社内のデジタルサイネージなどに目がいくかと思いますが、このような安全・安心の取り組みは、鉄道運行上きわめて重要な部分ですね。
■2020年度目標に増設される武蔵小杉新駅のホームおよび改札口
※JR東日本プレスリリースより。クリックで拡大します。
なお、2020年度といえば、2018/7/17エントリでお伝えした通り、武蔵小杉新駅のホームおよび改札口の増設が予定されています。
そこで入線してくる横須賀線の車両も新型になると、また全く新しい武蔵小杉駅の風景になりそうです。
■武蔵小杉新駅
【関連リンク】
・JR東日本 プレスリリース JR横須賀線武蔵小杉駅及び駅周辺の混雑緩和に向けた取組を進めます(PDF)
・2015/7/30エントリ JR武蔵小杉駅が「行列ができる」新南口の自動改札機を2015年8月26日新型交換・1機増設を決定
・2015/8/26エントリ JR武蔵小杉駅の「行列ができる」新南口の自動改札機が、本日新型更新および1機増設
・2015/8/30エントリ JR武蔵小杉駅「南武線口」が9月2日に新型自動改札機に更新、「新南口」の行列は1機増設後も改善されず
・2015/9/2エントリ JR武蔵小杉駅南武線口の自動改札機が本日新型に更新、「幅の広い」改札機を配置
・2017/10/20エントリ JR武蔵小杉新駅「ニューデイズ武蔵小杉新南店」が2017年10月25日(水)23時閉店決定
・2017/10/24エントリ 府中街道沿いのメガネスーパー跡地に「ローソン」出店、武蔵小杉新駅改札前「川崎信金ATM」が10月25日(水)にニューデイズと同時閉店へ
・2017/12/6エントリ JR東日本が武蔵小杉駅の混雑緩和策を発表、2018年春に新南口ニューデイズ跡地に朝ラッシュ時限定の改札・エスカレーターを新設、南武線下りホームの一部を拡幅
・2018/4/1エントリ JR武蔵小杉の混雑緩和対策第1弾・南武線下りホーム拡幅とともに新南口ATMコーナーが供用開始、臨時改札口は4月26日(木)供用開始決定
・2018/4/18エントリ 四たび、「武蔵小杉駅からのお願いです」。JR東日本が新キャラクター「むさしこちゅぎ」を駅構内モニターに投入、歩きスマホなどマナー向上を呼びかけ中
・2018/4/26エントリ JR武蔵小杉駅新南口の臨時改札口が本日供用開始、エスカレーター行列が緩和
・2018/7/17エントリ JR東日本が武蔵小杉新駅の混雑緩和対策でホーム増設2面2線化・北側改札口新設を発表、ホーム供用開始は2023年度を予定
JR東日本が、横須賀線・総武快速線用に新型車両「E235系」を2020年度から新造・投入することを9月4日の定例社長会見において発表しました。
「E235系」は現在山手線において順次導入が進められており、車両モニタリングによる安全性の向上や非常電源装置による停電時の対応強化などが図られます。
また、山手線にはない特徴として、横須賀線・総武快速線のグリーン車においては無料の公衆無線LANサービスの提供や各座席へのコンセント設置が行われる予定です。
■現在の横須賀線(武蔵小杉駅)
■新型車両「E235系」の外観イメージ
※JR東日本プレスリリースより。以下同じ
現在の横須賀線・総武快速線で投入されているのは、「E217系」と呼ばれる車両で、外見的な特徴として先頭車両部分が丸みを帯びています。
これに対して新造される「E235系」は、かなり角ばった形状になっています。
先行導入されている山手線でご覧になって、従来とだいぶ違う印象を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
南武線に新型車両「E233系」が導入された際には、角張っていた従来車両からやや丸みのある形状に変わりましたから、今回の横須賀線・総武快速線はそれとは逆方向です。
このあたりはJR東日本で、トレンドの変化があるのでしょうかね。
■「E235系」の車内イメージ
新型車両は、全てが上記のような「ロングシート」(車両側面に背中を向けて一列横並びで座るシート)です。
現在の一部車両で採用されている、2名+2名が向かい合せに座る「クロスシート」(※)は、姿を消すことになります。
「クロスシート」は落ち着いて座れますし、座席数も増やせますので一定以上の距離を走行する中距離電車に向いています。
家族などグループでの旅行は、こちらの方がいいですよね。
一方で車両中ほどの通路が狭くなり、混雑時には人の出入りが困難になる特性もありますので、通勤電車としては「ロングシート」が適しているとされています。
このような特性を踏まえ、横須賀線・総武快速線の新型車両は「ロングシート」に統一することとなりました。
武蔵小杉新駅の開業なども一因として、横須賀線では混雑率が上昇していますから、これは妥当な判断と言えるでしょう。
※現在の車両はクロスシートと車両ドア両脇のロングシートが混在しており、正確には「セミクロスシート」と呼ばれます。
■車内の「フリースペース」イメージ
また新型車両には、山手線における「E235系」同様、「フリースペース」が設けられます。
これは車いすやベビーカーなどの利用を想定したものです。
また普通車に設置されるトイレも、全て車いす対応の大型洋式トイレになるということです。
■普通車の特徴
※クリックで拡大します。
普通車の特徴については、上記やJR東日本のプレスリリースもご参照ください。
グリーン車については、冒頭にご紹介した通り、無料の公衆無線LANサービスが提供されるほか、各座席にはコンセントも設置されます。
グリーン車は一定以上の距離を乗車される方が多いでしょうから、モバイル端末の利用など、一定のニーズが見込めそうです。
■JR東日本の「E235系」横須賀線・総武快速線導入プレスリリースの概要
1.形式および編成数 | E235系:1両編成を51編成、4両編成を46編成の合計745両を新造します。 |
2.スケジュール | 2020年度より順次落成を予定しています。 |
3.運用区間 | ●横須賀線(東京~久里浜)、総武快速線(東京~千葉) ●外房線(千葉~上総一ノ宮)、内房線(蘇我~君津)、総武本線(千葉~成東) ●成田線(佐倉~香取、成田~成田空港)、鹿島線(香取~鹿島神宮) |
4.主な特徴 | ●車両搭載機器や線路及び電力設備の状態監視を行うことにより、故障の予兆を把握し、事前に対処することで更なる安全性・安定性向上を実現します。 ●当社で初めて、停電などの異常時を想定し、駅間に停車した際にも最寄駅またはお客さまが降車避難しやすい場所まで走行できる非常走行用電源装置を搭載します。 ●山手線用のE235系と同様にデジタルサイネージを設置します。ドア上部に大型の案内画面(21インチ)を設置します。また、当社で初めて異常時に客室内すべての画面を一時的に切り替えて、自列車に関する情報提供を行う機能を搭載します。 ●普通列車グリーン車では初となる、各座席へのコンセント整備、無料公衆無線LANサービスの提供、液晶ディスプレイ(LCD)の案内画面の設置を行います。 ●普通車の各車両にはフリースペースを設置します。また、普通車に設置するトイレが、すべて車いす対応大型洋式トイレになります。 ● 各車両の客室に車内防犯カメラを設置します。 ●車内温度保持を目的として、半自動機能を搭載します。 ●従来のE217系に比べ、普通車の座席幅を拡大(+10mm)し、容量の大きな空調装置を搭載します。 ●主要機器を 2 重系化し、故障に強い車両とします。 |
5.詳細 | ●JR東日本プレスリリース 横須賀・総武快速線用車両の新造について(PDF) |
新型車両「E235系」のポイントは、上記の「主な特徴」をご覧いただくとわかる通り、緊急時などの安全性・安定性の向上が中心となっています。
また車内の防犯カメラは、痴漢や暴力などの犯罪抑止に一定の効果が見込まれています。
普段は社内のデジタルサイネージなどに目がいくかと思いますが、このような安全・安心の取り組みは、鉄道運行上きわめて重要な部分ですね。
■2020年度目標に増設される武蔵小杉新駅のホームおよび改札口
※JR東日本プレスリリースより。クリックで拡大します。
なお、2020年度といえば、2018/7/17エントリでお伝えした通り、武蔵小杉新駅のホームおよび改札口の増設が予定されています。
そこで入線してくる横須賀線の車両も新型になると、また全く新しい武蔵小杉駅の風景になりそうです。
■武蔵小杉新駅
【関連リンク】
・JR東日本 プレスリリース JR横須賀線武蔵小杉駅及び駅周辺の混雑緩和に向けた取組を進めます(PDF)
・2015/7/30エントリ JR武蔵小杉駅が「行列ができる」新南口の自動改札機を2015年8月26日新型交換・1機増設を決定
・2015/8/26エントリ JR武蔵小杉駅の「行列ができる」新南口の自動改札機が、本日新型更新および1機増設
・2015/8/30エントリ JR武蔵小杉駅「南武線口」が9月2日に新型自動改札機に更新、「新南口」の行列は1機増設後も改善されず
・2015/9/2エントリ JR武蔵小杉駅南武線口の自動改札機が本日新型に更新、「幅の広い」改札機を配置
・2017/10/20エントリ JR武蔵小杉新駅「ニューデイズ武蔵小杉新南店」が2017年10月25日(水)23時閉店決定
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・2017/12/6エントリ JR東日本が武蔵小杉駅の混雑緩和策を発表、2018年春に新南口ニューデイズ跡地に朝ラッシュ時限定の改札・エスカレーターを新設、南武線下りホームの一部を拡幅
・2018/4/1エントリ JR武蔵小杉の混雑緩和対策第1弾・南武線下りホーム拡幅とともに新南口ATMコーナーが供用開始、臨時改札口は4月26日(木)供用開始決定
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