神奈川県指定新型コロナウイルス感染症宿泊療養施設「リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉」で入所者の無断外出が発生、近隣飲食・物販店を利用
【Reporter:はつしも】
「リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉」が、神奈川県による新型コロナウイルス感染症軽症者等の宿泊療養施設として2021年2月25日(木)より利用されています。
同ホテルで療養をしていた30代男性の入所者が、4月24日午後に無断外出し、近隣の飲食店と物販店に立ち寄った事実が神奈川県より発表されました。
【神奈川県からの報道発表内容】
4月24日午後、リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉に入所している30代の男性1名が、無断で同施設から一時外出し、近隣の飲食店と物販店に立ち寄った事実が確認されました。
■経緯
4月24日
(1)16時15分
・本日入所した当該入所者(以下、「入所者」)が患者入退出用エレベーターで1階へ降り、警備員の目を盗んで無断で外出。警備員が入所者の後ろ姿に気付き、「利用者ですか」と声掛けをしたが「違う」と否定し、東急武蔵小杉駅方面へ歩いて行った。
(2)時間不明
・武蔵小杉駅周辺の飲食店・物販店に入店。
(3)16時48分
・入所者が施設に戻る。施設の前に立つ警備員に対し「県から日用品は買ってきてよいと言われた」と虚偽の説明をし、施設の入退所口から部屋に戻っていった。
(4)16時50分
・警備員が電話で県職員に報告し、無断外出の可能性を認知。
(5)16時50分~18時00分
・警備員への聞き取り、監視カメラにより経過確認、入所者を特定。
(6)18時00分
・電話連絡により、無断外出時の行動履歴を聴取したところ、飲食店で食品を購入したことを認め、他には立ち寄っていないと報告したため、厳重注意。
(7)18時26分
・再度、監視カメラの画像を確認したところ、複数の買い物を行ったように見えたため、再び電話連絡。物販店に立ち寄ったことも認めたため、再度厳重注意。
(8)19時00分
・入所者より聴取した立寄先に状況の説明、謝罪。
■入所予定期間
2021年4月24日から5月1日(4月20日の検体採取日から4日目)
■再発防止策(継続)
【入所者への対応】
(1)当該施設を含め、県内の宿泊療養施設に、以下について入所者に周知徹底するよう指示する。
(ア)入所時に誓約書に署名したとおり、入所期間中は外出禁止であること
(イ)無断外出時にこの対応に伴う経費の負担や損失が生じた場合に損害賠償請求を行うこと (ウ)無断外出により行方不明となった場合は、警察に連絡することになること
【警備会社等への対応】
(2)入所者の無断外出の兆候や形跡など、異常な状況を覚知した場合の速やかな県職員への通報を徹底する。
(3)警備員からの通報を受けた県職員は、無断外出の入所者を確認し次第、同一人物による再度の無断外出が発生しないよう厳重に注意する。
(4)警備員配置・巡回場所の点検・見直しを行うとともに、施設の状況に応じて警備員を増員する。
■リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉
リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉は、中原消防署との複合施設として2008年3月24日に開業しました。
建物は5階以上がリッチモンドホテルプレミア武蔵小杉、1~4階が「中原消防署」という構成になっています。
ホテル施設については、川崎市・川崎市まちづくり公社・ホテル事業者との間で「災害時におけるホテル施設利用に関する協定」が締結され、地震、風水害等の災害が発生し、住民避難を要する場合、ホテルが高齢者や障害者等の災害時要援護者に対する避難場所として利用されることが定められていました。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉は神奈川県が定める9施設のうちの一つとして指定され、感染者療養施設として活用されてきました。
活用にあたっては神奈川県から周辺地域にリスクを生じさせないための対策が発表され、その際、報道機関および地域向けに告知されたリリースでは下記のようになっていました。
●問
入所者は、どのような交通手段で宿泊療養施設に来るのですか。また、外出することはないのですか。
●答
県が用意した車で、自宅や病院から搬送します。公共交通機関を利用して入所することはありません。
また、入所者の外出や外部の方との面会は認めておりません。入所者には、外出しないことを御理解いただいたうえで入所していただきます。監視カメラや警備員の24時間配置により、入所者が外出しない体制をとります。そのため、入所者が外部の方と接することはありません。
ところが、実際にはこれが守られなかったというわけです。
■リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉のエントランス
リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉のエントランスは、現在周囲のガラス張りの部分が目隠しで覆われ、リリースの通り警備員が24時間配置されています。
今回無断外出した入所者は、ここを通過したというわけです。
写真の警備員の目線の先にはエレベーターがありまして、通常はここを「目を盗んで」突破するのは簡単ではないと思いますが、隙を突かれるタイミングがあったのでしょう。
出ていく後ろ姿に気付いて声をかけるものの、入所者ではないと偽ってそのまま出ていってしまいました。
また神奈川県の発表によると、当初は「飲食店で食品を購入したのみ」と話していたものの、カメラ映像から複数の買い物をしているように見受けられたため再度確認すると物販店にも寄ったことを認めています。
外部との接触状況を正しく把握することがきわめて重要であることを鑑みると、こうしたふるまいは危険ですね。
■宿泊療養施設としての利用に関するお知らせ
本サイトでは、リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉の宿泊療養施設利用にあたっての神奈川県からのお知らせ・安全対策について、2021/2/16エントリで全文をお伝えしておりました。
それは神奈川県から、周辺地域に向けての「このような対応をするのでご理解ください」という約束事でした。
神奈川県による当初発表のみをお伝えし、実際にはその通りにはならなかったという事実に触れないことは報道として均衡を欠くことになりますので、本エントリでお伝えすることといたしました。
【関連リンク】
・リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉
・神奈川県 新型コロナウイルス感染症軽症者等の宿泊療養施設としてのリッチモンドホテル プレミア武蔵小杉の利用について
・神奈川県 宿泊療養施設「リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉」入所者の無断外出について
・川崎市まちづくり公社 公社の施設 クレール小杉
・2008/3/24エントリ リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉オープン
・2008/4/21エントリ 中原消防署 新庁舎移転
・2011/5/22エントリ リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉の窓掃除
・2021/2/16エントリ リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉が新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設として2月25日より利用開始、神奈川県が安全対策を告知
「リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉」が、神奈川県による新型コロナウイルス感染症軽症者等の宿泊療養施設として2021年2月25日(木)より利用されています。
同ホテルで療養をしていた30代男性の入所者が、4月24日午後に無断外出し、近隣の飲食店と物販店に立ち寄った事実が神奈川県より発表されました。
【神奈川県からの報道発表内容】
4月24日午後、リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉に入所している30代の男性1名が、無断で同施設から一時外出し、近隣の飲食店と物販店に立ち寄った事実が確認されました。
■経緯
4月24日
(1)16時15分
・本日入所した当該入所者(以下、「入所者」)が患者入退出用エレベーターで1階へ降り、警備員の目を盗んで無断で外出。警備員が入所者の後ろ姿に気付き、「利用者ですか」と声掛けをしたが「違う」と否定し、東急武蔵小杉駅方面へ歩いて行った。
(2)時間不明
・武蔵小杉駅周辺の飲食店・物販店に入店。
(3)16時48分
・入所者が施設に戻る。施設の前に立つ警備員に対し「県から日用品は買ってきてよいと言われた」と虚偽の説明をし、施設の入退所口から部屋に戻っていった。
(4)16時50分
・警備員が電話で県職員に報告し、無断外出の可能性を認知。
(5)16時50分~18時00分
・警備員への聞き取り、監視カメラにより経過確認、入所者を特定。
(6)18時00分
・電話連絡により、無断外出時の行動履歴を聴取したところ、飲食店で食品を購入したことを認め、他には立ち寄っていないと報告したため、厳重注意。
(7)18時26分
・再度、監視カメラの画像を確認したところ、複数の買い物を行ったように見えたため、再び電話連絡。物販店に立ち寄ったことも認めたため、再度厳重注意。
(8)19時00分
・入所者より聴取した立寄先に状況の説明、謝罪。
■入所予定期間
2021年4月24日から5月1日(4月20日の検体採取日から4日目)
■再発防止策(継続)
【入所者への対応】
(1)当該施設を含め、県内の宿泊療養施設に、以下について入所者に周知徹底するよう指示する。
(ア)入所時に誓約書に署名したとおり、入所期間中は外出禁止であること
(イ)無断外出時にこの対応に伴う経費の負担や損失が生じた場合に損害賠償請求を行うこと (ウ)無断外出により行方不明となった場合は、警察に連絡することになること
【警備会社等への対応】
(2)入所者の無断外出の兆候や形跡など、異常な状況を覚知した場合の速やかな県職員への通報を徹底する。
(3)警備員からの通報を受けた県職員は、無断外出の入所者を確認し次第、同一人物による再度の無断外出が発生しないよう厳重に注意する。
(4)警備員配置・巡回場所の点検・見直しを行うとともに、施設の状況に応じて警備員を増員する。
■リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉
リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉は、中原消防署との複合施設として2008年3月24日に開業しました。
建物は5階以上がリッチモンドホテルプレミア武蔵小杉、1~4階が「中原消防署」という構成になっています。
ホテル施設については、川崎市・川崎市まちづくり公社・ホテル事業者との間で「災害時におけるホテル施設利用に関する協定」が締結され、地震、風水害等の災害が発生し、住民避難を要する場合、ホテルが高齢者や障害者等の災害時要援護者に対する避難場所として利用されることが定められていました。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉は神奈川県が定める9施設のうちの一つとして指定され、感染者療養施設として活用されてきました。
活用にあたっては神奈川県から周辺地域にリスクを生じさせないための対策が発表され、その際、報道機関および地域向けに告知されたリリースでは下記のようになっていました。
●問
入所者は、どのような交通手段で宿泊療養施設に来るのですか。また、外出することはないのですか。
●答
県が用意した車で、自宅や病院から搬送します。公共交通機関を利用して入所することはありません。
また、入所者の外出や外部の方との面会は認めておりません。入所者には、外出しないことを御理解いただいたうえで入所していただきます。監視カメラや警備員の24時間配置により、入所者が外出しない体制をとります。そのため、入所者が外部の方と接することはありません。
ところが、実際にはこれが守られなかったというわけです。
■リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉のエントランス
リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉のエントランスは、現在周囲のガラス張りの部分が目隠しで覆われ、リリースの通り警備員が24時間配置されています。
今回無断外出した入所者は、ここを通過したというわけです。
写真の警備員の目線の先にはエレベーターがありまして、通常はここを「目を盗んで」突破するのは簡単ではないと思いますが、隙を突かれるタイミングがあったのでしょう。
出ていく後ろ姿に気付いて声をかけるものの、入所者ではないと偽ってそのまま出ていってしまいました。
また神奈川県の発表によると、当初は「飲食店で食品を購入したのみ」と話していたものの、カメラ映像から複数の買い物をしているように見受けられたため再度確認すると物販店にも寄ったことを認めています。
外部との接触状況を正しく把握することがきわめて重要であることを鑑みると、こうしたふるまいは危険ですね。
■宿泊療養施設としての利用に関するお知らせ
本サイトでは、リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉の宿泊療養施設利用にあたっての神奈川県からのお知らせ・安全対策について、2021/2/16エントリで全文をお伝えしておりました。
それは神奈川県から、周辺地域に向けての「このような対応をするのでご理解ください」という約束事でした。
神奈川県による当初発表のみをお伝えし、実際にはその通りにはならなかったという事実に触れないことは報道として均衡を欠くことになりますので、本エントリでお伝えすることといたしました。
【関連リンク】
・リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉
・神奈川県 新型コロナウイルス感染症軽症者等の宿泊療養施設としてのリッチモンドホテル プレミア武蔵小杉の利用について
・神奈川県 宿泊療養施設「リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉」入所者の無断外出について
・川崎市まちづくり公社 公社の施設 クレール小杉
・2008/3/24エントリ リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉オープン
・2008/4/21エントリ 中原消防署 新庁舎移転
・2011/5/22エントリ リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉の窓掃除
・2021/2/16エントリ リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉が新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設として2月25日より利用開始、神奈川県が安全対策を告知