多摩川景観形成ガイドライン
【Reporter:はつしも】
カナロコの記事から。
川崎市が、市民と共同で多摩川沿いに魅力的な景観をつくることを目的として、2007年度中に「多摩川景観形成ガイドライン」をまとめるということです。
その概要は以下の通りです。
■多摩川景観形成ガイドライン内容
趣旨
・2007年4月に発表された「多摩川プラン」(多摩川を市民の心のふるさとと位置付け、次世代に受け継ぐことを掲げた計画)の一環
・多摩川は市の北側に位置し、また高度経済成長期に水質汚染が進んだことから市内のマンションなどは川を背にした形で建設されることが多かった。川沿いには駐車場やごみ置き場、塀などが面することが多く、多摩川沿いの景観を損なっていた
・現在では水質も良化し、水辺も整備されて多摩川が再評価されるようになってきたことから、景観を向上させるためにルールを定めることとなったもの
内容
・多摩川を[1]河口域 [2]市心部の湾曲部 [3]多摩川大橋から新二子橋まで
[4]新二子橋から上流 の4ゾーンに分けて、景観形成の目標や方針、課題などをまとめる
・多摩川沿いの敷地や建築物、看板などについて基準を設ける
例:大規模開発では、水辺に親しめるよう川への通路、広場の確保を求める
建物の配置では、川から見て圧迫感を感じさせないよう、川に平行ではなく、斜めに建てることを勧める駐車場やフェンスは、緑で覆うことで景観を保つ
予定
・6月の川崎市審議会で報告、その意見を反映の上修正
・修正案をもとに市民からの意見を聞き、2007年度中にガイドラインとりまとめ
■先日の景観計画案との関連は?
6月20日のエントリ「川崎市が景観計画案をまとめる」でご紹介した景観計画案でも、多摩川は「景観ゾーン」に位置づけられていましたので、多少重複するもののようにも思えますね。
ただ、景観計画は建造物に届出を義務付けて強制力を持つ性質のものであるのに対し、こちらのガイドラインは自治体、市民、企業の「申し合わせ」による自主努力を推進するもののようです。
■企業のモラルは期待できるか
いずれにせよ、届出を義務付けても届出さえ形式的に行えばスルーしてしまうザル運用ではだめですし、「申し合わせ」という強制力の無いところでは企業にモラルがなければ実効力を持ちません。特に後者は企業側に自主的なモラルを期待するのは土台無理、というのが私の実感です。
具体的に言えば、「建物の配置では、川から見て圧迫感を感じさせないよう、川に平行ではなく、斜めに建てることを勧める」と言ってもですね。
身も蓋もない言い方をすれば、企業はマンションを建てるときに、「限られた敷地に最大限、一部屋でも多く詰め込んで売りたい」わけです(それは当たり前の話で、別にそれ自体が即、絶対悪ではない)。
川沿いの敷地は大概川に平行の形をしているでしょうから、川に平行にマンションを建てるのが一番効率がいいはずで、斜めに建てることで入れられる戸数が減ったり、複雑な構造になって建設費用が増大したりすると思われます。
「申し合わせ」「勧める」程度で企業が得られる利益を落として斜めにマンションを建てるとは、到底思えませんが・・・。
そもそも論として、「斜めに建てる方がきれいに見えるか」というのもちょっとよくわからないんですが、それはとりあえず置いておいて。
市民側も皆さん仕事を持っているなかで企業と本腰を入れて話し合っていくのは難しい面もありますし、結局は行政がどこまで本気でやるか、というところにつきるのではないでしょうか?
多摩川は武蔵小杉周辺の魅力のひとつですから、よりよい環境になっていくといいですね。
多摩川緑地
【関連リンク】
神奈川新聞 カナロコ 多摩川沿いに魅力的な景観をつくる取り組み開始
武蔵小杉ライフ:生活情報:公園 「多摩川緑地」
カナロコの記事から。
川崎市が、市民と共同で多摩川沿いに魅力的な景観をつくることを目的として、2007年度中に「多摩川景観形成ガイドライン」をまとめるということです。
その概要は以下の通りです。
■多摩川景観形成ガイドライン内容
趣旨
・2007年4月に発表された「多摩川プラン」(多摩川を市民の心のふるさとと位置付け、次世代に受け継ぐことを掲げた計画)の一環
・多摩川は市の北側に位置し、また高度経済成長期に水質汚染が進んだことから市内のマンションなどは川を背にした形で建設されることが多かった。川沿いには駐車場やごみ置き場、塀などが面することが多く、多摩川沿いの景観を損なっていた
・現在では水質も良化し、水辺も整備されて多摩川が再評価されるようになってきたことから、景観を向上させるためにルールを定めることとなったもの
内容
・多摩川を[1]河口域 [2]市心部の湾曲部 [3]多摩川大橋から新二子橋まで
[4]新二子橋から上流 の4ゾーンに分けて、景観形成の目標や方針、課題などをまとめる
・多摩川沿いの敷地や建築物、看板などについて基準を設ける
例:大規模開発では、水辺に親しめるよう川への通路、広場の確保を求める
建物の配置では、川から見て圧迫感を感じさせないよう、川に平行ではなく、斜めに建てることを勧める駐車場やフェンスは、緑で覆うことで景観を保つ
予定
・6月の川崎市審議会で報告、その意見を反映の上修正
・修正案をもとに市民からの意見を聞き、2007年度中にガイドラインとりまとめ
■先日の景観計画案との関連は?
6月20日のエントリ「川崎市が景観計画案をまとめる」でご紹介した景観計画案でも、多摩川は「景観ゾーン」に位置づけられていましたので、多少重複するもののようにも思えますね。
ただ、景観計画は建造物に届出を義務付けて強制力を持つ性質のものであるのに対し、こちらのガイドラインは自治体、市民、企業の「申し合わせ」による自主努力を推進するもののようです。
■企業のモラルは期待できるか
いずれにせよ、届出を義務付けても届出さえ形式的に行えばスルーしてしまうザル運用ではだめですし、「申し合わせ」という強制力の無いところでは企業にモラルがなければ実効力を持ちません。特に後者は企業側に自主的なモラルを期待するのは土台無理、というのが私の実感です。
具体的に言えば、「建物の配置では、川から見て圧迫感を感じさせないよう、川に平行ではなく、斜めに建てることを勧める」と言ってもですね。
身も蓋もない言い方をすれば、企業はマンションを建てるときに、「限られた敷地に最大限、一部屋でも多く詰め込んで売りたい」わけです(それは当たり前の話で、別にそれ自体が即、絶対悪ではない)。
川沿いの敷地は大概川に平行の形をしているでしょうから、川に平行にマンションを建てるのが一番効率がいいはずで、斜めに建てることで入れられる戸数が減ったり、複雑な構造になって建設費用が増大したりすると思われます。
「申し合わせ」「勧める」程度で企業が得られる利益を落として斜めにマンションを建てるとは、到底思えませんが・・・。
そもそも論として、「斜めに建てる方がきれいに見えるか」というのもちょっとよくわからないんですが、それはとりあえず置いておいて。
市民側も皆さん仕事を持っているなかで企業と本腰を入れて話し合っていくのは難しい面もありますし、結局は行政がどこまで本気でやるか、というところにつきるのではないでしょうか?
多摩川は武蔵小杉周辺の魅力のひとつですから、よりよい環境になっていくといいですね。
多摩川緑地
【関連リンク】
神奈川新聞 カナロコ 多摩川沿いに魅力的な景観をつくる取り組み開始
武蔵小杉ライフ:生活情報:公園 「多摩川緑地」