川崎市中原消防団が日本医科大学武蔵小杉病院の解体予定旧棟で訓練を実施、首都直下地震に備え災害対応力強化
【Reporter:はつしも】
川崎市中原消防団が、中原消防署ともに旧日本医科大学武蔵小杉病院の解体予定建築物での消防訓練を10月3日に行いました。
この模様が報道機関向けに公開されましたので、ご紹介したいと思います。
■消防訓練が行われた旧日本医科大学武蔵小杉病院
「消防団」とは、消防組織法に基づいて各市町村に設置される消防機関です。
火災や大規模災害発生時に地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員として位置づけられています。
地域における消防・防災のリーダーとして平時から地域に密着し、コミュニティの維持をはかる組織として、消防団では各地域に「班」を設置し、班ごとの施設や器具を保有して日ごろから訓練を行っています。
訓練は等々力緑地や市立学校の校庭などさまざまな場所で行われていますが、実際に大規模な建物を借り切って訓練を行う機会はなかなかありません。
今回は日本医科大学武蔵小杉病院が9月1日より新病棟に移転したことにより、旧病棟が訓練に使用できることになりました。
■分団ごとに訓練を実施
今回の訓練は、中原消防団員65名・中原消防署員14名により実施されました。
訓練は首都直下地震に備え、「川崎市内で震度6強の地震が発生し、区内では多数の火災・救助事案が発生してお り、消防力が劣勢の中、区内の耐火建物において火災発生している。」との想定です。
この想定に基づき、中原消防団指揮本部による、各分団への出場下命から消防団部隊が地震による現場到着までにおける道路啓開及び火災防ぎょ訓練が実施されました。
上記写真は、中原消防団の分団が現場に消防車で到着した想定での、訓練スタート時点です。
※訓練は各分団が同じプログラムを順番に実施しました。以下の写真は各分団の写真を組み合わせて訓練の手順を再現したものです。
■道路啓開のため下車
■障害物の鉄パイプを切断
震度6の地震が起こった際、火災現場までに障害物が発生していることが想定されます。
今回の訓練でも障害物を取り除く「道路啓開作業」が実施されました。
まずは金属パイプを電動のこぎりで切断していきます。
■さらに障害物が発生
■障害物を除去
鉄パイプを切断してさらに先に進むと、今度は倒木等が道路を塞いでいました。
ふたたび消防車を下車して、今度は手作業で進路を確保していきます。
ひとりでは持ち上げられない障害物もありますので、「声を掛け合っていこう」といったアドバイスも受けながら、作業を進めていきました。
■進路が確保できて再進行
■現地に到着
■放水準備
現場に到着したら、火災防ぎょ訓練です。
消防車からホースを取り出し、設置を進めていきます。
■建物上部に上る
■ホースをロープで持ち上げ
今回は参加人数の多い分団では、地上からの放水に加えて、建物上部に登っての放水訓練も実施されました。
そのためにまずは消防団員の方がはしごで登り、ロープにホースを括り付けて引き上げていきました。
こうした訓練は、日本医科大学武蔵小杉病院の解体前の構築物が使用できたからこそ実現したものです。
■2か所からの放水訓練
そして地上と建物上部の2か所からの放水です。
建物3~4階の的の部分に、的確に放水ができていました。
■放水終了後の撤収
放水終了後は、ホース等をきちんと撤収するのも重要な訓練です。
ホース内の水を抜きながら、各分団とも手慣れたものでした。
■訓練後の整列
整列して、分団の訓練が終了です。
この手順を各分団ごとに繰り返して、中原消防団の訓練が終了となります。
実際の災害発生時には障害物の発生だけでなく様々な想定外のことがおこるでしょう。
それだけに日ごろからこうした訓練を繰り返していくことが、非常に重要なのだと思います。
皆さん非常に規律正しく、落ち着いて訓練に臨まれていました。
中原区の安全・安心を守る消防団の皆さんの努力のあとを、たしかに見ることができました。
■訓練会場から見えた新病棟
特に今回は日本医科大学武蔵小杉病院の旧病棟が解体前に利用でき、普段はできない訓練ができました。
今後旧病棟は解体されますが、それまでの間有効活用の機会があってよかったと思います。
■「中原消防団」の組織構成(2021年4月26日現在)
中原消防団では、条例で定められた定足数249名に対して、2021年4月26日現在で198名(女性17名)が活動されています。
消防団はメンバーを募集していますので、ご関心ある方は中原消防署やお近くの消防団までお問い合わせください。
【関連リンク】
・川崎市ウェブサイト 中原消防団
・川崎市中原消防団大戸分団 Facebookページ
(中原消防団関連)
・2014/9/13エントリ 中原消防団が踊る「恋するフォーチュンクッキー」で団員募集PR
・2016/4/22エントリ 夜の東住吉小学校で、中原消防団が消防ホースの巻き取り訓練を実施
・2017/6/5エントリ 「第46回中原消防団消防大会」が等々力緑地で開催、中原区の各分団が救助・出動・消火の技を競い合う
・2019/1/6エントリ 「平成31年中原地区消防出初式」が等々力緑地で開催、消防航空隊ヘリ「そよかぜ2号」も登場
・2020/7/6エントリ 中原消防団住吉分団の「住吉東器具置場」が公有地に拡張移転、女性団員受け入れにも配慮した施設に
(太助関連)
・2013/11/11エントリ 川崎市消防局の「太助」が、武蔵小杉駅前を歩く
・2016/11/26エントリ 「第11回なかはら子ども未来フェスタ」開催レポート:ふろん太くん・太助・ロジーちゃんなどが中原区役所に集結
川崎市中原消防団が、中原消防署ともに旧日本医科大学武蔵小杉病院の解体予定建築物での消防訓練を10月3日に行いました。
この模様が報道機関向けに公開されましたので、ご紹介したいと思います。
■消防訓練が行われた旧日本医科大学武蔵小杉病院
「消防団」とは、消防組織法に基づいて各市町村に設置される消防機関です。
火災や大規模災害発生時に地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員として位置づけられています。
地域における消防・防災のリーダーとして平時から地域に密着し、コミュニティの維持をはかる組織として、消防団では各地域に「班」を設置し、班ごとの施設や器具を保有して日ごろから訓練を行っています。
訓練は等々力緑地や市立学校の校庭などさまざまな場所で行われていますが、実際に大規模な建物を借り切って訓練を行う機会はなかなかありません。
今回は日本医科大学武蔵小杉病院が9月1日より新病棟に移転したことにより、旧病棟が訓練に使用できることになりました。
■分団ごとに訓練を実施
今回の訓練は、中原消防団員65名・中原消防署員14名により実施されました。
訓練は首都直下地震に備え、「川崎市内で震度6強の地震が発生し、区内では多数の火災・救助事案が発生してお り、消防力が劣勢の中、区内の耐火建物において火災発生している。」との想定です。
この想定に基づき、中原消防団指揮本部による、各分団への出場下命から消防団部隊が地震による現場到着までにおける道路啓開及び火災防ぎょ訓練が実施されました。
上記写真は、中原消防団の分団が現場に消防車で到着した想定での、訓練スタート時点です。
※訓練は各分団が同じプログラムを順番に実施しました。以下の写真は各分団の写真を組み合わせて訓練の手順を再現したものです。
■道路啓開のため下車
■障害物の鉄パイプを切断
震度6の地震が起こった際、火災現場までに障害物が発生していることが想定されます。
今回の訓練でも障害物を取り除く「道路啓開作業」が実施されました。
まずは金属パイプを電動のこぎりで切断していきます。
■さらに障害物が発生
■障害物を除去
鉄パイプを切断してさらに先に進むと、今度は倒木等が道路を塞いでいました。
ふたたび消防車を下車して、今度は手作業で進路を確保していきます。
ひとりでは持ち上げられない障害物もありますので、「声を掛け合っていこう」といったアドバイスも受けながら、作業を進めていきました。
■進路が確保できて再進行
■現地に到着
■放水準備
現場に到着したら、火災防ぎょ訓練です。
消防車からホースを取り出し、設置を進めていきます。
■建物上部に上る
■ホースをロープで持ち上げ
今回は参加人数の多い分団では、地上からの放水に加えて、建物上部に登っての放水訓練も実施されました。
そのためにまずは消防団員の方がはしごで登り、ロープにホースを括り付けて引き上げていきました。
こうした訓練は、日本医科大学武蔵小杉病院の解体前の構築物が使用できたからこそ実現したものです。
■2か所からの放水訓練
そして地上と建物上部の2か所からの放水です。
建物3~4階の的の部分に、的確に放水ができていました。
■放水終了後の撤収
放水終了後は、ホース等をきちんと撤収するのも重要な訓練です。
ホース内の水を抜きながら、各分団とも手慣れたものでした。
■訓練後の整列
整列して、分団の訓練が終了です。
この手順を各分団ごとに繰り返して、中原消防団の訓練が終了となります。
実際の災害発生時には障害物の発生だけでなく様々な想定外のことがおこるでしょう。
それだけに日ごろからこうした訓練を繰り返していくことが、非常に重要なのだと思います。
皆さん非常に規律正しく、落ち着いて訓練に臨まれていました。
中原区の安全・安心を守る消防団の皆さんの努力のあとを、たしかに見ることができました。
■訓練会場から見えた新病棟
特に今回は日本医科大学武蔵小杉病院の旧病棟が解体前に利用でき、普段はできない訓練ができました。
今後旧病棟は解体されますが、それまでの間有効活用の機会があってよかったと思います。
■「中原消防団」の組織構成(2021年4月26日現在)
本部・分団 | 団員数 | 班ごとの所在地 |
本部 | 15 | 新丸子東3-1175-1 中原消防署内 |
中原分団 | 37 | 小杉班:小杉御殿町1-940-15 宮内班:宮内2-26-39 |
大戸分団 | 43 | 上小田中班:上小田中3-3-19 下小田中班:下小田中2-9-3 |
住吉分団 | 49 | 住吉西班:木月祇園町17-5 住吉東班:木月4-14-5 |
玉川分団 | 29 | 平間班:北谷町75-1 下沼部班:下沼部1745 |
丸子分団 | 25 | 新丸子東1-821 |
中原消防団では、条例で定められた定足数249名に対して、2021年4月26日現在で198名(女性17名)が活動されています。
消防団はメンバーを募集していますので、ご関心ある方は中原消防署やお近くの消防団までお問い合わせください。
【関連リンク】
・川崎市ウェブサイト 中原消防団
・川崎市中原消防団大戸分団 Facebookページ
(中原消防団関連)
・2014/9/13エントリ 中原消防団が踊る「恋するフォーチュンクッキー」で団員募集PR
・2016/4/22エントリ 夜の東住吉小学校で、中原消防団が消防ホースの巻き取り訓練を実施
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(太助関連)
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