武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2022年
05月07日

川崎市国際交流センターで「ウクライナ緊急支援 伝統工芸展&トークイベント」が5/8まで開催、キーウ出身・市内在住工芸作家ソロツカさんが登壇

川崎市国際交流センターにおいて、ウクライナ出身・川崎市麻生区在住の伝統工芸作家であるテチャーナ・ソロツカさんを招いての「ウクライナ緊急支援 伝統工芸展&トークイベント」が本日5月7日(土)、8日(日)に開催されています。

本工芸展ではウクライナの伝統工芸「ピサンキ」「モタンカ」「ウクライナ刺繍」に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻被害を伝える写真などが展示されていました。

また事前予約制により、ソロツカさんとご家族によるウクライナの歴史や文化に関するトークイベントも行われています。

■「ウクライナ緊急支援 伝統工芸展&トークイベント」
ウクライナ緊急支援 伝統工芸展&トークイベント 

ウクライナ緊急支援伝統工芸展&トークイベント

■伝統工芸展の会場
伝統工芸展の会場

伝統工芸展の会場 

伝統工芸展&トークイベントは、中原区木月祇園町にある「川崎市国際交流センター」の2階で開催されています。

トークイベントは事前予約制ですが、伝統工芸展はどなたでも自由に鑑賞することができます。

■ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」
ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

今回トークイベントを行うテチャーナ・ソロツカさんは、旧ソビエト連邦時代のウクライナ・キーフで生まれました。

ソビエト連邦統治下ではウクライナの言語や伝統文化が抑圧されており、今回の展示されている伝統工芸も例外ではありませんでした。

ソロツカさんはソ連崩壊後に伝統工芸「ピサンキ」の作り方を学び、2000年にご家族で来日。
ピサンキ作家として教室も営まれているということです。

■ピサンキ作りの道具
ピサンキ作りの道具

「ピサンキ」は、古くからウクライナに伝わる「ろうけつ染め」の技法でタマゴに模様を描く伝統工芸です。

ウクライナ語で「書かれたもの」を意味する「プィサーティ」という言葉がもとで、ひとつだけの場合は「ピサンカ」、2つ以上は「ピサンキ」と呼ぶのだそうです。

上記はピサンキ作り専用の筆記用具「キスカ」です。
先端の金属部分をろうそくであぶりながら蜜蝋を溶かし込み、タマゴに繊細な模様を描いていきます。

■繊細な模様が描かれたピサンキ
ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

ウクライナの伝統工芸「ピサンキ」

今回展示されているピサンキは、ソロツカさんだけでなく、多くの日本人も加わるピサンキ作家の皆さんが協力して集まったものです。

ご覧の通り、非常に繊細で、鮮やかな模様が描かれています。

■作品に添えられたメッセージ
ピサンキに添えられたメッセージ

作品には、作家さんのメッセージが添えられていました。
作家さんそれぞれのお考えで、ウクライナの平和を願う言葉が綴られています。

■ウクライナの伝統的な人形「モタンカ」
モタンカ

モタンカ

続いてこちらは、ウクライナの伝統的な人形「モタンカ」です。

ウクライナでは女性の知恵と家族の絆を意味し、家を見守る神様とされています。
伝統的に、結婚する娘に母親が作って持たせてきたものなのだそうです。

作り方は単純なものから刺繍を施した凝ったものまでさまざまあるそうですが、針は使わずに糸を巻き付けて作るのが基本です。

また共通しているのは顔が十字になっている点です。
これは「太陽」を意味しており、太陽神のご加護があるとされています。

自然そのものである「太陽」が信仰の対象になっていることからも伺われるように、この「モタンカ」の起源は古代にさかのぼるようです。

■ウクライナの刺繍
ウクライナの刺繍

■刺繍入りの民族衣装「ソロチカ」
ウクライナの刺繍 

そして今回は、ウクライナの伝統的な刺繍も展示されていました。
刺繍入りの民族衣装はとても素敵に感じました。

このウクライナの民族衣装は「ソロチカ」と呼ばれ、多くは白地のブラウスなどの首元や袖に赤・黒を基調とした刺繍が施されています。
この刺繡は悪霊や病気などから守ってくれるものなのだそうです。

「ソロチカ」は数字の「40」が由来で、これは糸の太さを表す数字です。
「40番」というのは非常に細い糸で、繊細に織られた高級な布という意味があります。

■ウクライナの被害状況の展示
ウクライナの被害状況展示

ウクライナの被害状況展示

ウクライナの被害状況展示

そして今回の「伝統工芸展」では、ロシアの侵攻によるウクライナの被害状況も展示されていました。

国内の建物などの、侵攻前後の写真が対比で並んでいます。

ウクライナの伝統工芸の素晴らしさを感じるとともに、戦火に覆われる現状の悲惨さが一層胸に迫ってきました。

■募金箱
募金箱

会場には、入口に募金箱が設置されていました。

この募金は、NPO法人kraiany(クラヤニ)を通じて全額ウクライナの人道支援に使われるということです。

同法人の募金口座や募金の使途報告はウェブサイトで公開されていますので、ご関心ある方は関連リンクよりご参照ください。

■図書・資料室ではウクライナに関する本を展示
図書室ではウクライナに関する本を展示

また、川崎市国際交流センターの図書・資料室では、ウクライナに関する本を展示しています。
ウクライナ民話の絵本「てぶくろ」は、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

■川崎市国際交流センターでの「ウクライナ緊急募金」
ウクライナ緊急募金

■中原区役所の「ウクライナ人道危機救援金」(2階地域ケア推進課)
ウクライナ人道危機救援金

なお、2022/3/16エントリでお伝えした通り、川崎市国際交流センターにおいては別途1階受付窓口で神奈川県ユニセフ協会と連携した「ウクライナ緊急募金」が、また中原区役所など川崎市の庁舎においては、日本赤十字社による「ウクライナ人道危機救援金」の募集が行われています。

考え方は人それぞれ違うかと思いますので、詳細は末尾の関連リンクより、当該エントリまたは募金に関するウェブページをご参照ください。

■中原区木月祇園町の川崎市国際交流センター
川崎市国際交流センター

川崎市国際交流センターでの「ウクライナ緊急支援 伝統工芸展&トークイベント」は、5月8日(日)まで開催されます。

伝統工芸展の作品は自由に鑑賞できますので、ウクライナの文化に触れるだけでも、得るものがあるように思います。

■川崎市国際交流センターのマップ


【関連リンク】
川崎市国際交流センター ウクライナ緊急支援 伝統工芸展&トークイベント
NPO法人Kraiany(クラヤニ)ウェブサイト ウクライナ支援
川崎市国際交流センター (公財)川崎市国際交流協会は神奈川県ユニセフ協会と連携し、ウクライナ緊急募金を行います。
川崎市国際交流センター ウクライナ避難民支援についての相談を受け付けています
神奈川県ユニセフ協会 【お知らせ】ユニセフ「ウクライナ緊急募金」受付開始
川崎市 「ウクライナ人道危機救援金」について
2022/3/16エントリ 川崎市国際交流センターでユニセフ「ウクライナ緊急募金」・難民支援相談、中原区役所など各庁舎で赤十字「ウクライナ人道危機救援金」が開始
2022/3/18エントリ 等々力緑地の小鳥付き車止め「ピコリーノ」がウクライナ国旗カラーの衣装に、一刻も早い平和への祈りを込めて

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