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2024年
06月20日

川崎市の国史跡「橘樹官衙遺跡群」で飛鳥時代の倉庫を復元、6/21まで一般公開も

川崎市高津区千年周辺には、「橘樹官衙遺跡群」と呼ばれる飛鳥時代にさかのぼる遺跡が残されています。
この地区には律令制における郡家(役所)があり、千年の高台に米の貯蔵を行っていた倉庫跡が発掘されていました。

このたび、その倉庫が復元され、6月21日(金)まで一般公開が行われています。

■橘樹官衙遺跡群の復元倉庫一般公開
橘樹官衙遺跡群

橘樹官衙遺跡群「橘樹歴史公園」


橘樹官衙遺跡群

橘樹官衙遺跡群のうち、倉庫の遺跡は「橘樹歴史公園」として整備されました。
ここには4つの倉庫遺跡が発掘されており、そのうちのひとつが建物まで、残り3つが土台の部分まで復元されました。

■土台まで復元された遺跡
土台まで復元された遺跡

土台まで復元された遺跡

■復元された倉庫
復元された倉庫

■遺跡の説明
倉庫跡の説明

4つの遺跡には、それぞれ説明が掲示されています。
またこの橘樹歴史公園の近隣にも、もう1か所倉庫の遺跡が確認されているということでした。

■復元倉庫の扉
復元倉庫の扉

復元倉庫の扉

倉庫は、飛鳥時代の役所が飢饉にそなえてお米を貯蔵していたものされています。
それだけ大切なものですから、盗賊などに盗まれないように施錠されていました。

この倉庫では、古代の倉庫に用いられていた海老錠と「クルリ」が復元されています。

■茅葺の屋根
茅葺の屋根

茅葺の屋根

屋根は、茅葺(草葺)になっています。

飛鳥時代の資料は限られており、倉庫の復元にあたっては大学教授らによるさまざまな推定を重ねていったということです。

屋根についても「瓦葺」「板葺」などがあったことが当時確認されていましたが、発掘調査等で河原が出土していないこと、寺院以外では草葺が多いこと、関東地方で草葺が近代までよく使われていたことなどさまざまなデータを鑑みて茅葺となりました。

■内部の一般公開
内部の一般公開

内部の一般公開

そして21日(金)まで行われているのが、内部の一般公開です。
こちらは1回15分程度、川崎市の専門の方がご説明してくださるのですが、一度に入れるのは20名です。

かなり盛況で、30分程度の待ち時間がありました。

倉庫では飛鳥時代の当時、上部の梁の部分まで、お米のもみを積み上げて保管していたということでした。

■凹凸のある板材
凹凸のある板材

復元倉庫は、推定を重ねてなるべく当時の建物を忠実に再現しています。
当時は板材を精巧に整える道具や技術はなかったことから、板材はツルツルにしすぎず凹凸のある仕上げになっています。

また湿気等で形状が変化するため、板材の間には隙間が生じるようになっていました。

一方で現在の建築基準に沿って、一部金属を使って建物の強度を保っている部分もありましたが、外観上はわからないようになっています。

■復元倉庫の検討プロセス
復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

復元倉庫の検討プロセス

倉庫復元にあたっての推定プロセスは、現地に掲示されていますので、ご参照ください。
実にさまざまな検討が行われていたことがわかります。

■橘樹官衙遺跡群の説明
復元倉庫の検討プロセス

「橘樹官衙遺跡群」は、この公園のほかにも近隣の「影向寺」遺跡などが集中的に分布しています。

この歴史公園と合わせて、散策してみるのもお勧めです。

■一般公開で配布されていたペーパークラフト
ペーパークラフト

ペーパークラフト

一般公開では、倉庫のペーパークラフトもプレゼントしていました。
1/100サイズで、かわいらしい仕上がりです。

なお、一般公開は真夏はさけてまた開催されるということですので、最終日の6/21に行けない場合でもラストチャンスではありません。

川崎市からのお知らせをご確認いただくとよいと思います。

■武蔵小杉ライフ公式Youtubeチャンネル 飛鳥時代の復元倉庫を一般公開!国史跡「橘樹官衙遺跡群」


また今回も、武蔵小杉ライフ公式Youtubeチャンネルで橘樹官衙遺跡群の復元倉庫一般公開の模様を動画収録しています。

現地の様子は動画のほうがよくわかる部分がありますので、ぜひご視聴ください。

■マップ


なお、アクセスは駅からかなり遠く、高台の上ですので歩くと結構大変です。
武蔵中原駅から「ハローサイクリング」で電動アシスト付き自転車をレンタルしていくと便利かもしれません。

また中原街道沿いのバス停「影向寺(ようごうじ)」で下車するのも良いと思います。

【関連リンク】
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