川崎市が武蔵小杉駅北部地区の実現化方策検討に着手
昨日が延期なら今回は着手のニュースということで、小杉駅北口地区
の再開発に関して、川崎市が具体的な実現化方法についての検討に
着手したことが明らかになりました。
これは、川崎市まちづくり局小杉駅周辺総合整備推進室が、株式会社
都市環境研究所に「小杉駅周辺地区北側実現化方策等検討業務」の
委託を行ったものです。
本件委託業務はすでに2009年7月3日に740万円で発注がなされ、
2010年3月15日までに完了することとなります。
■株式会社都市環境研究所
http://www.urdi.co.jp/
都市環境研究所は、都市計画コンサルタント業務などを主として行っ
ており、これまでにも各自治体の都市計画マスタープランや再開発
計画などの策定業務を受託しています。
武蔵小杉駅北部地区の再開発事業はいくつかのエリアに分かれており、
大きく分けて以下の通りとなります。
1.ホテル・ザ・エルシィ跡地・NEC小杉ビル・小杉ビルディング
2.日本医科大学付属武蔵小杉病院および医大キャンパス
3.大西学園
4.新日本石油社宅
上記のうち1.についてはシンプレクス・インベストメント・アドバイザ
ーズが事業主体、4.については新日石不動産および三井不動産
レジデンシャルが事業主体となるものです。こちらについては民間
単独の開発事業の色合いが濃い案件ですが、都市計画上の協議は
川崎市と行っていくものであり、今回の検討業務の範疇にも含まれて
いるのではないかと思います。
武蔵小杉駅北部地区は、連続した広大な土地を再開発する事業
ですので、やはり行政が指導力を発揮して全体のバランスをとった
まちづくりをしてほしいところです。
■完成した武蔵小杉の再開発ビル群
なお、本件業務と同日、「小杉駅周辺地区事後評価検討業務」が
同様に2010年3月15日を期限として株式会社建設技術研究所に
161万円で発注されています。
こちらは小杉駅南部地区、中丸子地区などの既存の再開発事業の
「第一期」が完成したことを受けて、その第三者的事後評価検討を
委託するものですね。
■株式会社建設技術研究所
http://www.ctie.co.jp/renewal/index.html
建設技術研究所は道路や交通、河川など土木建設事業に関するコン
サルタント業務を主な業務としていますので、評価内容はインフラ寄り
のものなのかな、と思います。
この事後評価については、是非とも市民に対して情報開示をしてほし
いところですが、まあブラックボックスで終わる話のような気もします。
さて、武蔵小杉駅北部地区の話に戻りますと、都市環境研究所に
よる再開発の実現化方策が2010年3月15日までに仕上がるとして、
そこから具体的に都市計画の策定作業を行っていくとすると、それなり
に時間がかかりそうですね。
ただ、新日本石油の小杉社宅の廃止が2011年3月に延期されていま
すので、実現化方策の策定完了から1年後に社宅廃止ということで、
スケジュールとしては繋がるようなかたちになりそうです。
(実際には川崎市と各事業者が事前協議をしつつ、スケジュールの
調整を行っているのでしょう)
2010年3月15日にまでの実現化方策の段階では、市民にどこまで
情報が開示されるのかどうかわかりませんが、しかるべく市民ニーズの
吸い上げを行ってほしいと思います。
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅北部地区
2008/2/8エントリ 武蔵小杉駅北部地区・日本医大再開発のゾーニング
2009/1/6エントリ NEC小杉ビルからNECマイクロシステムが移転完了
2009/5/14エントリ エルシィ跡地のコインパーキングがイトーヨーカドー提携に
2009/6/21エントリ 新日本石油「小杉社宅」廃止が2年延期、再開発は
2011年3月以降に