武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

川崎市中原区の再開発で変貌する街・武蔵小杉のタウン情報サイト『武蔵小杉ライフ』の公式ニュースブログ。街の最新情報やさまざまな話題をご紹介します。

2016年
05月27日

江川せせらぎ遊歩道の道路をめぐる、カルガモ親子の冒険

【Reporter:はつしも】

先日、春の陽光きらめく江川せせらぎ遊歩道で、子ガモ13羽の大家族カルガモ親子が泳いでいました。

本エントリでは春の花々とともに、ご紹介してまいりたいと思います。

■江川せせらぎ遊歩道
江川せせらぎ遊歩道

この遊歩道は、下水道整備により河川としての役割を終えた江川の跡地を利用し、計画段階から市民の意見を取り入れるパートナーシップ事業として2003年に完成したものです。

せせらぎを流れる水は等々力水処理センターで高度処理された下水であり、そのままでは生物が生息できないほどきれいなものです。
これを自然に近いものに近づけることで、せせらぎの水辺がさまざまな生物が住む豊かな環境になっています。

■カルガモ親子
カルガモ親子 

■ひと休みする子ガモ
ひと休みする子ガモ 

そして今年も、江川せせらぎ遊歩道にカルガモの子育ての季節がやってまいりました。

水辺の端の方、流れがゆっくりしているところで、ひと休み中です。

■カルガモ親子のおでかけ
下流にお出かけ

ひと休みしたら、下流にお出かけです。

数えたら親ガモが1羽に子ガモが13羽、合計14羽の大家族でした。

■道路の下をくぐるところで…
道路の下をくぐるところで…

江川せせらぎ遊歩道を下っていくと、途中で水辺の上を道路がまたいでいる場所があります。

道路の下をせせらぎが流れているのですが、親ガモが通るには入口が狭いため、親ガモだけがひょいっと道路の上に上がってしまいました。

■子ガモが、ついてこない…
子ガモが、ついてこない…

でも、子ガモたちがついてきません。

まだちいさいので、登ることはできないのです。

■呼びかける親ガモ
呼びかける親ガモ 

■道路下から出てきた子ガモたち
道路下から出てきた子ガモたち 

子ガモたちは親ガモがいなくなったことに当惑し、道路の下の水辺をさまよっていましたが、親ガモが呼びかけると出てきました。

■ふたたび合流して、ひと安心
ふたたび合流して、ひと安心 

再び親子が合流して、ひと安心です。
写真にはすべて映っていませんが、数えたらちゃんと14羽いました。

どうやらみんなで道路をこえるのは難しいと、みんなで上流に帰っていきました。

■水中でえさを取る子ガモ
水中でえさを取る子ガモ

その後子ガモたちは盛んに水中にくちばしを突っ込んで、何かえさを取っていました。
元気そうで何よりです。

■江川せせらぎ遊歩道の花々
江川せせらぎ遊歩道の花々

江川せせら遊歩道の花々

江川せせらぎ遊歩道の花々

5月になると、江川せせらぎ遊歩道の各所を鮮やかな花々が彩ります。
地域の方がお世話をされているもので、毎年たいへん楽しみにしています。

■花々に集まる蝶
 

これだけ花々が咲き誇れば、その蜜を吸うために蝶も集まってきます。
都市の喧騒を忘れる、美しい風景です。

中原区が梅雨入りをする前に、武蔵小杉からちょっと足をのばして散策をしてみてはいかがでしょうか。

【関連リンク】
川崎市上下市水道局 江川せせらぎ遊歩道
2008/5/21エントリ 二ヶ領用水のカルガモ親子
2008/11/7エントリ 江川せせらぎ遊歩道の「森とせせらぎ祭り」
2013/5/14エントリ 二ヶ領用水のカルガモ親子2013
2013/5/26エントリ 江川せせらぎ遊歩道のカルガモ親子
2013/6/8エントリ 江川せせらぎ遊歩道のカルガモ親子、1週間後の姿
2013/6/20エントリ 江川せせらぎ遊歩道の子ガモたちの、成長した姿
2014/5/11エントリ 江川せせらぎ遊歩道のカルガモ親子と、鮮やかな花々
2015/5/21エントリ 江川せせらぎ遊歩道の岩の上で、身を寄せ合うカルガモ親子
201/6/7エントリ 江川せせらぎ遊歩道の、13羽の大家族カルガモ一列縦隊
2016/5/1エントリ 2016年5月、武蔵小杉の渋川にカルガモの子育てシーズン到来

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2016年
05月19日

等々力緑地で「第47回花と緑の市民フェア」5月20日(金)~22日(日)開催、「第50回川崎市畜産まつり」22日(日)開催

【Reporter:はつしも】

2016年5月20日(金)~22日(日)に、等々力緑地において「第47回花と緑の市民フェア」が開催されます。
また22日(日)には、「第50回川崎市畜産まつり」が同時開催されます。

■川崎市 「第47回花と緑の市民フェア」及び「第50回川崎市畜産まつり」を開催します
http://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000076184.html

■「花と緑の市民フェア」「川崎市畜産まつり」ポスター
「花と緑の市民フェア」「川崎市畜産まつり」ポスター
※クリックで拡大します。

最初に、明日20日(金)からスタートする「花と緑の市民フェア」からご紹介していきましょう。

■「第47回花と緑の市民フェア」開催概要
▼日時:2016年5月20日(金)~22日(日)9:00~17:00 ※荒天時中止
▼会場:等々力陸上競技場 催し物広場
▼プログラム:

内容 20日(金) 21日(土) 22日(日)
花と緑の即売会
園芸相談 10:00-16:00 10:00-16:00 10:00-16:00
青空園芸教室 13:30-15:00 14:00-15:30
花と植木の品評会 一般観覧
15:00-17:00
一般観覧
9:00-10:30
即売会
10:30-
花と緑の抽選会 9:00-17:00 9:00-17:00
青空料理講習会 12:00-13:00
フラワーデザイン講習会 10:30-12:00 10:30-12:00
フラワーデザイン展
フラワーアレンジメント展
緑化ポスター・標語展
民有地緑化推進コーナー
フラワーポットの展示
障害者作品展(作業室こすぎ) 9:00-16:00
野だて 9:00-17:00 9:00-17:00
市内産野菜とたまごの即売会(JAセレサ川崎)
動物ランド 10:00-15:00 10:00-15:00
餅つきの実演・販売 9:00-17:00 9:00-17:00
藍染め体験・販売
※天候状況、その他の事情により内容を変更する場合があります。

「花と緑の市民フェア」は、市民の方々が花と緑に親しみ、潤いのある生活と快適な街づくりを推進することを目的として毎年「川崎市畜産まつり」と同時開催されています。
昨年は3日間で約61,000名の来場者が集まりました。

基本的には園芸や緑化関連の催しが中心となっていますが、動物ランドや餅つき、藍染め体験など、土日を中心にさまざまな企画も用意されています。

■「花と緑の市民フェア」「川崎市畜産まつり」が同時開催された等々力緑地
「花と緑の市民フェア」「川崎市畜産まつり」が同時開催された等々力緑地

■アジサイの販売
アジサイの販売 

■フード系のテント
フード系のテント



続いて、「川崎市畜産まつり」についてご紹介していきたいと思います。
こちらは22日(日)のみの開催となります。

■「第50回川崎市畜産まつり」の開催概要
▼日時:2016年5月22日(日)10:00~15:00
▼会場:等々力緑地 催し物広場
▼プログラム:

内容 22日(日)
羊の毛刈り体験 14:00-
※先着30名、30分前から整理券配布
バター作り体験 10:30-/12:00-
※各回とも先着30名、30分前から整理券配布
乳搾り体験 10:00-/12:30-
※各回とも先着60名、30分前から整理券配布
鶏卵の品評会 一般観覧13:00-
乳牛・豚・鶏の展示 10:00-15:00
飼料の展示 10:00-15:00
動物ランド 10:00-15:00
ポニーの試乗 10:00-11:00/12:00-13:00/14:00-15:00※各回とも当日先着順
市内産たまごのつかみ取り(1回100円) 10:00-/13:00-
※各回とも、なくなり次第終了
県内牧場のアイスクリーム販売 10:00-
※なくなり次第終了
※天候状況、その他の事情により内容を変更する場合があります。

「川崎市畜産まつり」の開催時間は、10時~15時です。
同時開催の「花と緑の市民フェア」に比べて開始時間が1時間遅く、終了時間が2時間早くなっていますので、ご注意ください。

割合シニア向けの企画が多い「花と緑の市民フェア」に比べると、「羊の毛刈り」「バター作り」「乳搾り」の体験など、お子さんが喜ぶ催しがより多く揃っています。
両イベントをお子さん連れで楽しむならば、22日(日)10時~15時が良いかもしれませんね。

■「川崎市畜産まつり」の牛
川崎市畜産まつりの牛

■生後2週間の子牛
生後2週間の子牛

■羊の毛刈り体験
羊の毛刈り体験 

羊の毛刈り体験

■ふれあい動物園
ふれあい動物園

ふれあい動物園

ポニーの乗馬

なお、体験企画は記載の通り定員がありまして、30分前から整理券が配布されます。
昨年の実績ではすぐに定員満了になっていましたので、希望される方は早めに来場されることをお勧めします。

昨年開催については、2015/5/17エントリにおいてレポートさせていただきました。
武蔵小杉の近くでさまざまな植物、動物、畜産物に触れることができる、良い機会だと思います。

また、両イベントの過去の開催風景は川崎市のウェブサイトにも掲載されています。
関連リンクよりご参照ください。

【関連リンク】
川崎市ウェブサイト 花と緑の市民フェア 過去の開催風景
川崎市ウェブサイト 川崎市畜産まつり 過去の開催風景
2015/5/14エントリ 等々力緑地で「第46回花と緑の市民フェア」5月15日(金)~17日(日)開催、「第49回川崎市畜産まつり」17日(日)開催
2015/5/17エントリ 「第46回花と緑の市民フェア」「第49回川崎市畜産まつり」開催レポート

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2016年
05月13日

武蔵小杉目線で巡る、生田緑地。「かわさき宙と緑の科学館」「日本民家園」「岡本太郎美術館」と、「枡形山」から望む武蔵小杉

【Reporter:はつしも】

川崎市には、市北部を中心に豊かな自然が残されています。
代表的なものが多摩区から宮前区にかけて広がる「生田緑地」で、1941年の都市計画決定に基づいて整備・保全が行われています。

本サイトではこれまでに同緑地内の施設として、緑地中心部からは離れた場所の「藤子・F・不二雄ミュージアム」「生田緑地ばら苑」をご紹介してまいりました。

今回は「かわさき宙と緑の科学館」を中心に、「武蔵小杉目線」で生田緑地中心部をご紹介してまいりたいと思います。

■武蔵溝ノ口駅前から「溝19系統」で出発
武蔵溝ノ口駅前から「溝19系統」バスで出発

武蔵小杉から生田緑地中心部に向かうには、南武線武蔵溝ノ口駅の南口(ノクティとは反対側)から、川崎市バス「溝19系統」(向丘遊園駅南口行)を利用するのが便利です。

■川崎市バス「溝17系統」「溝18系統」「溝19系統」時刻表(PDF)
http://www.kcbn.jp/loca/tmtbl/pdf/00434_02_1.pdf
※「向」印がついている時刻を参照ください。

1時間に2本程度と本数が限られていますので、あらかじめ時間を定めて移動するのが良いでしょう。
「溝口駅南口」から、約20分ほどで「生田緑地入口」に到着します。

■生田緑地周辺の道路
生田緑地周辺の道路

平坦な武蔵小杉周辺と異なり、生田緑地に近づくと坂道が増えてきます。

自転車で通行するのは大変でしょうが、並木道に「坂道」と「カーブ」が加わると撮影する景観としては見ごたえがあります。

■「動物注意」
「動物注意」

また、生田緑地入口付近には、「動物注意」の標識もありました。
たぬきなどが通行することがあるのでしょうね。

■生田緑地入口とビジターセンター
生田緑地入口とビジターセンター

バス停から徒歩3分ほどで、生田緑地入口に到着です。
左側に見えるのはビジターセンターで、ここでガイド情報やトイレ等を利用することができます。

■「かわさき宙と緑の科学館」
「かわさき宙と緑の科学館」

さて、今回メインでご紹介する「かわさき宙と緑の科学館」は、入口から比較的近い場所にあります。

ここは土日祝日・夏休み・冬休みにはプラネタリウムの一般向け投影(平日は学校向け)が行われていまして、そのうち第1回目10:30~の回が子供向けプログラムとなっています。

チケットは9:30から当日分の販売が行われます。
行楽シーズンの第1回目は人気が集中しますので、早めに行って並んでおくのが良いと思います。

行列は代表者のみでOKですので、家族でお越しの場合はひとりが並び、その間に周辺を散策することも可能です。

■プラネタリウム投影機「MEGASTAR-Ⅲ FUSION」
「MEGASTAR-Ⅲ」

「MEGASTAR-Ⅲ」

そしてこちらが、「宙と緑の科学館」が誇る世界最高水準のプラネタリウム投影機「MEGASTAR-Ⅲ FUSION(メガスターⅢ フュージョン)」です。

大平技研と公益財団法人日本科学技術振興財団共同事業体が開発製作した最新鋭機で、肉眼では見えない星や明るさの違い、正確な色合いをも精密に描き出すことができます。

プラネタリウム投影中はもちろん撮影不可ですが、投影前後は自由に記念撮影が可能です。

■「かわさき宙と緑の科学館」の展示
「かわさき宙と緑の科学館」の展示 

■川崎市で発見された化石
川崎市で発見された化石 

「かわさき宙と緑の科学館」では、川崎市の自然に関する常設展示や、体験教室などが行われています。
プラネタリウムの待ち時間がある場合は、こちらを楽しむのも良いでしょう。

■生田緑地の地層
川崎市の地層

これは、最新の研究に基づいて生田緑地の30万年分の地層を5分の1サイズ、8mに縮小再現したものです。

生田緑地では、のちほどご紹介する「枡形山」などにおいて一部露出した地層を見ることができます。

■多摩川の地形に関する展示
多摩川の地形に関する展示

武蔵小杉の海抜

こちらは、多摩川の地形に関する展示です。
源流から河口に向かうにしたがって、低地になっていく姿が描かれています。

二子玉川・溝の口付近で17mあった海抜が、武蔵小杉では2mになっています。

■等々力緑地付近の多摩川の変遷
等々力緑地付近の多摩川の変遷

ここには、等々力緑地付近の多摩川の流れの変遷を示す資料も展示されていました。

これは本サイトの「川崎歴史ガイド・中原街道ルート」連載でもご紹介した、中原街道の旧割元名主「安藤家」が所蔵していた資料で、1712年頃の地図です。

現在の等々力緑地の南側を多摩川が流れていて、中原区等々力は、世田谷区の等々力とかつては一体であったことがわかります。

■現代の等々力緑地付近
現代の等々力緑地付近 

「あばれ川」と呼ばれる多摩川は氾濫を起こすたびにその流れを変え、治水工事もあって現在の姿となりました。

世田谷区と中原区の両方に「等々力」という地名があるのは、このような経緯に由来するものです。

■カフェレストラン「星めぐり」
カフェレストラン「星めぐり」

カフェレストラン「星めぐり」 

「かわさき宙と緑の科学館」には、カフェレストラン「星めぐり」も併設されています。

仮に10:30から45分程度のプラネタリウムを見ると11時過ぎになっていますから、混雑する前にここでランチを済ませても良いでしょう。

■日本民家園
日本民家園

それでは、「かわさき宙と緑の科学館」を出て、生田緑地をめぐっていきましょう。

科学館向かい側には、江戸時代の日本建築を移築した野外博物館「日本民家園」があります。

■日本民家園の「旧原家住宅」
日本民家園の「旧原家住宅」

旧原家住宅

日本民家園には、中原街道の旧名主家「旧原家住宅」が移築展示されています。

■旧原家住宅跡地
旧原家住宅跡地

「旧原家住宅」については、本サイトでは「川崎歴史ガイド・中原街道ルート」でご紹介しておりました(2009/10/6エントリ参照)。
現在の中原街道・小杉陣屋町では母屋跡地にマンションが建設されましたが、「陣屋門」などが残されたほか、歴史に関する展示などが行われています。

日本民家園の「旧原家住宅」については、エントリが長くなりますので「川崎歴史ガイド・中原街道ルート」の連載の枠でまた別途ご紹介したいと思います。

■生田緑地に残された自然
生田緑地に残された自然

生田緑地に残された自然

さらに、生田緑地の奥へと分け入っていきたいと思います。

生田緑地は都市計画により保全が行われていまして、たいへん豊かな自然環境が残されています。
つい1時間前には武蔵小杉の高層ビル群にいたことを忘れるような、木の香りがしました。

■川崎市岡本太郎美術館
川崎市岡本太郎美術館

緑地を分け入っていくと階段の先に見えてくるのが、「川崎市岡本太郎美術館」です。
岡本太郎氏は川崎市高津区二子生まれで、川崎市では等々力緑地の市民ミュージアムでも岡本太郎展が開催されたことがあります。

■シンボルタワー「母の塔」
シンボルタワー「母の塔」

美術館のそばには、巨大なシンボルタワー「母の塔」が建立されています。

これは岡本太郎氏が逝去した1996年の前年、1995年に基本設計が完了し、1999年に美術館とともに完成したものです。

■「太陽の塔」の記念撮影スポット
「太陽の塔」の記念撮影スポット

館内には岡本太郎氏の代表的な作品「太陽の塔」などに顔を入れて記念撮影するスポットもありますので、記念にいかがでしょうか。

■美術館併設「カフェテリアTARO」
美術館併設「カフェテリアTARO」 

「川崎市岡本太郎美術館」にも、併設の「カフェテリアTARO」があります。

ご覧の通り、チェアが岡本太郎仕様になっていました。

■枡形山の断面図
枡形山の断面図

■「枡形山」の地層
「枡形山」の地層

最後に、生田緑地でもっとも高い、標高88mの「枡形山」に登ってみたいと思います。

この「枡形山」はちょうど枡のような形をしていまして、鎌倉時代に源頼朝の侍大将・稲毛三郎重成が城を構えたと伝えられています。

100万年以上の永い年月にわたる地層の堆積によってできた台地で、頂上への途上では地層が露出している部分が見られます。

■頂上の展望台
屋上の展望台

枡形山の頂上には、展望台があります。
これは階段とエレベータでのぼることができます。

■枡形山の展望台から見える武蔵小杉の高層ビル群
枡形山展望台から見える武蔵小杉の高層ビル群

展望台からは、眼前に360度パノラマが広がっています。
ご覧の通り、武蔵小杉の高層ビル群もはっきりと見ることができました。

武蔵小杉の手前に見える緑地が、「ばら苑」のあたりです。

■生田緑地ばら苑「春の一般開放」(2013年)
生田緑地ばら苑 春の開苑

生田緑地ばら苑 春の開苑

「ばら苑」は、ちょうど2016年5月12日(木)~29日(日)の「春の一般開放」がスタートしました。
(写真は2013/5/30エントリでご紹介したものです)

美しいばらの花々が鑑賞できますので、5月中はこちらもおすすめです。

■生田緑地ばら苑 ばら苑へのアクセス
http://www.ikuta-rose.jp/access.html

今回ご紹介した生田緑地の中心部とは距離が離れていますので、その点ご注意くださいね。
南武線宿河原駅から徒歩23分か、登戸駅から藤子・F・不二雄ミュージアム行きのバスを利用することになります。

【関連リンク】
(生田緑地関連)
生田緑地 公式サイト
かわさき宙と緑の科学館 公式サイト
川崎市立日本民家園 公式サイト
生田緑地ばら苑 公式サイト
藤子・F・不二雄ミュージアム 公式サイト
2011/6/11エントリ 生田緑地ばら苑の春
2011/6/14エントリ 「藤子・F・不二雄ミュージアム」とローソンコラボ店舗
2011/8/6エントリ 「藤子・F・不二雄ミュージアム」の広報ラッピングバスが武蔵小杉に登場
2011/9/23エントリ 「藤子・F・不二雄ミュージアム」鑑賞レポート
2013/5/30エントリ 生田緑地ばら苑、春の一般開放

(川崎歴史ガイド・中原街道ルート連載)
2009/10/6エントリ (2):「旧原家母屋跡地」
2014/2/10エントリ (16):「木月堀と『くらやみ』」
2015/12/20エントリ (番外編):旧原家母屋跡地「GATE SQUARE小杉御殿町」の歴史展示

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2016年
05月11日

日本陸連第1種公認「等々力陸上競技場」前で、セカイキロクに挑戦

【Reporter:はつしも】

5月8日に「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」が等々力陸上競技場において開催されました。

これにあわせて、同競技場の向かい側壁面に、陸上競技をPRする絵柄が登場していました。

■公式野球場等建設工事現場と等々力陸上競技場
硬式野球場等工事現場と等々力陸上競技場

等々力緑地では、現在大規模な再編整備が行われています。

その先陣を切って改修されたのが等々力陸上競技場のメインスタンド(上記写真左側)であり、現在はこれに続いて硬式野球場・じゃぶじゃぶ池の整備(同右側)が着工しています。

ご覧の通り、「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」が開催された等々力陸上競技場に面する形で工事用の仮囲いが設置されていまして、この壁面を利用した陸上競技PRが行われていました。

■「セカイキロクに挑戦!!」
「セカイキロクに挑戦!!」 

これは「セカイキロクに挑戦!!」と題して、一部陸上競技の世界記録・日本記録をシルエットで表現したものです。

1種目ずつ、見ていきましょう。

■走り幅跳び
走り幅跳び

■走り幅跳びの世界記録・日本記録
走り幅跳びの世界記録・日本記録

まずこちらは、走り幅跳びです。
男子の世界記録がマイク・パウエル選手の8m95、日本記録が森長正樹選手の8m25です。

実際に現地のスケールを体感すると、たいへんな距離を跳ぶことがわかります。

■走り高跳び
走り高跳び

■走り高跳びの世界記録・日本記録
走り高跳びの世界記録・日本記録

続いて、走り高跳びです。

男子の世界記録はハビエル・ソトマヨル選手の2m45、日本記録が醍醐直幸選手の2m33です。

なお女子では、「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」のプレイベント「スペシャル陸上教室」(2016/3/22エントリ参照)で講師をつとめたハニカット陽子選手が、1m95の日本歴代2位の記録(日本記録は1m96の今井美希選手)を保有しています。

■100m走
100m走 

■100m走の世界記録と日本記録
100m走の世界記録と日本記録 

そしてこちらは、100m走です。
世界記録と日本記録の差は0秒42とわずかな時間ですが、距離にするとかなり差がつきます。

ここで描かれている差がどのように算出したものか明確ではありませんが、9秒58がゴールした瞬間の、10秒00との距離を再現したものでしょうかね。

■男子100m走世界記録
100m走世界記録

■100m走日本記録
100m走日本記録

男子100m走の世界記録はウサイン・ボルト選手の9秒58、日本記録は伊藤浩司選手の10秒00です。

日本人選手が、いつか9秒台で走ることを期待されている方も多いのではないでしょうか。


等々力陸上競技場前の仮囲いでは、このように走り幅跳び・走り高跳び・100m走の3種目が描かれていました。

「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」では世界記録・日本記録更新とはなりませんでしたが、各競技ともトレーニング方法や技術面などが発達を続けています。

いずれまた、新たな記録が生まれるのではないでしょうか。

■等々力陸上競技場
等々力陸上競技場

等々力陸上競技場

等々力陸上競技場というと、地元においては川崎フロンターレのホームグラウンドという印象が強いかもしれません。

しかしながらその名前の通り基本的に「陸上競技場」でもありまして(サッカーファン・サポーターの皆さんにとっては残念なことかもしれませんが)、サッカー専用スタジアムではありません。

■等々力陸上競技場 100mのプレス席
等々力陸上競技場 100mゴール前のプレス席

こちらは、等々力陸上競技場のプレス席です。
前方にペンなどが転がらないテーブルが設置されていまして、ちょうど目の前が100m走のゴールになっています。

このように、スタンドも「陸上競技場」としての設計にもなっているわけです。

等々力陸上競技場は、日本陸上競技連盟の第1種公認を受けており、「セイコーゴールデングランプリ陸上」は国際陸上競技連盟(IAAF)による「IAAFワールドチャレンジ」として位置づけられています。

そのような高レベルの陸上競技大会が開催できるのも、等々力陸上競技場の特徴といえるでしょう。

【関連リンク】
川崎市 等々力緑地再編整備室
川崎市 等々力緑地
2011/6/30エントリ 等々力緑地の「健康美」と「花時計」
2013/7/22エントリ 等々力陸上競技場改修工事の仮囲いに「あなたと等々力」思い出写真を掲示中
2014/1/22エントリ 等々力競技場改修工事現場で、65年間の等々力緑地航空写真が掲示
 ・2015/3/13エントリ 等々力陸上競技場 新メインスタンド完成。報道機関向け内覧会・完成記念式典最速レポート!
2015/3/29エントリ 等々力陸上競技場新メインスタンドの、藤子・F・不二雄ミュージアムコラボのブロンズ像 全8体をご紹介
2015/12/12エントリ 「等々力球場」「等々力プール」の解体工事と、在りし日の記録。廃止されるプールは等々力陸上競技場併設を検討
2016/3/13エントリ 等々力緑地再編整備:「健康美」の像周辺と、硬式野球場・じゃぶじゃぶ池整備エリアの工事進む
2016/3/22エントリ「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」プレイベント:一流アスリートによる「スペシャル陸上教室」が4月3日(日)開催、小学生対象に参加申込受付中

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2016年
05月03日

SUUMO武蔵小杉住宅展示場に、川崎フードと体験教室が集合。「ファミリービッグフェスタ」が5月3日(火)~5日(木)の3連休に開催

【Reporter:はつしも】

2016年5月3日(火)~5日(木)の3連休に、SUUMO武蔵小杉住宅展示場において「ファミリービッグフェスタ」が開催されています。

川崎市内各地の飲食店に加えて、今回はアクセサリー作りやダンス教室などの体験教室が多数出店しています。

■SUUMO武蔵小杉住宅展示場の「ファミリービッグフェスタ」
SUUMO武蔵小杉住宅展示場の「ファミリービッグフェスタ」

■「ファミリービッグフェスタ」の開催概要
日時 2016年5月3日(火)~6日(木)11:00~16:00
会場 SUUMO武蔵小杉住宅展示場
フード出店 KOSUGI CURRY(カレー)
●ブラジルキッチン(ブラジル料理)
発酵蔵カフェかもし堂(発酵食品)
山門前 住吉(久寿餅)
Bear Bear(シフォンケーキ)
TOCCO(生ジェラート)
CAFE CLUB KEY(パニーニ)
かわさき餃子舗の会かながわサンマー麺の会(餃子&サンマー麺)
Vegecafe78(スムージー)
SHIBA COFFEE(コーヒー)
体験出店 ●手形こいのぼり作り&似顔絵(カフェマイム
●フラダンス教室(菊田くみ子フラスタジオ
●ダンス体験(キッズガーデン武蔵小杉教室
●オリジナルチャーム作り(totelian
●姫鏡作り&数秘占い(カフェマイム
●コアバランスストレッチ(所英男のDr.ストレッチ
●デコソープ作り(カルチャースクールウィザードセンター
●アート教室(アトリエ・キュイキュイ
●子ども英会話教室(Apple Tree Kids Garden
Web https://suumo.jp/edit/tenjijyo/event/

本イベントは従来は「かわさきフードフェスタ」として開催されていたものです。
今回は「フード」だけでなくさまざまな体験教室も企画に加わったことから、名称が「ファミリービッグフェスタ」に変更されました。

■「かもし堂」の人気ロケ弁「塩糀弁当」
「かもし堂」の人気ロケ弁「塩糀弁当」

フード出店の中でお勧めなのが、「発酵蔵カフェ かもし堂」の発酵食品の「塩糀弁当」です。

このお弁当は「ロケ弁コンテスト」でグランプリを受賞していまして、多数の映画やドラマ等のロケで使われています。

■ロケ弁配達実績リスト
ロケ弁提供リスト

出店のご案内には、「塩糀弁当」をロケに配達した実績が掲載されていました。

つまらないことのようですが、ロケ弁選びはADの出演者もてなしセンスが問われる部分でもありますので、それだけ評判が良いということかと思います。

■「塩糀からあげ弁当」
「塩糀からあげ弁当」 

今回は、こちらの「塩糀からあげ弁当」をいただいてみました。
にんにく塩糀たれに漬け込んだからあげに良く味がしみて、揚げたてでなくても美味しくいただけました。

今回の出店では、お弁当以外にも「塩糀からあげ」だけの販売も行っていました。

■「KOSUGI CURRY」のオリジナルチキン+春野菜のBBQカレーあいがけ
「KOSUGI CURRY」のオリジナルチキン+春野菜のBBQカレーあいがけ

お弁当系では、「KOSUGI CURRY」のカレー弁当も人気でした。
こちらは「オリジナルチキン」と「春野菜のBBQカレー」のあいがけ弁当です。

■「TOCCO」のイタリアンジェラート
「TOCCO」のイタリアンジェラート

「TOCCO」のイタリアンジェラート

春の日差しの中で辛いものを食べると、甘いデザートがほしくなります。

「ファミリービッグフェスタ」には、2010/9/5エントリでご紹介したジェラートのお店「TOCCO
が出店していました。

■苺のショートケーキ
「苺のショートケーキ」

「TOCCO」では、写真の通り9種類のジェラートを用意しています。
今回は「苺のショートケーキ」をいただいてみました。甘いジェラートの中にケーキの生地がすこし、入っています。

■「エンジェルケーキ」
「エンジェルケーキ」

そしてこちらも同じくTOCCOの「エンジェルケーキ」です。
油を使わずに仕上げたシフォンケーキです。

ふわふわというよりはある程度しっかりした食感で、低カロリーながらメープル味がよくきいていました。

■川崎大師「住吉」の久寿餅
「住吉」の久寿餅

洋菓子以外だけでなく、和菓子も出店していました。
川崎大師の山門前から「住吉」です。

川崎大師名物、住吉のくず餅は「久寿餅」と書きます。
現地まで行くのは大変ですので、この機会に試してみるのもよいでしょう。

■オリジナルチャーム作りなどの体験教室
オリジナルチャーム作りなどの体験教室

■お名前ストラップ&ヘアゴムづくり
大名前ストラップ&ヘアゴムづくり

今回は詳しくご紹介できませんが、前掲の通り本イベントではさまざまな体験教室が開催されています。
こちらも家族連れの方がたくさん、集まっていました。

■コムゾー君
コムゾー君

■テントが並ぶ会場
テントが並ぶ会場

本イベントは基本的にSUUMO住宅展示場の集客の一環として開催されるものです。

モデルハウスの前で軽く声をかけられますが、それ以上の勧誘や個人情報の取得等はありませんので、ごく気軽に参加できるかと思います。

この3連休、特におでかけの予定もなくどうしようか…とお困りの方には良いかもしれません。

【関連リンク】
SUUMO住宅展示場武蔵小杉 公式ウェブサイト
2010/9/5エントリ パティスリー・リュッフェル跡地に「お菓子とジェラートのお店 TOCCO」オープン
2013/4/28エントリ SUUMO武蔵小杉住宅展示場で「かわさきフードフェスタ2013」開催中
2014/4/26エントリ SUUMO住宅展示場武蔵小杉にドクターイエローが登場、4連休に「かわさきフードフェスタ2014」開催
2014/5/5エントリ SUUMO住宅展示場武蔵小杉で「かわさきフードフェスタ2014」5月6日(火)まで開催中

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2016年
05月02日

川崎市・大田区の地サイダー登場。甘さ控えめ「黒湯サイダー」が各銭湯とスリーエフで発売中

【Reporter:はつしも】

川崎市および大田区の銭湯・スリーエフの一部において、「黒湯サイダー」が限定販売されています。

今回はこの「黒湯サイダー」を、ご紹介しましょう。

■「黒湯サイダー」のチラシ
「黒湯サイダー」のチラシ

■「黒湯サイダー」
「黒湯サイダー」 

川崎市から大田区にかけての一帯は、天然温泉である「黒湯」が出る地域です。
大田区は東京23区の中でも最も銭湯が多い区で、その4割近くが天然温泉を活用した銭湯になっています。

「黒湯」は、古代の植物が枯れて分解された無形成分の影響で茶褐色に色づいているのが特徴で、フミン酸が含まれて美肌効果があるとされています。

■「黒湯」に入れる「丸子温泉」


中原区においても、新丸子の「丸子温泉」は黒湯の温泉です。
昭和の風情を色濃く残した、昔ながらの雰囲気が味わえます。

■茶褐色の「黒湯サイダー」
茶褐色の「黒湯サイダー」

この「黒湯サイダー」は、この黒湯をイメージして2014年度に大田区の観光大使と川崎市の大学生が試作したもので、このたび川崎市の飲料メーカー・川崎飲料が商品化を行いました。

販売元は大田区・川崎市観光まちづくり連携事業実行委員会となっています。

温泉成分は含まれていませんが、ご覧の通り黒湯のような茶褐色をしていまして、ほんのりと塩味、甘さは控えめの仕上がりになっています。

■販売店のスリーエフ
販売店のスリーエフ川崎市ノ坪店

「黒湯サイダー」の販売は、前述の通り川崎市・大田区の銭湯とスリーエフの一部で行われています。

銭湯は行く機会のない方も多いと思いますので、綱島街道沿い・二ヶ領用水近くの「スリーエフ川崎市ノ坪店」が購入しやすいのではないでしょうか。

■陳列された「黒湯サイダー」
陳列された黒湯サイダー 

「スリーエフ川崎市ノ坪店」では、「黒湯サイダー」が発売開始当初にたくさん入荷していました。
一年に一度しか発売されない、「川崎市民は飲むべき一本」として紹介されています。

※5月2日21時時点においてまだ店頭在庫があることを確認しておりますが、今後完売する可能性があります。あらかじめご了承ください。

あくまで個人的な感想としては、「黒湯サイダー」は甘さ控えめでわたくしの好みからはやや外れるのですが、「ご当地限定」をこの機会に楽しんでみるのも悪くないものです。

■過去に開催された「もとすみ地サイダーフェスタ」
もとすみ地サイダーフェスタ

2012年~2013年には、元住吉で「地サイダーフェスタ」が開催されたのを本サイトでもご紹介しております。
ただ、このときは全国各地の地サイダーを集めるというもので、地元・川崎市を軸にした企画ではありませんでしたね。

今回は川崎市・大田区のまさしく「地サイダー」ということで、ご紹介いたしました。

【関連リンク】
スリーエフ 店舗検索
大田区ウェブサイト 地域自慢の新しいお土産 「黒湯サイダー」を発売しています!
2012/8/12エントリ 「もとすみ地サイダーフェスタ2012」開催中
2013/8/19エントリ 井田中ノ町商店街で「イダナカ地サイダーフェスタ」開催中、8月31日に紙芝居イベント実施
2016/2/24エントリ 2月28日(日)「いっしょにおフロんた~れ」を前に、武蔵小杉周辺銭湯めぐり。「今井湯」「丸子温泉」の煙突と、「祇園湯」営業終了

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2016年
04月28日

川崎市市民ミュージアムの「トーマス転炉」が語る、川崎の鉄鋼産業史

【Reporter:はつしも】

等々力緑地の市民ミュージアムの前に、巨大な鉄の塊があります。
本日はこの「トーマス転炉」をご紹介したいと思います。

■市民ミュージアム前の「トーマス転炉」
市民ミュージアム前の「トーマス転炉」



「トーマス転炉」は、日本の鉄鋼産業の発展に寄与した産業遺産です。
リンを含む鉄鉱石の利用を目的とした製鋼炉として英国のシドニー・G・トーマス氏が発明し、同氏の名前が付けられました。

鋼はリンを含むと強度が損なわれるため、従来はリンを含んだ鉄鉱石を原料に使うことができませんでした。
トーマス転炉はこれらの不純物を製造工程の中で除去することで克服したもので、当時画期的な発明でした。

日本においては1937年に日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)が導入し、1938年から1957年まで川崎市川崎区の京浜製鉄所において稼働していました。
当時の日本では鉄鋼の国産化が求められており、日本鋼管はこのトーマス転炉を国内で唯一導入したことにより、民間で最初に銑鉄一貫体制を実現しました。

川崎市市民ミュージアム前のトーマス転炉は日本鋼管から寄贈されたもので、外径は4.2m、高さは約7.6m、重量は約60トンというスケールです。

■「トーマス転炉」稼働当時の記録
「トーマス転炉」稼働当時の記録

■「トーマス転炉」稼働当時の記録
「トーマス転炉」稼働当時の記録

トーマス転炉の前には、稼働していた当時の写真などの記録が残されています。

写真を見ると、トーマス転炉を傾けて溶鋼を取鍋へ注ぎ込んでいる工程が確認できます。
「転炉」という名称は、このように炉を回転させることに由来していまして、回転させるための巨大な歯車が胴体中央に突起してしているのが特徴的です。

そのダイナミックな姿に、日本の高度経済成長を支えた鉄鋼業の重厚さを感じることができます。

■トーマス転炉と武蔵小杉の高層ビル群
トーマス転炉と武蔵小杉の高層ビル群

市民ミュージアム前から武蔵小杉方面を見ますと、トーマス転炉と駅周辺の高層ビル群が並んで見えます。

日本の産業遺産と新しい街の姿の対比に、時代の変化を感じますね。

■トーマス転炉の小型模型(市民ミュージアム内)
トーマス転炉の小型模型

なお、巨大すぎて全体がよく見えない…という方は、市民ミュージアム1階に小型の模型がありますので、こちらをご覧ください。
質感などもよく再現されています。

■トーマス転炉のペン立て
トーマス転炉のペン立て

さらに、市民ミュージアム内のアンケート記入場所には、トーマス転炉のペン立てがありました。
これはかつてミュージアムショップで販売されていたのですが、現在はショップが廃止されてしまいました。

そのため現在は入手が困難となっています。

■マンションにかわるJFEスチールの元住吉社宅
北側「JFEビラージュもとすみ」

近年はIT産業やサービス産業が台頭し、重工業を中心とした京浜工業地帯の製造品出荷額も最盛期ほどの勢いはなくなってきました。
しかしながら、鉄鋼業がいまだ日本の重要な産業であること確かで、川崎区の臨海部ではJFEの製鉄所が現在も稼働しています。

京浜工業地帯の一端を担う川崎市に住まう身として、トーマス転炉を眺めつつ、これまでの日本の産業史について振り返ってみました。

【関連リンク】
川崎市ウェブサイト 観光情報 産業遺産 トーマス転炉
JFEホールディングス ウェブサイト
2015/8/3エントリ 武蔵小杉周辺で、変わりゆく社宅をめぐる。「横浜ゴム小杉寮」建替え、「JFE」大規模社宅2棟を積水ハウスのマンションに転換

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2016年
04月25日

JR向河原駅から延びる、歴史の遺構。「市ノ坪短絡線」廃線跡の緑道を巡る

【Reporter:はつしも】

2015/5/11エントリにおいて、JR南武線向河原駅の「開業88周年記念展示」について取り上げました。
その展示の中で、かつて向河原駅と新鶴見駅を結んでいた貨物線「市ノ坪短絡線」が掲載されていまして、向河原駅に残る跡地をエントリ中でご紹介をしておりました。

今回は、その貨物線跡地の遺構を、めぐってみました。

■「市ノ坪短絡線」の跡地マップ
市ノ坪短絡線のマップ 

南武線はかつては私鉄の「南武鉄道」であり、多摩川の砂利を運ぶなど貨物列車として活用されていました。

当時、国鉄・私鉄間の貨物列車直通はできなかったため、向河原駅に貨物受け渡しの設備が作られ、JRの貨物路線と接続するために、上記マップのような短絡線が1929年9月11日に作られました。

1944年に南武鉄道が国有化されてからもこの短絡線は使用されていたようですが、貨物専用の武蔵野南線(地下の貨物線)が整備されたことによりその役目を終え、1973年10月1日に廃止となりました。

■向河原駅下りホーム脇の貨物線跡地
向河原駅下りホーム脇の貨物線跡地

前回エントリでご紹介したのが、JR向河原駅に残る貨物線(市ノ坪短絡線)跡地です。
下りホームの脇に残されたスペースにかつて貨物線が引かれ、南武鉄道と国鉄の貨物受け渡しが行われていました。

今回はこの先、現在のJR線との合流地点までをたどっていきましょう。

■南武線下のトンネル
 南武線下のトンネル

向河原駅からしばらくは、短絡線沿いはNEC玉川事業場と南武線に挟まれて近づくことができません。

玉川事業場の南端あたりで徐々に短絡線が南武線から離れ始め、こちらの南武線下の小さいトンネルをくぐると、市ノ坪短絡線跡地に到達することができます。

■市ノ坪短絡線の両面橋台
市ノ坪短絡線の両面橋台

市ノ坪短絡線の両面橋台

南武線のトンネルをくぐると、「中丸子老人いこいの家」の前に、市ノ坪短絡線の「両面橋台」が見えてきます。
この上に、かつて貨物線の線路が敷設されていたわけです。

現在では歩道がスロープになっていて、この橋台の下をくぐるような高さはありません。
おそらくこれは市ノ坪短絡線廃止後に改良したもので、従来はこの下が、先ほどの南武線と同じようなトンネル通路になっていたのではないでしょうか。

■両面橋台から先の緑道
両面橋台の先の緑道

そしてこの両面橋台の先は、中丸子の住宅街の中に入っていくことになります。
現在は、廃線跡地が緑道として整備されています。

■廃線跡地の緑道
廃線跡地の緑道

廃線跡地の緑道

廃線跡地の緑道には、各所にベンチ、水道、鉄棒などが設置されていました。
どなたでも利用できる公共スペースになっています。

■緑道を横切る道路
廃線跡を横切る道路

川崎市立橘高等学校の近くに至ると、緑道を横切る道路があります。
確認はできませんでしたが、ここはかつては踏切が設置されていたのかもしれません。

■廃線跡の終わり
廃線跡の終わり

■枕木で作った柵
枕木を使った柵 

JRとの合流地点にあたる緑道の終点は、地名でいうと中丸子を抜けて市ノ坪に入ります。

終点付近には、鉄道の枕木を使った柵が残されていました。
これもひとつの遺構といえるでしょう。

■線路跡と思われる遺構
線路跡と思われる遺構


■地面に埋め込まれたレール
地面に埋め込まれたレール

またこの付近には、線路跡と思われる遺構がありました。
上下線それぞれ、レールの跡のようなものが残されています。

■鉄道境界標
鉄道境界標


そしてこちらは、鉄道境界標です。
鉄道境界標とは、その名前の通り鉄道用地の境界を示すもので、国鉄のものはカタカナの「エ」のようなマークで、線路の断面をモチーフにしています。

■緑道終点隣接のマンション開発
緑道終点隣接のマンション開発

緑道終点隣接のマンション開発

緑道終点の、JR線との交点では住友不動産によるマンション開発が行われていました。
市ノ坪短絡線が開通してから80年以上の間に、沿線の風景は大きく変わってきたことでしょう。

■御幸踏切を通過する湘南新宿ライン
 御幸踏切を通過する湘南新宿ライン

緑道の終点からJR線沿いに北上していくと、御幸踏切にぶつかります。
ここでは今も新幹線・横須賀線・湘南新宿ラインなどさまざまな旅客鉄道のほか、貨物列車の姿を見ることができます。

武蔵小杉周辺は鉄道路線が集積していますので、さまざまな歴史がありますね。

【関連リンク】
(南武線関連)
2007/9/28エントリ 南武線の車庫・中原電車区
2011/4/13エントリ 南武線快速電車が運行開始
2012/5/30エントリ 中原電車区の鶴見線車両と、クモヤ145形
2013/1/24エントリ JR武蔵中原駅の発車メロディがフロンターレの応援歌に
2013/7/3エントリ JR東日本が南武線新型車両導入と各駅乗車人員を発表、武蔵小杉駅は28位に
2014/2/26エントリ JR南武線武蔵小杉駅の発車メロディが本日よりフロンターレ応援歌の原曲、ザ・クロマニヨンズ「ナンバーワン野郎!」に
2014/7/25エントリ 川崎市制90周年ヘッドマーク付の南武線が3編成運行中、デザインに「パークシティ武蔵小杉」が登場
2014/7/20エントリ JR南武線向河原駅前の踏切拡幅工事が完了し供用開始
2014/8/6エントリ JR南武線新型車両「E233系」が2014年10月導入、新型車両で叶える「あなたの夢」募集中
2014/8/16エントリ 向河原公園リニューアルで登場、「南武線車両ベンチ」
2014/10/4エントリ JR南武線新型車両「E233系」本日投入、武蔵小杉駅等で記念商品販売と「懐かしの写真展」がスタート
2014/10/23エントリ 南武線エキナカで、地産地消。「多摩川梨ジャム」使用商品を販売中
2014/10/30エントリ JR武蔵小杉駅の連絡通路で新キャラクター「多摩川梨くん」が南武線新型車両「E233系」を紹介中
2014/11/5エントリ JR南武線新型車両「E233系」乗車レポート
2015/5/7エントリ 南武線各駅開業88周年記念展示(1):「武蔵小杉駅」
2015/5/9エントリ 南武線各駅開業88周年記念展示(2):「武蔵中原駅」
2015/5/11エントリ 南武線各駅開業88周年記念展示(3):「向河原駅」
2015/7/17エントリ 川崎市が川崎縦貫高速鉄道の計画休止を発表、南武線長編成化を国交省・交通政策審議会に提案へ
2015/12/2エントリ 戦火に消えた、南武線の駅。玉川中学校・橘高校前の「武蔵中丸子駅」跡地探訪
2016/1/3エントリ 「懐かしい沿線写真で訪ねる 南武線・鶴見線 街と駅の1世紀」が出版、武蔵小杉駅など各駅の歴史を紹介
2015/1/9エントリ 南武線「205系」が引退、臨時列車「ありがとう運転」を本日実施/1月31日まで武蔵小杉駅等でJR社員による写真を展示

(南武支線関連)
2015/1/19エントリ 八丁畷から、無人改札乗り換え。南武支線乗車レポート
2015/2/5エントリ 川崎市とJR東日本が包括連携協定を締結、南武支線に「(仮称)小田栄新駅」を2016年3月開業へ
2015/12/22エントリ 南武支線の新駅「小田栄駅」が2016年3月26日開業決定、朝ラッシュ時にダイヤ増発

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2016年
04月23日

武蔵小杉に、実は存在する名画座。「川崎市市民ミュージアム」映像ホールがリニューアルしデジタルシネマを上映中

【Reporter:はつしも】

武蔵小杉には、実は以前から映画館があります。
等々力緑地の「川崎市市民ミュージアム」にある、映像ホールです。

この映像ホールがこのたびリニューアルされ、デジタルシネマ機材の導入や音響設備の入れ替え等により、より高品質な映像と音響を楽しめるようになりました。

■川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアム

川崎市市民ミュージアムは、「都市と人間」というテーマを掲げて1988年11月に開館した、博物館と美術館が融合した複合文化施設です。

本サイトでも2015/12/5エントリ「江口寿史展 KING OF POP」をご紹介したように、漫画作品等サブカルチャーの収集や展示にも力を入れ、2005年には「手塚治虫文化賞特別賞」が授与されるなど特徴ある活動を行っています。

■川崎市市民ミュージアムの映像ホール入口
川崎市市民ミュージアムの映像ホール入口
※以下、川崎市市民ミュージアム提供

川崎市市民ミュージアムの特徴のひとつが、この映像ホールです。
専門家が選定するプログラムが年間を通じて組まれ、「ミニシアター」としての役割を担っています。

■映像ホール内部
映像ホール内部

そしてこの映像ホールの設備が、今回リニューアルされました。
リニューアルされたのは映像・音響関係の設備で、4K対応のデジタルシネマプロジェクター、シネマサーバー、7.1chサラウンドシステムが導入されました。

スクリーンの新調により、デジタル映像だけでなく従来のフィルム上映作品もより高品質な映像で鑑賞できるようになりました。

■映像ホールの客席
映像ホールの客席

映像ホールの客席 

映像ホールの客席は、270名のキャパシティがあります。
市民ミュージアムの中に、こんな映像ホールがあったとは私自身、想像していませんでした。

客席にはきちんと段差もついていますし、民間のミニシアターと比べて決して遜色はないでしょう。

■川崎市市民ミュージアム 映像ホール上映スケジュール
http://www.kawasaki-museum.jp/cinema/

■直近の上映スケジュール
4月24日(日) ■11:00~■
<パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(PG12※)>
●監督:バーナード・ローズ/2013年/カラー/DCP/122分
●ショパン、リスト、シューベルトが心酔した天才異端児の生涯に秘められた真実を描いたドラマ。“現代のパガニーニ”デヴィッド・ギャレットが名器ストラディヴァリウスで奏でる超本格的音楽映画。
※12歳未満の方は、保護者の助言・指導が必要です。

■14:00~■
<アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)>

●監督:ペーター・バーデーレ/カラー/DCP/ビスタ/2013年/93分
●日本語版ナレーション:小林聡美
●ヨーロッパ7ヶ国にまたがるアルプス山脈の全貌を上空から撮影したドキュメンタリー。大自然の絶景や高地に生きる人々の姿などの大パノラマを美しいデジタルシネマでお楽しみいただけます。
4月26日(火) ■10:30~/14:00~■
<日本映画傑作選「エノケンの魔術師」>(ミニホール)

●東宝/監督:木村荘十二/出演:榎本健一/昭和9年/モノクロ(73分)
4月29日(金) ■11:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「世代」>
●監督:アンジェイ・ワイダ/1954年/モノクロ/DCP/88分
●“ポーランド派”の先駆的作品と目されるワイダの長編第一作。貧民街出身の男が共産主義者の抵抗運動に参加している女に恋をするという単純な物語だが、矛盾した性格をもち苦悩を抱えた悲劇的キャラクターの登場、ネオレアリズモ風の撮影、『灰とダイヤモンド』のツィブルスキの出演等ワイダ作品の特徴が垣間見られる一本である。

■14:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「地下水道」>
●監督:アンジェイ・ワイダ/1956年/モノクロ/DCP/97分
●ワルシャワ蜂起に参加したイエジ・ステファン・スタヴィンスキ脚本によるワイダの傑作。対独レジスタンスが地下の下水道で繰り広げる死闘をドキュメンタリー風に演出した本作、光と影を巧みに使った撮影は後年ホラー、サスペンスジャンルの作品に多大な影響を与えている。カンヌ映画祭審査員特別賞。
4月30日(土) ■11:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「灰とダイヤモンド」>

●監督:アンジェイ・ワイダ/1958年/モノクロ/DCP/104分
●ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し監督ワイダの名を一躍世界に知らしめた歴史的作品。戦時中レジスタンス活動に従事し、戦後はテロリストとなり悲惨な最後を遂げる青年。ロマン主義的な主人公のキャラクター、寓意を多用した演出、シャープなモノクロ映像で描かれる青春の栄光と挫折は今見ても切ない。

■14:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「サムソン」>
●監督:アンジェイ・ワイダ/1961年/モノクロ/DCP/118分
●1939 年~43 年のワルシャワを舞台に、ユダヤ人居住区の墓堀人の手で助けられたユダヤ人の運命を描いた本作。旧約聖書の英雄サムソンになぞらえた主人公の過酷な体験は、戦時下における不条理な日々を見るものに印象づける。今回が日本での初上映。ポーランド国内でもこの映画の存在を知る人は少ないといわれる幻の作品。若き日のポランスキーも出演している。
5月1日(日) ■11:00~■
<ポーランド映画の都・ウッチ「身分証明書」>

●監督:イェジー・スコリモフス/1964年/モノクロ/DCP/76分
●ウッチ映画大学在学中に、主にウッチ市で撮影されたスコリモフスキ自作自演の長編第一作。24 歳のアンジェイは毎日を無為に過ごしていたが、ある日兵役を志願。映画は彼が兵役につくまでの16 時間を追いながら、主人公の社会に対する怒りや行き場のない焦りを表現。物語性の否定。斬新なカメラワーク等、巨匠の才気溢れる演出に痺れる1 本。

■14:00~■
<ポーランド映画の都・ウッチ「エヴァは眠りたい」>
●監督:タデウシュ・フェミレフスキ/1957年/モノクロ/DCP/99分
●幻想とリアルをバランスよく織り交ぜた不条理でダークなユーモアとルネ・クレール風の抒情性をあわせもつフミェレフスキ(1954 年ウッチ映画大学卒)の大ヒット作。本作は娯楽喜劇として作られた戦後最初の作品と言われ、全住民が警官か泥棒という奇妙な町に若い娘エヴァがやってくる 物語は、ポーランドの現実を暗示しているかのようだ。サン・セバスティアン映画祭グランプリ。
5月3日(火) ■11:00~■
<ポーランド映画の都・ウッチ「ヴァバンク」>

●監督:ユリウシュ・マフルスキ/1981年/カラー/DCP/109分
●ウッチ映画大学を卒業後、70 年代後半から活躍しているマフルスキの大ヒット作。30 年代のワルシャワで刑務所帰りの詐欺師が再び悪事を働く犯罪コメディ。米映画の名作『スティング』を想起させる出来栄えは一級品。ポーランドで知らない人 はいないとも言われる本作は、同じキャストとスタッフで続編もつくられている。また主演俳優は監督の父親である。タイトルはva banque(仏)からの借用。ギャンブラーの隠語で、「全財産を賭けること」を意味する。

■14:00~■
<ポーランド映画の都・ウッチ「約束の土地」>
●監督:アンジェイ・ワイダ/1974年/カラー/DCP/169分
●70 年代のワイダ(1953 年ウッチ映画大学卒)は文学作品を数多く映画化しているが、なかでも国内外で高い評価を得ているのが本作である。ウワデゥスワフ・レイモントの小説をもと にユダヤ、ポーランド、ドイツという異なった民族に属する若き親友3 人が工業都市ウッチで身を立てようとする物語は、青春群像劇でありながら、同時に富む大都市の肖像にもなっている。
5月4日(水) ■11:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「地下水道」>

●監督:アンジェイ・ワイダ/1956年/モノクロ/DCP/97分
●ワルシャワ蜂起に参加したイエジ・ステファン・スタヴィンスキ脚本によるワイダの傑作。対独レジスタンスが地下の下水道で繰り広げる死闘をドキュメンタリー風に演出した本作、光と影を巧みに使った撮影は後年ホラー、サスペンスジャンルの作品に多大な影響を与えている。カンヌ映画祭審査員特別賞。

■14:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「灰とダイヤモンド」>
●監督:アンジェイ・ワイダ/1958年/モノクロ/DCP/104分
●ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し監督ワイダの名を一躍世界に知らしめた歴史的作品。戦時中レジスタンス活動に従事し、戦後はテロリストとなり悲惨な最後を遂げる青年。ロマン主義的な主人公のキャラクター、寓意を多用した演出、シャープなモノクロ映像で描かれる青春の栄光と挫折は今見ても切ない。
5月5日(木) ■11:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「サムソン」>

●監督:アンジェイ・ワイダ/1961年/モノクロ/DCP/118分
●1939 年~43 年のワルシャワを舞台に、ユダヤ人居住区の墓堀人の手で助けられたユダヤ人の運命を描いた本作。旧約聖書の英雄サムソンになぞらえた主人公の過酷な体験は、戦時下における不条理な日々を見るものに印象づける。今回が日本での初上映。ポーランド国内でもこの映画の存在を知る人は少ないといわれる幻の作品。若き日のポランスキーも出演している。

■14:00~■
<アンジェイ・ワイダと戦争「世代」>
●監督:アンジェイ・ワイダ/1954年/モノクロ/DCP/88分
●“ポーランド派”の先駆的作品と目されるワイダの長編第一作。貧民街出身の男が共産主義者の抵抗運動に参加している女に恋をするという単純な物語だが、矛盾した性格をもち苦悩を抱えた悲劇的キャラクターの登場、ネオレアリズモ風の撮影、『灰とダイヤモンド』のツィブルスキの出演等ワイダ作品の特徴が垣間見られる一本である。
5月7日(土) ■11:00~■
<戦後ポーランド映画の系譜「マテウシの生活」>

●監督:ヴィトルト・レシチンスキ/1967年/モノクロ/35mm/ビスタ/82分
●ウッチ大学で撮影と監督を学び、ノルウェーでドキュメンタリー制作に携わったレシチンスキの劇映画第一作。美しい田園地帯で静かに暮らす兄妹のもとに一人の男が舞い込み、波紋が広がる。

■14:00~■
<戦後ポーランド映画の系譜「熱病」>
監督:アグニエシュカ・ホラント/1980年/カラー/35mm/118分
◆ハリウッドやヨーロッパなどで国際的に活躍するアグニエシュカ・ホラントの初期の傑作。20世紀初頭、ポーランド社会党の過激派が計画した爆弾テロの顛末を冷徹に描く。
5月8日(日) ■11:00~■
<戦後ポーランド映画の系譜「白鳥の歌」>

監督:ロベルト・グリンスキ/1988年/カラー/35mm/86分
◆ウッチ大学に学んだ俊英グリンスキの代表作。シナリオ作りに苦労する脚本家をコミカルに描く。1989年にポーランドでプロダクションの自主製作による映画が認められる以前に発表された。

■14:00~■
<戦後ポーランド映画の系譜「マテウシの生活」>
●監督:ヴィトルト・レシチンスキ/1967年/モノクロ/35mm/ビスタ/82分
●ウッチ大学で撮影と監督を学び、ノルウェーでドキュメンタリー制作に携わったレシチンスキの劇映画第一作。美しい田園地帯で静かに暮らす兄妹のもとに一人の男が舞い込み、波紋が広がる。

映像ホールの上映時間は、11時と14時の1日2回が基本パターンになっています。
鑑賞料金は、一般600円、1,000円など企画によって異なりますので、市民ミュージアムのウェブサイトをご参照ください。

また市民ミュージアムには、前掲の映像ホールのほかに「ミニホール」も併設されています。
そちらでもさまざまな作品が上映されていまして、ミニホールは基本的に無料となっています。

上記でご紹介したのは直近の一部プログラムですが、休日には毎日これだけの映画・映像が上映されているわけです。

これは「武蔵小杉にはミニシアター・名画座がある」といっても差し支えないのではないでしょうか。

シネマコンプレックスの出店が期待された「グランツリー武蔵小杉」には、残念ながら映画館が入ることはありませんでした。
ただ、シネマコンプレックスで上映されるような最新話題作は近隣で観られるわけですし、市民ミュージアムで学芸員の方が選定された映画を楽しんでみるのも良いと思います。

【関連リンク】
川崎市市民ミュージアム ウェブサイト
 ・2015/10/22エントリ 川崎市市民ミュージアムでデジカメワークショップ「水面に自分を映してセルフポートレートを撮ってみよう」が10月24日開催
2015/11/15エントリ 川崎市市民ミュージアム「あそぼう!つくろう!アートツール・キャラバンin川崎」開催レポート
2015/12/5エントリ 川崎市市民ミュージアムの年末年始2大企画展「江口寿史展KING OF POP」本日より、「2015川崎フロンターレ展」12月12日より開幕

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2016年
04月18日

「とどろき水辺の楽校」2016年度前期プログラムが発表、4月29日(金・祝)開校式から多摩川水辺での体験学習をスタート

Reporter:はつしも】

多摩川河川敷では、2002年から「とどろき水辺の楽校」という活動が継続的に行われています。

「とどろき水辺の楽校」では、川崎市からの認可を受け、地域の学校や市民団体、民間企業などと連携により多摩川の水辺を活用した体験学習や環境学習等の活動を行っています。本サイトでも、2013/9/22エントリ「昆虫調べ」の体験学習を一度レポートさせていただきました。

このたび、2016年4月29日(金・祝)の「開校式」から始まる、2016度前期のプログラムが発表されましたので、ご紹介します。

■「とどろき水辺の楽校」2016年前期プログラム
とどろき水辺の楽校2016年度前期イベント案内
※クリックで拡大します。


■とどろき水辺の楽校  2015年度前期 イベント案内
http://www.todoroki.org/2016_plan/2016_0403_01_plan.php

■とどろき水辺の楽校 2015年度前期プログラム
開催日時 内容 会場
4月29日(金・祝)
10:00~13:00
<2015年度開校式>【申込不要】
●ガサガサ(川の生きもの観察)
●野草摘み(植物観察)
●防災紙芝居

■講師:えのきんさん 他
■持ち物:水に入ります。着替え・靴・タオル必須
■参加費:200円(保険料)
■備考:防災ご飯・野草の天ぷら・ワカメの味噌汁・デザートが出ます。
等々力緑地先 川崎側多摩川河川敷
6月5日(日)
9:00~13:00
<河口干潟観察会>【先着70名】
●多摩川河口干潟で生きもの観察

■講師:干潟館スタッフ
■申込:事前申込制
メールかFAXで①氏名②人数③連絡先(携帯)をお知らせください
 info@todoroki.org
■持ち物:着替え・靴・タオル必須・弁当(シジミ汁が出ます)・飲み物
■参加費:200円(保険料)
■参加費のほか交通費は自己負担(現地解散)
多摩川河口干潟
(集合場所:JR川崎駅改札前)
7月10日(日)
午前の部/午後の部
<多摩川カヌー教室>【事前申込制】
●丸子橋下 多摩川でカヌー教室

■講師:遠藤光紀さん、多摩川リバーシップの会 他
■申込:事前申込制(詳細は市政だよりで告知します)
■共催:川崎市市民・こども局スポーツ室
丸子橋下
7月24日(日) <多摩川エコラシコ>【事前申込制】
●多摩川の清掃活動
●ガサガサ調査

■申込:事前申込制(申込・お問い合わせはフロンターレへ)
■共催:川崎フロンターレ・国土交通省景品河川事務所
■川崎フロンターレウェブサイト
http://www.frontale.co.jp/
等々力緑地先
川崎側多摩川河川敷
7月26日(火)
7月27日(水)
10:00~15:00
<夏休み多摩川教室>【申込不要】
●世界でたった1枚!ハンカチの草木染め

■申込:不要 直接現地にお越しください。
■その他:詳細は追ってとどろき水辺の楽校のウェブサイトまたは京浜河川事務所ウェブサイトでお知らせします。
■国土交通省京浜河川事務所ウェブサイト
http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/
二子新地河川敷
9月22日(木・祝) <川の安全教室(かっぱの川流れ)>【申込不要】
●多摩川の安全教室
●川流れ体験

■講師:河村淳さん、えのきんさん、羽賀雄二郎さん 他
■主催:川崎市
■持ち物:着替え・靴・タオル必須(川の中に入ります)
■参加費:200円(保険料として)
等々力緑地先
川崎側多摩川河川敷
8月7日(日)~
8月8日(月)
奥多摩安全教室キャンプ(※抽選80名)
※詳細は「とどろき水辺の楽校」ウェブサイトをご参照ください。
氷川キャンプ場

<各イベント共通事項>
■水に入るときは、化繊の長そで・長ズボン、ウォーターシューズ、軍手着用のこと靴は上履きの上に滑り止めとして古い大きめの靴下でも構いません。サンダル不可、長靴も好ましく有りません。

■小学3年生以下の単独参加は出来ません。保護者同伴でお願いします。
■小雨決行、雨天中止となります。
■帽子、着替え、替えの靴、ビニール袋、弁当、飲み物、敷物、皿、箸など各自必要なものを持参のこと

ここでの遊びとは、子どもの健全育成を考え、参加者全員が運営していく楽校です。多摩川の自然を愛し、子どもも大人も自由に楽しみ、創造し、真剣に遊ぶ場を保証するためには、「自由参加・自己責任」ということを基本に考えます。参加される全ての方々のご協力とご理解をお願い致します。

<お問い合わせ>
NPO法人とどろき水辺
メール: info@todoroki.org

各イベントの詳細につきましては、今後変更が入る可能性もございますので、前掲の「とどろき水辺の楽校」のウェブサイトをご参照ください。


■「開校式」の「ガサガサ」
開校式の「ガサガサ体験」 
※とどろき水辺の楽校プログラムより

「とどろき水辺の楽校」では、実際に水辺に触れる体験学習を行うのが特徴です。

4月29日(金・祝)の開校式では、「ガサガサ」と呼ばれる川の生きもの観察を行います。

■多摩川カヌー教室
多摩川カヌー教室 
※とどろき水辺の楽校プログラムより

7月10日(日)に開催される、「多摩川カヌー教室」も、たいへん楽しそうですね。
多摩川に入る機会は、こんなことでもないとなかなかありません。

■開校式会場マップ
開校式会場マップ

■目印となるテント
目印となるテント

「水辺の楽校」の会場はイベントによって異なりますが、開校式は上記の等々力緑地先の多摩川河川敷で開催されます。
等々力緑地を縦断する幹線道路を抜けて、等々力保育園前から河川敷に入っていくと、「水辺の楽校」のテントがあります。

■とどろき水辺の楽校 2015年4月29日(水・祝)とどろき水辺の楽校 開校式 活動報告
http://www.todoroki.org/2015_report/2015_0429_01_report.php

「とどろき水辺の楽校」のウェブサイトには、昨年の開校式のレポートも掲載されています。

概ね共通したプログラムになっていますので、参加ご検討の方は参考にしてみてくださいね。

【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:生活情報:公園情報 多摩川緑地
とどろき水辺の楽校 ウェブサイト
2013/9/22エントリ 「とどろき水辺の楽校」の多摩川河川敷での「昆虫調べ」

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