川崎フロンターレの藁科社長が、2022年4月開催の株主総会をもって退任されます。
藁科社長は2015年4月の就任以来、地域密着・地域貢献の活動を強力に推進してきました。
その中で多くの場面で相互に協力をしてきた中原消防署に、藁科社長が3月4日にご挨拶に訪れました。
中原消防署の飯田署長との歓談ののち、消防署前で署員に向けた挨拶と記念撮影が行われ、署員の皆さんの感謝の気持ちから、サプライズで藁科社長への花道がつくられました。
■中原消防署前での記念撮影
■藁科社長(左)と飯田署長(右)
※撮影時の藁科社長のみマスクを外しています。
藁科社長が挨拶訪問されたのは、朝早くの時間帯です。
この時間帯は、24時間稼働している消防署の当直交代のタイミングにあたり、多くの署員の方が立ち会うことができました。
■藁科社長のご挨拶
■花束を贈呈されて喜ぶ藁科社長
■サプライズで作られた花道
飯田署長をはじめ、署員の皆さんがこのように藁科社長に感謝を伝えたいという機運になったのは、地域の防災・防火を進めていくにあたってのこれまでの協力の積み重ねが背景にあります。
藁科社長からはあらためて署員の皆さんにも「非常に多方面で協力をいただきました」と感謝のご挨拶がありました。
その一部は、本サイトでもご紹介しておりました。
ここで少し振り返っておきましょう。
■防火啓発ポスター
こちらは最新の火災予防啓発ポスターです。
脇坂泰斗選手、小林悠選手、チョン・ソンリョン選手が立派な消防服姿で登場します。
■熱中症対策啓発クリアファイル
消防署が啓発活動を行うのは、防火だけではありません。
夏には熱中症による救急搬送も増加するため、熱中症対策の啓発クリアファイルも川崎フロンターレの協力のもとに製作していました。
■漫画家・迫稔雄さんによる火災予防ポスターに登場した田中碧選手
また中原消防署では、川崎フロンターレ以外のかわさきスポーツパートナーとの連携も行っています。
こちらは2020年に制作された、地元在住の人気漫画家・迫稔雄さんが描いた火災予防啓発ポスターで、川崎フロンターレの田中碧選手も登場しました。
■2019年の「ファン感謝デー」でのはしご車体験
またポスター等による啓発活動に加えて、中原消防署は川崎フロンターレのイベントでさまざまな体験活動も行っていました。
上記は2019年の「ファン感謝デー」で、はしご車体験を行っていました。
高層建築が多い武蔵小杉にあって、等々力陸上競技場メインスタンドの上まで約40m伸びるはしご車の力を実感できました。
■中村憲剛さんも「中原消防フェア」に登場
■防火服体験
■消火体験
■起震車体験
また消防関係の啓発活動やイベントには、中村憲剛さんが古くから積極的に協力をされていました。
上記は2021年に開催された「中原消防フェア」で、はしご車体験、救命体験から起震車体験まで中村憲剛さんが一巡りして参加者の皆さんの参加を促進していました。
■「なつやすみ中原区こども交番スタンプラリー」のスタンプ設置
一方こちらは、2019年に開催された「なつやすみ中原区こども交番スタンプラリー」です。
中原警察署の企画で、交番をめぐるスタンプラリーでしたが、その中で「地域の安全・安心を守る仲間」として中原消防署もラリーポイントに加わっていました。
■2018シーズンの川崎フロンターレ優勝祝賀メッセージ
■2020年の中村憲剛さん引退セレモニーでのはしご車メッセージ
このような多方面にわたる協力があって、中原消防署では川崎フロンターレの優勝祝賀のメッセージを掲示したり、また中村憲剛さんの引退セレモニーでははしご車を使ってメッセージを届けるなど、交流が続いてきました。
これは中原消防署としては地域の安全のために、住民の皆さんに発信をしていくツールとして川崎フロンターレが非常に有効であり、その貢献があってこそのことでしょう。
中原消防署でのご挨拶終了後、藁科社長と飯田署長に個別取材をさせていただきました。
<藁科社長取材>
--署員の皆さんのサプライズについて、いかがでしたか。
びっくりしました。違う組織の皆さんからこのようにしていただいて、幸せです。
--7年間の在任中の思い出に残っていることは。
等々力陸上競技場でのイベントなど、さまざまな取り組みにおいて皆さんの協力が無ければ成り立ちませんでした。いつも快く、一緒に協力体制で取り組んでいただけました。
7年間無事故で、試合だけでなく安心・安全な取り組みを進める大きな力をいただきました。ACLでは救急車の待機が必要など独特のレギュレーションがありますが対応いただき有難いことでした。
--退任にあたってのお気持ちは。
ほっとしている、やり切ったというのが率直な気持ちです。2年前から自分の意志で退任することを決めていました。スッキリした思いです。
--川崎フロンターレは今季から「SDGs」推進をキーワードとして掲げました。中原消防署との協力なども含め取り組み自体は以前から積極的にやってきたと思いますが、ここで「SDGs」を掲げる意図をお聞かせください。
川崎フロンターレでは社会・地域への貢献を以前から重視してきました。そこに時代の変化があり、世の中全体が「SDGs」という枠組みに取り組んでいく流れになってきました。フロンターレの取り組みを自己満足ではなく、社会の枠組みに沿って示し、評価を得ていくことが必要であると考えました。
また(サッカークラブとして)勝つことも重要です。中村憲剛の映画が全国上映になったように、勝利することで見せる世界、影響力が変わってきます。
こうしたSDGsの取り組みは、次世代に引き継いでいきたいと思います。
<飯田署長取材>
--川崎フロンターレとの協力関係について、率直なご感想は。
火災予防や団員募集、熱中症の啓発など、中原消防署にとっての地域課題に多くのご協力をいただきました。非常に感謝しております。
--中村憲剛さんなど、選手の協力については。
中村憲剛さんが少年消防クラブと一緒に写真を撮ってくれて、そのままポスターになったり、選手の皆さんとの距離が近いと感じています。啓発ポスターなどに登場していただくのも署員のモチベーションアップにもなっています。ポスターなどを手作りする署員のスキルも上がりました(笑)
信頼感や地域での存在感があり、川崎フロンターレとの協力に取り組んでよかったとの声が上がています。
--啓発ポスターなどの効果は。
仮に私や署員が普通の消防チラシなどを街で配ったとしても、なかなか受け取ってもらうのは難しいと思います。それが川崎フロンターレの選手が紙面に入ることで、あっという間になくなるほどの人気になります。そんな中から少しでも防火等について関心を持っていただければ幸いです。
こうした成果があるからこそ、消防署としても川崎フロンターレさんとの取り組みを進められるわけです。
中原消防署管内では、火災の発生原因や年齢層が多様で幅広いという特徴があります。それに対応して、幅広い情報発信が必要と考えています。
--ちなみに、個人的に一番消防服が決まっている選手はどなたでしょうか。
チョン・ソンリョン選手ですね。かっこいいです(笑)
--藁科社長にはどのような印象をお持ちでしょうか。
とにかく明るく、よく来てくれる方です。藁科さんもおっしゃっていたように7年間事故無く取り組みいただき、感謝に堪えません。人間味のある、魅力的な方です。
--今後の川崎フロンターレとの取り組みについては。
熱中症・火災予防・救急の日など季節ごとの施策にPDCAを回して、引き続き是非、取り組んでまりいたいと思います。
また藁科社長、飯田署長とも、これまでの取り組みを継続していくことで一致されていました。
現在はコロナ禍の見通しが難しいですが、可能な環境であれば、またホームゲームでの啓発・体験イベントなども開催していきたいとのことでした。
消防、あるいは救急救命は、地域の安全・安心にかかわる重要な機能です。
それを支える中原消防署と、川崎フロンターレの協力には今後も期待して参りたいと思います。
【関連リンク】
・川崎フロンターレ ウェブサイト
・川崎市ウェブサイト 中原消防署
(中原消防署×川崎フロンターレ関連)
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