横須賀線武蔵小杉新駅開業PR、東急電鉄も対抗
2010年3月13日の横須賀線武蔵小杉駅の開業を控え、既存のJR
武蔵小杉駅でも新駅開業に関するPRが行われるようになりました。
それにタイミングを同じくして、東京急行電鉄も対抗PRを行っており、
両社競合の火花が散っています。
■南武線エスカレーターの告知
新駅PRのひとつは南武線ホームのエスカレーターで、「横須賀線
新駅3月13日開業」という掲示が壁面に並んでいます。この裏面は
東急線乗り換え口の案内になっていまして、ホームに降りていく時
にしか見えないものですから、存在感としてはちょっと地味な感じ
です。
■びゅうプラザ前のパンフレット
そしてもうひとつは、びゅうプラザ前のラックに設置されているパン
フレットで、JRダイヤ改正に関するものと、横須賀線武蔵小杉駅
開業に関するものと2種あります。
このパンフレットは、武蔵小杉駅だけでなく、JR各駅で配布されて
いるようです。
■パンフレットの内容(一部)
横須賀線武蔵小杉駅開業に関するパンフレットには、JR主要各駅
への所要時間と運賃など、新駅の利便性をアピールする情報が掲載
されています。
さて一方、迎え撃つ東京急行電鉄では、自社情報誌である「HOT
ほっとTOKYU」の増刊号を発刊し、新聞折込や駅構内で配布して
います。
■HOTほっとTOKYU増刊号
この増刊号の表紙を見ると、当然武蔵小杉新駅については触れて
いませんが、唐突に武蔵小杉駅から渋谷、目黒、横浜の各駅まで
の所要時間を掲載し、「早くて便利!東急線ネットワーク」と謳って
います。
また、2012年度からの副都心線との直通についても記載し、「渋谷」
「新宿」「池袋」へ乗り換えナシ!!とアピールする内容にもなって
います。
今まで東急電鉄が利便性・速達性をアピールする際には「渋谷→
横浜○分」といった記載が普通であり、今まで大して触れてこなか
った「武蔵小杉」を全面に出してきたのは唐突な印象も受けます。
これだけ見ると「なぜ突然武蔵小杉?」と思うわけですが、これは
やはり、JRの横須賀線武蔵小杉駅の登場を受けての対抗PRとい
うことなのでしょう。
副都心線との直通についても現段階では実現していない将来予定
ですので、ここで「乗り換えナシ!!」とまでアピールすることにも
多少の違和感を覚えますが、これもJRの湘南新宿ラインとの競合
を想定したものと思われます。
東京急行電鉄にとっては、「成田エクスプレスを含む横須賀線・湘南
新宿ライン全列車停車」は、想定していたケースのひとつだったとは
思いますが、決まってみればそれなりのインパクトがあったはずです。
安穏とはしていられなくなった、というのが本音ではないでしょうか。
両社の路線が武蔵小杉を戦場として競合することは、実は引き続き
東急線を利用するユーザーにもメリットをもたらす可能性があります。
東京急行電鉄が、乗客を奪われないために武蔵小杉駅のバリュー
アップに本気を出さざるを得なくなるからです。
ダイヤや駅設備の改善はもちろんですが、東急武蔵小杉駅を3階
建ての駅ビルとして建替える計画がいよいよ具体化しており、武蔵
小杉駅南口地区西街区再開発ビルにも東急電鉄・東急不動産が
参画しています。
西街区再開発ビルは数年前から公表されていましたが、駅ビル計画
は昨年末に具体化してきたもので、やはり東急電鉄としても武蔵小杉
駅のバリューアップが必要と判断したものと思います。
■東急武蔵小杉駅ビルと西街区再開発ビル予定地
現在の東急武蔵小杉駅の駅舎は、目黒線の延伸の際に新しくなった
もので、比較的新しい建物です。どこまで横須賀線新駅が直接的に
影響を与えたかは別としても、近年の環境変化が一定の影響を与え
たことは間違いないでしょう。
経済状況などさまざまな要因がありますので何とも言えませんが、
東急武蔵小杉駅ビルと西街区再開発ビルの商業施設など、東急
武蔵小杉駅の魅力向上が後押しされることを、新駅開業ともども
期待するところです。
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅東部地区:横須賀線武蔵小杉駅
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅南部地区 A地区
2009/12/18エントリ JR東日本2010年3月13日ダイヤ改正:横須賀線
武蔵小杉駅に成田エクスプレス含む全列車が停車
2009/10/22エントリ 東急武蔵小杉駅に駅ビル建設、西街区再開発
ビルと一体開発へ
2010/1/16エントリ 武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地再開発
事業が2010年3月着工へ
2010/1/22エントリ 武蔵小杉駅南口地区西街区再開発ビルの仕様続報、
竣工は2012年10月予定に