新中原図書館の整備概要公表、パブリックコメント募集
武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地再開発事業の再開発ビル
に整備される予定の、新中原図書館の整備概要が公表されました。
本日付でパブリックコメントの募集が開始され、川崎市ウェブサイトに
資料が掲載されています。
■川崎市パブリックコメント 新中原図書館の整備概要について
http://www.city.kawasaki.jp/pubcomment/info415/index.html
詳細は上記ウェブページに掲載されたPDFファイルを参照いただき
たいと思いますが、いくつか要点(と私が勝手に解釈したもの)を
ピックアップしたいと思います。
【要点① 図面が公表に】
2010/1/22エントリで取り上げたように、新中原図書館は再開発
ビルの5階、6階の一部に整備されることとなっており、今回のパブ
リックコメントの資料では、2フロアの図面が公表されています。
■パブリックコメント資料 新中原市民館のフロア図面
http://www.city.kawasaki.jp/pubcomment/info415/file3168.pdf
これを見ると、素人目ですが以前から出ていたコンセプトの通り、
書庫スペースよりも閲覧席などの共用スペースに重きを置いている
ことが感じられます。
後述しますが、かといって蔵書数が少ないというわけではなく、川崎
市で最大の蔵書を有する図書館となります(現在の中原図書館でも
最大の蔵書数があります)。
「これで本当にそんなに所蔵できるの?」と思うくらいですが、これは
2009/8/25エントリでも取り上げました通り、機械式の自動書庫の
導入などにより蔵書の省スペース化を実現しているものです。
閲覧席の多くは各フロアの壁際に設置されていまして、再開発ビル
の構造にもよりますが、5階・6階ですとそれなりに眺めが良いかも
しれません(下記イメージパースではガラス張りに見えますが・・・)。
■再開発ビルイメージパース(低層部上部が中原図書館)
現在の中原図書館の閲覧席は143席ですが、200~240席に拡張
されます。
とりあえず、現在の「階段席」(下記写真)のようなことはないでしょう
から、快適に読書ができるのではないでしょうか。
■現在の中原図書館の一部閲覧席(階段席)
以前、「食事スペースを引き続き設置を」というコメントを頂きましたが、
今回の図面を見る限り、どうもそれらしいスペースはないようです。
再開発ビルの1階~5階は商業施設となりますので、そちらのレスト
ランやカフェをご利用いただきたい、ということになるのでしょうか。
5階については中原図書館と商業施設がフロア内で同居することに
なります。
【要点② 蔵書数と構成】
また、2つ目の要点としては、今回蔵書数とその構成も公表されて
います。
■新中原市民館の蔵書構成
一般開架 90,000~110,000冊
児童・ヤングアダルト 30,000~45,000冊
閉架(自動書庫) 280,000~300,000冊
合計で400,000冊~455,000冊と、現段階では蔵書数には55,000
冊の増減幅があるものの、これは川崎市立図書館としては群を抜く
蔵書数になります。
■川崎市立図書館の蔵書数データ
http://www.city.kawasaki.jp/88/88kikaku/home/kawasaki/4-3.pdf
上記PDFに平成20年度の川崎市立図書館の各館蔵書数データが
掲載されていますが、現在でも中原図書館は最も蔵書数が多く、
33万冊の蔵書を有しています。
それに次いで蔵書数が多いのは高津図書館の約26万冊で、それを
さらに大きく上回る数になるわけです。
現在では各図書館のネットワーク化が進んでおり、新中原図書館が
川崎市の中央図書館的な役割を果たすことになります。
【要点③ オープンは2012年度末】
パブリックコメントの資料では新中原図書館の整備スケジュールも
掲載されており、それによると2012年度末(平成24年度末)=2013年
3月頃のオープン予定となっています。
■新中原図書館整備スケジュール
http://www.city.kawasaki.jp/pubcomment/info415/file3170.pdf
・2010年3月 再開発ビルが着工
・2011年前半 新中原図書館の内装工事着手
・2012年後半 新中原図書館移転開始(2012年10月再開発ビル完成)
・2013年3月頃 新中原図書館オープン
スケジュールは月次ベースでは記載されていないものの、大体上記
のようになっています。武蔵小杉駅南口地区西街区再開発ビルの
完成は2012年10月の予定ですが、そこから図書館用地の引渡し、
移転・準備作業が入るため、新中原図書館のオープンは2013年3月
頃(2012年度末)となるようです。
※ ※ ※
・・・ということで、私の目に留まった部分をピックアップいたしましたが、
パブリックコメントの資料にはコンセプトの部分など、他にも情報が
掲載されています。
図面はほぼFIXでしょうから、パブリックコメントの募集による根本的な
意見反映は難しいかもしれませんが、その入れ物をどのように運用
するか、ということも大切です。
図書館をご利用の方は多いと思いますので、現在の図書館で不便に
感じている部分も含め、思うところのある方は結構いらっしゃるの
ではないでしょうか?
意見募集は本日から2010年3月2日まで行われていますので、意見を
お持ちの方はエントリ冒頭の川崎市のウェブページから応募方法を
ご参照ください。
■現在の中原図書館
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅南部地区 A地区
2009/7/23エントリ 中原図書館の食事スペースと階段席
2009/8/25エントリ 新中原図書館の機能(川崎市議会より)
2009/10/22エントリ 東急武蔵小杉駅に駅ビル建設、西街区再開発
ビルと一体開発へ
2009/10/26エントリ 武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地
再開発事業が特定業務代行者を募集
2010/1/3エントリ 武蔵小杉駅南口地区西街区の整地工事と東急武蔵
小杉駅ビル
2010/1/16エントリ 武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地再開発
事業が2010年3月着工へ
2010/1/22エントリ 武蔵小杉駅南口地区西街区再開発ビルの仕様
続報、竣工は2012年10月予定に