小杉町3丁目中央地区のKJメゾン武蔵小杉
小杉町3丁目中央地区第一種市街地再開発事業の着手に伴い、
地区内の賃貸住宅「KJメゾン武蔵小杉」の退去が完了しています。
■KJメゾン武蔵小杉
KJメゾン武蔵小杉は、大通りには面しておらず地区内の奥まった
土地に建てられています。通り沿いからですと、地区の中央にある
「ユニオンビル」の奥にその姿が確認できます。
再開発事業においては、ちょうどこのKJメゾンの部分に45階建ての
高層マンションが建設されることになります。
■閉鎖されたKJメゾン武蔵小杉
KJメゾンを近くで確認してみると、現在ではすでに建物がフェンスで
封鎖されており、完全に退去が完了していることがわかります。
■KJメゾン武蔵小杉第一
建物に「KJメゾン武蔵小杉第1」という看板がありますが、「KJ」とは、
このアパートのオーナーである「川崎住宅株式会社」の商号を略し
たもので、同社が供給する集合住宅に共通した名称となっています。
KJメゾン武蔵小杉は第1~第3の3棟で構成され、1965年から1971
年にかけて順次建設がなされました。
この「川崎住宅株式会社」とは、川崎市および市内に拠点を置く大手
企業によって設立された合弁会社です。
■川崎住宅株式会社 公式ウェブサイト
http://www.kawajyuu.co.jp/
昭和初期、工業都市として発展する川崎市において労働者の住宅
供給が課題となり、公営による予算上の制約を受けない民営の合弁
会社を設立することとなりました。
1939年(昭和14年)に日本鋼管による出資金の寄付を受けた川崎市
と、東京芝浦電気(現在の東芝)・三菱重工・富士通信機製造(現在
の富士通)など大手企業8社の出資により設立されたのが川崎住宅
株式会社です。
その後、戦時中に保有する建物の大半を焼失したり、戦後の復興
時期の法令により大手企業の大半が資本を引き揚げたり、数年前に
は事業の多角化を試みながらもうまくいかなかったりと、時代の変化
に伴って紆余曲折を経ますが、現在でも川崎市内において賃貸住宅
や賃貸事務所等の供給を行っています。
小杉町3丁目中央地区第一種市街地再開発事業の計画によれば、
地区の南側に13階建ての賃貸マンションが建設されることになって
います。おそらくは、その賃貸マンション部分が川崎住宅の保有部分
となり、同社による供給、運営がなされるのではないでしょうか?
特段根拠のない推測ではありますが、いずれにせよ、川崎住宅株式
会社は、旧中原市民館を有する川崎市と並ぶ再開発地区内の最大
の地権者であり、一定規模の保留床を取得することになるはずです。
小杉町3丁目中央地区は地権者が細かく分かれている部分もありま
すが、敷地の大半は中原市民館とKJメゾン武蔵小杉で占められて
います。
KJメゾンは賃貸住宅ですので、分譲住宅に比べれば退去の調整も
容易だったのではないでしょうか。
旧中原市民館、KJメゾン武蔵小杉以外の既存店舗にも、続々と移転・
閉鎖のお知らせが張り出されており、再開発事業が今後進捗していく
ことになります。
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