武蔵小杉駅南口地区東街区の権利変換計画が承認、再開発着工へ
コメントで情報提供いただきました通り、武蔵小杉駅南口地区東街区
第一種市街地再開発事業の権利変換計画が承認され、今後既存
建築物の取り壊し作業が着手されることになりました。
■武蔵小杉駅南口地区東街区
武蔵小杉駅南口地区東街区は、中小企業婦人会館や武蔵小杉学生
ハイツ、三井のリパークなどが含まれる再開発地区です。先日より、
中小企業婦人会館の外壁に権利変換計画の実行に関する書面が
掲示されています。
■権利変換計画の公示
権利変換とは、再開発スキームの中のひとつの手順です。
平たくご説明しますと、東街区に存在する複数の地権者の権利を
一旦取りまとめ、再開発事業完了後のビルの床の権利として再配分
する手続きのことです。
この地権者が取得する再開発ビルの床を権利床といいますが、
地権者が従来保有していた権利の価値と等価でなくてはいけま
せんし、地権者同士で不平等があってもいけません。
ここには当然さまざまな利害が絡んできますので、権利変換計画の
策定は再開発事業の大きなヤマとなります。
等価といっても完全に同じ条件というのはありえないわけでして、
従来保有していた資産と、これから建てられる再開発ビルの床が
完全に等価であるか、という価値算定の部分は(保有している側
からすると)なかなか難しい判断です。
ここで折り合わずにご破算、という可能性もないとは言えないわけ
です。
そういったヤマを越えて、武蔵小杉駅南口地区東街区の権利変換
計画は無事承認される運びとなりました。公示によると2010年7月
23日に承認が下り、2010年8月13日に実行される予定となってい
ます。
権利変換の実行後に既存建築物の取り壊しが着工されることに
なると思いますので、2010/5/30エントリでお伝えした東街区の日程
から多少変動していることになりますね。
ただ、全体スケジュールとしては大きな影響はなさそうですので、
2013年度の再開発ビル完成に向けて、今後事業が進捗していく
ことになろうかと思います。
余談ですが、公示に記載されている東街区再開発組合の所在地は、
「パレール三井ビル」といって、川崎区役所が入居しているビルです。
東街区は再開発組合が主体となる事業ですが、主導しているのは
三井不動産ですので、その絡みで再開発組合は三井のビルに
入居しているのでしょう。
パレール三井ビルからは、川崎市まちづくり局も大通りを挟んですぐ
近くですので、連携が取りやすいということもありそうです。
■武蔵小杉駅南口地区東街区の図面
また、権利変換計画の公示に合わせて、現地では武蔵小杉駅南口
地区東街区の図面も掲示されていました。これは従前から出ていた
ものではありますが、あらためて商業施設棟と高層マンション棟の
配置を確認することができます。
東急武蔵小杉駅の反対側、西街区では商業施設棟の上部に高層
マンションが乗ったかたちになっていますが、東街区では商業施設
棟と高層マンション棟が完全に分離した構造になっています。
この商業施設の一部はメディカルモールが入ることになっています
が、詳細はまだ明らかになっていません。
さて、これで西街区、東急武蔵小杉駅ビル、東街区、東京機械製
作所跡地の再開発事業が同時期に動き出したことになります。
これらの再開発事業では、駅周辺の商業施設がかなりの規模で
順次整備されることになりますので、より広範囲の皆さんにとって
「身近な」再開発ということになるものと思います。
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅南部地区C地区
2008/4/15エントリ 小杉駅南部地区C地区、2009年度着工へ
2008/8/28エントリ 東急武蔵小杉駅舎上部開発と東西街区
2008/11/6エントリ 小杉駅南部地区C地区のイメージパース
2009/1/13エントリ 東京急行電鉄、武蔵小杉駅ビルへ動く
2008/1/14エントリ 小杉駅南部地区C地区の再開発組合が設立認可
2009/1/23エントリ 小杉駅南部地区C地区が2010年度着工の見通
2009/2/19エントリ 中小企業婦人会館の植栽メンテナンス
2009/8/6エントリ 武蔵小杉のシネコン計画とロータリー延期情報
2010/5/30エントリ 武蔵小杉駅南口地区東街区再開発が始動、
中小企業婦人会館取り壊しへ