市民向け川崎市債投資セミナー・2010年
2010年8月24日に、川崎市債投資セミナーが開催されました。これ
は川崎市が市民を対象に、市の事業・財政状況等についてプレゼン
テーションを行うことで市債への投資を促進するもので、例年武蔵
中原駅前のエポックなかはらで開催されています。
本ブログでも過去2回のセミナーをレポートさせていただきましたが、
今回も参加してまいりました。
■川崎市債投資セミナーの看板
セミナー開始前には、早めに来場された方向けに川崎市が制作した
プロモーション映像「LOVEかわさき」が流されています。これは
投資家向けというよりも汎用的なもので、川崎市各地の魅力を伝え
る内容になっています。
■「LOVEかわさき」映像内の武蔵小杉
映像内では、当然武蔵小杉の高層ビル群も取り上げられています。
ただ、制作時点が横須賀線開業前であるため、新駅が建設中で
あるという内容になっていました。
動画は数百万円単位の製作コストがかかるために頻繁な更新は
難しく、このセミナー用に作っているわけでもないですから、これは
無理からぬところですね。
■川崎市 シティセールスプロモーションビデオ
http://www.city.kawasaki.jp/25/25city_sales/home/
city_sales/03-1promo-link1.html
このプロモーションビデオは上記の川崎市ウェブページでもダイジェ
スト版などが掲載されているほか、中原区役所企画課でも貸し出し
を行っています。
■プレゼンテーションする阿部市長
セミナー全体の構成は例年と全く同じで、前半が阿部市長による
川崎市のプレゼンテーション、後半が民間の専門家による基礎的
な金融知識のレクチャーとなっていました。
阿部市長によるプレゼンテーション内容も前年の内容とほぼ同じ
でしたので詳しくは割愛しますが、大筋としては、
・川崎市は人口増が続き若年層の活力がある
・経済成長率が高く、1人当たり課税対象所得額も政令市トップ
・市内には研究機関等、産業が集積
・都市拠点、広域交通体系の整備を実行
・環境技術によって国際的にも貢献
といった内容に、財政状況や市債発行に関する簡単な説明を付加
したものでした。
財政状況については、他の政令市に比べて、歳入においては税収の
割合が高く、歳出においては人件費の割合が高い状況になって
いる点を取り上げていました。
つまり財政基盤が相対的に堅固である一方、人件費の抑制余地が
あるということで、今後さらに市職員の削減など行財政改革に取り
組んでいくとのことでした。
(市職員は、2002年に16,143人だったものが2010年には13,634人
まで削減されています)
■川崎市債投資セミナー説明資料
参加者の方は年配の市民の方の他、市場関係者なども多かった
ように思います。市債を販売する「シンジケート団」に入る上での
付き合い的な部分もあるのでしょうね。
※ ※ ※
川崎市の投資家向け広報活動(IR活動)は地方自治体の中でも
先進的とされていますが、ここ3年間のセミナー内容を見ていると、
前述の通り資料も含めてほぼ前回を踏襲した構成になっています。
継続的に参加するには、少々物足りないのが正直なところでした。
(継続的な情報提供というよりは新規投資家の開拓とすれば、
良いのかもしれません)
基本的な戦略が1,2年で変わらないのは当然としても、もう少し目線
を変えて、直近の起債による事業展開、資金の用途など、市民の
方に市政や市債を身近に感じてもらえる工夫などがあっても良い
かな、と思います。
なお、このセミナーの資料は、後日川崎市の投資家向けウェブサイト
に掲載されますので、ご興味のある方は関連リンクから参照ください。
【関連リンク】
川崎市 投資家情報
2008/8/27エントリ 市民向け川崎市債投資セミナー
2009/8/23エントリ 市民向け川崎市債投資セミナー・2009年