大戸小学校前の「ピンスケ稲荷」と「権九郎稲荷」
武蔵中原駅近くの大戸小学校に隣接して、お稲荷さんが2つ並んでいました。
■大戸稲荷大明神
まずこちらは、大戸稲荷大明神です。大戸小学校のすぐ北側にありまして、写真奥には校舎が見えています。
境内内にはカゴで覆われたお稲荷さんの像がありました。
■「正一位 ピンスケ 大戸稲荷大明神」
境内の石碑には、「正一位 ピンスケ 大戸稲荷台明神」とありました。
「正一位」とは、日本古来からあり現在も存続している位階ですね。正一位はその中でも最高位であり、太政大臣、関白、征夷大将軍など錚々たる顔ぶれが叙されています。
「神階」として神社が叙されるもののほか、人物については多くが死後に叙されるもので、1917年の織田信長以降は一人も正一位を与えられた人物が存在しません。
それだけ高い地位なのですが、稲荷神社ではよく正一位を冠しているものを見かけます。
これは、稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社が正一位であることから、その傘下にある日本全国の稲荷神社も正一位を名乗っているためです。
本来は分祀先が名乗れるものではなかったのですが、徐々にうやむやになってしまったようで、稲荷神社での「正一位」は少々有難味が薄まっています。
・・・そして、「ピンスケ」というのは、このお稲荷さんの名前のようですね。
どうしてそのような名前が付いているのかわからなかったのですが、この神社の石は比較的新しいものに見えますし、「ピンスケ」の名前は現在でも定着しているものなのではないか、と思います。
■権九郎稲荷
さて、大戸稲荷大明神と路地を挟んで、もうひとつの権九郎稲荷があります。こちらには、たくさんのお稲荷さんの像が並んでいます。
■「正一位 権九郎稲荷」
こちらも稲荷神社では定番の「正一位」となっています。「権九郎」というのがお稲荷さんのお名前なのでしょうね。
何かしら由来に関連があるのかどうか、「ピンスケ」と「権九郎」は路地を挟んだだけの本当にお隣のお稲荷さんです。
表通りにはありませんので、近隣の方でないと目に留まることも少ないと思いますが、大戸小学校の皆さんには馴染みが深いのではないでしょうか。
住宅街のさなかの小さなお稲荷さんを見ていると、何となく懐かしい思いがいたします。
【関連リンク】
2009/7/25エントリ 伏見稲荷神社に、108体のご神使
2010/1/2エントリ NEC玉川ルネッサンスシティの玉川稲荷神社
2010/7/19エントリ (8):「御蔵稲荷と多摩川」