野村不動産武蔵小杉ビルの一部崩落事故により、非構造部の柱を撤去
野村不動産武蔵小杉ビルN棟の建物の一部が崩落した事故について、2013/1/17エントリで取り上げました。風雪が強かった2013年1月14日の事故発生直後には、周辺の立ち入り禁止措置や、落下の恐れがある他の部分の固定などが応急措置として行われていました。
落下したのは建物外側の柱ですが、これは装飾で設置されているもので、建物の強度とは無関係な「非構造部」といわれるものです。見た目のデザイン性と安全性を勘案した結果、当該ビルの非構造部の柱は撤去されることになりました。
■野村不動産武蔵小杉ビルN棟
野村不動産武蔵小杉ビルN棟は、横須賀線武蔵小杉駅ロータリーの南側に2010年に竣工したオフィスビルです。富士通エフサス本社や富士通が入居し、1階には「E PRONTO」などの店舗が営業しています。
建物の一部が崩落したのは、写真右側の「E PRONTO」の上部です。
■柱の撤去が完了した部分
■(ご参考)撤去前の柱
「E PRONTO」の上部では、すでに柱が全て撤去されました。これにより、周辺の立ち入り禁止措置は解除されています。
こうして撤去されてみると、特段デザイン上の違和感は感じませんね。
■N棟南側の柱撤去作業
N棟においては、崩落したものと同種の柱については、すでに全ての撤去が完了しています。しかし、N棟にはそれ以外にももう少し細いタイプの柱が装飾で設置されている部分があります。
上記写真はN棟の南側ですが、建物の写真右端に各階3本ずつの柱が設置されています。この柱についても、撤去作業が進められていました。
写真に写っている一番下のフロアの柱のみ、すでに2本が撤去されて1本になっているのが確認できます。
それでは、柱撤去作業を連続写真で見てみましょう。
■柱撤去の連続写真
撤去作業では、1本ずつ接続部を外したのちに、ロープでつないで地上に降ろす作業を行っていました。
■地上に積まれた柱
地上には、ご覧の通りビルから撤去された柱が積まれていました。各階にありますので、全て撤去するとかなりの数になりますね。
■野村不動産武蔵小杉ビルS棟の立入禁止区域
■野村不動産武蔵小杉ビルS棟に残る柱
なお、N棟に隣接する野村不動産武蔵小杉ビルS棟においても、N棟と同様の非構造部の柱が存在します。
この撮影時点においてはまだS棟では撤去が行われておらず、周辺が立ち入り禁止になっていました。
今回の崩落事故を受けて、柱の補修を行った上でビルの点検を強化するといった選択肢もあったかもしれませんが、将来にわたっての接続部の劣化は避けることができず、常時ビルを監視することができるわけでもありません。
デザイン性と万一のリスクを天秤にかけたとき、今回の野村不動産の判断は当然の帰結といえるでしょう。
今後も武蔵小杉には多くの高層ビルが建設されると思いますが、安全上のリスクをあらかじめよく検証した上で、設計を行ってほしいですね。
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