川崎市とJR東日本が包括連携協定を締結、南武支線に「(仮称)小田栄新駅」を2016年3月開業へ
【Reporter:はつしも】
2015/1/19エントリにおいて、尻手から浜川崎までをつなぐ「南武支線」をご紹介しました。
その10日後、2015年1月29日に、川崎市とJR東日本が包括連携協定を締結したことを発表しました。
本協定は川崎市内における地域と鉄道の持続的な発展に向けて両者が連携・協力を推進することを目的としたもので、その中で南武支線に「(仮称)小田栄新駅」を設置することについても検討を進めることが合意されています。
■川崎市とJR東日本の包括連携協定調印式
※川崎市報道発表資料より
■川崎市報道発表 川崎市と東日本旅客鉄道株式会社との包括連携協定の締結について
http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/500/0000064646.html
<川崎市とJR東日本との包括連携協定の内容>
①鉄道と沿線のブランド向上
■満足度が高く愛される駅・鉄道の実現により、路線イメージを向上し、住みたい魅力のある沿線・まちを目指します。
【主な取組】
○南武線・南武支線の利便性・快適性向上
利便性や快適性が向上するよう、新駅の設置を含め、検討を進めます。
○南武線・南武支線のイメージアップ
新型式車両の導入を契機として、活性化・ブランド向上に取り組みます。
○情報発信拠点としての駅や沿線の価値向上
多くの人が集う場である駅のポテンシャルを活かして、共同イベントを開催するなど、駅と地域の活性化に向けた取組を進めます。
②地域の暮らしの安全・安心の向上
■安全・安心・快適で、子どもから高齢者まで誰もが暮らしやすい沿線・まちを目指します。
【主な取組】
○安心して子育てができる環境の創出
待機児童の解消に向け、沿線での保育環境等の充実に取り組みます。
○子どもから高齢者まで誰もが安全・安心に暮らせる環境の創出
線路の立体化等による踏切解消や、踏切環境の改善、災害時の帰宅困難者対策等、誰もが常に安全・安心に暮らせるための取組を進めます。
○スムーズに鉄道を利用できる取組の推進
エレベーターの整備等、鉄道利用の円滑化に向けた取組を進めます。
③低炭素化・スマート化
■来るべき水素社会を見据え、水素エネルギーの利活用に戦略的に取り組むなど、環境負荷を更に低減させ、持続可能な社会の実現を目指します。
【主な取組】
○水素の利活用に向けた検討
燃料電池を活用した「エコステ(※)」の推進など、水素エネルギーの利活用の可能性を追求します。
(※)エコステーションの略で、駅設備に省エネルギー、再生可能エネルギーなど、様々な環境保全技術を導入する取組のこと。
○まちづくりにおけるスマート化に向けた協力
ICT等の活用による低炭素化の促進や、便利・快適・安全な都市環境の形成に向けた取組を進めます。
④公共交通の利用促進
■環境負荷が少なく、人に優しい公共交通機関である鉄道の利用を促進し、自動車利用から鉄道利用への転換を目指します。
【主な取組】
○駅へのアクセス性を向上させる取組の推進
橋上駅舎化や線路の立体化等により、駅までのアクセス改善や、鉄道とバスの乗換円滑化等に取り組みます。
○地域のにぎわい・交流を促進するまちづくりの推進
駅と地域の結節を強化し、活発な交流を生み出すまちづくりを進めます。
○沿線企業・住民の皆様の利用促進に向けた意識の醸成
子どもの体験活動等を通じて、啓発活動に取り組みます。
本協定は、大きく分けて上記の4つに区分されています。
施策の一番最初には「南武線・南武支線の利便性・快適性向上」がありまして、その実例として「武蔵小杉新駅」の設置も挙げられています。
■武蔵小杉新駅
そして本協定の第1弾として取り組まれるのが、南武支線の新駅「(仮称)小田栄新駅」設置に向けた検討です。
南武支線の川崎新町―浜川崎駅間の「小田栄」地区が、その候補地となっています。
■八丁畷駅の南武支線
■(仮称)小田栄新駅設置予定地
■(仮称)小田栄新駅の概要
▼所在地:川崎区小田栄付近
▼検討位置:南武支線 川崎新町―浜川崎駅間
▼設置目的:人口が急増している小田栄地区の利便性を向上し、まちづくりに寄与するため。
▼開業目標時期:2015年度末(2016年3月)
▼利用者予測:約3,500人/日
▼新駅による効果(例:小田栄地区⇒新宿)
【旧経路】川崎までバス、川崎から東海道線・山手線利用(品川経由)
【新経路】南武支線・南武線・湘南新宿ライン利用(武蔵小杉経由)
(所要時間)57分⇒48分【9分短縮】
新駅設置を検討する「小田栄地区」の北側はホームセンター「コーナン」や、大規模マンションなどの開発が相次ぎ、人口が増加しています。
一方で当該地区は川崎駅からは離れた臨海部で、公共交通はバスに依存している状態です。
同地区への新駅設置により、周辺の利便性が向上することとなります。
本協定の資料では、同地区から新宿に向かう新ルートとして、「武蔵小杉経由」が例示されています。
新ルートの中でも短縮効果の大きいものをピックアップしたものと思いますが、ここでも武蔵小杉新駅効果が出てくるわけですね。
本協定には「新駅の検討を進めます」とありましたので、ぱっと見の印象では数年先の話のように思ったのですが、よく読むと新駅開業目標時期は2015年度末(2016年3月まで)となっていました。
今から1年ほどの間に、開業までこぎつける想定です。
考えてみれば南武支線の駅ですから、そんなに大掛かりな建設工事にはならないのでしょうね。
新駅は低コスト化・短工期化による早期開業を目指すということです。
協定上では「検討」といいながらも実務的にはすでに既定路線であり、遠からず着工のはこびとなるものと思います。
■南武線に導入された新型車両「E233系」
本協定に先立って、南武線には快速電車が復活し、新型車両「E233系」が導入されるなど利便性の向上がはかられるようになってきました。
まずは南武支線の新駅が目玉になっていますが、沿線での保育所設置やアクセスの改善などさまざまな施策も打ち出されていますし、将来的には武蔵小杉駅―尻手駅間の南武線連続立体交差化事業も具体化を控えています。
今後も川崎市内でのまちづくりに寄与するような改善が行なわれていくとよいと思います。
■連続立体交差化された武蔵小杉付近の南武線
【関連リンク】
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その10日後、2015年1月29日に、川崎市とJR東日本が包括連携協定を締結したことを発表しました。
本協定は川崎市内における地域と鉄道の持続的な発展に向けて両者が連携・協力を推進することを目的としたもので、その中で南武支線に「(仮称)小田栄新駅」を設置することについても検討を進めることが合意されています。
■川崎市とJR東日本の包括連携協定調印式
※川崎市報道発表資料より
■川崎市報道発表 川崎市と東日本旅客鉄道株式会社との包括連携協定の締結について
http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/500/0000064646.html
<川崎市とJR東日本との包括連携協定の内容>
①鉄道と沿線のブランド向上
■満足度が高く愛される駅・鉄道の実現により、路線イメージを向上し、住みたい魅力のある沿線・まちを目指します。
【主な取組】
○南武線・南武支線の利便性・快適性向上
利便性や快適性が向上するよう、新駅の設置を含め、検討を進めます。
○南武線・南武支線のイメージアップ
新型式車両の導入を契機として、活性化・ブランド向上に取り組みます。
○情報発信拠点としての駅や沿線の価値向上
多くの人が集う場である駅のポテンシャルを活かして、共同イベントを開催するなど、駅と地域の活性化に向けた取組を進めます。
②地域の暮らしの安全・安心の向上
■安全・安心・快適で、子どもから高齢者まで誰もが暮らしやすい沿線・まちを目指します。
【主な取組】
○安心して子育てができる環境の創出
待機児童の解消に向け、沿線での保育環境等の充実に取り組みます。
○子どもから高齢者まで誰もが安全・安心に暮らせる環境の創出
線路の立体化等による踏切解消や、踏切環境の改善、災害時の帰宅困難者対策等、誰もが常に安全・安心に暮らせるための取組を進めます。
○スムーズに鉄道を利用できる取組の推進
エレベーターの整備等、鉄道利用の円滑化に向けた取組を進めます。
③低炭素化・スマート化
■来るべき水素社会を見据え、水素エネルギーの利活用に戦略的に取り組むなど、環境負荷を更に低減させ、持続可能な社会の実現を目指します。
【主な取組】
○水素の利活用に向けた検討
燃料電池を活用した「エコステ(※)」の推進など、水素エネルギーの利活用の可能性を追求します。
(※)エコステーションの略で、駅設備に省エネルギー、再生可能エネルギーなど、様々な環境保全技術を導入する取組のこと。
○まちづくりにおけるスマート化に向けた協力
ICT等の活用による低炭素化の促進や、便利・快適・安全な都市環境の形成に向けた取組を進めます。
④公共交通の利用促進
■環境負荷が少なく、人に優しい公共交通機関である鉄道の利用を促進し、自動車利用から鉄道利用への転換を目指します。
【主な取組】
○駅へのアクセス性を向上させる取組の推進
橋上駅舎化や線路の立体化等により、駅までのアクセス改善や、鉄道とバスの乗換円滑化等に取り組みます。
○地域のにぎわい・交流を促進するまちづくりの推進
駅と地域の結節を強化し、活発な交流を生み出すまちづくりを進めます。
○沿線企業・住民の皆様の利用促進に向けた意識の醸成
子どもの体験活動等を通じて、啓発活動に取り組みます。
本協定は、大きく分けて上記の4つに区分されています。
施策の一番最初には「南武線・南武支線の利便性・快適性向上」がありまして、その実例として「武蔵小杉新駅」の設置も挙げられています。
■武蔵小杉新駅
そして本協定の第1弾として取り組まれるのが、南武支線の新駅「(仮称)小田栄新駅」設置に向けた検討です。
南武支線の川崎新町―浜川崎駅間の「小田栄」地区が、その候補地となっています。
■八丁畷駅の南武支線
■(仮称)小田栄新駅設置予定地
■(仮称)小田栄新駅の概要
▼所在地:川崎区小田栄付近
▼検討位置:南武支線 川崎新町―浜川崎駅間
▼設置目的:人口が急増している小田栄地区の利便性を向上し、まちづくりに寄与するため。
▼開業目標時期:2015年度末(2016年3月)
▼利用者予測:約3,500人/日
▼新駅による効果(例:小田栄地区⇒新宿)
【旧経路】川崎までバス、川崎から東海道線・山手線利用(品川経由)
【新経路】南武支線・南武線・湘南新宿ライン利用(武蔵小杉経由)
(所要時間)57分⇒48分【9分短縮】
新駅設置を検討する「小田栄地区」の北側はホームセンター「コーナン」や、大規模マンションなどの開発が相次ぎ、人口が増加しています。
一方で当該地区は川崎駅からは離れた臨海部で、公共交通はバスに依存している状態です。
同地区への新駅設置により、周辺の利便性が向上することとなります。
本協定の資料では、同地区から新宿に向かう新ルートとして、「武蔵小杉経由」が例示されています。
新ルートの中でも短縮効果の大きいものをピックアップしたものと思いますが、ここでも武蔵小杉新駅効果が出てくるわけですね。
本協定には「新駅の検討を進めます」とありましたので、ぱっと見の印象では数年先の話のように思ったのですが、よく読むと新駅開業目標時期は2015年度末(2016年3月まで)となっていました。
今から1年ほどの間に、開業までこぎつける想定です。
考えてみれば南武支線の駅ですから、そんなに大掛かりな建設工事にはならないのでしょうね。
新駅は低コスト化・短工期化による早期開業を目指すということです。
協定上では「検討」といいながらも実務的にはすでに既定路線であり、遠からず着工のはこびとなるものと思います。
■南武線に導入された新型車両「E233系」
本協定に先立って、南武線には快速電車が復活し、新型車両「E233系」が導入されるなど利便性の向上がはかられるようになってきました。
まずは南武支線の新駅が目玉になっていますが、沿線での保育所設置やアクセスの改善などさまざまな施策も打ち出されていますし、将来的には武蔵小杉駅―尻手駅間の南武線連続立体交差化事業も具体化を控えています。
今後も川崎市内でのまちづくりに寄与するような改善が行なわれていくとよいと思います。
■連続立体交差化された武蔵小杉付近の南武線
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