武蔵小杉周辺で、変わりゆく社宅をめぐる。「横浜ゴム小杉寮」建替え、「JFE」大規模社宅2棟を積水ハウスのマンションに転換
【Reporter:はつしも】
武蔵小杉周辺は、都心への交通利便性に比して都内よりは土地も安いことから、大企業の社宅が多数立地していました。
近年は福利厚生施設が縮小・廃止される傾向が強く、その跡地が売却されてマンションなどに建て替えられるケースが多くなってきました。
このたび、「横浜ゴム小杉寮」が建て替えられることになったほか、JFEの大規模社宅2棟が積水ハウスのマンションに転換されることになりました。
このあたりの動きも含めて、周辺地域の社宅・旧社宅を巡っていきたいと思います。
■武蔵小杉周辺の社宅動向マップ
こちらは、武蔵小杉周辺の社宅のうち、近年動きのあったものを中心に掲載したマップです。
主に東横線西側の住宅街に、大企業の社宅が多数立地していたことがわかります。
マップにお示ししたとおり、これらの多くがマンション等に転換されてきています。
■今井西町周辺の社宅動向マップ(拡大)
それではまず、今井西町周辺から見ていきましょう。
■「横浜ゴム小杉寮」
最初にご紹介するのは、今井西町の「横浜ゴム小杉寮」です。
この社宅は廃止されず、このたび新たに建て替えられることになりました。
■「横浜ゴム小杉寮」建て替えの事業計画のお知らせ
現地では、社宅建て替えの事業計画のお知らせが掲示されています。
建物は現在と変わらず5階建てで、2017年3月に完成を予定しています。
■「横浜ゴム小杉寮」の看板
■「横浜ゴム小杉寮」の駐車場
最近の社宅は、明確に社名を出さないところも増えてきました。
「横浜ゴム小杉寮」はご覧の通り立派な看板が出ていまして、駐車場スペースは昔テニスコートだったようにも見えます。
昔ながらの社宅という風情ですが、これが建て替えで生まれ変わることになります。
■三菱商事社宅をリノベーションした「レシオン武蔵小杉」
「横浜ゴム小杉寮」の隣には、低層の大規模マンション「レシオン武蔵小杉」があります。
これは実はかつては三菱商事の社宅だったものをリノベーションして、分譲マンションに転換した物件です。同社宅は建物自体のグレードが高く、リノベーションにより一定以上の資産価値を維持して分譲が行われました。
敷地内に余裕があり、緑も多いのが特徴です。
三菱商事の社宅の子弟は帰国子女が多く、同社宅などを学区内に持つ今井小学校は教育レベルが高いということで、「今井小学校学区」というのが周辺の分譲マンションのセールスポイントにもなっていました。
「レシオン武蔵小杉」は、この地域の歴史の一つを残す物件といえるかもしれません。
■NEC西町アパート・西町寮
■NEC社宅の半分を売却して分譲された「ガーデンズコート武蔵小杉」
今井西町には、さらにNECの大規模な社宅群があります。
こちらはそのうち約半分の敷地が売却され、三井不動産レジデンシャルの「ガーデンズコート武蔵小杉」として2006年に分譲されました。
またこれにともなって一部区画がガーデンズコート隣接の提供公園「今井西町けやき公園」になっています。
これが先ほどの「レシオン武蔵小杉」のはす向かいで、今井西町はかつては社宅がかなり集中して立地していたことがわかります。
■元住吉周辺の社宅動向マップ(拡大)
続いて先ほどのマップに沿って、元住吉方面に移動していきます。
こちらでは商店街の北側にあった「JFEグループ」の大規模社宅2棟が、このたび積水ハウスのマンションに転換されることになりました。
■南側・えばらやがあった「JFEパシオーネ元住吉」
北側「JFEビラージュもとすみ」
元住吉のJFE寮は、「JFEパシオーネ元住吉」「JFEビラージュもとすみ」の南北2棟に分かれています。
このうち南側の「JFEパシオーネ」の商店街側には、かつて食品スーパー「えばらやヴェル」が出店していましたがすでに閉店済みです。
■JFE社宅跡地の「事業計画の構想の概要」
■土地利用の計画図
現地にはJFE社宅跡地の事業計画、土地利用の計画図が掲示されています。
南側が8階建て、北側が5階建てのマンションとなり、完成は2017年12月を予定しています。
■旧三菱ふそう社宅「プラウドシティ元住吉」
そしてJFE社宅のすぐ北側には、大規模マンション「プラウドシティ元住吉」があります。
こちらは2011/3/22エントリでお伝えしたとおり、かつては「三菱ふそうトラック・バス」の社宅でした。
■解体前の三菱ふそう社宅
こちらは、当時ご紹介した解体前の社宅です。
こうしてみると、NEC西町アパートや、かつてのJX日鉱日石エネルギー社宅など、昔の社宅は大体似通った外見をしているものですね。
■ツインタワーマンションに転換されるJX日鉱日石エネルギー社宅(解体前)
また、武蔵小杉周辺では東京機械製作所玉川製造所の移転により、同社の社宅もすべて売却されました。
売却後の跡地は、戸建て住宅やオフィスビルへと転換されています。
■小杉御殿町の「東京機械製作所新生寮」(当時)
■「新生寮」跡地の戸建て住宅(現在)
■武蔵小杉駅東口の「東京機械製作所新丸子社宅」(当時)
■「新丸子社宅」跡地の「KDX武蔵小杉ビル」(現在)
福利厚生施設の転換ということでは、東京銀行のグラウンド跡地に建設された「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」も当てはまりますね。
今回ピックアップした以外にも、まだ武蔵小杉周辺には社宅が多数残されています。
築年数が経過した物件もありますので、今後も徐々に用途転換や建て替えなどが進められていくことでしょう。
【関連リンク】
2011/3/22エントリ 井田三舞町の三菱ふそう社宅跡地に大規模マンション建設へ
2011/11/17エントリ 東京機械製作所が小杉御殿町の「新生寮」など固定資産を売却
2014/9/3エントリ 「TKS武蔵小杉ビル」が「KDX武蔵小杉ビル」に名称変更
2014/10/26エントリ JX日鉱日石エネルギー社宅跡地180mツインタワー「CO-SUGI PROJECT」発表、A地区2017年度・B地区2018年度完成予定
武蔵小杉周辺は、都心への交通利便性に比して都内よりは土地も安いことから、大企業の社宅が多数立地していました。
近年は福利厚生施設が縮小・廃止される傾向が強く、その跡地が売却されてマンションなどに建て替えられるケースが多くなってきました。
このたび、「横浜ゴム小杉寮」が建て替えられることになったほか、JFEの大規模社宅2棟が積水ハウスのマンションに転換されることになりました。
このあたりの動きも含めて、周辺地域の社宅・旧社宅を巡っていきたいと思います。
■武蔵小杉周辺の社宅動向マップ
こちらは、武蔵小杉周辺の社宅のうち、近年動きのあったものを中心に掲載したマップです。
主に東横線西側の住宅街に、大企業の社宅が多数立地していたことがわかります。
マップにお示ししたとおり、これらの多くがマンション等に転換されてきています。
■今井西町周辺の社宅動向マップ(拡大)
それではまず、今井西町周辺から見ていきましょう。
■「横浜ゴム小杉寮」
最初にご紹介するのは、今井西町の「横浜ゴム小杉寮」です。
この社宅は廃止されず、このたび新たに建て替えられることになりました。
■「横浜ゴム小杉寮」建て替えの事業計画のお知らせ
現地では、社宅建て替えの事業計画のお知らせが掲示されています。
建物は現在と変わらず5階建てで、2017年3月に完成を予定しています。
■「横浜ゴム小杉寮」の看板
■「横浜ゴム小杉寮」の駐車場
最近の社宅は、明確に社名を出さないところも増えてきました。
「横浜ゴム小杉寮」はご覧の通り立派な看板が出ていまして、駐車場スペースは昔テニスコートだったようにも見えます。
昔ながらの社宅という風情ですが、これが建て替えで生まれ変わることになります。
■三菱商事社宅をリノベーションした「レシオン武蔵小杉」
「横浜ゴム小杉寮」の隣には、低層の大規模マンション「レシオン武蔵小杉」があります。
これは実はかつては三菱商事の社宅だったものをリノベーションして、分譲マンションに転換した物件です。同社宅は建物自体のグレードが高く、リノベーションにより一定以上の資産価値を維持して分譲が行われました。
敷地内に余裕があり、緑も多いのが特徴です。
三菱商事の社宅の子弟は帰国子女が多く、同社宅などを学区内に持つ今井小学校は教育レベルが高いということで、「今井小学校学区」というのが周辺の分譲マンションのセールスポイントにもなっていました。
「レシオン武蔵小杉」は、この地域の歴史の一つを残す物件といえるかもしれません。
■NEC西町アパート・西町寮
■NEC社宅の半分を売却して分譲された「ガーデンズコート武蔵小杉」
今井西町には、さらにNECの大規模な社宅群があります。
こちらはそのうち約半分の敷地が売却され、三井不動産レジデンシャルの「ガーデンズコート武蔵小杉」として2006年に分譲されました。
またこれにともなって一部区画がガーデンズコート隣接の提供公園「今井西町けやき公園」になっています。
これが先ほどの「レシオン武蔵小杉」のはす向かいで、今井西町はかつては社宅がかなり集中して立地していたことがわかります。
■元住吉周辺の社宅動向マップ(拡大)
続いて先ほどのマップに沿って、元住吉方面に移動していきます。
こちらでは商店街の北側にあった「JFEグループ」の大規模社宅2棟が、このたび積水ハウスのマンションに転換されることになりました。
■南側・えばらやがあった「JFEパシオーネ元住吉」
北側「JFEビラージュもとすみ」
元住吉のJFE寮は、「JFEパシオーネ元住吉」「JFEビラージュもとすみ」の南北2棟に分かれています。
このうち南側の「JFEパシオーネ」の商店街側には、かつて食品スーパー「えばらやヴェル」が出店していましたがすでに閉店済みです。
■JFE社宅跡地の「事業計画の構想の概要」
■土地利用の計画図
現地にはJFE社宅跡地の事業計画、土地利用の計画図が掲示されています。
南側が8階建て、北側が5階建てのマンションとなり、完成は2017年12月を予定しています。
■旧三菱ふそう社宅「プラウドシティ元住吉」
そしてJFE社宅のすぐ北側には、大規模マンション「プラウドシティ元住吉」があります。
こちらは2011/3/22エントリでお伝えしたとおり、かつては「三菱ふそうトラック・バス」の社宅でした。
■解体前の三菱ふそう社宅
こちらは、当時ご紹介した解体前の社宅です。
こうしてみると、NEC西町アパートや、かつてのJX日鉱日石エネルギー社宅など、昔の社宅は大体似通った外見をしているものですね。
■ツインタワーマンションに転換されるJX日鉱日石エネルギー社宅(解体前)
また、武蔵小杉周辺では東京機械製作所玉川製造所の移転により、同社の社宅もすべて売却されました。
売却後の跡地は、戸建て住宅やオフィスビルへと転換されています。
■小杉御殿町の「東京機械製作所新生寮」(当時)
■「新生寮」跡地の戸建て住宅(現在)
■武蔵小杉駅東口の「東京機械製作所新丸子社宅」(当時)
■「新丸子社宅」跡地の「KDX武蔵小杉ビル」(現在)
福利厚生施設の転換ということでは、東京銀行のグラウンド跡地に建設された「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」も当てはまりますね。
今回ピックアップした以外にも、まだ武蔵小杉周辺には社宅が多数残されています。
築年数が経過した物件もありますので、今後も徐々に用途転換や建て替えなどが進められていくことでしょう。
【関連リンク】
2011/3/22エントリ 井田三舞町の三菱ふそう社宅跡地に大規模マンション建設へ
2011/11/17エントリ 東京機械製作所が小杉御殿町の「新生寮」など固定資産を売却
2014/9/3エントリ 「TKS武蔵小杉ビル」が「KDX武蔵小杉ビル」に名称変更
2014/10/26エントリ JX日鉱日石エネルギー社宅跡地180mツインタワー「CO-SUGI PROJECT」発表、A地区2017年度・B地区2018年度完成予定