武蔵小杉に、実は存在する名画座。「川崎市市民ミュージアム」映像ホールがリニューアルしデジタルシネマを上映中
【Reporter:はつしも】
武蔵小杉には、実は以前から映画館があります。
等々力緑地の「川崎市市民ミュージアム」にある、映像ホールです。
この映像ホールがこのたびリニューアルされ、デジタルシネマ機材の導入や音響設備の入れ替え等により、より高品質な映像と音響を楽しめるようになりました。
■川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアムは、「都市と人間」というテーマを掲げて1988年11月に開館した、博物館と美術館が融合した複合文化施設です。
本サイトでも2015/12/5エントリで「江口寿史展 KING OF POP」をご紹介したように、漫画作品等サブカルチャーの収集や展示にも力を入れ、2005年には「手塚治虫文化賞特別賞」が授与されるなど特徴ある活動を行っています。
■川崎市市民ミュージアムの映像ホール入口
※以下、川崎市市民ミュージアム提供
川崎市市民ミュージアムの特徴のひとつが、この映像ホールです。
専門家が選定するプログラムが年間を通じて組まれ、「ミニシアター」としての役割を担っています。
■映像ホール内部
そしてこの映像ホールの設備が、今回リニューアルされました。
リニューアルされたのは映像・音響関係の設備で、4K対応のデジタルシネマプロジェクター、シネマサーバー、7.1chサラウンドシステムが導入されました。
スクリーンの新調により、デジタル映像だけでなく従来のフィルム上映作品もより高品質な映像で鑑賞できるようになりました。
■映像ホールの客席
映像ホールの客席は、270名のキャパシティがあります。
市民ミュージアムの中に、こんな映像ホールがあったとは私自身、想像していませんでした。
客席にはきちんと段差もついていますし、民間のミニシアターと比べて決して遜色はないでしょう。
■川崎市市民ミュージアム 映像ホール上映スケジュール
http://www.kawasaki-museum.jp/cinema/
■直近の上映スケジュール
映像ホールの上映時間は、11時と14時の1日2回が基本パターンになっています。
鑑賞料金は、一般600円、1,000円など企画によって異なりますので、市民ミュージアムのウェブサイトをご参照ください。
また市民ミュージアムには、前掲の映像ホールのほかに「ミニホール」も併設されています。
そちらでもさまざまな作品が上映されていまして、ミニホールは基本的に無料となっています。
上記でご紹介したのは直近の一部プログラムですが、休日には毎日これだけの映画・映像が上映されているわけです。
これは「武蔵小杉にはミニシアター・名画座がある」といっても差し支えないのではないでしょうか。
シネマコンプレックスの出店が期待された「グランツリー武蔵小杉」には、残念ながら映画館が入ることはありませんでした。
ただ、シネマコンプレックスで上映されるような最新話題作は近隣で観られるわけですし、市民ミュージアムで学芸員の方が選定された映画を楽しんでみるのも良いと思います。
【関連リンク】
・川崎市市民ミュージアム ウェブサイト
・2015/10/22エントリ 川崎市市民ミュージアムでデジカメワークショップ「水面に自分を映してセルフポートレートを撮ってみよう」が10月24日開催
・2015/11/15エントリ 川崎市市民ミュージアム「あそぼう!つくろう!アートツール・キャラバンin川崎」開催レポート
・2015/12/5エントリ 川崎市市民ミュージアムの年末年始2大企画展「江口寿史展KING OF POP」本日より、「2015川崎フロンターレ展」12月12日より開幕
武蔵小杉には、実は以前から映画館があります。
等々力緑地の「川崎市市民ミュージアム」にある、映像ホールです。
この映像ホールがこのたびリニューアルされ、デジタルシネマ機材の導入や音響設備の入れ替え等により、より高品質な映像と音響を楽しめるようになりました。
■川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアムは、「都市と人間」というテーマを掲げて1988年11月に開館した、博物館と美術館が融合した複合文化施設です。
本サイトでも2015/12/5エントリで「江口寿史展 KING OF POP」をご紹介したように、漫画作品等サブカルチャーの収集や展示にも力を入れ、2005年には「手塚治虫文化賞特別賞」が授与されるなど特徴ある活動を行っています。
■川崎市市民ミュージアムの映像ホール入口
※以下、川崎市市民ミュージアム提供
川崎市市民ミュージアムの特徴のひとつが、この映像ホールです。
専門家が選定するプログラムが年間を通じて組まれ、「ミニシアター」としての役割を担っています。
■映像ホール内部
そしてこの映像ホールの設備が、今回リニューアルされました。
リニューアルされたのは映像・音響関係の設備で、4K対応のデジタルシネマプロジェクター、シネマサーバー、7.1chサラウンドシステムが導入されました。
スクリーンの新調により、デジタル映像だけでなく従来のフィルム上映作品もより高品質な映像で鑑賞できるようになりました。
■映像ホールの客席
映像ホールの客席は、270名のキャパシティがあります。
市民ミュージアムの中に、こんな映像ホールがあったとは私自身、想像していませんでした。
客席にはきちんと段差もついていますし、民間のミニシアターと比べて決して遜色はないでしょう。
■川崎市市民ミュージアム 映像ホール上映スケジュール
http://www.kawasaki-museum.jp/cinema/
■直近の上映スケジュール
4月24日(日) | ■11:00~■ <パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(PG12※)> ●監督:バーナード・ローズ/2013年/カラー/DCP/122分 ●ショパン、リスト、シューベルトが心酔した天才異端児の生涯に秘められた真実を描いたドラマ。“現代のパガニーニ”デヴィッド・ギャレットが名器ストラディヴァリウスで奏でる超本格的音楽映画。 ※12歳未満の方は、保護者の助言・指導が必要です。 ■14:00~■ <アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)> ●監督:ペーター・バーデーレ/カラー/DCP/ビスタ/2013年/93分 ●日本語版ナレーション:小林聡美 ●ヨーロッパ7ヶ国にまたがるアルプス山脈の全貌を上空から撮影したドキュメンタリー。大自然の絶景や高地に生きる人々の姿などの大パノラマを美しいデジタルシネマでお楽しみいただけます。 |
4月26日(火) | ■10:30~/14:00~■ <日本映画傑作選「エノケンの魔術師」>(ミニホール) ●東宝/監督:木村荘十二/出演:榎本健一/昭和9年/モノクロ(73分) |
4月29日(金) | ■11:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「世代」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1954年/モノクロ/DCP/88分 ●“ポーランド派”の先駆的作品と目されるワイダの長編第一作。貧民街出身の男が共産主義者の抵抗運動に参加している女に恋をするという単純な物語だが、矛盾した性格をもち苦悩を抱えた悲劇的キャラクターの登場、ネオレアリズモ風の撮影、『灰とダイヤモンド』のツィブルスキの出演等ワイダ作品の特徴が垣間見られる一本である。 ■14:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「地下水道」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1956年/モノクロ/DCP/97分 ●ワルシャワ蜂起に参加したイエジ・ステファン・スタヴィンスキ脚本によるワイダの傑作。対独レジスタンスが地下の下水道で繰り広げる死闘をドキュメンタリー風に演出した本作、光と影を巧みに使った撮影は後年ホラー、サスペンスジャンルの作品に多大な影響を与えている。カンヌ映画祭審査員特別賞。 |
4月30日(土) | ■11:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「灰とダイヤモンド」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1958年/モノクロ/DCP/104分 ●ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し監督ワイダの名を一躍世界に知らしめた歴史的作品。戦時中レジスタンス活動に従事し、戦後はテロリストとなり悲惨な最後を遂げる青年。ロマン主義的な主人公のキャラクター、寓意を多用した演出、シャープなモノクロ映像で描かれる青春の栄光と挫折は今見ても切ない。 ■14:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「サムソン」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1961年/モノクロ/DCP/118分 ●1939 年~43 年のワルシャワを舞台に、ユダヤ人居住区の墓堀人の手で助けられたユダヤ人の運命を描いた本作。旧約聖書の英雄サムソンになぞらえた主人公の過酷な体験は、戦時下における不条理な日々を見るものに印象づける。今回が日本での初上映。ポーランド国内でもこの映画の存在を知る人は少ないといわれる幻の作品。若き日のポランスキーも出演している。 |
5月1日(日) | ■11:00~■ <ポーランド映画の都・ウッチ「身分証明書」> ●監督:イェジー・スコリモフス/1964年/モノクロ/DCP/76分 ●ウッチ映画大学在学中に、主にウッチ市で撮影されたスコリモフスキ自作自演の長編第一作。24 歳のアンジェイは毎日を無為に過ごしていたが、ある日兵役を志願。映画は彼が兵役につくまでの16 時間を追いながら、主人公の社会に対する怒りや行き場のない焦りを表現。物語性の否定。斬新なカメラワーク等、巨匠の才気溢れる演出に痺れる1 本。 ■14:00~■ <ポーランド映画の都・ウッチ「エヴァは眠りたい」> ●監督:タデウシュ・フェミレフスキ/1957年/モノクロ/DCP/99分 ●幻想とリアルをバランスよく織り交ぜた不条理でダークなユーモアとルネ・クレール風の抒情性をあわせもつフミェレフスキ(1954 年ウッチ映画大学卒)の大ヒット作。本作は娯楽喜劇として作られた戦後最初の作品と言われ、全住民が警官か泥棒という奇妙な町に若い娘エヴァがやってくる 物語は、ポーランドの現実を暗示しているかのようだ。サン・セバスティアン映画祭グランプリ。 |
5月3日(火) | ■11:00~■ <ポーランド映画の都・ウッチ「ヴァバンク」> ●監督:ユリウシュ・マフルスキ/1981年/カラー/DCP/109分 ●ウッチ映画大学を卒業後、70 年代後半から活躍しているマフルスキの大ヒット作。30 年代のワルシャワで刑務所帰りの詐欺師が再び悪事を働く犯罪コメディ。米映画の名作『スティング』を想起させる出来栄えは一級品。ポーランドで知らない人 はいないとも言われる本作は、同じキャストとスタッフで続編もつくられている。また主演俳優は監督の父親である。タイトルはva banque(仏)からの借用。ギャンブラーの隠語で、「全財産を賭けること」を意味する。 ■14:00~■ <ポーランド映画の都・ウッチ「約束の土地」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1974年/カラー/DCP/169分 ●70 年代のワイダ(1953 年ウッチ映画大学卒)は文学作品を数多く映画化しているが、なかでも国内外で高い評価を得ているのが本作である。ウワデゥスワフ・レイモントの小説をもと にユダヤ、ポーランド、ドイツという異なった民族に属する若き親友3 人が工業都市ウッチで身を立てようとする物語は、青春群像劇でありながら、同時に富む大都市の肖像にもなっている。 |
5月4日(水) | ■11:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「地下水道」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1956年/モノクロ/DCP/97分 ●ワルシャワ蜂起に参加したイエジ・ステファン・スタヴィンスキ脚本によるワイダの傑作。対独レジスタンスが地下の下水道で繰り広げる死闘をドキュメンタリー風に演出した本作、光と影を巧みに使った撮影は後年ホラー、サスペンスジャンルの作品に多大な影響を与えている。カンヌ映画祭審査員特別賞。 ■14:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「灰とダイヤモンド」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1958年/モノクロ/DCP/104分 ●ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し監督ワイダの名を一躍世界に知らしめた歴史的作品。戦時中レジスタンス活動に従事し、戦後はテロリストとなり悲惨な最後を遂げる青年。ロマン主義的な主人公のキャラクター、寓意を多用した演出、シャープなモノクロ映像で描かれる青春の栄光と挫折は今見ても切ない。 |
5月5日(木) | ■11:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「サムソン」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1961年/モノクロ/DCP/118分 ●1939 年~43 年のワルシャワを舞台に、ユダヤ人居住区の墓堀人の手で助けられたユダヤ人の運命を描いた本作。旧約聖書の英雄サムソンになぞらえた主人公の過酷な体験は、戦時下における不条理な日々を見るものに印象づける。今回が日本での初上映。ポーランド国内でもこの映画の存在を知る人は少ないといわれる幻の作品。若き日のポランスキーも出演している。 ■14:00~■ <アンジェイ・ワイダと戦争「世代」> ●監督:アンジェイ・ワイダ/1954年/モノクロ/DCP/88分 ●“ポーランド派”の先駆的作品と目されるワイダの長編第一作。貧民街出身の男が共産主義者の抵抗運動に参加している女に恋をするという単純な物語だが、矛盾した性格をもち苦悩を抱えた悲劇的キャラクターの登場、ネオレアリズモ風の撮影、『灰とダイヤモンド』のツィブルスキの出演等ワイダ作品の特徴が垣間見られる一本である。 |
5月7日(土) | ■11:00~■ <戦後ポーランド映画の系譜「マテウシの生活」> ●監督:ヴィトルト・レシチンスキ/1967年/モノクロ/35mm/ビスタ/82分 ●ウッチ大学で撮影と監督を学び、ノルウェーでドキュメンタリー制作に携わったレシチンスキの劇映画第一作。美しい田園地帯で静かに暮らす兄妹のもとに一人の男が舞い込み、波紋が広がる。 ■14:00~■ <戦後ポーランド映画の系譜「熱病」> 監督:アグニエシュカ・ホラント/1980年/カラー/35mm/118分 ◆ハリウッドやヨーロッパなどで国際的に活躍するアグニエシュカ・ホラントの初期の傑作。20世紀初頭、ポーランド社会党の過激派が計画した爆弾テロの顛末を冷徹に描く。 |
5月8日(日) | ■11:00~■ <戦後ポーランド映画の系譜「白鳥の歌」> 監督:ロベルト・グリンスキ/1988年/カラー/35mm/86分 ◆ウッチ大学に学んだ俊英グリンスキの代表作。シナリオ作りに苦労する脚本家をコミカルに描く。1989年にポーランドでプロダクションの自主製作による映画が認められる以前に発表された。 ■14:00~■ <戦後ポーランド映画の系譜「マテウシの生活」> ●監督:ヴィトルト・レシチンスキ/1967年/モノクロ/35mm/ビスタ/82分 ●ウッチ大学で撮影と監督を学び、ノルウェーでドキュメンタリー制作に携わったレシチンスキの劇映画第一作。美しい田園地帯で静かに暮らす兄妹のもとに一人の男が舞い込み、波紋が広がる。 |
映像ホールの上映時間は、11時と14時の1日2回が基本パターンになっています。
鑑賞料金は、一般600円、1,000円など企画によって異なりますので、市民ミュージアムのウェブサイトをご参照ください。
また市民ミュージアムには、前掲の映像ホールのほかに「ミニホール」も併設されています。
そちらでもさまざまな作品が上映されていまして、ミニホールは基本的に無料となっています。
上記でご紹介したのは直近の一部プログラムですが、休日には毎日これだけの映画・映像が上映されているわけです。
これは「武蔵小杉にはミニシアター・名画座がある」といっても差し支えないのではないでしょうか。
シネマコンプレックスの出店が期待された「グランツリー武蔵小杉」には、残念ながら映画館が入ることはありませんでした。
ただ、シネマコンプレックスで上映されるような最新話題作は近隣で観られるわけですし、市民ミュージアムで学芸員の方が選定された映画を楽しんでみるのも良いと思います。
【関連リンク】
・川崎市市民ミュージアム ウェブサイト
・2015/10/22エントリ 川崎市市民ミュージアムでデジカメワークショップ「水面に自分を映してセルフポートレートを撮ってみよう」が10月24日開催
・2015/11/15エントリ 川崎市市民ミュージアム「あそぼう!つくろう!アートツール・キャラバンin川崎」開催レポート
・2015/12/5エントリ 川崎市市民ミュージアムの年末年始2大企画展「江口寿史展KING OF POP」本日より、「2015川崎フロンターレ展」12月12日より開幕