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2017年
09月13日

等々力緑地の硬式野球場建設工事で廃棄物・軟弱地盤等の問題が発覚、工期が2年遅れ2020年完成へ/等々力プールの等々力陸上競技場バック・サイドスタンド併設可能性は消滅

【Reporter:はつしも】

等々力緑地では、現在大規模な再編整備の一環として新たな硬式野球場の建設が進められています。

この工事は2016年6月に着手しておりましたが、その後建設現場から廃棄物・土壌汚染・軟弱地盤や既存図面では確認できなかった水路などが発見されたことなどにより、作業が中断していました。

川崎市による土壌等の調査の結果、廃棄物の対策工事などが必要となることがわかりました。
硬式野球場は、当初2018年9月末に工事が完了する予定でしたが、これにより全体で約2年ほど遅延し、2020年までかかる見込みとなることがあきらかになりました。

これらは2017年8月30日に開催された、川崎市のまちづくり委員会において報告されています。

■等々力硬式野球場のイメージパース
上空からのイメージパース 

■等々力硬式野球場建設工事現場
等々力硬式野球場の建設現場

等々力緑地の硬式野球場は、催し物広場と等々力陸上競技場の隣接地に建設が進められています。
写真は等々力陸上競技場メインスタンドから撮影したもので、この時にはすでに工事が中断されて調査が行われていました。

■工事中断の要因・調査・対策
要因 調査 対策
現場から廃棄物混じり土(コンクリートガラ・木くず・混合廃棄物・スレート材など)が出現し、建設発生土をそのまま処分場へ搬出ができない状況であった。 埋土層にある廃棄物等による土壌への影響の調査を実施した結果、土壌汚染対策法に照らし不適格な部分があることが判明した。 調査結果を踏まえた対策工事の検討を行い、適切に対策を行う。
地盤に軟弱部分があり、場所や状況によっては重機も入れない状態であった。 既存調査では、埋土層が2.0m~4.5mの厚さであったが、今回調査にて埋土層が1.5m~6.0mと深く、地点によってばらつきがあることが判明した。 施工および沈下等長期的な観点から必要な範囲で地盤改良を行う。
設計時には確認できなかった杭支持層の想定以上に深さと不均等、既存図面で確認できなかった水路が確認された。 杭支持層調査により場所によって杭支持層が既存調査に比べ1m~2m深いことが判明した。 適切な杭長にて施工を行う。また影響する水路は解体を行う。

■廃棄物の存在と土壌汚染が判明した建設地

廃棄物と土壌汚染が判明した建設地

■廃棄物と土壌汚染の範囲
廃棄物と土壌汚染の範囲 
※川崎市まちづくり委員会資料より(詳細は関連リンク参照)

廃棄物の除去や軟弱地盤、杭支持層の対策のために、今後約2年間にわたって工事が行われます。

その分、前述の通り完成が遅れるかたちになるわけです。

2020年といえば、ちょうど東京オリンピック・パラリンピックの年ですね。
今後さらに想定外の事象が判明することが絶対にないとは言い切れませんが、記念すべきスポーツの祭典の年に、硬式野球場もお披露目される想定です。



ところで、2017/6/15エントリにおいて、等々力陸上競技場のバックスタンド・サイドスタンドの再整備方針が、全面改築ではなく「増築」となったことをお伝えしました。

それにより、サイドスタンド・バックスタンドとの一体的な整備が検討されていた「等々力プール」の行方についても不透明な状況となっておりましたが、こちらはサイドスタンド・バックスタンドには併設されないこととなりました。

増築ではやはり、プール併設のような抜本的な再整備は難しいということのようです。

■廃止された等々力プール
廃止された等々力プール

■3階部分を増築する基本方針(案)
3階部分を増築する基本方針(案)の図
今後等々力プールについては、等々力陸上競技場とは別個での再整備の可能性を模索することになるようです。

こちらも何らか、よい形になればよいと思います。

【関連リンク】
川崎市 平成29年度まちづくり委員会
等々力緑地再編整備室
川崎市 等々力緑地
武蔵小杉ライフ:生活情報:公園 等々力緑地
2013/7/22エントリ 等々力陸上競技場改修工事の仮囲いに「あなたと等々力」思い出写真を掲示中
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 ・2016/11/15エントリ 川崎市が等々力緑地再編整備の「じゃぶじゃぶ池」のイメージプラン3案を発表、本日より11月30日まで市民意見を募集中<
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2017/3/12エントリ 等々力緑地再編整備:府中街道沿いの正面広場のリニューアルが完了、「健康美」の像を移設しオープンスペースを拡張
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