多摩川近くの風車状交差点「古市場交差点」周辺の、昭和の街並みを巡る
【Reporter:はつしも】
川崎市幸区に、「古市場」という地名があります。
本サイトでは不定期連載「多摩川を下る」の第2回で、古市場小学校前歩道橋からの多摩川パノラマをご紹介しておりました。
そこからほど近くの場所に、「古市場交差点」という名称の交差点がありまして、かねてから地図上でその形状に興味を持っておりましたので、ついでに訪れてみました。
■「古市場交差点」のマップ
古市場は、幸区の中では比較的区画整理された住宅街になっています。
その中央にあるのが「古市場交差点」で、住宅街を横断・縦断する幹線道路が風車のようにカーブしながら交差する形状になっています。
長年地図上で目にするだけで、実際に見たことはなかったのですが、機会を得て現地に行ってみました。
■「古市場交差点」への道路
古市場交差点へアプローチする道路は、4方向どこから入っても45度右折します。
その先に見えるのが、古市場交差点です。
■「古市場交差点」
そしてこちらが、古市場交差点です。
マップでも道路の幅の割には交差点にかなり大きなスペースが使われていたのが確認できましたが、実際に見てみると交差点の4つ角の部分にそれぞれ広場スペースが設けられていました。
そのため、ゆったりとした空間になっています。
■広場の銅像「希望の朝」(圓鍔元規氏作)
広場にはベンチのほか、「希望の朝」と題した銅像も建立されていました。
これは川崎市在住の彫刻家・圓鍔元規氏の作品です。
■同じく圓鍔元規氏作、中原平和公園の「はばたけ」
圓鍔元規氏といえば、中原平和公園に「はばたけ」という作品も残しています。
同氏の作品は、川崎市の各地に建立されているようです。
■交差点の古い建物
交差点に面しては、交番のほか、古い建物が多く並んでいました。
この建物には、銭湯の煙突が見えます。
■「スーパーGOKO(五光)」
■「越の湯」
ここには1階に「スーパーGOKO(五光)」が、上階に銭湯の「越の湯」がありました。
「GOKO(五光)」といえば、川崎区・幸区・中原区を地盤とする地場のスーパーで、向河原駅前にも出店していましたが、昨年お伝えした通り、2017年12月17日をもって全店舗の営業を終了させました。
■向河原駅前で営業していた五光の店舗「向河原駅前市場」
向河原駅前の「スーパーGOKO」は、2016年にリニューアルされまして、「向河原駅前市場」という名称になっていましたが、こちらも閉店しました。
古市場交差点の「GOKO」とともに、地域を支えるスーパーマーケットでした。
■「BARBER長森」
こちらも交差点に面した店舗で、「BARBER長森」です。
昔ながらの床屋さんですね。
■古市場銀座
交差点から1本裏手に入ると、「古市場銀座」と呼ばれる商店街がありました。
ここは駅から離れていることもあって人出はそれほどないのですが、歴史の長そうなお店が並んでいました。
川崎市の資料によると、「古市場」の地名の由来は定かではありませんが、「昔盛んな市(いち)がたっていたところ」という意味のようです。
村に古い天神社があり、昔そこで年に2回、大きな市が立っていたことに由来するという説や、鶴見の市場町に対して、こちらが古い市場であることを示したものという説などがあります。
現在は住宅地としての性質が強まっていますが、かつては市場が賑わいを見せていたのではないでしょうか。
■ロッテの古い看板
■「でんわ でんぽう」
古市場の周辺には、古い建物が多数残っていました。
「でんわ でんぽう」の看板がまだ健在ですが、今やメールの時代もこえてLINEやメッセンジャーなどのSNSツールが盛んになっています。
時代も変わったものですね。
■婦人交通整理員詰所
古市場に隣接して、川崎市バスの上平間営業所があります。
ここには、「婦人交通整理員詰所」なるものがありました。
女性の交通整理員が待機する詰所のようですが、なかなか見かけることがありません。
古市場周辺を歩いてみますと、新しい住宅やビルの中にも古い建物や商店、看板などが残っているところが多く、全体として「昭和のたたずまい」を色濃く感じることができました。
地図上で見るだけでは、何となく区画整理の進んだ新しい住宅街のような印象を持ってしまっていたのですが、実際に現地を見ないとわからないことがやはり多いですね。
今回ご紹介したエリアも、またいずれ風景が変わっていくのだと思います。
著名な観光スポットはいくらでも写真が残るのですが、何気ない街並みは意外と残っていないことが多くあります。
地域の街並みの記録として、本エントリをここに残しておくこととしました。
【関連リンク】
(「多摩川を下る」連載)
・2017/1/26エントリ 多摩川を下る(1):ガス橋を渡る、キヤノン本社への長い出勤行列
・2017/2/19エントリ 多摩川を下る(2):中原区・幸区の境界・多摩川を渡る送電線と、古市場小学校前歩道橋からのパノラマ
・2017/4/17エントリ 多摩川を下る(3):ランステーション「多摩川交流センター」から見える、新川崎・武蔵小杉・多摩川大橋・「SHISHAMO」出身校の川崎総合科学高等学校
・2017/5/5エントリ 多摩川を下る(4):川崎競馬場の練習馬場・小向トレーニングセンターを駆ける競走馬
・2017/10/16エントリ 多摩川を下る(5):川崎競馬場の練習馬場(続)・朝練を終えて多摩沿線道路を渡る競走馬
・2017/11/20エントリ 多摩川を下る(6):多摩川河川敷から、神奈川県に番組を発信。「アール・エフラジオ日本川崎幸放送局」の送信設備
(平間関連)
・2011/7/16エントリ 「ガス橋」と平間の渡し
・2014/11/21エントリ 下平間のバス停「住宅前」と、「武道館前」
・2014/11/28エントリ 川崎市動物愛護センターが中原区上平間に2018年度移転へ
・2015/5/26エントリ 南武線各駅開業88周年記念展示(4):「平間駅」
・2016/9/7エントリ 臨海部の工業用水を支える「平間配水所」の調圧塔と、川崎市中部学校給食センター・動物愛護センター整備
・2016/12/22エントリ 多摩川の築堤を直訴「アミガサ事件」による「有吉堤」完成から100年。八幡大神・中丸子児童公園の記念碑と遺構をめぐる
(圓鍔元規氏関連)
・2017/1/12エントリ 中原平和公園の「川崎市核兵器廃絶平和都市宣言」と、周辺の平和像など
川崎市幸区に、「古市場」という地名があります。
本サイトでは不定期連載「多摩川を下る」の第2回で、古市場小学校前歩道橋からの多摩川パノラマをご紹介しておりました。
そこからほど近くの場所に、「古市場交差点」という名称の交差点がありまして、かねてから地図上でその形状に興味を持っておりましたので、ついでに訪れてみました。
■「古市場交差点」のマップ
古市場は、幸区の中では比較的区画整理された住宅街になっています。
その中央にあるのが「古市場交差点」で、住宅街を横断・縦断する幹線道路が風車のようにカーブしながら交差する形状になっています。
長年地図上で目にするだけで、実際に見たことはなかったのですが、機会を得て現地に行ってみました。
■「古市場交差点」への道路
古市場交差点へアプローチする道路は、4方向どこから入っても45度右折します。
その先に見えるのが、古市場交差点です。
■「古市場交差点」
そしてこちらが、古市場交差点です。
マップでも道路の幅の割には交差点にかなり大きなスペースが使われていたのが確認できましたが、実際に見てみると交差点の4つ角の部分にそれぞれ広場スペースが設けられていました。
そのため、ゆったりとした空間になっています。
■広場の銅像「希望の朝」(圓鍔元規氏作)
広場にはベンチのほか、「希望の朝」と題した銅像も建立されていました。
これは川崎市在住の彫刻家・圓鍔元規氏の作品です。
■同じく圓鍔元規氏作、中原平和公園の「はばたけ」
圓鍔元規氏といえば、中原平和公園に「はばたけ」という作品も残しています。
同氏の作品は、川崎市の各地に建立されているようです。
■交差点の古い建物
交差点に面しては、交番のほか、古い建物が多く並んでいました。
この建物には、銭湯の煙突が見えます。
■「スーパーGOKO(五光)」
■「越の湯」
ここには1階に「スーパーGOKO(五光)」が、上階に銭湯の「越の湯」がありました。
「GOKO(五光)」といえば、川崎区・幸区・中原区を地盤とする地場のスーパーで、向河原駅前にも出店していましたが、昨年お伝えした通り、2017年12月17日をもって全店舗の営業を終了させました。
■向河原駅前で営業していた五光の店舗「向河原駅前市場」
向河原駅前の「スーパーGOKO」は、2016年にリニューアルされまして、「向河原駅前市場」という名称になっていましたが、こちらも閉店しました。
古市場交差点の「GOKO」とともに、地域を支えるスーパーマーケットでした。
■「BARBER長森」
こちらも交差点に面した店舗で、「BARBER長森」です。
昔ながらの床屋さんですね。
■古市場銀座
交差点から1本裏手に入ると、「古市場銀座」と呼ばれる商店街がありました。
ここは駅から離れていることもあって人出はそれほどないのですが、歴史の長そうなお店が並んでいました。
川崎市の資料によると、「古市場」の地名の由来は定かではありませんが、「昔盛んな市(いち)がたっていたところ」という意味のようです。
村に古い天神社があり、昔そこで年に2回、大きな市が立っていたことに由来するという説や、鶴見の市場町に対して、こちらが古い市場であることを示したものという説などがあります。
現在は住宅地としての性質が強まっていますが、かつては市場が賑わいを見せていたのではないでしょうか。
■ロッテの古い看板
■「でんわ でんぽう」
古市場の周辺には、古い建物が多数残っていました。
「でんわ でんぽう」の看板がまだ健在ですが、今やメールの時代もこえてLINEやメッセンジャーなどのSNSツールが盛んになっています。
時代も変わったものですね。
■婦人交通整理員詰所
古市場に隣接して、川崎市バスの上平間営業所があります。
ここには、「婦人交通整理員詰所」なるものがありました。
女性の交通整理員が待機する詰所のようですが、なかなか見かけることがありません。
古市場周辺を歩いてみますと、新しい住宅やビルの中にも古い建物や商店、看板などが残っているところが多く、全体として「昭和のたたずまい」を色濃く感じることができました。
地図上で見るだけでは、何となく区画整理の進んだ新しい住宅街のような印象を持ってしまっていたのですが、実際に現地を見ないとわからないことがやはり多いですね。
今回ご紹介したエリアも、またいずれ風景が変わっていくのだと思います。
著名な観光スポットはいくらでも写真が残るのですが、何気ない街並みは意外と残っていないことが多くあります。
地域の街並みの記録として、本エントリをここに残しておくこととしました。
【関連リンク】
(「多摩川を下る」連載)
・2017/1/26エントリ 多摩川を下る(1):ガス橋を渡る、キヤノン本社への長い出勤行列
・2017/2/19エントリ 多摩川を下る(2):中原区・幸区の境界・多摩川を渡る送電線と、古市場小学校前歩道橋からのパノラマ
・2017/4/17エントリ 多摩川を下る(3):ランステーション「多摩川交流センター」から見える、新川崎・武蔵小杉・多摩川大橋・「SHISHAMO」出身校の川崎総合科学高等学校
・2017/5/5エントリ 多摩川を下る(4):川崎競馬場の練習馬場・小向トレーニングセンターを駆ける競走馬
・2017/10/16エントリ 多摩川を下る(5):川崎競馬場の練習馬場(続)・朝練を終えて多摩沿線道路を渡る競走馬
・2017/11/20エントリ 多摩川を下る(6):多摩川河川敷から、神奈川県に番組を発信。「アール・エフラジオ日本川崎幸放送局」の送信設備
(平間関連)
・2011/7/16エントリ 「ガス橋」と平間の渡し
・2014/11/21エントリ 下平間のバス停「住宅前」と、「武道館前」
・2014/11/28エントリ 川崎市動物愛護センターが中原区上平間に2018年度移転へ
・2015/5/26エントリ 南武線各駅開業88周年記念展示(4):「平間駅」
・2016/9/7エントリ 臨海部の工業用水を支える「平間配水所」の調圧塔と、川崎市中部学校給食センター・動物愛護センター整備
・2016/12/22エントリ 多摩川の築堤を直訴「アミガサ事件」による「有吉堤」完成から100年。八幡大神・中丸子児童公園の記念碑と遺構をめぐる
(圓鍔元規氏関連)
・2017/1/12エントリ 中原平和公園の「川崎市核兵器廃絶平和都市宣言」と、周辺の平和像など