井田病院再整備Ⅲ期工事完成に続き井田山の斜面防護工事が着手、「中原区市民健康の森」の歩道も整備へ
【Reporter:はつしも】
2018年6月28日から7月8日頃にかけて西日本を中心に発生した「平成30年7月豪雨」では、各地で洪水や土砂崩れなどが発生し、大きな災害となりました。
武蔵小杉周辺では目立った被害は認められませんでしたが、改めて災害リスクを身近に感じられた方も多かったのではないでしょうか。
中原区は大半が多摩川沿いの低地ですので、災害リスクの中では河川の氾濫が取りざたされることが多く、本サイトでも2016/6/1エントリで国土交通省が公開した「多摩川・鶴見川・相模川水系の洪水氾濫シミュレーション」をご紹介しておりました。
一方、中原区=平地というわけではなく、横浜市港北区との境界付近においては「井田山」などの高台と斜面の緑地帯があります。
折しも、この井田山において、斜面の防護工事が行われていましたので、ご紹介します。
■井田山の「中原区市民健康の森」の入口
井田山の一部は、市民が憩える「中原区市民健康の森」として整備が行なわれています。
ここではホタルの放流イベントなど、自然を体験する試みが行われていまして、これまでにもご紹介しておりました。
その森の入口に掲示されていたのが、「斜面の防護および施設の整備」工事のお知らせです。
この工事ははかねてから計画されていたもので、今から10年前、2008年には住民説明会がすでに行なわれていました。
しかしながら施工上、土砂の搬出経路に問題があることが判明し、斜面上部の井田病院敷地を工事に活用することで2009年に計画変更が行なわれました。
一方、本サイトでもお伝えしてきたとおり、川崎市立井田病院は長期間にわたる改築工事が行なわれていました。
この改築工事は、大きく分けて病棟を改築するⅠ期・Ⅱ期工事、病院裏手の斜面寄りに駐車場棟を建設するⅢ期工事で構成されています。
斜面防護工事に井田病院の敷地を活用するとなると、必然的にⅢ期工事の「駐車場棟」が完成しないと、斜面防護工事が着手できないことになりました。
それにより、工事スケジュールが大幅に延期となり、当初の住民説明会から着手までに10年を待つ結果になったものです。
■Ⅲ期工事で完成した「駐車場棟」
そしてⅢ期工事の「駐車場棟」は、先般の2018/7/24エントリでご紹介したとおり、2017年7月に完成しました。
この完成をもって井田病院の斜面側の用地が工事利用できるようになり、このたびの斜面防護工事が着手されたわけです。
■井田山の斜面と近接する住宅
■斜面の防護工事
井田山の周辺は宅地化が進み、斜面に近接して住宅が立ち並んでいます。
その斜面の下部に仮囲いが設置され、防護工事が進行していました。
この工事においては、まず斜面の安全確保のためブロック積擁壁が整備されます。
またアスファルト舗装による歩行者専用道路を整備して「中原区市民健康の森」から井田病院まで通行できるようになります。
さらに斜面と道路の排水施設も整備されるほか、階段には手すりが設置される計画です。
■「危ない!立ち入り禁止」
工事が行なわれている斜面は、もちろん立ち入り禁止です。
大掛かりな工事になると思いますが、この防護工事によって、斜面の崩落リスクが低減されるものと思います。
また井田病院まで抜けることができるようになると、市民健康の森の回遊性が高まりそうですね。
■井田山周辺での新たな宅地開発
周辺地域を見渡しますと、井田山の近くでは、新たな宅地開発も着手されていました。
2016/8/16エントリでご紹介した通り、台地の上では新日鉄先端技術研究所跡地に分譲住宅街「さくらが丘Isaac日吉」が開発されるなど、近年台地の上・下両方で人口が増加してきたところです。
■開発地から見える武蔵小杉のタワーマンション
宅地開発地からは、遠く武蔵小杉のタワーマンションを送電鉄塔越しに見ることができました。
ここから武蔵小杉駅方面に通勤・通学される方もいらっしゃることでしょう。
開発が進む一方、災害時の安全を守る取り組みも大変重要です。
住民説明会から10年、土砂災害に関心が高まっているこのタイミングに井田山の斜面防護工事が着手されたのは偶然ですけれども、長年「順番待ち」になっていた事業に進捗がみられるのは良かったと思います。
【関連リンク】
(井田山関連)
・2011/3/7エントリ 井田山(1):井田山から見る武蔵小杉
・2012/1/6エントリ 井田山(2):井田平台公園
・2012/5/1エントリ 井田山(3)井田病院の新棟が本日開院
・2013/6/1エントリ 井田山(4):中原区市民健康の森と、ホタル の放流
・2014/5/30エントリ 井田山のホタル観賞会「ヒカリノモリへ」が 2014年6月5日(木)まで開催中
・2015/4/7エントリ 川崎市立井田病院が4月1日全面開院、がん医 療・救急医療などを機能強化
・2016/3/7エントリ 川崎市バスが4月1日の井田方面大幅増便ダイ ヤ・「小杉駅入口グランツリー前」バス停新設を発表、井田病院行無料シャトルバス は3月31日廃止
・2016/6/10エントリ 井田山・中原区市民健康の森のホタル観賞会 「ヒカリノモリ」が本日6月10日(金)から12日(日)まで開催 ・2016/8/16エントリ 井田山周辺の別世界。アイザック・ニュートン生家のりんごの木を継承する、新日鉄先端技術研究所跡地の分譲住宅街「さくらが丘Isaac日吉」を歩く
・2016/12/10エントリ 井田山(5):東京都心と、武蔵小杉・新川崎の高層ビル群を一望する。隠れたパノラマスポット「井田伊勢台公園」
・2018/7/24エントリ 川崎市立井田病院再整備事業・Ⅲ期工事で完成、ロータリー・立体駐車場と院内保育園
(台風関連)
・京浜河川事務所 ウェブサイト
・2008/8/29エントリ 多摩川増水
・2009/10/9エントリ 武蔵小杉駅北口バス停の屋根が、台風18号で飛ばされ消失
・2010/1/14エントリ 武蔵小杉駅北口バス停の屋根が修復完了
・2010/7/19エントリ 川崎歴史ガイド・中原街道ルート(8):「御蔵稲荷と多摩川」
・2011/9/21エントリ 台風15号が武蔵小杉を直撃、JR武蔵小杉駅の看板が破損
・2012/4/3エントリ 低気圧の発達による武蔵小杉の強風と、交通の一部混乱
・2014/10/12エントリ 台風近づく武蔵小杉の、「ニカッパ君」と「マルエツの買い煽り」
(防災関連) ・2009/8/19エントリ 水難事故に備えよう
・2010/3/26エントリ THE KOSUGI TOWERの消防訓練
・2010/6/15エントリ 中原消防署が住宅用火災報知機設置を呼びかけ
・2011/4/9エントリ 中原区役所の臨時給水所
・2011/6/29エントリ 中原消防署に双腕作業機「ASTACO」配備
・2012/10/22エントリ 「下小田中小学校おやじの会」が小学校における被災・宿泊体験を実施
・2012/9/14エントリ パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーが川崎市の「高層集合住宅の震災対策に関する整備基準」適合第1号に認定
・2012/10/22エントリ 「下小田中小学校おやじの会」が小学校における被災・宿泊体験を実施
・2013/7/1エントリ パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーで「RJC48」のマンション防災勉強会が開催
・2013/8/31エントリ 川崎市総合防災訓練によりパークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー・等々力緑地でヘリ救助訓練等防災イベントを実施
・2013/9/27エントリ パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーが川崎市の「高層集合住宅の震災対策に関する整備基準」適合第2号に認定
・2014/3/20エントリ 西街区商業施設・武蔵小杉東急スクエアの消防訓練
・2014/3/30エントリ 本日供用開始「武蔵小杉駅東口駅前広場」の防災など各種機能
・2014/4/24エントリ 川崎市が災害時における帰宅困難者向けリーレット「武蔵小杉駅版」を配布、一時滞在施設マップを掲載
・2014/9/13エントリ 中原消防団が踊る「恋するフォーチュンクッキー」で団員募集PR
・2015/2/22エントリ 「こすぎ防災フェス」が2015年3月14日(土)開催、ミッドスカイタワーの階段999段で「階段駆け上がりレース川崎大会」同時開催
・2015/3/14エントリ 武蔵小杉の防災一大イベント「こすぎ防災フェス」「第8回階段駆け上がりレース川崎大会」開催レポート
・2015/11/16エントリ 中原消防署がNEC玉川ルネッサンスシティ・ノースタワーで37階・829段の「階段駆け上がり訓練」を実施
・2016/4/14エントリ 川崎市が「武蔵小杉駅周辺エリア防災計画」を発表、大震災時の駅周辺混乱抑制・安全対策を推進 ・2016/6/1エントリ 国土交通省が多摩川・鶴見川・相模川水系の洪水氾濫シミュレーションを公開、武蔵小杉等任意地点への洪水到達時間と最大浸水深が検索可能に ・2018/5/7エントリ 中原区役所の「災害時応急給水拠点(臨時給水所)」看板がリニューアル、上下水道局職員キャラクター「ウォータン」が登場
2018年6月28日から7月8日頃にかけて西日本を中心に発生した「平成30年7月豪雨」では、各地で洪水や土砂崩れなどが発生し、大きな災害となりました。
武蔵小杉周辺では目立った被害は認められませんでしたが、改めて災害リスクを身近に感じられた方も多かったのではないでしょうか。
中原区は大半が多摩川沿いの低地ですので、災害リスクの中では河川の氾濫が取りざたされることが多く、本サイトでも2016/6/1エントリで国土交通省が公開した「多摩川・鶴見川・相模川水系の洪水氾濫シミュレーション」をご紹介しておりました。
一方、中原区=平地というわけではなく、横浜市港北区との境界付近においては「井田山」などの高台と斜面の緑地帯があります。
折しも、この井田山において、斜面の防護工事が行われていましたので、ご紹介します。
■井田山の「中原区市民健康の森」の入口
井田山の一部は、市民が憩える「中原区市民健康の森」として整備が行なわれています。
ここではホタルの放流イベントなど、自然を体験する試みが行われていまして、これまでにもご紹介しておりました。
その森の入口に掲示されていたのが、「斜面の防護および施設の整備」工事のお知らせです。
この工事ははかねてから計画されていたもので、今から10年前、2008年には住民説明会がすでに行なわれていました。
しかしながら施工上、土砂の搬出経路に問題があることが判明し、斜面上部の井田病院敷地を工事に活用することで2009年に計画変更が行なわれました。
一方、本サイトでもお伝えしてきたとおり、川崎市立井田病院は長期間にわたる改築工事が行なわれていました。
この改築工事は、大きく分けて病棟を改築するⅠ期・Ⅱ期工事、病院裏手の斜面寄りに駐車場棟を建設するⅢ期工事で構成されています。
斜面防護工事に井田病院の敷地を活用するとなると、必然的にⅢ期工事の「駐車場棟」が完成しないと、斜面防護工事が着手できないことになりました。
それにより、工事スケジュールが大幅に延期となり、当初の住民説明会から着手までに10年を待つ結果になったものです。
■Ⅲ期工事で完成した「駐車場棟」
そしてⅢ期工事の「駐車場棟」は、先般の2018/7/24エントリでご紹介したとおり、2017年7月に完成しました。
この完成をもって井田病院の斜面側の用地が工事利用できるようになり、このたびの斜面防護工事が着手されたわけです。
■井田山の斜面と近接する住宅
■斜面の防護工事
井田山の周辺は宅地化が進み、斜面に近接して住宅が立ち並んでいます。
その斜面の下部に仮囲いが設置され、防護工事が進行していました。
この工事においては、まず斜面の安全確保のためブロック積擁壁が整備されます。
またアスファルト舗装による歩行者専用道路を整備して「中原区市民健康の森」から井田病院まで通行できるようになります。
さらに斜面と道路の排水施設も整備されるほか、階段には手すりが設置される計画です。
■「危ない!立ち入り禁止」
工事が行なわれている斜面は、もちろん立ち入り禁止です。
大掛かりな工事になると思いますが、この防護工事によって、斜面の崩落リスクが低減されるものと思います。
また井田病院まで抜けることができるようになると、市民健康の森の回遊性が高まりそうですね。
■井田山周辺での新たな宅地開発
周辺地域を見渡しますと、井田山の近くでは、新たな宅地開発も着手されていました。
2016/8/16エントリでご紹介した通り、台地の上では新日鉄先端技術研究所跡地に分譲住宅街「さくらが丘Isaac日吉」が開発されるなど、近年台地の上・下両方で人口が増加してきたところです。
■開発地から見える武蔵小杉のタワーマンション
宅地開発地からは、遠く武蔵小杉のタワーマンションを送電鉄塔越しに見ることができました。
ここから武蔵小杉駅方面に通勤・通学される方もいらっしゃることでしょう。
開発が進む一方、災害時の安全を守る取り組みも大変重要です。
住民説明会から10年、土砂災害に関心が高まっているこのタイミングに井田山の斜面防護工事が着手されたのは偶然ですけれども、長年「順番待ち」になっていた事業に進捗がみられるのは良かったと思います。
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