新丸子で京都の涼菓を
「夏越(なごし)の祓え」ってご存じですか?
私は、昨年、本を読んで知ったのですが、夏越の祓えとは、6月30日に
おこなう行事で、12月31日が「年越」であるのに対し、半分終わった
6月30日を「夏越」というそうです。
なんで「夏を越す」というかは、多分、旧暦に関係があるのでしょうね。
旧暦での季節は、4・5・6月が夏、7・8・9月が秋ですから、暦の上で
夏から秋になる日、が「夏越」というのだと思います。
夏越の祓えとは、半年、過ごしてきたなかで、知らず知らずにおかして
しまった罪や穢れを祓って、残りの半年の息災を願う神事だそうで、
関東生まれ関東育ちの私は知らなかったのですが(もちろん、関東
生まれ関東育ちでも、ご存じの方はいらっしゃると思いますが…)、
日本各地の神社でおこなわれ、とくに、京都の神社ではポピュラーな
行事らしいですね。
6月30日になると、「茅の輪」という、茅草を編んだ大きな輪っかが
神社の神前に設置され、それをくぐって、穢れを祓ったりするそうです。
…で、何かというと、実はお菓子の話になるんですが、この「夏越の
祓え」の日には、「水無月」というお菓子を食べる習慣が、京都には
あるそうです。
私が昨年、本で得た情報はそこまで。
ふーん「水無月」ねえ、どんなお菓子なんだろ。
外郎(ういろう)生地の上に小豆を散らして、三角の形に切った、
お菓子ねえ。おいしいのかな。
とそのときは思いつつ、そんなことは忘れ果てて過ごしておりました
ら、今日、新丸子で「水無月」を発見してしまいました。
私がいつも「とーふプリン」を買ってしまう新丸子の和菓子屋さん、
「桔梗屋」にて。
(とーふプリンについては、2008/2/24エントリを参照ください)
■菓心 桔梗屋
■桔梗屋の「水無月」の看板
条件反射でとーふプリンをレジに運びつつ、思わず、「水無月」も注文
してしまいました。
■桔梗屋の水無月
包んでいただきながら「この水無月って、下の部分は、お餅なんです
か?」と聞くと、
「葛を使っているんですよ~」
とのこと。
「水無月、珍しいですよね。はじめて見ました。京都のほうでは一般的、
とか聞きますけど」
「そうなんですよ~。こっちのほうだと、デパートとかでも、1店とか2店
ぐらいしか扱ってないみたいですね。この前も、京都からいらしたという
方が、やっとここで見つけた~、といって、買っていかれました。この
あたりでも、作っているのは、うちぐらいかなあと思いますけど」
なるほど。
家に帰ってネットなどでも調べてみると、「水無月」は、6月30日に
食べる京都のお菓子で、だいたい6月にだけ限定販売されている
ようで、京都でも老舗となると、6月30日しか販売しないらしいです。
とにかく、6月30日に食べるのが正式のようですね。
「桔梗屋」でも、実際に、6月30日までしか、販売しないとのこと。
さあ、実際に食べてみましょう。
水無月は、三角の形にカットされているのが特徴。これは、氷室の氷に
見立てられているそうです。昔、都の貴族は、6月1日に氷室から出した
氷を口にして、夏負けしないように願う風習があり、それに由来するそう
です。小豆には、魔除けの意味があるそうです。
食べてみると、もちもちっとして、小豆の甘さが口のなかに広がります。
京都伝統の和菓子というキモチで食べるせいか、上品な味わい。
京都の方には「6月30日に水無月を食べないと、夏が来た気がしない」と
いうお気持ちがあるのかな?
などと思いながら、はじめての水無月を味わったのでした。
ご興味のある方は、6月30日まで、期間限定の味わいを楽しんでみて
ください。
■菓心 桔梗屋マップ
【関連リンク】
菓心 桔梗屋 公式サイト
武蔵小杉ライフ:タウンガイド:和菓子 菓心 桔梗屋
2008/2/24エントリ くせになる味