武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2020年
12月16日

二ヶ領用水支流の暗渠巡り(3):井田掘の「井田水門」に残る、大同機工の開閉器

【Reporter:はつしも】

中原区内には、かつて二ヶ領用水から分岐して農業用水を運んでいた用水路が各所に存在します。
これらの用水路の多くは現在は地下に埋設されたり、蓋をするなどして「暗渠」になっています。

中原区南西部・井田杉山町の暗渠に、小さな水門があるのが以前から気になっていましたので、ご紹介します。

■井田杉山町の「井田水門」設置場所
井田杉山町の水門設置場所

■井田杉山町の暗渠と水門
井田杉山町の暗渠と水門

井田杉山町の暗渠と水門

水門が残されているのは、井田杉山町の住宅街の一角です。
住所でいえば、「井田杉山町29」という表示がすぐそばの電柱に掲示されていました。

この道路端には建物沿いに暗渠がありまして、その先に水門が残されています。

ここはかつて農業用水路であった「井田堀」の暗渠ということです。

■大同機工の水門開閉器
大同機工の水門開閉器

大同機工の水門開閉器

水門の表示を見ると、これは大同機工株式会社が製造した「水門開閉器」であることがわかりました。
大同機工は、埼玉県戸田市に本社を置く、水門や水道関連設備を専門とする企業です。

この水門開閉器が設置されたのは昭和51年(1976年)ということでした。
今から44年前ですから、そこまで大昔というわけではありません。

■水門の開度メーター
水門の開度メーター

これは水門の開度メーターで、どの程度水門が開いているのかを示すものです。
ただ、現在は開度を示す針が消失してしまっているようです。

実際に水門の開閉を行うことが現在でもあるのかどうか、見た限りではわかりませんでした。
少なくとも1976年の設置当時には、稼働していたものと思われます。

これは「井田水門」と呼ばれ、かつては井田堀の農業用水を水門振り分けていたものだそうです。

■江川せせらぎ遊歩道
江川せせらぎ遊歩道

■途中にある「大野屋」本社・物流センター
途中にある「大野屋」本社・物流センター

水門から西に暗渠をたどっていくと、江川せせらぎ遊歩道にぶつかります。
またその途中には、武蔵小杉周辺を中心に展開する食品スーパーマーケット「大野屋」(株式会社大樹)の本社・物流センターもありました。

街中のちいさなことに着目してみると、新しい発見があったりします。

武蔵小杉周辺の暗渠めぐりについては、2014年12月に中原街道の「木月堀」、2018年4月に「中丸子緑道」「中丸子南緑道」「北谷町緑道」をご紹介しておりました。
また別の地域も、あらためて訪れてみたいところです。

■水門のある場所


【関連リンク】
2014/12/10エントリ 川崎歴史ガイド・中原街道ルート(16):「木月堀と『くらやみ』」
2018/4/25エントリ 二ヶ領用水支流の暗渠巡り(1):中丸子堀跡地の「中丸子緑道」に春の散策シーズンが到来
2018/4/29エントリ 二ヶ領用水支流の暗渠巡り(2):中丸子緑道から分岐「中丸子南緑道」「北谷町緑道」の美しい花壇と南武線

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