小杉駅周辺まちづくり推進地域構想説明会・質疑応答編(下)
昨日のエントリに引き続き、9月16日(火)に行われた「小杉駅周辺
まちづくり推進地域構想(素案)」の説明会における質疑応答のレポ
ートです。今回で打ち止めですので、また少々長いですがお付き合い
ください。
前回もご説明したとおり、質問および回答の文言については、大意を
なるべく正確に再現しておりますが、意味がとりやすいように編集・
要約を加えており、実際の言葉とは同一ではないことをあらかじめ
ご了解ください。
それでは、質問6~12を以下にまとめております。
■質問6
等々力緑地が「緑の核」ということになっていますが、武蔵小杉駅から
そこまで20分も歩いて、途中に何もない。歩いて楽しめるような商業
施設など、何かのコアが必要ではないですか?
●回答6
「緑の核」に向けて誘導するように、歩道にふろん太くんのタイルを
敷き詰めたり、何らかのサインを設置したいと考えています。また、
現在は武蔵小杉駅から等々力緑地まで皆さんバラバラのルートを
通っているのですが、これも導線を確立して集約していきたいと思い
ます。
■質問7(質問6と同一の方)
フロンターレの試合を見に行くときは、確固たる目的が歩行者にある
のでいいですが、そうでないときには何らかのコアが必要なのでは
ないですか?
●回答7
これはPRの仕方次第と考えています。さまざまなPR媒体を利用して、
折に触れて都度広報活動をしていきたいと思います。
■質問8
①「研究開発市街地」とあるけど、具体的にどんな研究施設を誘導する
の?今、企業がいろいろな場所で「P1」「P2」とされる研究施設を作っ
ている。川崎市としてのガイドラインはあるの?放っておけば企業は
どんどん作るよ。
②地下鉄は結局できるの? 報道によると、川崎市は計画を出したり
ひっこめたりで、だいぶ国の怒りをかっているようだけど。
③これ以上高層ビルを建てて人を増やすの? 地方から人をこれ以上
引き抜いて、小杉だけ栄えればいいの? 日本の食料自給率が落ちて
いて、いざ輸入ができなくなれば生きていけなくなるよ。要するに何が
言いたいかというと、やりすぎるな、と言っているんですよ。
④この地域構想を作っているコンサルタントはどこか?
●回答8
①研究施設というのは、要するにNECのことで、NECの研究開発の
核になる、ということですね。
②地下鉄については、川崎市長もやめるとは言っておりませんで、
どうしたら最も採算が取れて、市民の皆様に歓迎していただける
ものになるのか、模索しているところでございます。
③小杉の町を更新するには民間活力の利用が必要になります。
民間を活用するには採算性が重要になりまして、建物を上に伸ばし
て緑地帯を作る、それによって人口が増えるわけですが、許容範囲
ではないかと考えております。
ただ、それに基盤が追いつかないと困ります。道路整備などをあわ
せて行うことで、基盤を補完していきたいと覆います。
④都市環境研究所です。
■株式会社都市環境研究所
http://www.urdi.co.jp/index.html
■NEC玉川事業場
■質問9
再開発に関しては、周辺住民への影響を考えてやってほしいと思い
ます。道路整備について言えば、409号(府中街道)は「おいおいやる」
では困るんです。戦後に計画が出て何十年もそのままになっていて、
できるのがこれから何十年も先ということでは困ります。
再開発は、周辺住民にはメリットが何も感じられません。
●回答9
道路整備に関しては、開発でできる道路と、純粋な公共事業として
できる
道路の両方があります。409号については川崎市の道路整備プログ
ラムで位置づけておりまして、現在綱島街道付近の550メートルの
整備に着手しておりますが、これに加えて範囲を拡大し、平成20年~
22年に着手することになっています。
■川崎市建設局 川崎市の道路整備プログラム
http://www.city.kawasaki.jp/53/53doukei/home/seibi_prog
ram/seibi_program_plan.htm
■府中街道拡幅用地
■質問10
南武線の南側の都市計画道路ですが、計画図面で見ても川崎信金
のところだけ途切れています。ここをつなげれば、道路事情が改善
されるのではないでしょうか?
●回答10
ご指摘の通りで、この川崎信金の部分については「小杉町3丁目東
地区」で再開発に向けて協議を進めているところです。道路整備に
ついては再開発事業ごとに行う予定で、東地区の再開発が完成
すれば道路がつながることになります。
■川崎信用金庫小杉支店
■質問11
ヒートアイランド現象について、中原区が最も気温が高くなっている
そうですが、何か対策を考えていますか?
●回答11
できるだけ緑を配置すること、水辺の空間を創出すること、「CASBEE
川崎」による環境に配慮した建築物の促進などを考えています。
また、多摩川まで安心して歩行できる導線・サインの設置をはかって
いきたいと思います。
■川崎市建築物環境配慮制度(CASBEE川崎)
http://www.city.kawasaki.jp/30/30kansin/home/casbee/casbee.htm
■質問12
オープンスペースについて、どこまで自由に利用できて、川崎市が
手を入れられるのですか。現状のものは分譲されているので、公開
されているといってもいろいろ問題も出てくるのではないかと思います。
土地は分譲せず、利用権を与えるくらいのやりかたが必要でなないで
しょうか。また、購入者への説明もきちんとしてほしいのですが。
●回答12
公開空地については、都市計画の制度上で担保されていると考えて
います。購入者の説明については、重要事項説明書によって説明が
行われているものと認識しています。
■リエトコート武蔵小杉の公開空地
・・・ということで、質疑応答は以上です。
地域にお住まいの住民の皆さんですので、やはり生活者としての
環境を重視した目線のご質問が多かったように思います。
さて、今回の「小杉駅周辺まちづくり推進地域構想(素案)」ですが、
2008年9月17日(水)~10月16日(木)まで中原区役所などで
縦覧されており、また同時に意見書を提出することができるように
なっています。
■川崎市 小杉駅周辺まちづくり推進地域構想(素案)の縦覧に
ついて
http://www.city.kawasaki.jp/50/50tosike/home/tosimasu/kosu
gi/soanjuuran.htm
意見書の提出は川崎市まちづくり局計画部都市計画課まで持参
または郵送となっています。
これまで、小杉駅周辺地区将来構想や新中原市民館の再整備に
関しても市民からの意見(パブリックコメント)を募集していました
が、その際は持参・郵送のほかに電子メール・FAXでの提出も可能
でした。
それに比べ、今回は意見表明のしやすさが後退したかたちですね。
(素案)とはいいながらも、提出された意見がどの程度反映される
余地があるのかわかりませんが、なるべくオープンなものであって
ほしいと思います。
【関連リンク】
川崎市 小杉駅周辺まちづくり推進地域構想(素案)
武蔵小杉ライフ:再開発情報:再開発マップ・日程
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉町3丁目地区
武蔵小杉ライフ:再開発情報:その他関連情報 府中街道
2008/9/17エントリ 小杉駅周辺まちづくり推進地域構想説明会・説明編
2008/9/18エントリ 小杉駅周辺まちづくり推進地域構想説明会・質疑応答編(上)