小杉町3丁目中央地区再開発が本組合に移行へ
建通新聞のニュースからですが、武蔵小杉駅西側の再開発事業、
小杉町3丁目中央地区第一種市街地再開発事業が本年度中に準備
組合から本組合に移行する手続き中とのことです。
■建通新聞神奈川 小杉町3丁目中央地区再開発、本組合へ
http://www.kentsu.co.jp/kanagawa/news/p04996.html
■小杉3丁目中央地区(中原市民館や既存商店など)
ここで簡単に再開発の流れを確認しておくと、大体以下のようになり
ます。
■再開発事業の流れ(概略)
①再開発の機運の高まり
既存施設の老朽化などにより、再開発の機運が高まります。
↓
②勉強会の結成
行政担当者も関与し、地権者や関係者などにより再開発事業に
ついて研究をします。
↓
③再開発準備組合の結成
ある程度意識の統一が図れたところで、準備組合を結成して事業
計画や資金計画を策定します。
↓
④都市計画決定
策定した計画について、都市計画法に基づく都市計画決定を受け
ます。
↓
⑤再開発組合の設立・権利変換計画の策定及び認可
都市計画法に基づく法人である再開発組合を組織し、再開発ビル
などの権利を現在の地権者に割り当てる権利変換計画を策定します。
↓
⑥再開発工事着工
権利変換計画が認可されたら、再開発工事を着工します。
↓
⑦再開発工事竣工・組合解散
再開発ビルなどが完成後、所定の手続きを行い組合を解散します。
小杉町3丁目中央地区第一種市街地再開発事業に関しては、④都市
計画決定までが先日完了している状態で、次の⑤再開発組合の設立
に移っているわけです。
再開発準備組合までは法的根拠のない任意団体ですが、再開発
組合は都市計画法に位置づけられた法人になります。第一種再
開発事業の事業主体は再開発組合となるもので、これが設立され
ることは重要なステップです。
ただ、着工までの山場は、権利変換計画の策定で、これは端的に
説明すると「みんなの土地をまとめて再開発ビルにした際に、どう
やってみんなにビルの床の権利を分けるか」という計画です。
(分配される床を「権利床」と呼びます。余った床は「保留床」と呼ば
れ、キーテナントなどに売却されます)
地権者が少なければ割合簡単だったりしますが、地権者が多いと
ここで難航することも少なくありません。地権者は法人だけでなく
個人も含まれていますし、何せお金が絡むところですので、なか
なか調整は簡単ではないことが想像されます。
一方、再開発事業には行政からの助成や税制優遇などが与えられ
る仕組みになっていたりします。これは、武蔵小杉再開発に関して
川崎市のまちづくり局の答弁等にもありますが、「インセンティブを
与えて街を更新していく」ということなのでしょう。事業者側が「基本、
利益を得る」構造になっていれば、いろいろな調整はあってもおの
ずと再開発事業が進んでいく、ということですね。
建通新聞の記事によれば、2008年度中に本組合に移行、早けれ
ば2010年度に既存建物の除却、2013年度に再開発ビルの完成を
見込んでいます。この着工と竣工の予定については、すでに川崎
市議会等でも出てきているスケジュールと同様のものです。
「早ければ」というのは、この権利変換計画が順調に合意できれば、
という意味だと思うのですが、それでも2年を要するということになり
ます。
ということで、武蔵小杉ライフ:タウンガイドにも掲載している「an
umbrella」「ブーランジュリー・メチエ」などは、あと2年くらいは現状の
まま営業されることになりそうです。
■an umbrella(アン・アンブレラ)
■ブーランジュリー・メチエ
再開発区域内のお店のゆくえも気になりますが、とりあえず再開発
事業が前に進んでいくことになりそうです。
なお、小杉町3丁目中央地区と、小杉駅南部地区A地区に挟まれた
小杉町3丁目東地区についても、再開発準備組合がコンサルタントの
選定を進めていることを2008/7/1エントリでお伝えしました。
小杉駅南部地区A地区~小杉町3丁目東地区~小杉町3丁目中央
地区と、武蔵小杉駅の西側についても、かなり広範囲で再開発が
進んでいくことになりますね。
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉3丁目地区
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅南部地区A地区
武蔵小杉ライフ:タウンガイド:レストラン an umbrella
武蔵小杉ライフ:タウンガイド:ベーカリー ブーランジュリー・メチエ
2007/10/19エントリ 小杉町3丁目中央地区計画公表!
2007/10/21エントリ 小杉町3丁目中央地区イメージパース
2007/10/24エントリ 小杉町3丁目中央地区フロア構成
2008/7/1エントリ 小杉町3丁目東地区再開発始動
2008/9/15エントリ 旧中原消防署の跡地利用と小杉3丁目中央地区