「多摩川スピードウェイ」観客席跡地の堤防強化工事が完了、遺構の一部を保存し歴史を伝えるプレートがお披露目に
「多摩川スピードウェイ」メインスタンド遺構跡地の堤防強化工事が完成し、上部の「かわさき多摩川ふれあいロード」も供用開始されました。
この強化工事に伴って撤去されたメインスタンド遺構を記念して、遺構の一部が保存されるとともに、当時の歴史や保存の経緯を綴ったプレートが設置され、7月2日にお披露目されました。
■堤防強化工事が完了した遺構跡地と、設置されたプレート
多摩川河川敷の東急線鉄橋付近に、1936年に開業した自動車・オートバイ用のサーキット「多摩川スピードウェイ」のメインスタンド遺構が残されていました。
多摩川堤防を強化するために、この遺構を撤去する工事が11月15日ごろから着手され、その後約7か月を経て堤防強化が完成しました。
遺構を記念するプレートが設置されたのは、上記写真の通り堤防上部でした。
このプレートの「額縁」になっているのが、かつてのメインスタンド遺構のコンクリート部分です。
ごくわずかながら、かつての遺構が現地に残されたというわけです。
当初はこのような計画はなく単に遺構が破砕・撤去されるだけの前提だったものが、歴史を後世に伝える活動を続けてきた「多摩川スピードウェイの会」の皆さんの働きかけにより実現しました。
■「多摩川スピードウェイ」メインスタンド遺構の記念プレート
「多摩川スピードウェイ」遺構の記念プレートは、2枚セットになっています。
左側はメインスタンド遺構が健在だった時点で作成された「80周年記念プレート」をそのまま移設したものです。
今回はそれを補完するかたちで右側のプレートが新たに追加されました。
■左側の「80周年記念プレート」
左側の「80周年記念プレート」は、多摩川スピードウェイの歴史が記録されています。
「多摩川スピードウェイ」は自動車・オートバイレース用のサーキットです。
3万人を収容する日本初の常設サーキットとして1936年に開業し、同年6月7日に「第1回全国自動車競走大会」がここで開催されました。
■右側の新設プレート
そしてこちらが、右側の新設プレートです。
メインスタンド(観客席)についての説明が加えられ、また堤防強化に伴う取り壊しと一部保存の経緯が記載されています。
85年にわたりこの地に存在した産業遺産・史跡として後世に存在を伝えることを目的としています。
■堤防強化工事によって拡幅された「かわさき多摩川ふれあいロード」
堤防強化工事により、堤防上部の「かわさき多摩川ふれあいロード」も拡幅されて供用開始となりました。
従来よりサイクリングと歩行者・ジョギングの方が共存しやすくなっています。
■河川敷に降りる階段
また一定間隔で、河川敷に下りる階段も設置されていました。
階段には斜路もついて、自転車で上り下りできるようになっています。
■堤防の斜面は芝生に
堤防の斜面は、芝生が植えられています。
まだ十分に生育していない部分もありますが、綺麗な緑色でした。
■芝生の下のコンクリートブロック(2022年4月)
■芝生の下のコンクリートブロック(2022年5月)
なお、この芝生の下には、2022/4/15エントリで設置プロセスをご紹介したコンクリートブロックがあります。
■コンクリートブロックの上に土を盛る(2022年5月)
コンクリートブロックの敷設が完成したら、その上に土を盛る工事が行われました。
この途中経過を見る限り、一定の厚みをもって盛られているのがわかります。
■芝生の養生(2022年6月)
そして最後は、芝生を植えて養生するプロセスです。
これが2022年6月で、同月中にほぼ工事が完成し7月2日に「多摩川スピードウェイ」遺構の記念プレートお披露目が行われたというわけです。
歴史の遺構がほとんど姿を消してしまったことはさびしさもありますが、防災上必要な対応も一方でありますね。
その一部だけでも現地に残ることになったのは、意味のあることではないでしょうか。
(はつしも)
【関連リンク】
・多摩川スピードウェイの会 facebookページ
・武蔵小杉ライフ:タウンガイド:生活情報:公園 多摩川緑地
・2015/10/13エントリ 中原区にあった、日本初の常設サーキット。 「多摩川スピードウェイ」メインスタンド跡地を歩く
・2015/11/21エントリ 「多摩川スピードウェイ・回顧展」が11月21 日(土)・22日(日)開催、第1回レース優勝車「オオタ号」を展示中
・2016/7/17エントリ 中原区の、日本初常設サーキットの記録。市民ミュージアム「多摩川スピードウェイ展」が本日スタート、福田市長も観覧/スピードウェイ遺構には記念パネルが設置
・2021/11/2エントリ 堤防強化工事により撤去決定の「多摩川スピードウェイ」遺構が一部保存へ、約3.3m切り出し80周年記念プレートとともに新堤防に移設
・2021/12/8エントリ 多摩川堤防強化のための「多摩川スピードウェイ」解体が進捗、メインスタンド遺構破砕し「80周年記念プレート」と一部を保存
・2022/4/15エントリ 「多摩川スピードウェイ」遺構跡地の堤防強化工事でブロック設置が着手、6月下旬予定の完成時に遺構記念の新プレートも設置へ
この強化工事に伴って撤去されたメインスタンド遺構を記念して、遺構の一部が保存されるとともに、当時の歴史や保存の経緯を綴ったプレートが設置され、7月2日にお披露目されました。
■堤防強化工事が完了した遺構跡地と、設置されたプレート
多摩川河川敷の東急線鉄橋付近に、1936年に開業した自動車・オートバイ用のサーキット「多摩川スピードウェイ」のメインスタンド遺構が残されていました。
多摩川堤防を強化するために、この遺構を撤去する工事が11月15日ごろから着手され、その後約7か月を経て堤防強化が完成しました。
遺構を記念するプレートが設置されたのは、上記写真の通り堤防上部でした。
このプレートの「額縁」になっているのが、かつてのメインスタンド遺構のコンクリート部分です。
ごくわずかながら、かつての遺構が現地に残されたというわけです。
当初はこのような計画はなく単に遺構が破砕・撤去されるだけの前提だったものが、歴史を後世に伝える活動を続けてきた「多摩川スピードウェイの会」の皆さんの働きかけにより実現しました。
■「多摩川スピードウェイ」メインスタンド遺構の記念プレート
「多摩川スピードウェイ」遺構の記念プレートは、2枚セットになっています。
左側はメインスタンド遺構が健在だった時点で作成された「80周年記念プレート」をそのまま移設したものです。
今回はそれを補完するかたちで右側のプレートが新たに追加されました。
■左側の「80周年記念プレート」
左側の「80周年記念プレート」は、多摩川スピードウェイの歴史が記録されています。
「多摩川スピードウェイ」は自動車・オートバイレース用のサーキットです。
3万人を収容する日本初の常設サーキットとして1936年に開業し、同年6月7日に「第1回全国自動車競走大会」がここで開催されました。
■右側の新設プレート
そしてこちらが、右側の新設プレートです。
メインスタンド(観客席)についての説明が加えられ、また堤防強化に伴う取り壊しと一部保存の経緯が記載されています。
85年にわたりこの地に存在した産業遺産・史跡として後世に存在を伝えることを目的としています。
■堤防強化工事によって拡幅された「かわさき多摩川ふれあいロード」
堤防強化工事により、堤防上部の「かわさき多摩川ふれあいロード」も拡幅されて供用開始となりました。
従来よりサイクリングと歩行者・ジョギングの方が共存しやすくなっています。
■河川敷に降りる階段
また一定間隔で、河川敷に下りる階段も設置されていました。
階段には斜路もついて、自転車で上り下りできるようになっています。
■堤防の斜面は芝生に
堤防の斜面は、芝生が植えられています。
まだ十分に生育していない部分もありますが、綺麗な緑色でした。
■芝生の下のコンクリートブロック(2022年4月)
■芝生の下のコンクリートブロック(2022年5月)
なお、この芝生の下には、2022/4/15エントリで設置プロセスをご紹介したコンクリートブロックがあります。
■コンクリートブロックの上に土を盛る(2022年5月)
コンクリートブロックの敷設が完成したら、その上に土を盛る工事が行われました。
この途中経過を見る限り、一定の厚みをもって盛られているのがわかります。
■芝生の養生(2022年6月)
そして最後は、芝生を植えて養生するプロセスです。
これが2022年6月で、同月中にほぼ工事が完成し7月2日に「多摩川スピードウェイ」遺構の記念プレートお披露目が行われたというわけです。
歴史の遺構がほとんど姿を消してしまったことはさびしさもありますが、防災上必要な対応も一方でありますね。
その一部だけでも現地に残ることになったのは、意味のあることではないでしょうか。
(はつしも)
【関連リンク】
・多摩川スピードウェイの会 facebookページ
・武蔵小杉ライフ:タウンガイド:生活情報:公園 多摩川緑地
・2015/10/13エントリ 中原区にあった、日本初の常設サーキット。 「多摩川スピードウェイ」メインスタンド跡地を歩く
・2015/11/21エントリ 「多摩川スピードウェイ・回顧展」が11月21 日(土)・22日(日)開催、第1回レース優勝車「オオタ号」を展示中
・2016/7/17エントリ 中原区の、日本初常設サーキットの記録。市民ミュージアム「多摩川スピードウェイ展」が本日スタート、福田市長も観覧/スピードウェイ遺構には記念パネルが設置
・2021/11/2エントリ 堤防強化工事により撤去決定の「多摩川スピードウェイ」遺構が一部保存へ、約3.3m切り出し80周年記念プレートとともに新堤防に移設
・2021/12/8エントリ 多摩川堤防強化のための「多摩川スピードウェイ」解体が進捗、メインスタンド遺構破砕し「80周年記念プレート」と一部を保存
・2022/4/15エントリ 「多摩川スピードウェイ」遺構跡地の堤防強化工事でブロック設置が着手、6月下旬予定の完成時に遺構記念の新プレートも設置へ