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2023年
01月06日

武蔵小杉地下を走る「武蔵野南線」の「梶ヶ谷貨物ターミナル駅」探訪、川崎市のごみを運搬「クリーンかわさき号」も運行

武蔵小杉の地下には、府中本町から鶴見までを結ぶJRの貨物線「武蔵野南線」が通っています。
南武線沿いには、地下の武蔵野南線と地上をつなぐ立坑があり、過去エントリでご紹介しておりました。

■武蔵野南線のマップ
武蔵野南線のマップ

武蔵野南線は大部分が地下を走っていますが、宮前区梶ヶ谷で「JR梶ヶ谷貨物ターミナル駅」が地上に露出する姿をGoogleマップ等で見て、以前から気になっていました。

今回はこの「梶ヶ谷貨物ターミナル駅」をご紹介したいと思います。

■JR梶ヶ谷貨物ターミナル駅の空撮
梶ヶ谷貨物ターミナル駅の空撮
(撮影:northsan)

■JR梶ヶ谷貨物ターミナル駅の入口
梶ヶ谷貨物ターミナル駅の

梶ヶ谷貨物ターミナル駅は、尻手黒川道路沿いにあります。

そのため、少々遠いですが武蔵小杉周辺からのアクセスはシンプルで、尻手黒川道路をひたすら北上していくことになります。

野川のOKストアーを過ぎた先に、梶ヶ谷貨物ターミナル駅への入口があります。
ここまでは隣にホームセンターがあり、どなたでも入ることができます。

■JR貨物のコンテナを模した看板
JR貨物のコンテナを模した看板

JR貨物のコンテナを模した看板

梶ヶ谷貨物ターミナル駅の駅舎、といってよいかわかりませんが駅の事務所建物には、JR貨物のコンテナを模した看板がありました。

「全国を結ぶ コンテナ超特急 梶ヶ谷駅」

ということで、かなり年季の入ったものです。

1976年の武蔵野線開通時に梶ヶ谷貨物ターミナル駅も開業したということですが、当時は国鉄でした。
分割民営化されたのが1987年で、この看板はそこから36年ほど経過したものではないでしょうか。

■アクセス案内
アクセス案内

梶ヶ谷貨物ターミナル駅は、尻手黒川道路で野川、武蔵小杉、JR川崎駅方面に向かうことができます。

また東名川崎インターや国道246号へのアクセスも良いため、ここにターミナル駅を設置したものでしょう。

■梶ヶ谷貨物ターミナル駅の線路
貨物ターミナル駅の線路

■川崎市のごみを運搬するコンテナ
川崎市のごみを運搬するコンテナ

川崎市のごみを運搬するコンテナ

川崎市のごみを運搬するコンテナ

梶ヶ谷貨物ターミナル駅と武蔵野南線の大きな特徴は、川崎市のごみを運搬する「クリーンかわさき号」が1995年から運行されていることです。

川崎市北部のごみはコンテナ車両により梶ヶ谷貨物ターミナル駅まで運搬されたのち、コンテナを鉄道に積替え、武蔵野南線経由で神奈川臨海鉄道浮島線末広町駅まで輸送されます。

末広町駅から浮島処理センター及び浮島埋立事業所まで運搬され、処理されるということです。

梶ヶ谷貨物ターミナル駅にはこの日も多数の「川崎市専用」のコンテナが並んでいました。

JR貨物では当初ごみの臭気が懸念されていましたが、川崎市がごみ収集車のノウハウを活かして、臭気対策を講じた専用のコンテナを開発したものです。

■コンテナの積み替え
貨物列車にコンテナを積みかえ

コンテナの積み替え

このときも、コンテナの積み替えが行われていました。

「クリーンかわさき号」はこうして1日1往復、梶ヶ谷貨物ターミナル駅と臨海部を行き来しています。

ごみの鉄道輸送は、川崎市の導入が全国初です。

これにより交通事情の悪化に伴う運搬効率の低下が改善され、自動車の排気ガス等抑制により環境負荷が低減されているということです。

■日本石油輸送の貨物列車
日本石油輸送の貨物列車

梶ヶ谷貨物ターミナル駅はもちろん川崎市専用ではありませんので、さまざまな貨物列車を見ることができます。

上記写真は日本石油輸送の貨物列車ですね。

またこのほか、梶ヶ谷貨物ターミナル駅の直下では中央リニア新幹線の建設も行われており、残土の搬出・運搬も担っています。

■梶ヶ谷貨物ターミナル駅下の「梶ヶ谷トンネル(第二梶ヶ谷架道橋)」
梶ヶ谷貨物ターミナル駅下の「梶ヶ谷トンネル」

■トンネルアート「みやまえ水族館」
トンネルアート「みやまえ水族館」

トンネルアート

トンネルアート

梶ヶ谷貨物ターミナル駅の下は、トンネルがあります。

上記写真の「梶ヶ谷トンネル(第二梶ヶ谷架道橋)」は、2006年に通り魔によって女性が殺害される事件が発生(別件で服役していた容疑者の自供により2017年に逮捕)しました。

ここは人通りが少ないうえ、長く逃げ場のない道が続く、防犯上のリスクが否めない場所でした。

この事件を受けて、翌2007年にトンネルアート「みやまえ水族館」が川崎市立野川中学校の皆さんにより描かれ、雰囲気が明るくなりました。

そのような経緯があったことも、忘れないように記録しておきたいと思います。

■武蔵野南線の「新丸子立坑」(上丸子跨線橋そば)
新丸子立坑

■武蔵野南線の「今井仲町立坑」(今井仲町の南武線そば)
立坑の入口

■武蔵野南線に給電する上小田中の「梶ヶ谷変電所」
今井西町の「JR東日本梶ヶ谷変電所」

梶ヶ谷貨物ターミナル駅につながる武蔵野南線は、前述の通り武蔵小杉の地下を走っています。

その立坑は上丸子跨線橋のそばや、今井仲町の南武線沿いで見ることができますので、機会がありましたらご覧になってみてください。

また上小田中の「スギ薬局」隣には、武蔵野南線に給電を行っている「梶ヶ谷変電所」もあります。
上小田中でなぜ梶ヶ谷?と疑問に感じていた方もいらっしゃったのではないかと思いますが、梶ヶ谷貨物ターミナル駅の系統の変電所ということではないでしょうか。

それぞれ過去エントリでご紹介していますので、参照ください。

■梶ヶ谷貨物ターミナル駅のマップ


【関連リンク】
2018/6/27エントリ 武蔵小杉の地下を走る貨物線「武蔵野南線」に給電、上小田中の「梶ヶ谷変電所」で見る「金矢」の字
2018/9/11エントリ 武蔵小杉の地下を走る貨物線「武蔵野南線」探訪(2)「今井仲町立坑」

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