NEC小杉ビルよりNECマイクロシステムが移転
昨日コメントで情報いただきましたが、ホテル・ザ・エルシィ跡地に
隣接するNEC小杉ビルに本社を構えるNECマイクロシステムが
2009年1月5日に移転することとなりました。
100%親会社であるNECエレクトロニクスよりプレスリリースが出て
おり、同内容が一部業界メディアでも報じられています。
■NECエレクトロニクス NECマイクロシステムの本社移転に関す
るお知らせ
http://www.necel.com/news/ja/archive/0812/1601.html
■ホテル・ザ・エルシィ跡地(手前)とNEC小杉ビル(奥)
NECエレクトロニクスはNEC玉川ルネッサンスシティに本社がある
ことから、子会社であるNECマイクロシステムも近隣に本社を置いて
いたものと思いますが、移転先は横浜市金港町(横浜駅近く)となっ
ており、少々離れることになります。
プレスリリースによると、移転の理由は「川崎市の都市整備計画に
伴う現所在地の賃貸契約の終了を機に移転を決定」となっています。
つまり、川崎市の計画により、NEC小杉ビルは賃貸契約の更新は
できず、退去が必要であった、ということのようです。
NEC小杉ビルにはNECマイクロシステム以外のオフィステナントは
入居しておらず、来年1月5日をもって空きビルになります。上記の
移転理由からすると次のテナントが入居することはないでしょうから、
その後取り壊し作業が始まるものと思います。
さて、ここで焦点になるのがドコモショップなどが入居する小杉ビル
ディングです。
■NEC小杉ビル(左)と小杉ビルディング(右)
当初、このエリアは小杉ビルディング・NEC小杉ビル・エルシィ跡地
の3棟一体開発を視野に水面下で行政も含めた協議が行われて
いました。
NEC小杉ビルとエルシィ跡地については、いずれもシンプレクス・
インベストメント・アドバイザーズが取得しており、その2棟に関して
は一体開発が確実となったものの、小杉ビルディングとは協議が
不調に終わったとの観測が流れていました。
NECマイクロシステムが2009年1月5日に移転するのとは裏腹に、
小杉ビルディングには1月19日に三井住友銀行が入居することに
なっているほか、「小杉ビジネスレジデンス」としてSOHO仕様住居の
募集も行われています。
募集サイドに確認したところ、小杉ビルディングについては賃貸契約
上の更新制限などは今のところないとのことで、今後も賃貸ビルと
して平常どおり稼動していくことになっています。
この状況から、小杉ビルディングを巻き込んで再開発を行うためには
年単位で時間がかかるものと思いますが、そこまで待つのであれば、
都市整備計画に基づいて現段階でNEC小杉ビルを空にする理由が
希薄になります。
方や1月で退去を促進し、方や1月に大手都市銀行の支店を入居
させるということで、開発事業としては「別動き」になっているという
以外に解釈しにくいですね。
最終的な決着はまだとしても、やはり協議は不調のまま、と解釈する
のが妥当ではないかと思います。
いずれにせよ、空のビルが建っているだけでも維持費と税負担が発生
しますので、とりあえず取り壊しについては行われると思うのですが、
ホテル・ザ・エルシィでは営業終了から取り壊し完了までがおおよそ
1年かかりました。
建物の大きさも大体同じですので、NEC小杉ビルも取り壊しに着手
してからの期間は同じくらいになるのではないでしょうか。
■ホテル・ザ・エルシィ周辺マップ
【関連リンク】
NECマイクロシステム 公式ウェブサイト
2008/5/14エントリ エルシィ跡地、NEC小杉ビルと一体開発
2008/7/10エントリ 小杉ビジネスレジデンス?
2008/8/15エントリ ホテル・ザ・エルシィ跡地にオフィスビルを企画
2008/10/26エントリ エルシィ跡地の「タイムズ武蔵小杉駅前」オープン
2008/11/12エントリ 三井住友銀行武蔵小杉支店を2009年1月19日開設
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅北部地区