プール開きとヤゴレスキュー
武蔵小杉でも各学校は夏休みに入りました。
夏休み・・・といえばプールですが、6月の始めごろ、各地の小学校で
夏に向けたプール開きの準備が行われています。冬の間に溜まった
落ち葉などのゴミを掃除して、プールを使えるようにするのですが、
このときプールの中にたくさんの生き物がいます。その代表格がヤゴ
(トンボの幼虫)です。
■小学校のプール
トンボの成虫は川や水溜りなどの水中に卵を産み落としますが、
プールの中にもたくさんの卵を産みその幼虫が育ってきた、という
わけです。しかしヤゴが成虫に羽化する時期は6月の終わりから7月
にかけてなので若干間に合いません。このままでは下水道に流され
てしまい、運よく生き残れたとしても下水管の中では飛び立てないで
しょう。
そこでこのヤゴたちを救おう!と登場するのがヤゴレスキュー隊です。
子供達がプールに飛び込み、下水管に流される前にヤゴたちを捕まえ
ます。この取り組みは全国各地の小学校で実施されており、低学年~
中学年が担当することが多いようです。ここ武蔵小杉周辺の地域の
小学校でも同様の取り組みが行われた模様です。
武蔵小杉周辺はもともと多摩川や二ヶ領用水などの自然に恵まれ
水辺の生き物もたくさん生息しています。子供達がザリガニをとる姿
などはよく見かけますね。しかし野生のヤゴを川で捕獲するのは
容易ではないので、子供達にとっては貴重な経験になることでしょう。
さて捕まえたヤゴを川に逃がすのか、学校で飼育するのか、または
各自で持ち帰って育てるのかは、各学校の方針により異なるようです。
■水槽の中のヤゴ
ヤゴの育て方はネットで調べるとすぐ見つけられますが、基本的に
あまり手間のかからない生き物のようです。まあ、あの濁ったプール
の中で育ってきた生き物ですから生命力は強そうですね。エサは
アカムシ、ボウフラ、イトミミズなどの生きたエサがよいみたいです。
武蔵小杉周辺でも南武沿線道路沿いの釣具屋さんなどで売って
います。
■アカムシ(これで105円)
ヤゴは何度か脱皮を繰り返した後、最終的には羽化してトンボに
なりますが、この時自ら登ってきて羽化するための枝(止まり木)が
必要になります。割り箸を継ぎ足したり、ちょっと長めの枝を取って
くるなどして立てかけておくとよいでしょう。
■ヤゴの抜け殻
6月の終わりから7月ごろにかけて、ヤゴがエサをあまり食べなくなり、
時折水面近くに上がってきて上をのぞくような仕草を始めたらまもなく
羽化のサインです。ヤゴは夜暗くなってから羽化を始め、明け方には
飛び立ってしまいますので、トンボが見たい場合は、夜そっと観察しに
行くか、水槽を部屋の中に移しておくとよいでしょう。
■羽化している最中のヤゴ
■羽化直後のトンボ
■トンボの成虫
梅雨が明けて多摩川の川べりでもトンボが飛び交う姿が目立つように
なってきました。子供達の育てたトンボもやがて川に帰り、武蔵小杉の
自然を育んでいくことになるのでしょう。
■多摩川(丸子橋と武蔵小杉の高層ビル群)
【関連リンク】
川崎市公式ウェブサイト 環境情報 今年もプールのヤゴを助けました!
HEARTYなひとり暮らし ヤゴレスキュー
トンボ&とんぼ ヤゴの飼い方・育て方