さよなら、南武線の児童用トンネル
南武線を地下でくぐる児童用通学路が2009年10月20日10:00に
閉鎖され、新しい人道地下通路が部分的に供用開始されることを
2009/10/3エントリで取り上げました。
閉鎖される児童用通学路(通称:子どもトンネル)は天井が低く、
大人は通行しにくいことで一種の名物ともなっており、なくなること
には惜しむ声もあるようです。
そこで、今回はトンネル閉鎖メモリアルとして、もう見られなくなって
しまう通路の様子を記録に残しておこうと思います。
■児童用通学路の入口(北側)
これまで南側の写真を使うことが多かったのですが、今回は北側
からトンネルをくぐっていきたいと思います。仕様はほぼ南側と同一
で、入口の上部に「児童用通学路」という看板が設置されています。
■階段上部の警告
入口から階段を降りていく部分の屋根には、頭上注意の警告が
掲示されています。この階段の部分はまだそれほど窮屈ではない
のですが、この先のトンネル部分がが高さ1.4mとかなり低くなっ
ているのです。
■トンネル部分
階段を降りきると、南武線の下をくぐる水平トンネル部分に至ります。
ここが一番低いところで高さ約1.4m程度となっており、大人ですと
比較的小柄な方でもかがんで歩く必要があります。
窮屈ではあるのですが、天井は光を透過する簡易な素材でできて
おり、晴れた昼間ですと照明がなくても十分明るい状態になります。
■壁面の照明
夜間は、当然ながらこの壁面の照明が点灯し、トンネル内を明るく
照らしてくれます。
■壁面の警告
「頭上注意」の警告はトンネル内の壁面にもありまして、頭を天井に
ぶつけないよう重ねて注意喚起をしています。
■曲がり角のカーブミラー
トンネル両端の階段の登り口は曲がり角になっていまして、ここには
カーブミラーが設置されています。映りはかなり悪くなっていてよく
見えないのですが・・・。
階段は一応自転車用のスロープもありますが、スロープがかなり
細いこと、階段自体も途中で直角に折れていることから、前回コメント
いただいたようにさすがに自転車で走行される方はいません。結果
として、特段危ないこともないようです。
■トンネル入口(南側)
そしてトンネルを南側に抜けると、新丸子東3丁目地区に至ります。
向かって右側が新・フローラルガーデン、左側がブリリア武蔵小杉
になります。
この部分を横須賀線武蔵小杉駅の連絡通路が横切ることで、物理
的に通行が不可能となるため、この児童用通学路は廃止される
ことになったものです。
さて、今回は消えていく風景の記録ということで、児童用通学路を
北側から南側に抜けていく記録動画を撮影しておきました。丁度
立川行きの南武線がトンネル上を通過しているタイミングで、電車の
音も収録されています。
■児童用通学路 記録動画
ここ最近でもホテル・ザ・エルシィ、旧中原消防署、旧中原警察署
などがなくなりましたが、今後も旧中原市民館や中小企業婦人会館
など、施設の更新などにより姿を消していく風景があるものと思いま
す。
上記のような大規模建造物に比べると気づく方は少ないかもしれま
せんが、将来どなたかがこのエントリをご覧になって、「ああ、これ
あったよね、懐かしいね」と思っていただくことがあれば幸いです。
関連して、最後にちょっと余談ですが。
今現在、10年前の街の様子を探そうとすると難しいのですが、今から
10年後に「10年前の現在」を調べるのはかなり容易です。日本全国に
ブログ等の情報が膨大に残されていて、Googleが適切なエントリや
画像、動画等を、あいまいなキーワードでも簡単にピックアップして
くれるからです。
「子どもの頃、あの街のあのへんに、確かあんな感じのものがあった
ような・・・?」と超ローカルな古い思い出をウェブで辿ると、写真がぱっと
出てきて記憶が蘇る、そんな瞬間が生まれるわけです。
そういう点では、無意味に見える何気ないブログエントリの蓄積でも、
時間の経過とウェブの技術によってお金で買えない貴重な記録にも
なりうるのかもしれません。
【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅東部地区:横須賀線武蔵小杉駅
武蔵小杉ライフ:再開発情報:新丸子東3丁目地区
2007/5/31エントリ 武蔵小杉再開発:横須賀線武蔵小杉駅説明会
2008/10/1エントリ 横須賀線武蔵小杉駅の連絡通路着工と工事図
2009/6/27エントリ 横須賀線武蔵小杉駅の連絡通路工事(2009年6月)
2009/10/2エントリ 新丸子東3丁目地区B地区に「ブリリア武蔵小杉」正式発表
2009/10/3エントリ 南武線の児童用トンネルが10/20閉鎖、人道
地下通路を部分供用開始