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2014年
02月17日

小杉御殿町遺跡における埋蔵文化財発掘調査の現地説明会が2014年2月22日(土)開催



現在、中原街道の「カギ道」の直線化・拡幅事業が進められ、かなり用地取得が進んできています。
この道路予定地は徳川家康が造営した「小杉御殿」がかつて存在した地域にあたり、道路整備に先立って川崎市教育委員会が遺跡の発掘を行っておりました。
その結果、道路予定地の一部(小杉御殿町遺跡第2地点)から遺跡が発見されまして、発掘調査が進められているところです。

そしてこのたび、同地における埋蔵文化財発掘調査結果の現地説明会が2014年2月22日(土)に市民向けに行われることになりました。

■川崎市報道発表資料 小杉御殿町遺跡第2地点埋蔵文化財発掘調査現地説明会について
http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/880/0000055242.html

■発掘調査現地説明会の概要
▼日時:2014年2月22日(土)
 ・第1回 10:00~10:40(集合時間10:00)
 ・第2回 11:00~11:40(集合時間11:00)
 ※雨天の場合は翌日23日(日)に順延、23日も雨天の場合は中止
▼場所:小杉御殿町遺跡第2地点(中原区小杉御殿町1-918-7他)
 ※集合場所は現地事務所(プレハブ2階建)前
▼調査対象:溝跡、廃棄土坑等(近世~近代初頭)
▼主催:川崎市教育委員会
▼その他:参加自由、参加無料、申込不要
 ※現地に駐車場はありません。
 ※当日は歩きやすい靴・服装でご来場ください。


■発掘調査現地のマップ


■小杉御殿町遺跡第2地点付近(発掘調査開始前) 小杉御殿町遺跡第2地点付近(発掘調査開始前)

遺跡の発掘が行われた「小杉御殿町遺跡第2地点」は、中原街道の「カギ道」の正面にあたります。従来は戸建て住宅等が並んでいましたが、道路整備事業による用地取得が進み、2012年末には暫定的な歩行者通行路が供用開始となっていました(2013/1/4エントリ参照)。

この「小杉御殿町遺跡第2地点」からは、2012年度に川崎市教育委員会が行った試掘調査により、ほぼ東西に伸びる溝(用水路の跡と推定)や、茶碗や灯明皿を含んだ土坑(ゴミ捨て場)が発見されていました。
同委員会では、3月まで発掘作業を続ける予定であり、これにより不明な点も多かった江戸時代初期の小杉周辺の状況を推測する手がかりとしたいとしています。

今回の発掘調査現地説明会は、これらの発掘調査の成果を市民の皆様と共有し、郷土への愛着を深めるきっかけとなることを目的として開催されるものです。
当日の詳細なプログラムは発表されていませんが、専門スタッフによる発掘現場の解説が行われることと思います。



なお、今回の川崎市の報道発表資料に提供されている小杉村周辺の古絵図(1762年・宝暦12年6月)は、中原街道の旧家・安藤家が所蔵しているものです。

安藤家はかつて後北条氏(小田原北条氏)に仕えたといわれ、北条氏が1590年に豊臣秀吉に敗れ没落するとともに土着・帰農し、江戸時代には近隣一体の割元名主(名主の取りまとめ役)をつとめていました。
安藤家が代官から賜ったとされる立派な長屋門が現存していまして、2012年11月27日にこの長屋門が川崎市の重要歴史記念物の指定を受けています。

■昨年一般公開された「安藤家長屋門」
昨年一般公開された「安藤家長屋門」

■安藤家長屋門 東室
安藤家長屋門 東室

その後「安藤家長屋門」は一般公開が行われまして、本サイトでも2013/2/12エントリでレポートさせていただきました。

本サイトの連載「川崎歴史ガイド・中原街道ルート」でもご紹介している通り、中原街道にはさまざまな史跡が残されています。
今回の埋蔵文化財発掘調査結果の現地説明会や、長屋門の一般公開など、普段は触れることの少ない歴史の財産を広く共有していくことは意義のあることではないでしょうか。

【関連リンク】
2009/11/9エントリ 川崎歴史ガイド・中原街道ルート(3):「旧名主家と長屋門」
2010/2/14エントリ 川崎歴史ガイド・中原街道ルート(5):「小杉御殿と『カギ』の道」
2013/1/4エントリ 中原街道の「カギ道」の一部歩行者通路が開通
2013/2/12エントリ 川崎市重要歴史記念物「安藤家長屋門」一般公開レポート

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