三井不動産レジデンシャルがエルシィ跡地「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の概要を発表:170mタワー・3層程度の商業施設に文化交流施設等誘致、再開発ビル東西に広場を整備
【Reporter:はつしも】
ホテル・ザ・エルシィ跡地を中心とした「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の基本的な構想がまとまり、事業者である三井不動産レジデンシャルがこのたび近隣居住者向けに説明会を行いました。
本計画においては、低層部に商業・業務施設を配置し、高層部をタワーマンションとし、JX日鉱日石エネルギー社宅跡地の「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」とはペデストリアンデッキで接続されるなど、従来川崎市から発表されていた概略案から基本的な変更はありません。
今回、その中で商業・業務施設については「文化交流施設」などを含む3層程度となること、タワーマンションについては高さ約170mを想定していることがわかりました。
再開発ビルの東西には広場を配置するのとあわせて現在600%の容積率が920%まで緩和され、これにより高層ビルの建設が可能となります。
またかねてから取沙汰されていた、「小杉ビルディング」も含めた一体的な開発とはならず、ペデストリアンデッキの武蔵小杉駅への接続は将来的構想となることがあらためて確認されました。
■「小杉駅北口地区計画」再開発エリア
武蔵小杉駅周辺においては、最初に東急線東側の工業地帯において再開発が進捗していました。
近年はそれが駅西側、北側の市街地にも広がり、旧中原図書館跡地などにおける「小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業」、JX日鉱日石エネルギー社宅跡地における「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」の開発などが進行しています。
特に今後再開発が広範囲で進められるのは北口地区で、日本医科大学武蔵小杉病院・新丸子キャンパスの広大な敷地が再開発されるほか、今回基本構想があきらかになった「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の動向が注目されていたところです。
■「ホテル・ザ・エルシィ」跡地のコインパーキング
■旧「NEC小杉ビル」
「小杉駅北口地区」には、従来は「ホテル・ザ・エルシィ」「NEC小杉ビル」がありましたが、「ホテル・ザ・エルシィ」は2007年9月に閉鎖され、現在はコインパーキングになっています。
「NEC小杉ビル」は、2009年にNECマイクロシステムが退去し、その後しばらく空き家になっていたものが、現在は三井不動産レジデンシャルの「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」のモデルルームおよびコミュニティカフェ「COSUGI CAFE」として活用されていました。
■「小杉駅北口地区計画」の施設配置図
■「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の立面図
「小杉駅北口地区計画」では、かねてから発表されていた通り、「ホテル・ザ・エルシィ跡地」と「旧NEC小杉ビル」の敷地を一体化させたうえで再開発を行います。
敷地の一体化にあたっては、両施設の間の市道は再開発ビルの周囲の歩道スペースに転換が行われることになります。
再開発ビルの東西にはそれぞれ広場が整備され、「健康」や「文化交流」を軸とした滞在スペースとして活用されます。
低層部はかねてから商業・業務施設を計画していることがあきらかになっていましたが、その規模感などは不明のままでした。
それが今回の説明会により、3層程度の商業施設に「文化交流」「子育て支援」施設が誘導されることがわかりました。
一方、高層部のタワーマンションは高さ170mが計画されています。
三井不動産レジデンシャル分譲、武蔵小杉駅前ということで、また一定以上の価格帯になるでしょう。
このために現在600%の容積率が最大920%まで緩和される想定で、建築面積は約2,500平米、延べ面積は約50,000平米となります。
■ペデストリアンデッキが接続する交差点
そして低層部では、2階に「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」からのペデストリアンデッキが接続されます。
このデッキは、将来的には武蔵小杉駅北口まで連続的に設置することを構想しています。
■計画には加わらない「小杉ビルディング」
そして今回、本再開発計画には加わらないことが確定したのが、こちらの小杉ビルディングです。
そのため、当面はペデストリアンデッキを駅まで設置することはできません。
小杉ビルディングは1970年竣工の複合ビルで、築46年を数えます。
永久に現状のままというわけにはいかないでしょうから、武蔵小杉駅北口ロータリーの再整備も含め、中長期的な課題ということになりそうです。
■再整備が構想される武蔵小杉駅北口ロータリー
■今後の開発スケジュール
2016年度 低炭素ガイドライン評価(予定)
2017年度 環境アセスメント評価書公告(予定)
2017年度 都市計画決定(予定)
2017年度 解体工事着手(予定)
2018年度 新築工事着手(予定)
2021年度 新築工事竣工(予定)
「小杉駅北口地区計画」の今後の開発スケジュールは、上記の通りです。
2012年に川崎市まちづくり局が近隣町内に告知をした段階では2014年度着工・2017年度完成となっていましたが、そこから「事業者側の意向により」(川崎市当局コメントによる)進捗が一旦止まっていました。
約4年遅れで、2021年度完成を目標としてあらためて今後計画が進められていくことになります。
武蔵小杉駅周辺ではかなり再開発が進み、「小杉駅北口地区開発計画」は、駅前地区に残された貴重なスペースです。
通常の商業施設はすでにかなりそろってきていますから、それとはまた違ったコンセプトがうかがえる「文化交流」などを軸にした施設がどのようなものか、注目されるところです。
具体的な内容はまだわかりませんけれども、地域ニーズを捉えて有効活用ができると良いですね。
■小杉ビルディング、ホテル・ザ・エルシィ跡地と南武沿線道路
【関連リンク】
・COSUGI CONVIVIAL PROJECT ウェブサイト
・武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅北部地区
・2008/1//27エントリ ホテル・ザ・エルシィ解体開始
・2010/7/14エントリ ホテル・ザ・エルシィ跡地で都市再生機構が「小杉駅北口地区居住環境整備事業」を開始 ・2011/12/12エントリ NEC小杉ビルを三井不動産レジデンシャルが取得、UR都市機構のエルシィ跡地との一体再開発に参画
・2012/5/17エントリ ホテル・ザ・エルシィ跡地に180m級超高層タワーを計画
・2012/8/10エントリ 小杉町3丁目東地区に44階・160mタワー、エルシィ跡地に48階・170mタワー建設へ
・2015/3/12エントリ 武蔵小杉駅北口の複合施設「COSUGI VILLAGE」の「COSUGI CAFE」3月13日(金)オープン直前先行レポート
ホテル・ザ・エルシィ跡地を中心とした「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の基本的な構想がまとまり、事業者である三井不動産レジデンシャルがこのたび近隣居住者向けに説明会を行いました。
本計画においては、低層部に商業・業務施設を配置し、高層部をタワーマンションとし、JX日鉱日石エネルギー社宅跡地の「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」とはペデストリアンデッキで接続されるなど、従来川崎市から発表されていた概略案から基本的な変更はありません。
今回、その中で商業・業務施設については「文化交流施設」などを含む3層程度となること、タワーマンションについては高さ約170mを想定していることがわかりました。
再開発ビルの東西には広場を配置するのとあわせて現在600%の容積率が920%まで緩和され、これにより高層ビルの建設が可能となります。
またかねてから取沙汰されていた、「小杉ビルディング」も含めた一体的な開発とはならず、ペデストリアンデッキの武蔵小杉駅への接続は将来的構想となることがあらためて確認されました。
■「小杉駅北口地区計画」再開発エリア
武蔵小杉駅周辺においては、最初に東急線東側の工業地帯において再開発が進捗していました。
近年はそれが駅西側、北側の市街地にも広がり、旧中原図書館跡地などにおける「小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業」、JX日鉱日石エネルギー社宅跡地における「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」の開発などが進行しています。
特に今後再開発が広範囲で進められるのは北口地区で、日本医科大学武蔵小杉病院・新丸子キャンパスの広大な敷地が再開発されるほか、今回基本構想があきらかになった「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の動向が注目されていたところです。
■「ホテル・ザ・エルシィ」跡地のコインパーキング
■旧「NEC小杉ビル」
「小杉駅北口地区」には、従来は「ホテル・ザ・エルシィ」「NEC小杉ビル」がありましたが、「ホテル・ザ・エルシィ」は2007年9月に閉鎖され、現在はコインパーキングになっています。
「NEC小杉ビル」は、2009年にNECマイクロシステムが退去し、その後しばらく空き家になっていたものが、現在は三井不動産レジデンシャルの「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」のモデルルームおよびコミュニティカフェ「COSUGI CAFE」として活用されていました。
■「小杉駅北口地区計画」の施設配置図
■「(仮称)小杉駅北口地区開発計画」の立面図
「小杉駅北口地区計画」では、かねてから発表されていた通り、「ホテル・ザ・エルシィ跡地」と「旧NEC小杉ビル」の敷地を一体化させたうえで再開発を行います。
敷地の一体化にあたっては、両施設の間の市道は再開発ビルの周囲の歩道スペースに転換が行われることになります。
再開発ビルの東西にはそれぞれ広場が整備され、「健康」や「文化交流」を軸とした滞在スペースとして活用されます。
低層部はかねてから商業・業務施設を計画していることがあきらかになっていましたが、その規模感などは不明のままでした。
それが今回の説明会により、3層程度の商業施設に「文化交流」「子育て支援」施設が誘導されることがわかりました。
一方、高層部のタワーマンションは高さ170mが計画されています。
三井不動産レジデンシャル分譲、武蔵小杉駅前ということで、また一定以上の価格帯になるでしょう。
このために現在600%の容積率が最大920%まで緩和される想定で、建築面積は約2,500平米、延べ面積は約50,000平米となります。
■ペデストリアンデッキが接続する交差点
そして低層部では、2階に「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」からのペデストリアンデッキが接続されます。
このデッキは、将来的には武蔵小杉駅北口まで連続的に設置することを構想しています。
■計画には加わらない「小杉ビルディング」
そして今回、本再開発計画には加わらないことが確定したのが、こちらの小杉ビルディングです。
そのため、当面はペデストリアンデッキを駅まで設置することはできません。
小杉ビルディングは1970年竣工の複合ビルで、築46年を数えます。
永久に現状のままというわけにはいかないでしょうから、武蔵小杉駅北口ロータリーの再整備も含め、中長期的な課題ということになりそうです。
■再整備が構想される武蔵小杉駅北口ロータリー
■今後の開発スケジュール
2016年度 低炭素ガイドライン評価(予定)
2017年度 環境アセスメント評価書公告(予定)
2017年度 都市計画決定(予定)
2017年度 解体工事着手(予定)
2018年度 新築工事着手(予定)
2021年度 新築工事竣工(予定)
「小杉駅北口地区計画」の今後の開発スケジュールは、上記の通りです。
2012年に川崎市まちづくり局が近隣町内に告知をした段階では2014年度着工・2017年度完成となっていましたが、そこから「事業者側の意向により」(川崎市当局コメントによる)進捗が一旦止まっていました。
約4年遅れで、2021年度完成を目標としてあらためて今後計画が進められていくことになります。
武蔵小杉駅周辺ではかなり再開発が進み、「小杉駅北口地区開発計画」は、駅前地区に残された貴重なスペースです。
通常の商業施設はすでにかなりそろってきていますから、それとはまた違ったコンセプトがうかがえる「文化交流」などを軸にした施設がどのようなものか、注目されるところです。
具体的な内容はまだわかりませんけれども、地域ニーズを捉えて有効活用ができると良いですね。
■小杉ビルディング、ホテル・ザ・エルシィ跡地と南武沿線道路
【関連リンク】
・COSUGI CONVIVIAL PROJECT ウェブサイト
・武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅北部地区
・2008/1//27エントリ ホテル・ザ・エルシィ解体開始
・2010/7/14エントリ ホテル・ザ・エルシィ跡地で都市再生機構が「小杉駅北口地区居住環境整備事業」を開始 ・2011/12/12エントリ NEC小杉ビルを三井不動産レジデンシャルが取得、UR都市機構のエルシィ跡地との一体再開発に参画
・2012/5/17エントリ ホテル・ザ・エルシィ跡地に180m級超高層タワーを計画
・2012/8/10エントリ 小杉町3丁目東地区に44階・160mタワー、エルシィ跡地に48階・170mタワー建設へ
・2015/3/12エントリ 武蔵小杉駅北口の複合施設「COSUGI VILLAGE」の「COSUGI CAFE」3月13日(金)オープン直前先行レポート