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2020年
04月28日

川崎市が武蔵小杉駅北口のロータリー拡張・ペデストリアンデッキ整備等推進する「まちづくり方針案」を公表、6月1日までパブリックコメント募集

【Reporter:はつしも】

川崎市まちづくり局が「小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)」を公表し、広く市民意見(パブリックコメント)の募集をスタートしました。

「小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)」においては、武蔵小杉駅北口ロータリーの機能向上や、ペデストリアンデッキの整備、小杉ビルディングや旧ホテル・ザ・エルシィ跡地などの賑わい・交流機能の導入などが方向性として示されています。

川崎市では2020年6月1日(月)まで意見募集を行い、そののちにまちづくり方針を策定・発表する予定です。
 
■武蔵小杉駅北口
武蔵小杉駅北口  
 
■武蔵小杉北口ロータリー
武蔵小杉駅北口ロータリー

■「小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)」のパブリックコメント募集概要
意見募集期間 2020年4月27日(月)~6月1日(月)
※郵送の場合は当日消印有効です。
※直接お持ちになる場合は、17:15 分までにお願いします(土日祝日を除く)。
資料閲覧 ●川崎市ウェブサイト 小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)について意見を募集します
※その他、各区役所の閲覧コーナー等
意見の提出方法 ●意見書提出フォーム
●郵送又は持参
〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地 明治安田生命ビル8階 川崎市まちづくり局拠点整備推進室
●FAX:044-200-3967
意見書の様式 ●意見書の書式は自由です。前掲の川崎市ウェブサイトにフォーマットも掲載されています。
●必ず「題名」、「氏名(法人又は団体の場合は、名称及び代表者の氏名)」及び「連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレス又は住所)」を明記してください。
●電話や来庁による口頭での御意見はお受けできませんので御了承ください。
意見を提出できる方 市内に在住、在勤、在学の方、又はこの案件の内容に利害関係のある方(個人、団体を問いません)。

■「小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)」の範囲
「小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)」の範囲
※川崎市発表資料より

まず、本案の範囲は上記の通りです。

武蔵小杉駅北口ロータリーと、その東側の中華料理店「大三元」などの店舗エリア、そして西側の小杉ビルディング、ホテル・ザ・エルシィ跡地、旧NEC小杉ビルまでです。

■武蔵小杉駅北口ロータリーの現状
武蔵小杉駅北口の現状
※川崎市発表資料より

そしてこちらは、武蔵小杉駅北口ロータリーの現状です。

バスロータリーでは歩行者とバスの平面交差が発生しているほか、朝にはバス待ちの行列がJR武蔵小杉駅の階段まで続くなどの事象が発生しています。

また、小杉ビルディングの前から南武沿線道路をまたいで、バリアフリー未対応の歩道橋もあります。

加えて防災の観点からは、駅周辺の滞留スペースが不足しているため、災害発生時には混乱が生じることも想定されています。

これらの課題を踏まえて、「小杉駅北口駅前まちづくり方針(案)」においては基本的な取組方針や土地利用のゾーニング図などが示されています。

■取組方針
土地利用 ■「小杉駅北側の玄関口としての多様な都市機能の集積」
●既存施設の更新や土地利用転換の機会を捉え、土地の計画的な高度利用を図り、拠点性を高める商業・業務、文化、交流、宿泊、健康増進、子育て支援や、都市型住宅
等、様々な都市機能を適切に配置することで、広域拠点の駅前にふさわしい質の高い魅力あるまちづくりを進めます。
●業務、宿泊機能については、商業施設、医療施設、コンベンションホール等の既存都市機能と連携し、相互の利便性を高めることで、小杉駅周辺全体に効果が波及する魅
力あるまちづくりを進めます。
●また、都心へのアクセス性の良さや、駅前の立地環境を活かし、業務機能とあわせ、ビジネス支援機能等を誘導し、活力ある働きやすい環境整備を進めます。

■「快適で居心地のよい賑わい・交流機能の充実」
●駅前の賑わいの向上に寄与するイベント等に利用可能な広場等の空間の創出を図るとともに、民有地内に歩道と一体的な歩道状空地の整備を誘導し、あわせて沿道建物の低層部にはオープンカフェ等の導入を誘導することで、人々の交流・コミュニティ形成を生む賑わい空間を創出します。
都市基盤 ■「周辺道路の統合や民間敷地の活用による駅前広場の拡充」
●現状の駅前広場のスペースでは課題の改善を図ることが困難であることから、細分化していた周辺道路の統合や、民間整備の公開空地、立体制度等の活用により、駅前広場を適正な規模、配置で拡充し、駅や周辺建物との一体感に配慮した駅前広場空間を創出します。

●駅前広場の拡充とあわせて、歩行者空間の拡充を図ります。また、バス、タクシーの快適な乗降空間や等々力緑地への臨時バス乗降空間の整備を行い、公共交通利用の利便性の向上を図るとともに、円滑なバスの運行確保に努めます。
●駅前広場周辺の施設については、荷捌き施設、施設駐車場の適正な整備を誘導し、駅前広場内への荷捌き車両等の流入抑制に取組みます。

■「歩車分離やペデストリアンデッキによる歩行者空間の充実」
●歩行者の安全性の向上のために、駅前広場内の歩車分離を図ります。
●民間開発等と連携を図り、ペデストリアンデッキ等を整備し、地上レベル及びペデストリアンデッキレベルで、バリアフリーに対応した安全で快適な歩行者動線を形成するとともに、医療施設やコンベンションホール等のこれまでに誘導してきた導入機能の利便性や、駅北側の回遊性の向上を図るため、歩行者ネットワークの強化を図ります。
防災 ■災害に強いまちづくりの推進
●災害時において、帰宅困難者や、公共交通機関の運行が停止した際に、駅周辺に屋外滞留者ができるスペースの整備を誘導するなど、駅前の防災機能の強化を図ります。
●大地震等における火災延焼や建物倒壊による被害を未然に防止するため、老朽化した建物の更新等を誘導し、新設建築物等の不燃化や耐震化の促進を図ります。また、歩行者空間の充実等を誘導し、一時滞在施設であるコンベンションセンターまでの安全な避難路を確保します。
●本市では、浸水被害の軽減を図る一つの手段として、一定規模の新設建築物の開発において、降雨時に雨水が一気に下水や河川に流出しないように敷地内に雨水貯留浸透施設の設置を誘導してきました。今後も引き続き同施設の設置を誘導するとともに、国の動向等も踏まえ、電気設備等の浸水対策が図られてた建築物の整備を誘導します。
環境 ■「温室効果ガスの削減及び緑化整備の推進」
●まちづくりにあわせて、建築物の省エネルギー対策、再生可能エネルギーの導入、効率的なエネルギー利用、屋上緑化や壁面緑化等の取組みの誘導や木材利用の促進等、環境への負荷に配慮したやさしさが感じられる駅前空間の創出に努めます。
景観 ■「駅前にふさわしい街並みの形成」
駅及び駅前広場とまちのつながりに配慮し、広域拠点にふさわしい景観形成を目指し、周辺建物と調和を図るとともに、洗練されたデザインによる街並みを形成します。
●ペデストリアンデッキレベルに面して店舗を配置し、周辺の賑わい空間とつながることで連続した景観形成を誘導します。
※川崎市発表資料より

■ゾーニング図
ゾーニング図

※川崎市発表資料より

資料全体は川崎市のウェブサイトからPDFをご参照ください。

上記からおおまかな要点をまとめると、

●民有地の活用により、武蔵小杉駅北口ロータリーのスペースを拡張する
●スペース拡張により、災害時の滞留スペース(広場)を確保する
●ペデストリアンデッキを整備し、バス乗り場へ車と交差せずアクセスできるようにする
●ペデストリアンデッキは完成済みのパークシティ武蔵小杉 ザ ガーデンのデッキとも接続する
●べデストリアンデッキに面して店舗を配置する。
●老朽化した建物の更新を促進し、沿道建物の低層部にはオープンカフェ等を誘導する

大体このようなところかと思います。

ゾーニング図のうち「賑わい・交流ゾーン」(建築物)についてはおおむね5年間、「駅前広場の再編ゾーン」についてはさらにプラス5年間、合計10年間を取組スケジュールとしています。

本年度中にまちづくり方針が決定するとした場合、ざっくり2025年までに再開発ビルを建設し、2030年までに駅前ロータリーやペデストリアンデッキの再整備を目指すということになるのではないでしょうか。

スケジュールは民間開発の進捗に依存しますので、川崎市としての方針であって、確実なものではないと考えられます。

■「賑わい・交流ゾーン」に位置づけられるホテル・ザ・エルシィ跡地とNEC小杉ビル


■北口まで接続される方針の小杉町ペデストリアンデッキ
北口まで接続される方針の小杉町ペデストリアンデッキ

さて、そのようなわけで、おおまかな内容ではありますが武蔵小杉駅北口において一定の方針が示されたことになります。

川崎市にお住いの方、通勤・通学など何らかの関係がある方などが広く意見を出すことができますので、思うところがおありでしたらWeb等で出してみてはいかがでしょうか。

【関連リンク】
武蔵小杉ライフ:再開発情報:小杉駅北部地区 ホテル・ザ・エルシィ跡地地区
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2010/7/14エントリ ホテル・ザ・エルシィ跡地で都市再生機構が「小杉駅北口地区居住環境整備事業」を開始
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