川崎フロンターレらが「2022えがお共創プロジェクト」開催、等々力陸上競技場「センサリールーム」で発達障がい児向けサッカー観戦を実施
8月10日、YBCルヴァンカップ準々決勝「川崎フロンターレvsセレッソ大阪戦」の2戦目が等々力陸上競技場で開催されました。
この日は発達障がいのある子どもたちへの取り組みとして、「2022えがお共創プロジェクト」が開催されました。
■センサリールームでの観戦
■「えがお共創プロジェクト」の歓迎メッセージ
「えがお共創プロジェクト」は、川崎フロンターレがパートナー各社とともに2019年から継続している取り組みです。
感覚過敏などにより外出やスタジアムなどでのサッカー観戦が困難な小学生のお子さんとそのご家族を対象に、サッカーを楽しむことができる環境を整えます。
今回の「2022」は、川崎フロンターレが主催し、川崎市・JTB・全日本空輸(ANA)・富士通・世界文化ワンダークリエイトの共催、障がい者向けの玩具やトレーニング用品を販売するコス・インターナショナルの協力により開催されました。
発達障がいは、日本に約48万人いるといわれます。
しかし見た目ではわかりにくく、理解不足により「単なるわがまま」と誤解されてしまうことがあります。
また音や光などに対しての感覚に個人差があり、スポーツが好きでも、大きな声や音に接することの多いスポーツ参加や観戦を苦手と感じる場合もありますし、感覚過敏によりマスクの着用が難しく、コロナ禍においては外出が難しいなど、さまざまな困難に直面しています。
「えがお共創プロジェクト」は、そんな発達障がいのある子どもたちの可能性を広げることを目的とした取り組みです。
周囲の理解と少しずつの配慮で、子どもたちがスポーツを楽しみ、それをきっかけにさらに生き生きと周囲とかかわることができるようになります。
本サイトでも2020年、2021年の取り組みをご紹介いたしましたが、この2年間はいずれも観戦試合はアウェー開催で、なおかつコロナ禍で移動も困難であったため、等々力陸上競技場での「パブリックビューイング」となりました。
今回は等々力陸上競技場でのホームゲームとなり、感覚過敏に配慮した「センサリールーム」で、試合を生観戦することができました。
■バス到着
今回は横須賀線武蔵小杉駅ロータリーから、等々力陸上競技場までの専用バスがチャーターされました。
このバスの移動中、サポーターの方から応援方法が事前にレクチャーされました。
事前に「どんな場所で」「どんなことがあるのか」、理解しておくことも発達障がいの子どもたちにとって安心できる要素になるようです。
■受付で消毒と検温
■応援メッセージの記入
受付で消毒と検温をしたら、選手への応援メッセージを記入しました。
これはあとでウォーミングアップに出てくる選手たちを迎える際に、掲げるものです。
■ピッチサイドに入場
ひとりひとり応援用のフラッグを渡されて、ピッチサイドに入場です。
まだ選手たちは出てきていませんが、普段は入れない場所ですし、テンションが上がりますね。
■選手たちを出迎え
この2年間、選手と触れ合うイベントはなかなか開催ができませんでしたが、今回はウォーミングアップに向かう選手たちの出迎えを行うことができました。
観客席にもすでに観客が入り始め、試合前の臨場感・高揚感を味わうことができたのではないでしょうか。
■6階テラスへ移動
そして観戦のため、6回テラスに移動します。
その途中、「トイレはいついってもいいよ」など、優しい言葉と絵柄でわかりやすい案内がありました。
■6階テラス
そして今回は、6階テラスが「センサリールーム」として提供されました。
発達障がいにはさまざまな個性があり、大きな音や強い光が苦手な「感覚過敏」を生じる場合があります。
センサリールームは、そんな個性をもった子どもたちでも落ち着いて感染ができるように配慮されています。
また応援の太鼓や手拍子などの大きな音があっても大丈夫であれば、より臨場感を味わえる屋外の席も使用できました。
■ひらがなの選手紹介
また「えがお共創プロジェクト」実施の試合では、選手紹介などの表示がひらがな・カタカナになります。
細かいところまで、子どもたちに向けた配慮が施されています。
■「スヌーズレン機器」を設置したカームダウンスペース
センサリールームの一角には、障がいがあっても受容しやすい視覚・聴覚・触覚・嗅覚などの感覚刺激を与える「スヌーズレン機器」を設置したカームダウンスペースが設けられていました。
試合観戦の刺激でちょっと疲れてしまったら、こちらで一休みできるというわけです。
■ハーフタイムにはマスコットによるグリーティング
そしてハーフタイムには、マスコットキャラクター「カブレラ」によるグリーティングです。
毎回「えがお共創プロジェクト」では、マスコットたちも大人気です。
■カームダウンスペースで遊ぶ子どもたち
Jリーグの試合は前後半90分、アディショナルタイムとハーフタイムを加えると約2時間あります。
その間、ずっと試合に集中していなければならない、というものではありません。
「えがお共創プロジェクト」では、子どもたちに縛りをかけるようなことは一切なく、自由にカームダウンスペースでリラックスしていました。
こういった「安心できる」環境づくりが、子どもたちにとっては何より大切です。
■子どもたちに寄り添う全日本空輸のスタッフ
一方、「えがお共創プロジェクト」のスタッフの皆さんが子どもたちに寄り添う姿も、そっと声をかけたりするのが程よく、2019年から継続してきた経験値も活きているのでは、と感じさせられました。
特に全日本空輸のスタッフの皆さんは、接客がお仕事だけに慣れたもので、子どもたちもリラックスして会話していたようでした。
■富士通による「でじふろサンロクマル」
こちらは、会場に展示されていた映像「でじふろサンロクマル」です。
「でじふろサンロクマル」では、富士通のVRソリューションを活用して、等々力陸上競技場や選手バスの中などを自由に探索することができるものです。
Googleストリートビューのようなもの、というのが一番わかりやすいですが、より動きがスムーズで実際に現地にいるような体験ができます。
今回の「えがお共創プロジェクト」では、このコンテンツが事前に公開されまして、「自分たちが行くのがどんな場所なのか」事前に確認できるようになっていました。
こちらも前述の通り、子どもたちの安心につながる施策です。
なお、富士通企業スポーツ推進室マネージャーの田中さんにお話を伺うと、今回の会場となった6階テラスのトイレへの導線のコンテンツがなかったため、本プロジェクトのために追加で開発を行ったということでした。
子どもたちを迎えるための、細かいところまでの心くばりです。
■富士通のソリューション「きもち日記」
こちらは、富士通の「きもち日記」という、発達障害や知的障害などがある子どもたちが、気持ちや経験を文章で表現することを支援するソフトウェアです。
昨年の「えがお共創プロジェクト」でも提供されていました。
絵日記のように視覚的に自分の気持ちや経験を5W1Hで表現できるため、1日の行動を振り返ったり、活動や学習の履歴を残すことができます。
■Jリーグの野々村チェアマンも参加
今回の「えがお共創プロジェクト」はJリーグの野々村チェアマンや川崎市の副市長も来場され、富士通のソリューションも真剣な表情で体験されていました。
■世界文化ワンダークリエイトによる「ぬりえ」「めいろ」など
前回は「協力」として参加していた世界文化ワンダークリエイトは、今回「共催」になりました。
担当の方にお話を伺うと、同社としてもこの取り組みに手ごたえを感じ、プロジェクトの協力関係が深まっていく中で、そのような話になったということです。
同社は発達障がいのあるお子さんを対象にした保育情報誌「PriPriパレット」を発刊していまして、今回は同誌に掲載されている「ぬりえ」「めいろ」などを提供していました。
「えがお共創プロジェクト」ではこうしたパートナーの輪が広がり、それぞれのリソースを持ち寄ることで子どもたちにとって楽しい、安心できる空間が提供されています。
こうして等々力陸上競技場にきて「お出かけして楽しかった」という体験をすることで、より活動的になれたり、外に向かって可能性が広がるきっかけになるようです。
これまでに「えがお共創プロジェクト」に参加した子どもたちにおいてもそうした効果が実際に出ていまして、保護者の方から「とてもよかった」とお話を伺ったことがありました。
川崎フロンターレはこのようにサッカーを通じて、パートナーと協力することで「地域社会にとって必要とされるインフラ」となることを目標としてさまざまな取り組みを推進しています。
試合は2-2のドローとなり、川崎フロンターレは2試合合計の結果、「3-3」ではありますが「アウェイゴール数」で上回られたためYBCルヴァンカップは敗退することとなりました。
ただ、勝敗に関わらず子どもたちは楽しんでいたようで、「良かった」「楽しかった」と感想を話してくれました。
また中には前回からのリピーター参加の方もいらっしゃって、このプロジェクトの満足度の高さの証明でもあるでしょう。
前回、前々回のパブリックビューイングと異なり、今回はホームゲーム生観戦となりましたが、パブリックビューイングに比べるとより試合をしっかり観戦しているお子さんが多かったように思います。
この点は、やはりスタジアムでの生のサッカー体験の力を感じました。
富士通企業スポーツ推進室の田中マネージャーもこの点は同じ感想を持たれていたようで、「生で見ると、また来たくなる、そういう力があると思います」とお話いただきました。
■盛り上がった観戦
川崎フロンターレのこれまでの発達障がいのある子どもたちに向けた取り組みは、2020年5月にJリーグの社会連携プロジェクト「シャレン!アウォーズ」のチェアマン特別賞を受賞しています。
「シャレン!」とは、Jリーグがより豊かな社会を共創していくための取り組みで、「社会連携」を略した言葉です。
3者以上の協力により、幅広い社会テーマに取り組むものです。
JTBのご担当の方も、「多くの方に注目していただいて、この協力の輪を広げていきたい」とのことでした。
今後の継続的な活動にも期待が集まります。
■感覚過敏の再現VR動画(小杉小学校で撮影)
最後に、パブリックビューイング会場でも展示されていた「感覚過敏の再現VR動画」を今回も再掲しておきます。
この動画は、富士通の製作により川崎市立小杉小学校で収録されています。
光や音の感じ方の違いを一例として理解できますので、イヤホンを使うなどして、是非一度視聴してみてください。
もちろん感じ方は人によって異なり、この映像がすべてではありません。
ただ、外見だけではわからない個性、感じ方の違いがあることを理解する一助になるかと思います。
【関連リンク】
・シャレン!Jリーグ社会連携ウェブサイト 2020Jリーグシャレン!アウォーズ・Jリーグチェアマン特別賞『発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム/川崎フロンターレ』活動レポート
・川崎フロンターレ 「発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム」の取り組み 2020Jリーグシャレン!アウォーズ「Jリーグチェアマン特別賞」受賞のお知らせ
・川崎フロンターレ 発達障がいのある子どもたちへの取り組み 「2021えがお共創プロジェクト」開催のお知らせ
(えがお共創プロジェクト関連)
・シャレン!Jリーグ社会連携ウェブサイト 2020Jリーグシャレン!アウォーズ・Jリーグチェアマン特別賞『発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム/川崎フロンターレ』活動レポート
・川崎フロンターレ 「発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム」の取り組み 2020Jリーグシャレン!アウォーズ「Jリーグチェアマン特別賞」受賞のお知らせ
・2020/6/18エントリ Jリーグ社会連携で表彰、川崎フロンターレの「発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム」番外編トークイベント開催レポート
・2020/11/22エントリ 川崎フロンターレが11/21大分戦で開催、「発達障がい児向け親子サッカー教室&パブリックビューイング」密着取材レポート
・2021/11/21エントリ 川崎フロンターレ・川崎市・JTB・ANA・富士通らが「2021えがお共創プロジェクト」開催、等々力陸上競技場で発達障がい児向けサッカー教室やパブリックビューイング実施
(富士通のソリューション)
・2021/12/31エントリ 川崎フロンターレ・富士通のオンライン企画「でじふろサンロクマル」が開幕、VRソリューションで等々力陸上競技場など未公開エリア探検
この日は発達障がいのある子どもたちへの取り組みとして、「2022えがお共創プロジェクト」が開催されました。
■センサリールームでの観戦
■「えがお共創プロジェクト」の歓迎メッセージ
「えがお共創プロジェクト」は、川崎フロンターレがパートナー各社とともに2019年から継続している取り組みです。
感覚過敏などにより外出やスタジアムなどでのサッカー観戦が困難な小学生のお子さんとそのご家族を対象に、サッカーを楽しむことができる環境を整えます。
今回の「2022」は、川崎フロンターレが主催し、川崎市・JTB・全日本空輸(ANA)・富士通・世界文化ワンダークリエイトの共催、障がい者向けの玩具やトレーニング用品を販売するコス・インターナショナルの協力により開催されました。
発達障がいは、日本に約48万人いるといわれます。
しかし見た目ではわかりにくく、理解不足により「単なるわがまま」と誤解されてしまうことがあります。
また音や光などに対しての感覚に個人差があり、スポーツが好きでも、大きな声や音に接することの多いスポーツ参加や観戦を苦手と感じる場合もありますし、感覚過敏によりマスクの着用が難しく、コロナ禍においては外出が難しいなど、さまざまな困難に直面しています。
「えがお共創プロジェクト」は、そんな発達障がいのある子どもたちの可能性を広げることを目的とした取り組みです。
周囲の理解と少しずつの配慮で、子どもたちがスポーツを楽しみ、それをきっかけにさらに生き生きと周囲とかかわることができるようになります。
本サイトでも2020年、2021年の取り組みをご紹介いたしましたが、この2年間はいずれも観戦試合はアウェー開催で、なおかつコロナ禍で移動も困難であったため、等々力陸上競技場での「パブリックビューイング」となりました。
今回は等々力陸上競技場でのホームゲームとなり、感覚過敏に配慮した「センサリールーム」で、試合を生観戦することができました。
■バス到着
今回は横須賀線武蔵小杉駅ロータリーから、等々力陸上競技場までの専用バスがチャーターされました。
このバスの移動中、サポーターの方から応援方法が事前にレクチャーされました。
事前に「どんな場所で」「どんなことがあるのか」、理解しておくことも発達障がいの子どもたちにとって安心できる要素になるようです。
■受付で消毒と検温
■応援メッセージの記入
受付で消毒と検温をしたら、選手への応援メッセージを記入しました。
これはあとでウォーミングアップに出てくる選手たちを迎える際に、掲げるものです。
■ピッチサイドに入場
ひとりひとり応援用のフラッグを渡されて、ピッチサイドに入場です。
まだ選手たちは出てきていませんが、普段は入れない場所ですし、テンションが上がりますね。
■選手たちを出迎え
この2年間、選手と触れ合うイベントはなかなか開催ができませんでしたが、今回はウォーミングアップに向かう選手たちの出迎えを行うことができました。
観客席にもすでに観客が入り始め、試合前の臨場感・高揚感を味わうことができたのではないでしょうか。
■6階テラスへ移動
そして観戦のため、6回テラスに移動します。
その途中、「トイレはいついってもいいよ」など、優しい言葉と絵柄でわかりやすい案内がありました。
■6階テラス
そして今回は、6階テラスが「センサリールーム」として提供されました。
発達障がいにはさまざまな個性があり、大きな音や強い光が苦手な「感覚過敏」を生じる場合があります。
センサリールームは、そんな個性をもった子どもたちでも落ち着いて感染ができるように配慮されています。
また応援の太鼓や手拍子などの大きな音があっても大丈夫であれば、より臨場感を味わえる屋外の席も使用できました。
■ひらがなの選手紹介
また「えがお共創プロジェクト」実施の試合では、選手紹介などの表示がひらがな・カタカナになります。
細かいところまで、子どもたちに向けた配慮が施されています。
■「スヌーズレン機器」を設置したカームダウンスペース
センサリールームの一角には、障がいがあっても受容しやすい視覚・聴覚・触覚・嗅覚などの感覚刺激を与える「スヌーズレン機器」を設置したカームダウンスペースが設けられていました。
試合観戦の刺激でちょっと疲れてしまったら、こちらで一休みできるというわけです。
■ハーフタイムにはマスコットによるグリーティング
そしてハーフタイムには、マスコットキャラクター「カブレラ」によるグリーティングです。
毎回「えがお共創プロジェクト」では、マスコットたちも大人気です。
■カームダウンスペースで遊ぶ子どもたち
Jリーグの試合は前後半90分、アディショナルタイムとハーフタイムを加えると約2時間あります。
その間、ずっと試合に集中していなければならない、というものではありません。
「えがお共創プロジェクト」では、子どもたちに縛りをかけるようなことは一切なく、自由にカームダウンスペースでリラックスしていました。
こういった「安心できる」環境づくりが、子どもたちにとっては何より大切です。
■子どもたちに寄り添う全日本空輸のスタッフ
一方、「えがお共創プロジェクト」のスタッフの皆さんが子どもたちに寄り添う姿も、そっと声をかけたりするのが程よく、2019年から継続してきた経験値も活きているのでは、と感じさせられました。
特に全日本空輸のスタッフの皆さんは、接客がお仕事だけに慣れたもので、子どもたちもリラックスして会話していたようでした。
■富士通による「でじふろサンロクマル」
こちらは、会場に展示されていた映像「でじふろサンロクマル」です。
「でじふろサンロクマル」では、富士通のVRソリューションを活用して、等々力陸上競技場や選手バスの中などを自由に探索することができるものです。
Googleストリートビューのようなもの、というのが一番わかりやすいですが、より動きがスムーズで実際に現地にいるような体験ができます。
今回の「えがお共創プロジェクト」では、このコンテンツが事前に公開されまして、「自分たちが行くのがどんな場所なのか」事前に確認できるようになっていました。
こちらも前述の通り、子どもたちの安心につながる施策です。
なお、富士通企業スポーツ推進室マネージャーの田中さんにお話を伺うと、今回の会場となった6階テラスのトイレへの導線のコンテンツがなかったため、本プロジェクトのために追加で開発を行ったということでした。
子どもたちを迎えるための、細かいところまでの心くばりです。
■富士通のソリューション「きもち日記」
こちらは、富士通の「きもち日記」という、発達障害や知的障害などがある子どもたちが、気持ちや経験を文章で表現することを支援するソフトウェアです。
昨年の「えがお共創プロジェクト」でも提供されていました。
絵日記のように視覚的に自分の気持ちや経験を5W1Hで表現できるため、1日の行動を振り返ったり、活動や学習の履歴を残すことができます。
■Jリーグの野々村チェアマンも参加
今回の「えがお共創プロジェクト」はJリーグの野々村チェアマンや川崎市の副市長も来場され、富士通のソリューションも真剣な表情で体験されていました。
■世界文化ワンダークリエイトによる「ぬりえ」「めいろ」など
前回は「協力」として参加していた世界文化ワンダークリエイトは、今回「共催」になりました。
担当の方にお話を伺うと、同社としてもこの取り組みに手ごたえを感じ、プロジェクトの協力関係が深まっていく中で、そのような話になったということです。
同社は発達障がいのあるお子さんを対象にした保育情報誌「PriPriパレット」を発刊していまして、今回は同誌に掲載されている「ぬりえ」「めいろ」などを提供していました。
「えがお共創プロジェクト」ではこうしたパートナーの輪が広がり、それぞれのリソースを持ち寄ることで子どもたちにとって楽しい、安心できる空間が提供されています。
こうして等々力陸上競技場にきて「お出かけして楽しかった」という体験をすることで、より活動的になれたり、外に向かって可能性が広がるきっかけになるようです。
これまでに「えがお共創プロジェクト」に参加した子どもたちにおいてもそうした効果が実際に出ていまして、保護者の方から「とてもよかった」とお話を伺ったことがありました。
川崎フロンターレはこのようにサッカーを通じて、パートナーと協力することで「地域社会にとって必要とされるインフラ」となることを目標としてさまざまな取り組みを推進しています。
試合は2-2のドローとなり、川崎フロンターレは2試合合計の結果、「3-3」ではありますが「アウェイゴール数」で上回られたためYBCルヴァンカップは敗退することとなりました。
ただ、勝敗に関わらず子どもたちは楽しんでいたようで、「良かった」「楽しかった」と感想を話してくれました。
また中には前回からのリピーター参加の方もいらっしゃって、このプロジェクトの満足度の高さの証明でもあるでしょう。
前回、前々回のパブリックビューイングと異なり、今回はホームゲーム生観戦となりましたが、パブリックビューイングに比べるとより試合をしっかり観戦しているお子さんが多かったように思います。
この点は、やはりスタジアムでの生のサッカー体験の力を感じました。
富士通企業スポーツ推進室の田中マネージャーもこの点は同じ感想を持たれていたようで、「生で見ると、また来たくなる、そういう力があると思います」とお話いただきました。
■盛り上がった観戦
川崎フロンターレのこれまでの発達障がいのある子どもたちに向けた取り組みは、2020年5月にJリーグの社会連携プロジェクト「シャレン!アウォーズ」のチェアマン特別賞を受賞しています。
「シャレン!」とは、Jリーグがより豊かな社会を共創していくための取り組みで、「社会連携」を略した言葉です。
3者以上の協力により、幅広い社会テーマに取り組むものです。
JTBのご担当の方も、「多くの方に注目していただいて、この協力の輪を広げていきたい」とのことでした。
今後の継続的な活動にも期待が集まります。
■感覚過敏の再現VR動画(小杉小学校で撮影)
最後に、パブリックビューイング会場でも展示されていた「感覚過敏の再現VR動画」を今回も再掲しておきます。
この動画は、富士通の製作により川崎市立小杉小学校で収録されています。
光や音の感じ方の違いを一例として理解できますので、イヤホンを使うなどして、是非一度視聴してみてください。
もちろん感じ方は人によって異なり、この映像がすべてではありません。
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(富士通のソリューション)
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