川崎市×双日による中原区・高津区のデマンド交通実証実験「チョイソコかわさき」体験レポート:川崎フロンターレ開幕戦でも等々力まで試験運行
川崎市中原区と高津区の一部において、総合商社の双日株式会社がデマンド交通サービス「チョイソコかわさき」を2022年11月2日から2月27日まで(月水金土日の9~17時)運行しています。
これは川崎市における実証実験事業計画として国土交通省及び川崎市の補助事業として採択されたもので、当該期間の実証実験をもって事業化が検討されます。
本サービスは2月17日のJ1リーグ開幕戦「川崎フロンターレvs横浜F・マリノス戦」でも、「餃子の王将武蔵小杉店」前から等々力陸上競技場まで試験的な運行が実施されました。
弊紙では「チョイソコかわさき」サービスを実際に乗車体験してみましたので、レポートいたします。
■双日によるデマンド交通サービス「チョイソコかわさき」
※双日株式会社提供
「チョイソコかわさき」は、かねてから地域交通の課題解決を模索していた川崎市と双日が連携したデマンド型の乗合交通サービスです。
「デマンド型」とは、通常のバスのように路線を固定せず、利用者の予約に合わせて運行する乗合交通システムです。
端的に説明すれば予約専門の乗り合いタクシーですが、株式会社アイシンが提供する「チョイソコシステム」を活用し、地域住民のユーザーの予約状況に応じて最も効率的なルートで運行されることで、利便性とコストメリットを提供するのが特徴です。
■「チョイソコかわさき」の停留所
「チョイソコかわさき」の停留所は、中原区と高津区の一部に、これだけ膨大に設定されています。
上記のほか、地元企業やスポーツチームとの連携により、NEC 玉川事業場、 富士通クリニック・総合体育館、富士通北(富士通裏門付近、 グランツリー武蔵小杉にも停留所が追加されています。
これらの停留所間であれば、どんな組み合わせでも自由に設定して専用車を呼ぶことができます。
■LINEのお友達登録
「チョイソコかわさき」は、まずはLINEのお友達登録が入口になっています。
但し、このLINE自体には予約機能はなく、単に予約サイトへのリンクがあるのみです。
LINEでの情報発信等は行われるようですが、「チョイソコかわさき」のサービスを利用するにはここからリンクしたユーザー向けサイトをブックマークするのが簡便でしょう。
そのため本来は直接ユーザーサイトのURLをご案内したいところですが、双日・川崎市ともにLINEのお友達登録のみが入口として案内されています。
■ユーザーサイトの停留所マップ
まず、マップまたは停留所名から、出発点と行先、そして希望する時間を設定します。
時間は、30分後から設定が可能です。
■車の候補が表示される
情報を登録すると、車の候補が表示されます。
これが前述の「チョイソコシステム」により、各地の利用者からの予約情報をもとに最適化されて提案されるというわけです。
上記は2月17日の等々力陸上競技場での川崎フロンターレ開幕戦での試験運行の車ですが、こちらは日没後の運行でしたので、最初に昼間の乗車レポートをお伝えしましょう。
■「地域子育て支援センターちゃちゃ」から江川せせらぎ遊歩道までを予約
今回は、今井仲町の「地域子育て支援センターちゃちゃ」から、「江川せせらぎ遊歩道(第40停留所)」までを予約してみました。
■「地域子育て支援センターちゃちゃ」停留所
予約すると時間通りに、「チョイソコかわさき」の専用車がやってきました。
サービスのロゴマークがプリントされていますので、すぐにわかるかと思います。
■8人乗りのゆったりした車内
■車内で流れているかわさきFM
車内は8人乗りで、ゆったりしていました。
また地域密着型の交通サービスらしく、かわさきFMがかかっています。
■法政二中高の前を通過して江川せせらぎ遊歩道へ
乗車後は、先払いでひとり300円(未就学児は無料)を支払います。
現金のほか電子マネー等も利用できます。
あとは基本的には通常のタクシーと同様で、目的地の停留所に着くのを待つのみです。
運転手の方はお話を伺うと地元でタクシー運転手をされている方で、ルートなどはよくご存じで的確に経路選択されていたと思います。
■江川せせらぎ遊歩道(第40停留所)に到着
予約時の表示通り、10分ほどで江川せせらぎ遊歩道(第40停留所)まで到着しました。
江川せせらぎ遊歩道沿いに限っても多数の停留所がありますので、もっと上流、あるいは下流と目的地により近い場所を設定できますので、便利ではないでしょうか。
■帰り道は今井仲町の「第20停留所」を選択
さて、帰り道は、「地域子育て支援センターちゃちゃ」ではなく、今井仲町の渋川や田口小児科近く、「第20停留所」を選択してみました。
このように、デマンド交通サービスは同じ停留所で往復する必要はありません。
帰り道は都合に応じて、別の停留所を選択してもよいのです。
なお、今回のルート設定は、「チョイソコかわさき」の使い方の一例として、「同一経路のバス路線が全くない」、また「バスの停留所がまずありえない住宅街の路地」をあえて選択したものです。
■最西端の「第1停留所」(高津区の千年交差点付近)
最西端の停留所(第1停留所)は、高津区の千年交差点付近にありました。
中原街道はバス路線がありますが、ちょっと離れた裏路地に「チョイソコかわさき」の停留所があります。
■グランツリー武蔵小杉前の停留所
武蔵小杉駅近くでは、グランツリー武蔵小杉前にも停留所がありました。
たとえば、グランツリー武蔵小杉で買い物のときに予約をしておいて、少し遠めの自宅近くまで利用するということも考えられます。
バスに乗っても200円以上かかりますので、300円で家の近くまで乗せてもらえたら助かるのではないでしょうか。
■川崎フロンターレ開幕戦での試験運行
また本サービスは、前述の通り等々力陸上競技場での川崎フロンターレ開幕戦においても試験運行が行われました。
このときは「餃子の王将武蔵小杉店前(武蔵小杉駅前停留所)」から、等々力陸上競技場までの運行が行われました。
行きが3便、帰りが2便で、20名の方が利用されたということです。
弊紙が乗車させていただいた便にも、サポーターの方が同乗されていました。
■等々力陸上競技場までの車内
■等々力陸上競技場に到着
試験運行は餃子の王将武蔵小杉店前をスタートして、等々力緑地のフロンパーク入口付近の停留所を経由して、終点は等々力陸上競技場の10番ゲート付近(裏手の駐車場前)でした。
ただし、フロンパーク入口付近の停留所を過ぎると、等々力陸上競技場に向かうサポーターの導線と重なるため、到着には予定よりも少し時間を要しました。
仮に行先が10番ゲートだったとしても、フロンパーク入口で降りて歩いてしまうのが、一番速達性・利便性が高そうでした。
また、開幕戦での試験運行は、ラジオ日本で川崎フロンターレ応援番組「奥田明日美のハッピーフロンターレ!」(月曜20:15~20:30)のMCをつとめている奥田明日美さんも取材をされていましたので、近日放送があると思います。
ファン・サポーターの方は、そちらもご注目ください。
「チョイソコかわさき」の実証実験事業は、2023年2月27日(月)でいったん終了となります。
今後の事業展開は実証結果を踏まえて、双日や川崎市において検討されるものと思います。
双日の自動車本部で本事業を担当される齊藤さんにお話を伺うと、純粋に交通サービス事業単独で事業を維持するのは難しい側面もあるため、PR媒体としても活用しつつ、地域のコミュニティとして支え合っていければということでした。
「地域の方に親しみをもって、また多くの方にご利用いただきたいと思います」
とのことで、今後双日としては地域企業や民間団体、NPO法人とも連携を図り、地域コミュニティのさらなる活性化や都市型MaaSの確立を目指して地域住民の移動手段の提供と、交通を入口とした街づくりに貢献していくということです。
実証実験の結果がどうなるかは現段階でわかりませんが、実際に利用してみて便利さは確実に感じましたので、何らか良い形で事業化ができることを期待しております。
■「チョイソコかわさき」実証実験の実施概要
●運行期間 令和4年11月2日(水)~令和5年2月27日(月)まで
●運行日時 月・水・金・土曜日・日曜日(祝日も運行)の9時から17時まで
●運賃 300円/回(未就学児は無料)
※詳細は下記関連リンクを参照ください。
【関連リンク】
・川崎市 中原区と高津区の一部におけるチョイソコかわさき(オンデマンド交通)実証実験について
・チョイソコかわさき LINEお友達登録ページ
・ラジオ日本 奥田明日美のハッピーフロンターレ!
・川崎フロンターレ 2/17 横浜FM デマンド交通「チョイソコかわさき」試験運用のお知らせ
・2023/2/17エントリ 川崎フロンターレのJ1リーグとフロカフェ「川崎いちごフェス2023」開幕、ホームゲーム限定「かわさきイチゴのカブレラ大福」も登場
これは川崎市における実証実験事業計画として国土交通省及び川崎市の補助事業として採択されたもので、当該期間の実証実験をもって事業化が検討されます。
本サービスは2月17日のJ1リーグ開幕戦「川崎フロンターレvs横浜F・マリノス戦」でも、「餃子の王将武蔵小杉店」前から等々力陸上競技場まで試験的な運行が実施されました。
弊紙では「チョイソコかわさき」サービスを実際に乗車体験してみましたので、レポートいたします。
■双日によるデマンド交通サービス「チョイソコかわさき」
※双日株式会社提供
「チョイソコかわさき」は、かねてから地域交通の課題解決を模索していた川崎市と双日が連携したデマンド型の乗合交通サービスです。
「デマンド型」とは、通常のバスのように路線を固定せず、利用者の予約に合わせて運行する乗合交通システムです。
端的に説明すれば予約専門の乗り合いタクシーですが、株式会社アイシンが提供する「チョイソコシステム」を活用し、地域住民のユーザーの予約状況に応じて最も効率的なルートで運行されることで、利便性とコストメリットを提供するのが特徴です。
■「チョイソコかわさき」の停留所
「チョイソコかわさき」の停留所は、中原区と高津区の一部に、これだけ膨大に設定されています。
上記のほか、地元企業やスポーツチームとの連携により、NEC 玉川事業場、 富士通クリニック・総合体育館、富士通北(富士通裏門付近、 グランツリー武蔵小杉にも停留所が追加されています。
これらの停留所間であれば、どんな組み合わせでも自由に設定して専用車を呼ぶことができます。
■LINEのお友達登録
「チョイソコかわさき」は、まずはLINEのお友達登録が入口になっています。
但し、このLINE自体には予約機能はなく、単に予約サイトへのリンクがあるのみです。
LINEでの情報発信等は行われるようですが、「チョイソコかわさき」のサービスを利用するにはここからリンクしたユーザー向けサイトをブックマークするのが簡便でしょう。
そのため本来は直接ユーザーサイトのURLをご案内したいところですが、双日・川崎市ともにLINEのお友達登録のみが入口として案内されています。
■ユーザーサイトの停留所マップ
まず、マップまたは停留所名から、出発点と行先、そして希望する時間を設定します。
時間は、30分後から設定が可能です。
■車の候補が表示される
情報を登録すると、車の候補が表示されます。
これが前述の「チョイソコシステム」により、各地の利用者からの予約情報をもとに最適化されて提案されるというわけです。
上記は2月17日の等々力陸上競技場での川崎フロンターレ開幕戦での試験運行の車ですが、こちらは日没後の運行でしたので、最初に昼間の乗車レポートをお伝えしましょう。
■「地域子育て支援センターちゃちゃ」から江川せせらぎ遊歩道までを予約
今回は、今井仲町の「地域子育て支援センターちゃちゃ」から、「江川せせらぎ遊歩道(第40停留所)」までを予約してみました。
■「地域子育て支援センターちゃちゃ」停留所
予約すると時間通りに、「チョイソコかわさき」の専用車がやってきました。
サービスのロゴマークがプリントされていますので、すぐにわかるかと思います。
■8人乗りのゆったりした車内
■車内で流れているかわさきFM
車内は8人乗りで、ゆったりしていました。
また地域密着型の交通サービスらしく、かわさきFMがかかっています。
■法政二中高の前を通過して江川せせらぎ遊歩道へ
乗車後は、先払いでひとり300円(未就学児は無料)を支払います。
現金のほか電子マネー等も利用できます。
あとは基本的には通常のタクシーと同様で、目的地の停留所に着くのを待つのみです。
運転手の方はお話を伺うと地元でタクシー運転手をされている方で、ルートなどはよくご存じで的確に経路選択されていたと思います。
■江川せせらぎ遊歩道(第40停留所)に到着
予約時の表示通り、10分ほどで江川せせらぎ遊歩道(第40停留所)まで到着しました。
江川せせらぎ遊歩道沿いに限っても多数の停留所がありますので、もっと上流、あるいは下流と目的地により近い場所を設定できますので、便利ではないでしょうか。
■帰り道は今井仲町の「第20停留所」を選択
さて、帰り道は、「地域子育て支援センターちゃちゃ」ではなく、今井仲町の渋川や田口小児科近く、「第20停留所」を選択してみました。
このように、デマンド交通サービスは同じ停留所で往復する必要はありません。
帰り道は都合に応じて、別の停留所を選択してもよいのです。
なお、今回のルート設定は、「チョイソコかわさき」の使い方の一例として、「同一経路のバス路線が全くない」、また「バスの停留所がまずありえない住宅街の路地」をあえて選択したものです。
■最西端の「第1停留所」(高津区の千年交差点付近)
最西端の停留所(第1停留所)は、高津区の千年交差点付近にありました。
中原街道はバス路線がありますが、ちょっと離れた裏路地に「チョイソコかわさき」の停留所があります。
■グランツリー武蔵小杉前の停留所
武蔵小杉駅近くでは、グランツリー武蔵小杉前にも停留所がありました。
たとえば、グランツリー武蔵小杉で買い物のときに予約をしておいて、少し遠めの自宅近くまで利用するということも考えられます。
バスに乗っても200円以上かかりますので、300円で家の近くまで乗せてもらえたら助かるのではないでしょうか。
■川崎フロンターレ開幕戦での試験運行
また本サービスは、前述の通り等々力陸上競技場での川崎フロンターレ開幕戦においても試験運行が行われました。
このときは「餃子の王将武蔵小杉店前(武蔵小杉駅前停留所)」から、等々力陸上競技場までの運行が行われました。
行きが3便、帰りが2便で、20名の方が利用されたということです。
弊紙が乗車させていただいた便にも、サポーターの方が同乗されていました。
■等々力陸上競技場までの車内
■等々力陸上競技場に到着
試験運行は餃子の王将武蔵小杉店前をスタートして、等々力緑地のフロンパーク入口付近の停留所を経由して、終点は等々力陸上競技場の10番ゲート付近(裏手の駐車場前)でした。
ただし、フロンパーク入口付近の停留所を過ぎると、等々力陸上競技場に向かうサポーターの導線と重なるため、到着には予定よりも少し時間を要しました。
仮に行先が10番ゲートだったとしても、フロンパーク入口で降りて歩いてしまうのが、一番速達性・利便性が高そうでした。
また、開幕戦での試験運行は、ラジオ日本で川崎フロンターレ応援番組「奥田明日美のハッピーフロンターレ!」(月曜20:15~20:30)のMCをつとめている奥田明日美さんも取材をされていましたので、近日放送があると思います。
ファン・サポーターの方は、そちらもご注目ください。
「チョイソコかわさき」の実証実験事業は、2023年2月27日(月)でいったん終了となります。
今後の事業展開は実証結果を踏まえて、双日や川崎市において検討されるものと思います。
双日の自動車本部で本事業を担当される齊藤さんにお話を伺うと、純粋に交通サービス事業単独で事業を維持するのは難しい側面もあるため、PR媒体としても活用しつつ、地域のコミュニティとして支え合っていければということでした。
「地域の方に親しみをもって、また多くの方にご利用いただきたいと思います」
とのことで、今後双日としては地域企業や民間団体、NPO法人とも連携を図り、地域コミュニティのさらなる活性化や都市型MaaSの確立を目指して地域住民の移動手段の提供と、交通を入口とした街づくりに貢献していくということです。
実証実験の結果がどうなるかは現段階でわかりませんが、実際に利用してみて便利さは確実に感じましたので、何らか良い形で事業化ができることを期待しております。
■「チョイソコかわさき」実証実験の実施概要
●運行期間 令和4年11月2日(水)~令和5年2月27日(月)まで
●運行日時 月・水・金・土曜日・日曜日(祝日も運行)の9時から17時まで
●運賃 300円/回(未就学児は無料)
※詳細は下記関連リンクを参照ください。
【関連リンク】
・川崎市 中原区と高津区の一部におけるチョイソコかわさき(オンデマンド交通)実証実験について
・チョイソコかわさき LINEお友達登録ページ
・ラジオ日本 奥田明日美のハッピーフロンターレ!
・川崎フロンターレ 2/17 横浜FM デマンド交通「チョイソコかわさき」試験運用のお知らせ
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