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2023年
03月16日

川崎市市民ミュージアムが「生田緑地ばら苑」隣接地に移転へ、基本構想案の市民意見募集がスタート

川崎市市民ミュージアムは、令和元年東日本台風により設備や収蔵品が被災し、長期にわたって休館を続けています。

これを受けて、川崎市は2021年11月に「新たな博物館、美術館に関する基本的な考え方」を策定し、新たなミュージアムの整備に向けた取組を推進してきました。

これをベースに、新たなミュージアムの整備概要を示した「新たなミュージアムに関する基本構想(案)」がこのたび公開され、2023年3月15日より市民意見(パブリックコメント)の募集がスタートしましたので、お知らせします。

■生田緑地ばら苑


■長期休館が続く川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアム

従来の川崎市市民ミュージアムは、1988年に等々力緑地内で開館しました。
マンガなどサブカルチャー関連、写真芸術などの収蔵品にも特徴があるほか、270席の映像ホールも併設しています。

しかしながら、もともと低地に位置していたことに加えて収蔵庫が地下にあったため、「令和元年東日本台風」により収蔵庫が冠水してしまいました。

この時には貴重な収蔵品が深刻な打撃を受け、被害総額は約72億円に及んだといいます。

■被災時の収蔵庫の扉
収蔵庫の扉
※川崎市提供

■被災時の収蔵庫の内部
収蔵庫の内部
※川崎市提供

被災した収蔵品は可能な限り修復を行っていますが、現在の川崎市市民ミュージアムはが低地にあることは変わらず、また大規模な水害があればふたたび浸水する可能性があります。

また建物の耐荷重性の問題などから、地下にある収蔵庫を上階に移設することも困難であったため、「現在地での市民ミュージアムの再開は困難」であることがすでに方向づけられていました。

■新たなミュージアムの建設候補地
新たなミュージアム建設候補地
※川崎市発表資料より

川崎市市民ミュージアムは移転をする方向で検討が行われ、冒頭にご案内の通り、新たなミュージアムの整備概要を示した「新たなミュージアムに関する基本構想(案)」が公開されました。

2023年3月15日より市民意見(パブリックコメント)の募集がスタートしましたので、お知らせします。

まず、新たなミュージアム開設候補地は、生田緑地「ばら苑」の隣接地ということです。
最寄り駅は南武線の宿河原駅か小田急線の向ヶ丘遊園駅というところですが、ばら苑を越えてさらに先ですから、アクセスはバスなどになりそうです。

ただ、これは「可能な限り被災リスクの少ない場所」を「最優先条件」として選定されたものです。
この生田緑地は高台の上にありますし、少なくとも水害リスクは限りなく低いといってよいでしょう。

また新たなミュージアム事業では、新施設を核にしつつ、川崎市内の既存施設を活用した「まちなかミュージアム」を展開していくということです。

中原区内の施設でも、「まちなかミュージアム」による身近なアート体験を推進していくものと思います。

■生田緑地ばら苑
生田緑地ばら苑

生田緑地ばら苑

■藤子F・不二雄ミュージアム
藤子F・不二雄ミュージアム

新ミュージアムの隣接地は生田緑地ばら苑であり、また近隣に藤子F・不二雄ミュージアムなどもあります。

アート系では岡本太郎美術館などもありますから、川崎市随一のミュージアム集積エリアになりそうですね。

市民ミュージアム単品で、武蔵小杉から遠征は難しいかもしれませんが、周辺のスポットとあわせて楽しめるのではないでしょうか。

「新たなミュージアムに関する基本構想(案)」の詳細については、エントリ末尾の関連リンクよりご参照ください。

また川崎市では基本構想(案)の内容を前中後編の動画にまとめていますので、使いやすいほうをご覧いただくとよいと思います。

■「新たなミュージアムに関する基本構想(案)について」(前編)


■「新たなミュージアムに関する基本構想(案)について」(中編)


■「新たなミュージアムに関する基本構想(案)について」(後編)


今後、2024年秋ごろに新たなミュージアムに関する「管理運営計画」が策定される予定です。
実際に着工・完成に至るまでには、まだかなり時間がかかるものと思います。

また市民意見(パブリックコメント)の募集は2023年3月15日から4月17日までとなっています。
こちらもご意見のある方は、関連リンクをご参照ください

【関連リンク】
川崎市 「新たなミュージアムに関する基本構想(案)」への市民意見を募集します

(川崎市市民ミュージアム関連)
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(生田緑地関連)
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