【Reporter:はつしも】
市民参加型のアートフェス「コスギアート ラ・ファブリカ2022」が、2月12日(土)、21日(月・祝)に中原市民館で開催されました。
今回は中原市民館のホールとギャラリーの2か所を会場として、音楽・ダンス・演劇・美術など多彩なパフォーマンスや、ワークショップなどが行われました。
■「コスギアート・ラ・ファブリカ2022」
■「コスギアート・ラ・ファブリカ2022」が開催された中原市民館
現在、中原市民館は新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場として活用されています。
そのため、今回の「コスギアート・ラ・ファブリカ2022」は前述の通りホールとギャラリーでの限定開催となりました。
■ホールでのステージプログラム「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」
2か所の会場のうちホールでは、音楽・ダンス・紙芝居・和楽器・バンドなど多彩なジャンルのステージプログラムが組まれていました。
コロナ禍により出演団体のキャンセルが直前で生じたこともあり、
当初予定されていたプログラムを一部変更しての開催となりました。
最初にご紹介するのは、
「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」です。
親子3人による、楽しい紙芝居でした。
「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」は、
「ゆうこ」さんとお子さんの「ぴっぴ」さんのユニットが基本です。
今回はそこに
お姉さんの「プリン」さんが加わり3人組での出演となりました。
■楽しいオリジナルの紙芝居
■みんなで一緒に「前向きダンス」(ゆうこさん)
■同じく、「ぴっぴ」さん(右)と「プリン」さん(左)
「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」は、コロナ禍で様々な活動が制限を受ける中、
「一人でも、家族だけでもできる活動として紙芝居に突き当たった」といいます。
それでご家族で紙芝居ユニットを結成し、Youtubeでも活動されています。
オリジナルの紙芝居をつくり、観客席とも一体となるような楽しい演出が特徴です。
今回上演された作品のひとつ
「前向き!うさおくん」では、一見ネガティブに思えるようなことでも全て前向きに解釈する「うさおくん」が出てきます。
そんなうさおくんの
「前向きポイント」が出てくるごとに、関ジャニ∞「前向きスクリーム」のダンスを踊るという構成でした。
前向きダンスの振り付けはシンプルで何度も出てきますので、
観客席の皆さんも一緒に踊るのが楽しそうでした。
■楽しい演出
また、「前向き!うさおくん」に続く作品「のすけ」では、
紙芝居の木枠の外側での演出も凝っていました。
物語終盤では、巨大な紙飛行機が登場します。
こうした演出は、ソロではなくご家族ユニットならではですね。
■観客参加型での物語の分岐
また、
物語の途中で「観客の投票」により物語が分岐する趣向もユニークでした。
主人公の行動を多数決で決めて、その通りに物語が進むというわけです。
なお、今回の観客の皆さんの選択は
「これまでで初めての選択」ということで、上演されるごとに結果も異なるようです。
「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」は、このように観客参加型で楽しい紙芝居でした。
普段はもっと観客にアクティブに参加していただく演出があるそうですが、今回はコロナ禍ということで、ステージ上と観客席に分かれた範囲での上演となりました。
■紙芝居屋ゆうことぴっぴ Youtube
「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」は、
Youtubeチャンネルも開設されていますので、紙芝居がお好きな方は、こちらもご参照ください。
■「和太鼓祗園」
こちらは
「和太鼓祗園」です。
元住吉を拠点に、子どもから大人まで33名で活動をされています。
地域のイベントにも活発に出演され、本サイトでも過去にご紹介しておりました。
■元気いっぱい、子どもたちのステージ
■迫力満点、大人のステージ
「和太鼓祗園」は、子どもたちのグループ、大人のグループ、そしてメンバー全体での演奏でした。
子どもたちの演奏は元気いっぱい、大人の演奏はさすがに音量がおなかに響くようにパワフルで迫力満点でした。
「しーさーしーさー!」と掛け声をかけながら叩く琉球の音楽も、出身でなくてもふしぎと心に響くものがあります。
■皆さんでの演奏
「紙芝居屋ゆうことぴっぴ」「和太鼓祗園」ともに当初は初日の12日のみの出演の予定でしたが、前述のキャンセルにより急遽代演で本日13日もステージに立ちました。
臨機応変な対応で、運営も出演も大変だったかと思いますが、良いパフォーマンスを見せてくれました。
■昭和テイストの参加型ステージ「KOSUGIだヨ!全員集合!!」
そして今回のステージの目玉は、
昭和テイストの参加型特別企画でした。
こちらは
昭和の有名番組をモチーフにした「KOSUGIダヨ!全員集合!!」です。
当初は2日目だけの予定が、出演キャンセルにより1日目もショートバージョンで上演されました。
基本、出演中ずっと
「ヒゲダンス」をしています。
あとでお話を伺うと、
約30分間のヒゲダンスは相当体力的にハードだったとのこと。
■ボールを背中のかごに入れるゲーム
■観客も参加
■浮き輪投げゲームも観客参加
■今度は観客が投げられる側に
「KOSUGIダヨ!全員集合!!」は、やっているのは背中のかごにボールを入れるゲームや、浮き輪を輪投げのように投げるゲームなど他愛のないことなのですが、
こういうテイストのバラエティー番組は、昭和の香りがしますね。
また観客参加型で
ゲームに観客が参加するのがメイン企画です。
こういった所謂
「素人いじり」の番組も昭和に全盛期を迎えましたが、最近はめっきりなくなりました。
全体に昭和テイストが見事に漂い、観客の皆さんも楽しまれていたのではないでしょうか。
■参加型特別企画「サタデーナイトフィーバー」
そしてもうひとつの参加型特別企画が、
昭和のディスコをイメージした「サタデーナイトフィーバー」です。
こちらは
ダンスグループ「ダンサンブル」の皆さんが登場しました。
観客席の皆さんも立って、「ダンサンブル」の振り付けガイドを受けながらひときディスコ気分です。
■「ダンサンブル」のダンス
「サタデーナイトフィーバー」といえば、1977年の米映画です。
主演の
ジョン・トラボルタによる、上記写真の決めポーズが有名ですね。
今回の「コスギアート・ラ・ファブリカ2022」のポスターイラストにも使われていました。
■リボーンワークショップ「unicocco」
また今回はギャラリーにおいて、
不要な端材を活用した「リボーンワークショップ」も開催されました。
こちらは
3人のものづくり作家による「unicocco(ユニコッコ)」によるワークショップです。
■活用する端材
「unicocco」では、
なんとなく捨てるにしのびないかわいいボタンやリボン、端切れなどをオリジナルのアクセサリー・小物によみがえらせていきます。
■不要になった紙を巻いたもの
こちらは一見してとてもきれいな材料ですが、もともとは
不要になった紙を巻いたものなのだそうです。
ちょっとした工夫で、あらかじめデザインされたようなパーツに生まれ変わるのですね。
■端材で作った小物
端材を使って、このようなかわいらしい小物ができます。
ちょっとした飾りつけに良いですね。
■「unicocco」Instagram
「unicocco」は、Instagramも開設しています。
直近では元住吉のブレーメン通り商店街でも出店していますし、今後のスケジュールなども掲載されていますので、ご関心ある方は参照ください。
■段ボールアート
一方こちらは、
段ボールを使ったワークショップです。
ワークショップでは初心者向けの作品作りにトライしますが、上記の通り精巧な動物や恐竜なども作れるのですね。
粘度作りのようなイメージではないでしょうか。
こうした
「リボーンワークショップ」では、楽しく作品を作りつつ、「SDGsアクション」のひとつとして、資源の再利用に関する啓発効果も目的としています。
今回は限られた会場となりましたが、参加された方は皆さん出来上がりに満足していらっしゃったようです。
■「絵描き屋みかん」さんによるSDGsアート「帰ってきたパンプキン」
続いてご紹介するのは、ホール後方に設置されていた、
「絵描き屋みかん」さんによるSDGsアート「帰ってきたパンプキン(Colorful Pumpkin)」です。
「絵描き屋みかん」さんは、中原区で活動するアーティストです。
こちらは昨年中原平和公園で開催された
「街ナカアート2021」で、参加者の皆さんからペットボトルのラベルを集めて作ったアート作品の再展示となりました。
■「SDGsアート」
■ペットボトルのラベル
■「街ナカアート」のパンフレットも
「帰ってきたパンプキン(Colorful Pumpkin)」では、
ペットボトルのラベルのほか、「街ナカアート2021」のパンフレットなども再利用されていました。
それを後ろからライトアップすることで、綺麗なかぼちゃが出来上がります。
■ライブペイント「さくら〜昭和、平成、令和となっても美しい彩を描く。」
そして本日は、
「絵描き屋みかん」さんによるライブペイントも実施されました。
今年は
「さくら」をテーマに、4枚の屏風を描きました。
■ライブペイントに集まる子どもたち
このライブペイントを見かけて、
子どもたちも興味津々で集まってきました。
「絵描き屋みかん」さんによる
即席の「お花の書き方講座」がスタートです。
こういった
アーティストとの交流も、ライブペイントの醍醐味ではないでしょうか。
■「絵描き屋みかん」Instagram 完成作品
完成作品は「絵描き屋みかん」さんのInstagramに掲載されています。
4枚の屏風で、タイトルは
『さくら〜昭和、平成、令和となっても美しい彩を描く。』となっています。
■「絵描き屋みかん」さんと「office SOU」による開場装飾
また、
「コスギアート・ラ・ファブリカ2021」の開場装飾も、「絵描き屋みかん」さんと「office SOU」プロデュースで行われていました。
紙をカットしたモビールアートは、毎回恒例になっています。
特に今回は
ギャラリーにおいて光の演出も加わり、ワークショップと共に開催されていた「占い部屋」の幻想的な雰囲気をつくっていました。
■感染症防止対策
また今回は
新型コロナウイルス感染症の拡大による「まん延防止等重点措置」の適用期間中にあたり、イベント開催にあたってさまざまな感染症拡大防止対策が採られていました。
まずはイベント参加にあたっては
名前・電話番号・住所の記帳が必要で、万一の場合のトレーサビリティを確保していました。
勿論、
受付時点での検温や会場内でのマスク着用も必須です。
■こまめな消毒
また
ホールは入口・出口を分け、こまめに座席やドアの取っ手などの消毒を行っていました。
基礎的な感染症防止対策はどこでも必須になっていますが、
かなりまめに消毒をしているのが特徴だったと思います。
■来場者アンケート
最後に、ホール内で実施されていた
来場者アンケートをご紹介しましょう。
こちらはシールで簡単に回答できるようになっていまして、
皆さんイベントを楽しまれて「また来たい」とお感じになったようです。
コロナ禍でイベント開催がかなりの制限を受ける中、
「コスギアート・ラ・ファブリカ」は、アートを軸に「いまできる範囲」で楽しさや交流をはかるものとなっていました。
お子さんはもちろん、「昭和テイスト」の企画に大人の方も楽しまれたのではないでしょうか。
出演団体のやむを得ないキャンセルなどもありましたが、
難しい調整を乗り越えて無事に開催にこぎつけた、地域団体の皆さんの尽力があったことも、ここでお伝えしておきたいと思います。
【関連リンク】
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コスギアート・ラ・ファブリカ ウェブサイト
・
コスギアート・ラ・ファブリカ facebookページ
・
コスギアート・ラ・ファブリカ Instagram
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