本日、YBCルヴァンカップ (Jリーグカップ)の決勝戦「川崎フロンターレvs北海道コンサドーレ札幌」が埼玉スタジアム2002で開催されました。
両クラブとも初優勝をかけ、一歩も譲らない死闘が繰り広げられました。
川崎フロンターレの2-1リードで迎えた後半アディショナルタイム、ラストワンプレーのコーナーキックからの失点で同点に追いつかれ、試合は延長に突入。
延長戦前半に谷口彰悟選手がレッドカード退場となり、そのフリーキックを直接決められて窮地に陥ったものの、延長戦後半に小林悠選手のゴールで3-3に追いつきました。
延長戦を終えてそのまま決着がつかず、PK戦の結果川崎フロンターレが初のカップ戦タイトルを獲得しました。
■Jリーグtwitter ルヴァンカップ優勝決定の瞬間
#川崎フロンターレ 歓喜の瞬間をもう一度@frontale_staff
— Jリーグ (@J_League) 2019年10月26日
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川崎フロンターレはこれまでに2000年、2007年、2009年、2017 年と4回、ルヴァンカップ(旧ナビスコカップ)の決勝に進出しましたが、いずれも敗れて準優勝に終わっていました。
今回が5回目の挑戦で、ついに長年の呪縛を打ち破ることとなりました。
■ラゾーナ川崎プラザ・ルーファ広場での市民報告会
そして試合終了後、ラゾーナ川崎プラザのルーファ広場では、ルヴァンカップ優勝の市民報告会が開催されました。
市民報告会には川崎フロンターレの藁科社長や鬼木監督、負傷中等一部を除く選手たちが参加しました。
■報告を行う藁科社長
■3つ目のタイトルを獲得した鬼木監督
■小林悠キャプテンとルヴァンカップ優勝杯(Jリーグカップ)
優勝報告は、川崎フロンターレの藁科社長、鬼木監督、選手を代表して小林悠キャプテンが挨拶を行いました。
司会の方が「それでは、川崎フロンターレを代表として(鬼木監督から…)」と言いかけたところで、小林悠キャプテンが自分だろうとマイクに向かってしまい、いつもながらの天然ぶりに会場が笑いに包まれました。
■4度決勝に挑んだ中村憲剛選手
そして過去4回の準優勝のうち、3回を体験していたのが川崎フロンターレで17年目のシーズンを送るバンディエラ・中村憲剛選手です。
川崎フロンターレ一筋で長年タイトルに恵まれませんでしたが、2017 年にJ1リーグ初制覇しました。
2018年もJ1連覇しましたが、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグ、そしてルヴァンカップはまだ見ぬ頂でした。
これまでの敗退の記憶も含め、苦い記憶を洗い流す栄冠となったことでしょう。
■ケガから復帰して中盤のタクトをふるう大島僚太選手
■川崎フロンターレのルヴァンカップ初得点を獲得した阿部浩之選手
そして川崎フロンターレのこれまでの4度の決勝敗退は、いずれも無得点でした。
この試合は延長戦終了までで3-3でしたが、この3点が実にルヴァンカップ初得点だったわけです。
その1点目をこじあけたのが、阿部浩之選手です。
ゴール前でキーパーひとりを至近距離に迎え、冷静に股抜きのシュートを撃った技術は、今シーズンも健在です。
■延長前半にレッドカード退場となった谷口彰悟選手
■PK4人目で惜しくも失敗となった車屋紳太郎選手
マイクを渡されて少し困り顔で笑っていたのが、延長前半でレッドカード退場となった谷口彰悟選手と、PK4人目で惜しくも失敗となった車屋紳太郎選手です。
いずれも「敗北」を覚悟せざるを得ない窮地でしたが、一発勝負のトーナメント決勝は勝つことが全てです。
谷口選手は「すみません!」と頭を下げていましたが、サポーターからは両選手に温かい声援が寄せられていました。
■MVPの新井章太選手
そしてこのルヴァンカップで欠かせない存在となったのが、ゴールキーパーの新井章太選手です。
川崎フロンターレにおいては、元韓国代表のチョン・ソンリョン選手が正ゴールキーパーの座を占め、今シーズン途中まで新井章太選手の出場機会は限られたものでした。
しかしそれでも新井章太選手は腐らず、常にスターティングメンバーでもスクランブル交代でも出場できるよう鍛錬を続けました。
そして今季ソンリョン選手の不調もあって、ついにシーズン終盤にスターティングメンバーの座を掴みました。
本日の決勝は天国と地獄が反転し続けるシーソーゲームとなり、最後はPKとなりました。
PK成功が続いた4人目先攻、車屋紳太郎選手のシュートがバーを叩いた瞬間に万事休すと思われましたが、北海道コンサドーレ札幌の5人目、6人目を新井章太選手が連続セーブし、川崎フロンターレの勝利となりました。
同選手がMVPに選出されたとき、これまでの苦労が報われた思いに涙したサポーターも多かったようです。
■ルヴァンカップ優勝杯(Jリーグカップ)を掲げる
ルヴァンカップ優勝杯をサポーターの皆さんと一緒に掲げて、ラゾーナ川崎プラザは歓喜に包まれました。
ルヴァンカップ決勝は中立地帯の埼玉スタジアムです。スタジアムの興奮が他に代えられないのは勿論ですが、地元・川崎での報告会はまた良いものです。
■藁科社長が優勝賞金の一部を台風19号被災地への支援にあてることを表明
今回の報告会において、多くの選手が言葉にしていたのは、川崎市内、ホームグラウンドの武蔵小杉周辺にも大きな被害をもたらした台風19号で被災された方への思いでした。
報告会の最後に、藁科社長から、今回のルヴァンカップ優勝賞金(1億5,000万円)の一部を台風19号の被災地支援に充てることが表明されました。
これは「今決定しました」ということで、詳細は未定ですが、いずれしかるべく発表されるものと思います。
■ルヴァンカップ仕様のふろん太と、コムゾー
■同じく、カブレラ
今季4冠を目指した川崎フロンターレは、AFCチャンピオンズリーグ、天皇杯を落としてルヴァンカップでまず1冠。
残るはJ1リーグで、まだ5試合があります。
首位との勝ち点差はかなり厳しいのは事実ですが、本日のルヴァンカップ決勝同様、最後まで諦めずに戦っていくことが大切と思います。
【関連リンク】
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