2014年
09月07日

川崎市が「日本医科大学武蔵小杉再開発計画」に関するアンケート結果を発表

武蔵小杉再開発

川崎市が「武蔵小杉駅周辺開発計画に関する意向調査」のアンケート結果を取りまとめ、川崎市のウェブサイトに報告書を掲載しました。

■川崎市　武蔵小杉駅周辺開発計画に関するアンケートの結果について
http://www.city.kawasaki.jp/500/page/0000060732.html

これは、日本医科大学武蔵小杉病院跡地の再開発計画について、中原区民の幅広い意見を集約することを目的としたものです。

■武蔵小杉駅北口地区再開発マップ

■B街区・C街区の断面イメージ

日本医科大学武蔵小杉病院および同大学新丸子キャンパスは移転・建て替えを予定しており、その跡地には三菱地所レジデンスによる180m程度のツインタワーマンションが建設されることが計画されています。

川崎市及び事業者としてはこの日本医科大学再開発について、通常の環境アセスメントよりも早期の段階で地域の意見を受け付けることとしており、2014年2月12日および本日15日に本事業の地元向け説明会が行われました。

この説明会参加者を対象としたアンケートが行われましたが、これは近隣町内のみを対象としたものでした。
今回川崎市が行ったアンケートは、中原区全体から無作為に2,000人を抽出し、そのうち479名から回答を得たものです。

このアンケートの質問事項は、回答者の属性に関するものを除き、以下の3点です。

１．Ｃ街区（現在の病院敷地）に計画されている建物の低層部には、店舗やサービス施設
などの導入が想定されていますが、具体的には、どのような用途が望ましいとお考えで
すか。該当する項目にチェックをお願いします。（複数でも結構です）

２．建物以外のオープンスペースには、どのような機能の導入が望ましいとお考えですか。
該当する項目にチェックをお願いします。（複数でも結構です）

３．その他、当開発に関するご要望などが御座いましたらご記入願います。

これらの質問に対する回答は、抜粋すると以下の通りです。

■質問１　希望する店舗やサービス施設の回答
＜医療・福祉・健康増進施設＞
質問１　希望する店舗やサービス施設の回答＜医療・福祉・健康増進施設＞

＜物販・飲食店舗・サービス店舗＞
質問１　希望する店舗やサービス施設の回答＜物販・飲食店舗・サービス店舗＞

再開発ビルに希望する店舗やサービス施設については、「保育所」「飲食店」「書店」「スーパーマーケット」などが高い支持を集めることになりました。

「保育所」は、まさに武蔵小杉駅周辺の街の課題ですね。
「飲食店」「書店」は、店舗のアンケートを取ると大体上位にくるのではないかと思います。

かつては武蔵小杉タワープレイスに文教堂がありましたが閉店してしまい、現在では北口には新丸子まで行かないと書店がありません。
そのあたりも、アンケートで上位に入った要因かと思います。

■質問２　オープンスペースに希望する機能

オープンスペースに求める機能としては「豊富な緑化空間」「災害発生時の避難場所」「子供が遊べる広場」が上位になりました。

現在の日本医科大学グラウンドには、見事なソメイヨシノが立ち並んでいますが、再開発によってどうなるかはわかりません。
建物の高層化とオープンスペースの提供はトレードオフの関係にあり、事業上の制約はあるのでしょうが、最大限地域に寄与するものになれば良いと思います。

質問３は自由記載で、200人から367件のさまざまな意見が提出されています。

回答内容は幅広く拡散していますので全体をまとめることは難しいのですが、前掲の川崎市の資料では以下が「主な意見」として要約されています。

■質問３　自由意見の主な回答（※川崎市による要約）
＜医療・福祉・健康増進施設に関すること＞
・保育所の整備
・医療機能の充実等
＜オープンスペースに関すること＞
・緑地の整備
・駐輪場の整備等
＜開発計画全般に関すること＞
・高層住宅建設に反対
・ビル風への懸念・対策の要望
・高齢者に優しいまちづくり
・子育て環境の整備
・歩道の整備、バリアフリー化
・人口増が不安、鉄道等公共インフラのキャパシティ不足等

このうち最も多かったのは、「高層住宅建設に反対」（31件）でした。

全回答者数が479名ですから、約6.5%の方が自由記載で記述されたことになりますね。

川崎市としては、今回のアンケート結果をもとに、以下の考え方で開発計画を策定していくこととしています。

■アンケート結果を踏まえた開発計画策定の考え方
・子育て世帯が増加している小杉駅周辺地区の特徴に対応した「子育て支援機能の整備、充実」を図る。
・超高齢化社会に対応するための「医療・福祉施設の整備」を図る。
・「緑地・広場の創出」や「防災機能の強化」等を図る。
・物販・飲食店舗・その他サービス施設については、アンケート結果に加え、地元商店街等の意見、事業性を踏まえながら、機能導入を図る。
・自由意見の中でビル風などの開発に伴う懸念事項もあることから、周辺環境に配慮した計画とするとともに、事業者との調整を図る。

また今後のスケジュールは、以下の通りです。

▼想定スケジュール
・2014年～2015年：環境アセスメント手続き
・2015年：都市計画決定
・2016年：B街区（日本医科大学病院）着工
・2018年：B街区（日本医科大学病院）完成
・2019年：C街区（ツインタワー）着工
・2022年：C街区（ツインタワー）完成
※スケジュールは想定であり、変更される可能性があります。

現状のスケジュールからすると、本年度から来年度にかけてのどこかの段階でアンケート結果も踏まえた環境アセスメント手続きに入ることになりそうです。

ここまでの地元説明会や区民アンケート等は事業者や川崎市が任意で行っているものですが、環境アセスメント以降は法定の行政手続きとなります。

環境アセスメントにおいては、またあらためて所定の説明会等が行われることになるでしょう。

■日本医科大学武蔵小杉病院・新丸子キャンパス用地

Comment(6)

6 コメント

1.無題

予言者さん
(2014/09/08 00:24)
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武蔵小杉、マンションが林立して、
このままでいくと、第３の高島平団地となるでしょう。

第２の高島平団地は、豊洲です。朝日新聞に特集記事ありました。
豊洲は、やがては高島平のように、高齢者人口割合がとびぬけて高く、
活気の失せた街になると予想される。
http://www.asahi.com/articles/ASG850HV2G84ULFA03F.html

マンションは、事実として、デベ主体の売り逃げであり、
買った住人は、多くの場合、一世代住んで終わりです。
その後は老人の町と化し、更には閑散とした箱ものだけ残ります。

一方、大規模再開発されない街は、地味ながら
緩やかな世代入れ替わりが継続する。ゴーストタウン化しない。

武蔵小杉は、華々しいのは今後１０年ほどで、その後が怖いです。

どうでしょうね

武蔵小杉ライフ運営委員会
(2014/09/08 23:35)

予言者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

川崎市の人口推計もすぐに上方修正されたり、専門家が予想してもなかなか難しいものですね。
私も素人ですので何とも言えないというのが正直なところですが、感覚としては、予言者さんの予想とは意見を異にする部分もあります。

人口減少の時代にあって、今後は都市間競争が激化していきます。その中で大規模開発されない地域は世代が入れ替わる、というのは果たしてどうかしら、と思いました。
成熟したブランドのある地域なら別ですが^^;

2.小杉の未来

小杉さんさん
(2014/09/08 02:18)
[Edit]

高島平が衰退した理由はズバリ、誰も高島平に用がなかったからです。
数ある商業施設は全て地区内の住民向けのもの。鉄道は1路線のみ、駅は終着駅で電車に乗っている人は100%住民。これでは住民の新陳代謝が起こりようもない。

豊洲が第2の高島平だと揶揄する向きもあるようですが、豊洲はららぽーとがあり、市場も移転し、懸命に人が来る街になろうとしています。

武蔵小杉も同様で、外から人を呼べるようになろうと街作りの真っ只中です。
さらに小杉が前出の2箇所と異なるのは、乗換駅として多数の人の流れがあることですね。乗り換え需要があるということはそこからどこかに移動する人が多数いるということで、住民の入れ替わりが途絶えることはないのではないかと考えていますが、甘いでしょうか？

どちらも

武蔵小杉ライフ運営委員会
(2014/09/09 00:42)

小杉さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

年齢層の偏りもたしかにあると思います。
その一方で、都市として発展することがプラスに働くことも、ご指摘の通り間違いなくあると思いますね。

今後商業施設だけでなく、文化的な面でも成熟していくことが必要かと思います。

3.そんなに・・・

チキン南蛮さん
(2014/09/08 10:01)
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そんなに高層住宅を次々と建てなければならないほどの需要があるんでしょうか・・？
私はゴーストタウン云々よりも、そっちの方が疑問ですね。
世の中、そんなに高層マンションに住みたい人ばかりなのか？小杉に住みたい人ばかりなのか？と。

子育て世代向け、と言っても、保育所作れば万事解決というわけではなくて、小学校や中学校の整備も十分でなくて、もう既に歪が出始めてますよね？（建て替えて間もないのにキャパシティオーバー等）
子育て世代だったら、尚更、子供が進学するかもしれない小学校の状況、中学校の状況はある程度見越して住居を考えると思うんですよね。（分譲ならば。）
市外の私立があるなんて言っても、通学できる範囲には限度もありますし。
・・・ここで言っても仕方ないことなんですが（苦笑）。

どこまで川崎市が本気かは知りませんが・・

＞超高齢化社会に対応するための「医療・福祉施設の整備」を図る。

を考えるのなら、いっそのこと、タワーのうち１つを半分くらいの高さにして、老齢者向けの住宅にしたら？と思います。
医療機関も近くにあって（別途連携は必要でしょうが）、交通の便が良い分、別居の親族でも比較的遊びに来やすいでしょうし、本人も不便な場所にいるよりも外出もしやすくなるでしょう。
将来的に増え続けるのですから、需要もあるでしょう。（ある程度の年数で、住人の入れ替わりもあるわけですし。）
福祉系の学校と連携して、実習なんかも出来るかもしれない。

具体性のない妄想ですね・・・(^^ゞ

妄想ありです

武蔵小杉ライフ運営委員会
(2014/09/09 00:53)

チキン南蛮さん、お久しぶりです。

妄想でもアイデア、私は良いと思います。
何でも頭から否定せずに、街づくりの中でいろいろ検討できればいいですよね。

実際には日本医科大学の資金繰りなどの経営の現実もあり、移転・建替えに乗ってくるデベロッパーの意向もあり、なかなか思った通りにはいかないのは確かですが…^^;

そういう意味では、アセスメントの段階の「少し前」から意見を聞くこと自体は悪くないのですが、「一からのアイデア」を検討するには遅すぎるんですよね。
実際にはツインタワーマンションという「青写真」は固まっているわけですから^^;

4.無題

NONAMEさん
(2014/09/08 12:07)
[Edit]

タワーマンションもう、お腹いっぱいです。
建てても良いけど、保育園だけでなく、幼稚園や小学校、中学校を期間限定で良いから北口の施設に入れて、越境入学オッケーにしたら、皆、納得かな。電車を増やしたり、電車の改札口を増やして(特に横須賀線の改札口はデリド辺りまで並んでいる)くれないと、住みづらい街ランキングに入ってしまいそうです。
好き勝手なことを言ってすみません。
最近、道も渋滞するようになってきましたよね。グランツリー工事前に消防署のとこの右折→信号を使えるようにしてほしいです。

AERA

武蔵小杉ライフ運営委員会
(2014/09/09 07:47)

こんにちは、コメントありがとうございます。

少し前のAERAの特集で、武蔵小杉がママに優しい街として紹介されていました。
首都圏の街を様々な指標でランキングするもので、武蔵小杉は保育所数が多いので上位になっていたものでした。

確かに小規模認可保育所等がどんどんできていますので、ランキング上はそうなります。

週刊でいちいち指標の深読みまでしていたら編集はやっていられないのでしょうが、ちょっと驚いた記事でした^^;

5.無題

NONAMEさん
(2014/09/08 16:04)
[Edit]

私もこんなにタワーマンション建てる必要あるの？と疑問です。
小杉には雨でも子供が身体を動かして遊べる場所がなくて困ります。子供文化センターもありますが思いっきり動くと言うよりは座ってゲームしている子供ばかりです。
等々力にまで行けば良いのかもしれないですが、身近な場所に欲しいですね。

オープンスペース

武蔵小杉ライフ運営委員会
(2014/09/09 08:41)

こんにちは、コメントありがとうございます。

武蔵小杉はすでに過密ですので、高層化と交換条件の公開空地化でもしないとスペースが創出できないというのはあるかもしれません。
北口のコンベンション施設や庭園もそういう手法でしたね。

ただ、タワーマンションにお腹一杯感があるというのは、確かによく聞きます。

子ども文化センターは再開発で建て替えになります。
子どもたちが座ってゲームばかり…、というのは箱が変わったら変わるものかどうか、ちょっと別問題かもですね^^;

6.無題

NONAMEさん
(2014/09/08 20:55)
[Edit]

日本医大の建替えの件で前から気になっているんですが病院の建替先の敷地って今の敷地に比べてかなり狭くないですか？
高層化して対応するんでしょうが今の病棟でも５階建ての建物が３棟立っているだけにそれが１棟になると、病院の規模的にどうなるのかちょっと心配です

確かに

武蔵小杉ライフ運営委員会
(2014/09/09 08:20)

こんにちは、コメントありがとうございます。

新病院は高さ45m程度とされています。
階数は10階から12階くらいにはなるのではないでしょうか。

ただ確かに、病院の規模（機能）面はあまり説明されていませんね。
地域の医療を支えていますので、大切なポイントかと思います。