武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2012年
05月18日

「(仮称)小杉町二丁目開発計画」の条例環境影響評価準備書説明会

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2012年5月18日に、「(仮称)小杉町二丁目開発計画」の条例環境
影響評価準備書に関する説明会が開催
されました。
昨日は付随的な情報として、ホテル・ザ・エルシィ跡地に180m級の
タワーが建設される計画であることをお伝えしましたが、今回は
本題の同計画についての内容をまとめたいと思います。

■「(仮称)小杉町二丁目開発計画」イメージパース
「(仮称)小杉町二丁目開発計画」イメージパース

今回の説明会は、基本的に同計画による環境への影響予測と、
その対応策等についての説明
を行うもので、開発事業そのものに
ついての内容はそう多くはありません。ほぼこれまでに本ブログで
お伝えしている範囲になります。

ただ、その中でも多少の情報がありましたので、その部分のみ
ピックアップしてご紹介します。

■説明会内で新たに取り上げられた情報
○ペデストリアンデッキには部分的に屋根を設置
○建物内に、町内会用の集会施設を整備
○子育て支援機能を有した地域貢献施設を整備
○公共的駐輪場を整備
○炊き出しができるかまどベンチを整備
○マンホールトイレを整備
○蓄電池付ソーラー街路灯を整備


大体このようなところで、大きく分けて「地域コミュニティ機能」と
「災害時対策」
がアピールされていました。
過去エントリでもお伝えしたペデストリアンデッキ、低層部の屋上
庭園などは地域に公開されたもので、今回はそれに加えて町内会
用の集会施設、子育て支援機能を有した地域貢献施設を建物内に
整備
することが説明されました。
これらは、地域コミュニティのための機能ということになります。

また、かまどベンチ、マンホールトイレは、災害時に活用されるもの
ですね。
通常はベンチやマンホールとして機能しているものが、災害時には
炊き出し用のかまど、トイレとして使用できる仕組みです。
最近の
分譲マンションでは、一部で取り入れられるようになってきました。

■かまどベンチ(事例)
かまどベンチ

■マンホールトイレ(事例)
マンホールトイレ(事例)

これらは実際のかまどベンチ、マンホールトイレの事例です。
パークシティ武蔵小杉 ザ・グランドウイングタワーなども「防災」を
マンション販売上のキーワードにしていますし、購買者の意識が
震災以降に大きく変わってきたことを反映
しています。

       ※       ※       ※

続いて、今回の説明会での質疑応答の要旨をまとめたいと思い
ます。

過去の説明会でのレポート同様、以下はあくまでも要旨であり、
実際の話し方等を正確にトレースしたものではありません。重複
部分等は適宜割愛していますので、あらかじめご了承くだい。

<「(仮称)小杉町二丁目開発計画」説明会質疑応答の要旨>

▼質問①
日照については、他の計画もあわせた日照図も出してほしい。

⇒他の事業は得られる情報が限られており、わずかな建物形状の
違いで日影に差が出るため責任を持てず、提示することは難しい。

▼質問②
景観については、小杉町二丁目にとってどうなるのかがわかる
アングルで出してほしい。

⇒市の技術指針があり、一般に人が滞留する場所で景観を想定
することになっているため、主として交差点等が選定されることになる。

▼質問③
日照について、夏至で1時間程度になることについてどう納得させ
るのか。

⇒夏至で1時間の日照になることはないものと考えている。冬至で
8時間のうち5時間が日影、3時間が日照となる場所があるが、
道路上など、人の居住地ではない地点である。日照は人によって
影響が異なるため、個別にご確認いただき、ご意見を承りたい。

▼質問④
工事中の騒音や大気質などの確認はどうするのか。住民が確認
できるようにしてほしい。基準を超えたら工事を止められるのか。

⇒各項目についてご確認はできないが、工事の朝礼等で注意する
よう周知していきたい。工事現場でよく見られる、騒音の測定器は
設置する予定である。大気質の測定は現地で行い、川崎市に報告を
行うが、これに問題ありということであれば川崎市から指導が行わ
れるものと考えている。基準値の超過については、例えば南武
沿線道路の騒音は現状でも基準値を超えている状態である。
基準値を超えたことによって工事を停止するということではなく、
低減する努力をしていくということでご理解いただきたい。

▼質問⑤
風害について、「居住に適している」とされる武蔵小杉タワープレイス
前と同じレベル(領域B、C)の地点があるが、タワープレイス前が
居住に適しているとは自分は感じていない。領域Aを目指して
ほしい。500分の1の風洞実験で人間の大きさの風の影響が測定
できるのか。

⇒領域Aを目指して風害対策を検討してきた。他の開発事業とも
情報交換を行っている。現在の計画地においても領域Bの地点が
あり、本事業において風害が悪化するとは必ずしもいえない。風洞
実験は一般的とされる手段を用いて行っている。

▼質問⑥
事後のアセスメントについて、より多くの項目について、長期に渡って
測定してほしい。

⇒アセスメントの測定項目については、施工時は大気質、供用時は
風害、3年後に緑の生育などについて測定を行い、川崎市の専門化
が判断することになる

▼質問⑦
コミュニティの形成というが、日照の問題などで周辺地域の魅力が
薄れ、人が出て行ってしまうのではないかと思われる。本事業により、
地域コミュニティが壊されてしまうのでは。

⇒こういった開発事業を行う際、既存の地域コミュニティとなかなか
融合されないというのは、現実に聞く話だ。本事業では、是非新たに
お住まいになる方と、地域コミュニティの融合をはかっていきたい。
入居者には町内会への加入を促し、また建物自体にも町内会の
集会施設や屋上庭園など、人が集まれる場所を設けている。

▼質問⑧
近隣に学校などもあるが、子どもたちの安全対策はどうなっているか。

⇒工事前には、再度説明会を実施する予定であり、もちろん安全
対策は徹底していきたい。

▼質問⑨
本事業の工事スケジュールはどうなっているか。

⇒2013年5月から2016年末まで、およそ3年半の工期を予定している。

▼質問⑩
川崎市の都市計画マスタープランに、この地区に高層ビルの話は
一切無かった。川崎市は嘘をついたということをここで申し伝えて
おきたい。190mとは想像が付かないが、アドバルーンのようなものを
上げるなどして高さをこの目で実感できるようにしてほしい。

⇒パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーより少し低い高さである
ので、そちらをご覧いただければおおよそ実感できるのではないか。
武蔵小杉タワープレイスで半分程度の高さとなる。

<以上、質疑応答終わり>


その他、本説明会で収集された個人情報の取扱に関する質問、
要望
も複数あったのですが、それは事業そのものとは直接関わりが
無いため、ここでは割愛させていただきます。

質問事項全体を見ると、やはり190mのタワーが立つ影響を懸念
される内容
が多くなっています。
本事業ではエントリ冒頭で挙げたような地域貢献施設もありますが、
超高層ツインタワーが既存住宅街に隣接して登場することについて、
お住まいの方がご懸念されるのは無理からぬところかと思います。

本事業の環境アセスメントでは、「武蔵小杉では同時期に進められ
ていく開発事業の高層建築物が立ち並ぶことにより、ツインタワーが
それらの高層ビルと調和した街並みになる」
というロジックが用いられ
ていました。
このあたりは、個人によって意識が違いますので一概には言えま
せんが、少々意外なロジックでした。

今後は工事説明会等も行われるかと思いますが、工事中の安全
対策も含めて、丁寧な検討と説明が望まれますね。

■JX日鉱日石エネルギー社宅
JX日鉱日石エネルギー社宅

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