武蔵小杉住宅展示場跡地で地盤調査が開始、住友不動産が開発計画「キヤノン小杉事業所」近接地で新たな動き
中原区今井上町の旧住宅展示場跡地(旧東急テクノシステム跡地)で、地盤調査(ボーリング調査)が着手されました。
地盤の性質や強さを調べるものであり、当該用地において何らかの建設計画を検討するものと思われます。
■旧武蔵小杉住宅展示場跡地で地盤調査開始、住友不動産が開発「キヤノン小杉事業所」近接地に動き
■中原区今井上町の旧東急テクノシステム跡地
南武沿線道路沿い「今井上町交差点」の角地は、もともと東急テクノシステムの工場でした。
それが2010年9月11日にリクルートの「SUUMO武蔵小杉住宅展示場」となり、運営の変更で2017年8月1日に「武蔵小杉住宅展示場」になりました。
「武蔵小杉住宅展示場」も2025年5月11日に営業終了し、その南側4割ほどの敷地が時間貸し駐車場「トラストパーク川崎今井上町」に転換されています。
■敷地南側4割ほどの「トラストパーク川崎今井上町」
こちらが、敷地南側4割ほどの「トラストパーク川崎今井上町」です。
オープン当初、1日最大料金700円でしたが、その後需要も高まってきたようで1日最大料金900円まで値上がりしています。
■敷地北側6割ほどの遊休地
そしてこちらが、敷地北側6割ほどの遊休地です。
土煙が舞わないよう、シートがかぶせてありました。
■地盤調査(ボーリング調査)
そして先日よりこの遊休地で、地盤調査(ボーリング調査)が着手されました。
工事用の仮囲いの中で、やぐらのようなものが組まれている光景は、ご覧になったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで地盤調査(ボーリング調査)について、ご説明しておきましょう。
ボーリング(boring)には「穴を掘る」という意味があります。
端的に申し上げると「地面に細い穴を深く掘り進め、土の性質や硬さを直接調べる作業」ということになります。
建物を建てる前には、その土地がどれくらいの重さに耐えられるか、地盤の強さを知る必要があります。軟弱な地盤にそのまま重い建物を建ててしまうと、将来的に傾きや沈下が発生するリスクがあるからです。
■「ボーリング調査」の説明図

現地では、主に次の2つのことを同時に行っています。
■土のサンプル採取
専用の筒状の器具を地中に打ち込み、それぞれの深さにある「生の土」をそのまま抜き出します。これによって、地下にどのような種類の土(砂、粘土、岩など)が、どのくらいの厚さで積み重なっているのかを肉眼で確認します。
■地盤の硬さを測る(標準貫入試験)
ボーリング調査の中で最も重要なのが、この硬さを測るテストです。
重さ63.5キログラムのハンマーを76センチメートルの高さから自由落下させ、調査用の器具を地中に30センチメートル打ち込むのに「何回叩いたか」を数えます。
この叩いた回数のことを専門用語で「N値」と呼び、これが小さいほど軟弱地盤、大きいほど硬い地盤ということになります。
少ないN値(数回など)でどんどん深くまで打ち込めてしまうということは、地盤が柔らかいというわけですね。
そういった地盤では、建物を支えるには不安定です。
高層マンションなどの大きな建物を建てる際は、このN値が50以上を超えるような、非常に強固な地盤(支持層)が地下のどの深さにあるかを見極めることが不可欠になります。
地表近くの地盤が軟らかい場合は、硬い地盤につきあたるところまで届くように杭を深く打つかたちになりますし、比較的浅いところに硬い地盤があるのであれば、また違う構造が検討できます。
つまり地盤調査(ボーリング調査)の結果によって、どんな建物をどのような構造で建てられるのかが変わってくるというわけですね。
この土地をどう活用できるのか、検討段階ということになるでしょう。
■住友不動産が取得し、マンション開発を進める今井上町のキヤノン小杉事業所

今回の対象用地(旧東急テクノシステム跡地)と道路を挟んで近接地にあたる、中原区今井上町の「キヤノン小杉事業所」の用地を住友不動産が2025年12月23日付で取得し、2027年以降に同事業所を解体したうえでマンション開発を行うことを弊紙では5月26日の記事でお伝えしておりました。
こちらは現在すでにキヤノンのこれだけの建物を建設していますから、その建設段階で地盤の調査は行われていたのではないかと思います。
■東急テクノシステムの工場時代の建屋

それに比べますと、今回の対象用地はもともと東急テクノシステムの工場で簡易な建屋しかなく、そののちも住宅展示場として戸建て住宅を一時的に建てていただけですから、地盤は未調査であったと考えられます。
■東急テクノシステム跡地北側「ガーデンティアラ武蔵小杉」

■東急テクノシステム跡地東側「アルス武蔵小杉」
もっとも、東急テクノシステム跡地の北側には地域でも最大規模のマンション「ガーデンティアラ武蔵小杉」が建っていますし、東側にも東急不動産分譲の「アルス武蔵小杉」と一定規模の建物ができています。
東急テクノシステム跡地だけ急に軟弱地盤ということもなさそうですが、こればかりは検証してみなければわかりませんね。
東急テクノシステム跡地での地盤調査は、複数個所に渡って実施するようですので、多少の場所の違いでも差異が出る可能性もあるのでしょう。
いずれにしても、これだけの規模の土地が未活用のまま残るということはありえず、地盤調査の上で、何らかの建造物の建築を伴う事業が進められていく、ということかと思います。
なお、この土地はもともと東急テクノシステムが保有していましたが、2010年3月30日に同じ東急グループの「東急建設」が取得していました。
同社は土木・建築だけでなく、不動産賃貸や開発事業なども行っています。
少なくとも2025年時点でも東急建設が継続保有しており、2026年直近でのアップデート調査はしていませんが、どのような土地利用をするにせよ、このような貴重な大規模用地をあえて東急グループ外に売却することは、キャッシュに困らない限りは考えにくいように思います。
■トラストパーク川崎今井上町にはLUUPのステーションも

■現在も一部が残る東急テクノシステムの整備工場

■周辺マップ
【関連リンク】
・トラストナビ トラストパーク川崎今井上町
・2008/7/6エントリ 今井上町の東急テクノシステムが移転
・2010/5/10エントリ 東急テクノシステム跡地にSUUMO武蔵小杉住宅展示場を建設
・2010/9/11エントリ 「SUUMO住宅展示場武蔵小杉」本日オープン
・2017/8/1エントリ さよなら、スーモ星人。「SUUMO住宅展示場武蔵小杉」がサービス終了、本日8月1日より「武蔵小杉住宅展示場」としてリニューアルオープン
・2025/5/2エントリ 今井上町の大規模用地「武蔵小杉住宅展示場」が2025年5月11日営業終了、東急テクノシステム工場から「SUUMO時代」経て15年
・2025/8/3エントリ 今井上町・武蔵小杉住宅展示場跡地の一部が「トラストパーク川崎今井上町」に、残り6割は更地
・2025/9/4エントリ 武蔵小杉住宅展示場跡地に時間貸し駐車場「トラストパーク川崎今井上町」オープン、川崎フロンターレ試合日はサポ車で盛況に
・2026/5/26エントリ 武蔵小杉「キヤノン小杉事業所」を住友不動産が取得、2027年以降事業所閉鎖・解体しマンション開発へ
地盤の性質や強さを調べるものであり、当該用地において何らかの建設計画を検討するものと思われます。
■旧武蔵小杉住宅展示場跡地で地盤調査開始、住友不動産が開発「キヤノン小杉事業所」近接地に動き
■中原区今井上町の旧東急テクノシステム跡地
南武沿線道路沿い「今井上町交差点」の角地は、もともと東急テクノシステムの工場でした。
それが2010年9月11日にリクルートの「SUUMO武蔵小杉住宅展示場」となり、運営の変更で2017年8月1日に「武蔵小杉住宅展示場」になりました。
「武蔵小杉住宅展示場」も2025年5月11日に営業終了し、その南側4割ほどの敷地が時間貸し駐車場「トラストパーク川崎今井上町」に転換されています。
■敷地南側4割ほどの「トラストパーク川崎今井上町」
こちらが、敷地南側4割ほどの「トラストパーク川崎今井上町」です。
オープン当初、1日最大料金700円でしたが、その後需要も高まってきたようで1日最大料金900円まで値上がりしています。
■敷地北側6割ほどの遊休地
そしてこちらが、敷地北側6割ほどの遊休地です。
土煙が舞わないよう、シートがかぶせてありました。
■地盤調査(ボーリング調査)
そして先日よりこの遊休地で、地盤調査(ボーリング調査)が着手されました。
工事用の仮囲いの中で、やぐらのようなものが組まれている光景は、ご覧になったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで地盤調査(ボーリング調査)について、ご説明しておきましょう。
ボーリング(boring)には「穴を掘る」という意味があります。
端的に申し上げると「地面に細い穴を深く掘り進め、土の性質や硬さを直接調べる作業」ということになります。
建物を建てる前には、その土地がどれくらいの重さに耐えられるか、地盤の強さを知る必要があります。軟弱な地盤にそのまま重い建物を建ててしまうと、将来的に傾きや沈下が発生するリスクがあるからです。
■「ボーリング調査」の説明図

現地では、主に次の2つのことを同時に行っています。
■土のサンプル採取
専用の筒状の器具を地中に打ち込み、それぞれの深さにある「生の土」をそのまま抜き出します。これによって、地下にどのような種類の土(砂、粘土、岩など)が、どのくらいの厚さで積み重なっているのかを肉眼で確認します。
■地盤の硬さを測る(標準貫入試験)
ボーリング調査の中で最も重要なのが、この硬さを測るテストです。
重さ63.5キログラムのハンマーを76センチメートルの高さから自由落下させ、調査用の器具を地中に30センチメートル打ち込むのに「何回叩いたか」を数えます。
この叩いた回数のことを専門用語で「N値」と呼び、これが小さいほど軟弱地盤、大きいほど硬い地盤ということになります。
少ないN値(数回など)でどんどん深くまで打ち込めてしまうということは、地盤が柔らかいというわけですね。
そういった地盤では、建物を支えるには不安定です。
高層マンションなどの大きな建物を建てる際は、このN値が50以上を超えるような、非常に強固な地盤(支持層)が地下のどの深さにあるかを見極めることが不可欠になります。
地表近くの地盤が軟らかい場合は、硬い地盤につきあたるところまで届くように杭を深く打つかたちになりますし、比較的浅いところに硬い地盤があるのであれば、また違う構造が検討できます。
つまり地盤調査(ボーリング調査)の結果によって、どんな建物をどのような構造で建てられるのかが変わってくるというわけですね。
この土地をどう活用できるのか、検討段階ということになるでしょう。
■住友不動産が取得し、マンション開発を進める今井上町のキヤノン小杉事業所

今回の対象用地(旧東急テクノシステム跡地)と道路を挟んで近接地にあたる、中原区今井上町の「キヤノン小杉事業所」の用地を住友不動産が2025年12月23日付で取得し、2027年以降に同事業所を解体したうえでマンション開発を行うことを弊紙では5月26日の記事でお伝えしておりました。
こちらは現在すでにキヤノンのこれだけの建物を建設していますから、その建設段階で地盤の調査は行われていたのではないかと思います。
■東急テクノシステムの工場時代の建屋

それに比べますと、今回の対象用地はもともと東急テクノシステムの工場で簡易な建屋しかなく、そののちも住宅展示場として戸建て住宅を一時的に建てていただけですから、地盤は未調査であったと考えられます。
■東急テクノシステム跡地北側「ガーデンティアラ武蔵小杉」

■東急テクノシステム跡地東側「アルス武蔵小杉」
もっとも、東急テクノシステム跡地の北側には地域でも最大規模のマンション「ガーデンティアラ武蔵小杉」が建っていますし、東側にも東急不動産分譲の「アルス武蔵小杉」と一定規模の建物ができています。
東急テクノシステム跡地だけ急に軟弱地盤ということもなさそうですが、こればかりは検証してみなければわかりませんね。
東急テクノシステム跡地での地盤調査は、複数個所に渡って実施するようですので、多少の場所の違いでも差異が出る可能性もあるのでしょう。
いずれにしても、これだけの規模の土地が未活用のまま残るということはありえず、地盤調査の上で、何らかの建造物の建築を伴う事業が進められていく、ということかと思います。
なお、この土地はもともと東急テクノシステムが保有していましたが、2010年3月30日に同じ東急グループの「東急建設」が取得していました。
同社は土木・建築だけでなく、不動産賃貸や開発事業なども行っています。
少なくとも2025年時点でも東急建設が継続保有しており、2026年直近でのアップデート調査はしていませんが、どのような土地利用をするにせよ、このような貴重な大規模用地をあえて東急グループ外に売却することは、キャッシュに困らない限りは考えにくいように思います。
■トラストパーク川崎今井上町にはLUUPのステーションも

■現在も一部が残る東急テクノシステムの整備工場

■周辺マップ
【関連リンク】
・トラストナビ トラストパーク川崎今井上町
・2008/7/6エントリ 今井上町の東急テクノシステムが移転
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