2019年10月12日(土)から13日(日)にかけて、大型で勢力の強い台風19号が首都圏を通過して各地で被害をもたらしました。
武蔵小杉周辺においては、多摩川は堤防ぎりぎりまで増水したものの、氾濫は二子玉川付近での発生にとどまり、川崎側においては堤防が持ちこたえたかたちになりました。
しかしながら武蔵小杉駅東口の再開発地区から上丸子山王町、下沼部付近にかけて降雨量が処理能力を超え、局地的な冠水状態が発生しました。
これにより、一部のマンションでは停電や断水などが生じています。
また、JR武蔵小杉駅(新駅)では設備故障が発生し、横須賀線は運転再開したものの武蔵小杉駅は利用できず、同駅は通過するかたちでの運行となりました。
※なお、本エントリの写真は全て当該地域にお住いの複数の方から提供されたものです。
■冠水したJR武蔵小杉新駅ロータリー
※提供写真、以下同じ
まずこちらは、冠水時のJR武蔵小杉新駅前のロータリーです。
このロータリーは地形として周囲より少し下がったようになっていまして、水が溜まりやすかったかと思います。
写真の通り、泥水で広範囲にわたって冠水していました。
■駐輪場内の冠水
■自転車で通行する方も
そんな中、自転車で冠水したロータリー前を通行する方もいらっしゃいました。
車輪が半分ほど水中にありますので、水の深さがわかります。
■グランツリー武蔵小杉前の冠水
冠水は武蔵小杉新駅前だけでなく、グランツリー武蔵小杉や、武蔵小杉駅東口のパークシティ武蔵小杉周辺にも広がっていました。
上記はグランツリー武蔵小杉前の道路で、こちらも川のようになっていました。
武蔵小杉駅東口の泥水で、浮き輪等で遊んでいた方も複数いらっしゃったようですが、この水は下水からの細菌等が含まれている可能性があります。
感染症予防の観点から、まずは触れないことが大切ですし、消毒等も行う必要があります。
■台風一過の武蔵小杉新駅ロータリー
一晩明けて、水が引けた武蔵小杉新駅前です。
泥がかなり残っていますが、これも衛生上のリスクがありますので、触らないほうがよいでしょう。
■水位のあと
道端の植栽を見ると、泥水の水位の跡がのこっていました。
大人の膝丈くらいまではありそうです。
■下沼部地区の汚泥
冠水は、向河原駅から多摩川寄りの下沼部や、上丸子山王町などでも発生していました。
こちらは水が引いた後の泥がまだそのまま残り、歩きにくい状態でした。
■武蔵小杉新駅入口の冠水
さて、武蔵小杉新駅ですが、冒頭に申し上げた通り、台風により設備故障が発生し、本日は終日通過となりました。
入口に掲示されたお知らせでは、改札口も冠水していることがわかります。
武蔵小杉駅は設備の復旧まで「通過」になるということですから、明日以降もどうなるかはわかりません。
■南武線をくぐる人道地下通路
一方、南武線の下をくぐる人道地下通路も、ご覧の通り完全に水没していました。
これでは通過できません。
復旧作業も行っていましたが、本日時点では冠水は解消されず、明日も通行止めが続くようです。
■復旧作業に必要なマスク(コスギコモンズクリニック提供)
なお、乾いた泥が大気中を舞う現場での復旧作業には、マスクの着用が大切です。
パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン タワーズウエスト1階の「コスギコモンズクリニック」によると、口腔内に不衛生な土が入ることにより、「災害後肺炎」を引き起こすことが、災害関連死亡の原因として一番多いということです。
そんな中、「コスギコモンズクリニック」では、マスク5,000枚の無償配布を行っています。
■コスギコモンズクリニック
10月14日(月)9:00~12:00は開院(外傷のみ対応)しているということですので、復旧作業等を予定されている方はコスギコモンズクリニックで配布を受けるなりドラッグストア等で購入するなどして、マスクをご活用ください。
■13日(日)の多摩川
本日は多摩川の水位は下がり、今後河川敷の施設等も徐々に復旧していくことと思います。
多摩川の越水や二子玉川での氾濫等の事象を武蔵小杉の冠水と結び付けて「多摩川氾濫で武蔵小杉が浸水」誤解される方も多かったようですが、武蔵小杉の冠水は多摩川の川崎側が氾濫したわけではありません。
ただ、一方で衛生面での配慮が必要であることも確かですので、正しい認識をもって復旧にあたりたいところです。
【関連リンク】
・川崎市ウェブサイト 水害時の衛生対策と消毒方法について
・コスギコモンズクリニック ウェブサイト
(台風関連)
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(倒木・伐採関連)
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